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起業は何から始める?業種の選び方と必要な費用をAI活用の手順つきで解説

起業は何から始める?業種の選び方と必要な費用をAI活用の手順つきで解説

「起業したい」と思っても、多くの方が最初に止まるのは手続きではありません。
何をやるかが決まっていない ことと、いくら必要かが見えない ことです。

このページは、その2つに答えるところから始めます。
業種とアイデアの決め方、 形態ごとにかかる実費、そしてChatGPTなどのAIを使って準備を短縮する具体的な手順。 手続きの詳細はそれぞれの解説記事に用意してあるので、必要なところへ進んでください。

本記事は起業コンサルタントで税理士・特定社会保険労務士・行政書士の中野裕哲が監修しています。

記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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起業とは?1分でわかる全体像

起業とは、自分の責任で新しく事業を始めることです。

個人事業主として始めても、会社をつくって始めても、フランチャイズに加盟しても、すでにある事業を買い取って始めても、どれも起業に含まれます。

つまり起業は特定の手続きの名前ではなく、事業を始めるという行為そのものを指す言葉です。

起業・創業・開業・独立・会社設立の違いを女性ナビゲーターが解説している図

だからこそ、手続きの名前を先に覚えても準備は進みません。

実際に動き出すときにまず決まるのは、何の事業をやるかと、いくらかかるかの2つです。
まずは言葉の整理と、いまの起業のおおまかな水準を1分で押さえておきましょう。

起業・創業・開業・独立・スタートアップ・ベンチャーの違い

どれも新しく事業を始める場面で使われますが、強調している部分が違います。

法律で区別が決まっているわけではなく、使われ方の違いです。

ただし申請書類や補助金の要件では創業や開業という言い方が指定されることがあるため、募集要項に書かれた言葉に合わせて読み替えてください。

用語 意味 特徴 具体例
起業 新しく事業を始めること全般。手続きの種類や事業の規模を問わない。 ・個人でも法人でも、これから始める行為全体を指す
・始める側の視点で語られることが多い
医療業界で起業した
創業 事業や会社を新しく立ち上げること。特に歴史や規模を意識する場合に使われる。 ・歴史や伝統を感じさせるニュアンスが強い
・長期的な視点で語られることが多い
創業50周年を迎えた老舗企業
開業 店舗や事務所、診療所などを開設し、営業を開始すること。 ・実店舗やサービス業で多く使われる
・店舗の設置や営業開始を伴うニュアンスが強い
飲食店を開業した
独立 勤めていた会社を辞め、自分の事業として仕事を続けること。 ・勤務からの切り替えという文脈で使われる
・同じ職種を自分の看板で続ける場合に多い
美容師として独立した
スタートアップ 革新的なアイデアや技術を活用し、高い成長を目指す新興企業。 ・IT・テクノロジー分野が多く、初期はリスクが高い
・資金調達やスケールを重視
AI技術を活用したスタートアップが注目を集めている
ベンチャー 新しいアイデアや技術で成長を目指す企業。ある程度成長した企業も含む。 ・スタートアップより成熟している場合もある
・イノベーションを重視する企業文化
急成長中のベンチャー企業に転職した

いま日本ではどれくらい事業が生まれているか

中小企業庁の2026年版中小企業白書(第1-1-38図)によると、2024年度の開業率は3.8%、廃業率は3.7%でした。

厚生労働省の雇用保険事業年報をもとに中小企業庁が算出した数値です。
出典:中小企業庁|2026年版中小企業白書 第1-1-38図

この数値は雇用保険に入っている事業所、つまり人を雇っている事業所の新規成立と消滅の件数から計算されているため、従業員を雇わず一人で始めた事業の多くは数に入っていません。

開業率と廃業率がほぼ同じ水準で並んでいるという事実だけを、目安として受け取っておけば十分です。

ここまでが全体像です。いま起業のどの段階でつまずいているかを次の章で確認して、あなたに必要な記事へ進みましょう。

起業を考える方へ|今どこでつまずいていますか?

起業の準備でつまずく場所は、だいたい4つに分かれます。

当てはまるところから読んでください。全部を順番に読む必要はありません。

起業を考えている方が、どこで躓いているのかを4つの選択肢で導く図
いまの状態 進む先
何をやるか決まっていない 何で起業するか
どの形態で始めるか迷っている 個人事業主・法人・フランチャイズ・M&Aの選び方
お金が足りるか不安 起業にいくらかかるか
準備の時間がない AIで起業準備を効率化する

自分に向いているかどうかで迷っている方は、先に起業に必要な知識とスキル13選で必要な力を確認してから、上の表に戻ってきてください。

何で起業するか

起業で最初に決めるのは、手続きの順番ではなく事業の中身です。

何を売り誰に買ってもらうかが決まらないかぎり、開業届の事業の概要欄も、資金計画の売上見込みも書けません。

ここでは、アイデアが何もない状態から始める入口、業種を選ぶときの3つの判断軸、思いついた案を小さく試して確かめる手順の順に整理します。

あわせて、発想が止まったときに使える枠組みと、自分は向いていないと感じたときの補い方も添えます。革新的な発想がなくても始められる、という前提から入ります。

アイディアの探し方を「経験」「困りごと」「改善」の観点から見つければ良いと女性ナビゲーターがアドバイスする図

アイデアがない状態から始める3つの入口

起業のアイデアは、思いつくものではなく探し当てるものだと考えると気が楽になります。

ゼロから新しいものを生み出す必要はなく、iPhoneが携帯電話音楽プレーヤーインターネット端末という既存の3つを1台にまとめて生まれたように、すでにあるものの組み合わせから始めるほうが現実的です。

誰もやったことのない事業は成功したときの影響が大きい反面、市場の動きも収益の見込みも読みにくく、途中で行き詰まりやすい面があります。入口は次の3つです。

入口①:自分の経験から探す

これまでの仕事で覚えた技術、続けてきた趣味、資格や免許、社内で頼られていた役割を書き出します。

前職で毎月やっていた業務は、外から見れば専門サービスとして売れることがあります。

経験から入る利点は、初期の顧客に前職の取引先や同業の知り合いが含まれやすく、集客の負担が軽くなる点です。

まずは職務経歴書を開いて、自分がやってきたことを作業単位まで分解してみてください。

入口②:困りごとから探す

自分や身近な人が、お金を払ってでも解決したいと思っている不便を集めます。

日常で不便を感じた瞬間をメモに残し、1か月ためてから読み返すと、繰り返し出てくる不満が見えてきます。

ここで大切なのは、その困りごとに対して現在いくら払われているかを確認することです。

誰も何にもお金を払っていない不便は、共感されても事業になりにくい傾向があります。

入口③:既にある仕事の改善から探す

世の中にある商品やサービスを見て、もっと早く、もっと分かりやすく、もっと近所で提供できないかを考えます。

同じ業種でも、対象を絞る、提供方法を変える、価格の考え方を変えるだけで別の事業になります。

競合が多い分野はニーズが確認済みという意味でもあるため、後発でも入る余地は残っています。既にある市場のどこを削り、どこを厚くするかという発想で見ていきましょう。

3つの入口を試しても案がまとまらない場合や、事例をもっと見たい場合は、起業アイデアの見つけ方から収益化までに具体例を集めています。

手が止まったときに使う2つの発想法

3つの入口をたどっても案が出てこないときは、先人が使ってきた発想の枠組みを借りると進みます。

ここではマンダラートと、SCAMPER法・逆転発想法の2つを取り上げます。

どちらも紙とペンだけで試せますので、思いつくのを待たずに手を動かしてみてください。

マンダラートで連想を81マスまで広げる

マンダラートは3×3の9マスを使い、中央にテーマ(例:起業、好きなこと)を書き、周囲の8マスに関連する言葉を連想ゲームのように埋めていく方法です。

埋まった8つをそれぞれ新しい3×3の中央に置いて広げると、全体で81マスになります。

マンダラートのイメージと具体的な例を表した図

視覚的に思考を整理でき、意外な組み合わせが見つかりやすくなります。

大谷翔平選手が高校1年のときに、目標を81マスに分けたシートを作ったことでも知られています。

埋める言葉は思いつきで構いませんので、9マスだけでも先に埋めてみてください。

SCAMPER法と逆転発想法で前提を疑う

SCAMPER(スキャンパー)法は、既存のアイデアや商品を7つの視点から変化させて、新しい価値を生み出す方法です。

頭文字 項目 日本語 問いかけ(例)
S Substitute 代用する 他のものに代えられないか?
C Combine 組み合わせる 他のものと組み合わせられないか?
A Adapt 適応させる 他のアイデアを応用できないか?
M Modify 修正する 形や性質を変えられないか?
P Put to other uses 他の用途 別の使い道はないか?
E Eliminate 削除する 無駄を省けないか?
R Reverse / Rearrange 逆転・再構成 逆にしたり、並べ替えたりできないか?

逆転発想法は、高いと売れないという常識を、高いからこそ価値があると考え直すように、前提をあえてひっくり返して考える手法です。

競合が気づいていない小さな市場を見つけるきっかけになります。これらは手書きでも進められますが、生成AIに枠組みごと実行させる方法もあります。AIの使い方は「AIで起業準備を効率化する」で解説します。

起業の利点と自分で担うことになる負担

起業して得られるものと、会社員のうちは考えなくてよかった負担を並べて見ておくと、判断がしやすくなります。

決められる範囲が広がる成果が収入に返ってくる働く時間と場所を選べるといった点が主な利点です。

一方で収入が安定しない時期がある、社会保険や税の手続きを自分で担う、休みが取りにくいといった負担も同時に来ます。

どちらの重さも選ぶ業種で変わりますので、起業のメリット・デメリットをもっと詳しくで両方を書き出したうえで、負担のほうを誰かに任せられないかを考えてから業種選びに進んでください。

向いている業種の選び方

業種選びは、儲かりそうかどうかの一点で決めると判断がぶれます。

初期費用の小ささ需要の確かさ自分の経験との距離という3つの軸で見ると、候補を比べやすくなります。

3つすべてが満点の業種はほとんどありませんので、どれを取ってどれを諦めるかを自分で決めるための軸として使ってください。なお具体的な金額の目安は「起業にいくらかかるか」で扱います。

選び方①:初期費用の小ささ

店舗や設備、在庫が必要な業種ほど、始める前に必要なお金が増えます。

自宅やオンラインで完結する業種、仕入れを持たない業種は、手元の資金が少なくても始めやすく、思っていた需要と違ったときに軌道修正しやすいのが利点です。

逆に初期費用が大きい業種は、開業までの準備期間も長くなりやすく、その間の生活費も見込んでおく必要があります。

選び方②:需要の確かさ

すでにお金が動いている市場かどうかを確かめます。

同じサービスを提供している事業者が近隣に何社あるか、検索したときに広告が出ているか、価格の相場が公開されているかを見ると、需要の有無はある程度つかめます。

競合がまったくいない分野は、独占できる可能性と、単に需要がない可能性の両方がありますので、なぜ誰もやっていないのかを先に調べておきましょう。

選び方③:自分の経験との距離

未経験の業種は、覚えることが多いぶん、売上が立つまでの時間が長くなりがちです。

経験のある領域なら、品質の水準も適正な価格も体で分かっているため、最初のつまずきが減ります。

どうしても未経験の分野に挑みたい場合は、その業界で数か月働いてみる、経験者を仲間に入れる、まず副業的に小さく受注してみるといった形で、距離を縮めてから本格的に始める方法があります。

3軸で候補を絞ったら、実際にどんな業種があるかを一覧で見比べてください。初心者向け起業おすすめ業種・職種一覧24選に、それぞれの特徴を整理しています。

起業には向いていないと感じたときの補い方

向いているかどうかで足が止まる方は多いのですが、よく挙がる特徴に当てはまらないことは、起業をやめる理由にはなりません。多くは、仕組みか人で補える弱みだからです。

気になる傾向 補い方
行動する前に考え込んでしまう 期限を先に決める。今月中に1人に話す、来週までに1枚の紙にまとめる、といった小さな締め切りを置く
始める前にできない理由から考えてしまう できない理由を弱点の一覧として書き出し、対策とセットにする。慎重さは資金計画では強みになる
一人だとモチベーションが続かない 進捗を報告する相手を作る。家族、同じ時期に起業した人、支援機関の担当者など、月1回話す相手を決める
人に頼るのが苦手で抱え込みやすい 苦手な業務を外に出す前提で考える。経理や手続きは専門家に任せる選択肢があります(「誰に相談するか」で扱います)
慎重さはお金の面で強みになり、仕組みが人が補う事が出来るとアドバイスする4コマ漫画

起業の利点と自分で担うことになる負担

起業して得られるものと、会社員のうちは考えなくてよかった負担を並べて見ておくと、判断がしやすくなります。

決められる範囲が広がる、成果が収入に返ってくる、働く時間と場所を選べるといった点が主な利点です。

一方で収入が安定しない時期がある、社会保険や税の手続きを自分で担う、休みが取りにくいといった負担も同時に来ます。

両方を書き出したうえで、負担のほうを誰かに任せられないかを考えるのが現実的な進め方です。

起業のメリット・デメリットをもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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アイデアを検証する方法

アイデアが固まったら、事業計画を作り込む前に、小さく試して反応を見ます。

頭の中で完璧にしてから始めると、思い込みのまま時間とお金を使ってしまうためです。

ここでは、事業計画を作り込む前の段階から進められる4つの手順を紹介します。いずれも数週間で回せる範囲に収めるのがコツです。

手順①:一言で説明できる形にする

誰の、どんな困りごとを、いくらで、どう解決するのかを1文にまとめます。

書けない部分があれば、そこがまだ決まっていない部分です。

この1文は後の検証すべての土台になりますので、迷ったら対象を狭めるほうがうまくいきます。

手順③:見込み客10人に話を聞く

想定している顧客に近い人に、実際に困っているか、今はどう対処しているか、いくらまでなら払うかを聞きます。

感想を求めると人は褒めてくれますので、今どうしているかという事実を中心に聞くのがポイントです。

10人中1人も現状に不満を持っていなければ、対象か困りごとのどちらかを見直します。

手順③:完成前に売ってみる

サービスなら1件だけ受注してみる、商品なら試作品を少量作って知人以外に売ってみます。

無料で配ると本音が見えないため、少額でも代金を受け取る形にしてください。

お金を払う判断をした人がいるかどうかが、需要があるかどうかの最も分かりやすい手がかりになります。

ただし、飲食店や古物商、人材紹介のように許可や登録が必要な業種は、許可が下りる前に代金を受け取って営業することができません。

自分がやろうとしている事業に許認可が要るかどうかを先に調べ、要る場合は無償のモニターや聞き取りだけに留めてください。

勤めながら試す場合は、勤務先の就業規則もあわせて確認しておくと安心です。

手順④:反応を数字で残す

問い合わせが何件来たか、そのうち何件が成約したか、いくらで売れたかを記録します。

感覚ではなく数字で残しておくと、事業計画や資金調達の相談をするときにそのまま使えます。

反応が弱かった場合も、どこで止まったかが分かれば、対象を変えるのか価格を変えるのかの判断ができます。

4つの手順を回した結果、うまくいかなくても失敗ではありません。

本格的に始める前に思い込みを一つ減らせたということですので、対象か提供方法を変えて、もう一度小さく試してみてください。

ここで得た数字と手応えが、次の章から具体的にする費用の見積もりや事業の形の選択に直結します。

個人事業主・法人・フランチャイズ・M&Aの選び方

迷ったときは、まず個人事業主として始めて、利益が安定してきた段階で法人化を検討する順序が一般的です。

ただし取引先が法人との契約しか受け付けない場合や、創業時から出資を受けたい場合は、最初から法人を選ぶケースが多くなります。

ここでは4つの形態を、どんな人に向くかという判断軸だけで比較します。それぞれの手続きや詳しい中身は、各形態の解説記事で扱っています。

個人事業主と法人の決め方を4つのポイントで女性ナビゲーターがアドバイスする図

4つの形態を一覧で比べる

事業の中身が同じでも、選ぶ形態によって手続きの重さと信用の得やすさが変わります。まずは全体像を押さえてください。

種類 向いているのはこんな人 つまずきやすい点
個人事業主 ひとりで小さく試したい/事業内容がまだ動く可能性がある/手続きに時間をかけたくない 法人と比べて社会的信用を得にくく、取引先や融資で法人格を求められる場面がある
法人設立(会社設立) 取引先が法人としか契約しない業界にいる/創業時から出資を受けたい/決算期を自社で決めたい 設立の手続きに手間と費用がかかり(実費は起業にいくらかかるかで解説)、会計処理も複雑になりやすい
フランチャイズ 業種の経験がない/商品や運営のやり方を用意してもらいたい 本部の方針に沿った運営が求められ自由度が低く、ロイヤリティの負担が続く
M&A 立ち上げ期間を短くしたい/実績のある事業から始めたい 買収の資金が必要で、従業員や取引先が離れるリスクもある

個人事業主で始めるか最初から法人にするか

分かれ目は税金より先に、取引の相手と資金の集め方にあります。

取引先が法人としか契約しない業界か、創業時から出資や大型の融資を受けたいなら、最初から法人を選ぶ判断になりやすいところです。

反対に、ひとりで小さく試したい、事業の内容がまだ動く可能性があるという段階なら、個人事業主で始めて様子を見る選び方が現実的です。

法人には設立の実費がかかります。金額はの起業にいくらかかるかにまとめているので併せてご覧ください。

なお、利益がどのくらいになったら法人化すべきかは、事業の中身や役員報酬の設計、社会保険の負担によって変わり、一律の目安で決められるものではありません。

目安の考え方と手順は個人事業主が法人化するタイミングにまとめています。

判断が要るところですので、専門家に一度あててみてください。

当サイトはGMOインターネットグループのGMOオフィスサポート株式会社が運営しており、同社が提携する税理士に無料で相談できます。

自分で立ち上げるか仕組みごと引き継ぐか

ここまでは自分でゼロから作る前提で見てきましたが、既にある仕組みを借りたり買ったりして始める道もあります。

時間を買う選択だと考えると分かりやすく、立ち上げの速さと引き換えに、自由度か資金のどちらかを差し出す形になります。

手元にあるのが時間なのか資金なのかで、選ぶ側が決まります。

フランチャイズが差し出すのは自由度

フランチャイズの仕組み

フランチャイズは、商品も価格も本部の決めたものを使います。

売れ行きを見て品揃えを変える、値段を下げて客を呼ぶといった判断は基本的にできません。

ロイヤリティの負担も営業を続けるかぎり続きますし、契約期間の途中でやめる場合に違約金が定められていることもあります。

加盟を候補に入れている方は、加盟金とロイヤリティの内訳、契約期間、解約条項の3つを先に確認してください。

契約の見方と本部の選び方はフランチャイズの仕組みと選び方にまとめています.

M&Aが差し出すのは資金

M&Aは、買収の代金という形で先にまとまった資金が要ります。

さらに買ったあとも、引き継いだ従業員や取引先が離れないよう、時間をかけて関係を作り直す必要があります。

事業も顧客も既にある状態から始められる代わりに、前の経営者のやり方を引き継ぐ期間が要ると考えてください。

なおM&Aは扱う金額も相手も個別性が高いため、当マガジンでは記事を設けていません。検討する段階になったら、仲介会社や税理士に個別にご相談ください。

どの形態でも共通して覚悟しておくこと

形態を問わず、経営の責任は自分が負います。

事業が軌道に乗るまでは収入が不安定になりやすく、住宅ローンやクレジットカードの審査で会社員時代より慎重に見られることもあります。

ここは形態選びで消せるものではありませんので、生活費の見通しを立てたうえで踏み出す準備をしておくと安心です。

起業にいくらかかるか

結論から書きます。個人事業主なら手続きの費用は0円 です。 

法人をつくる場合は、実費だけで合同会社が約6万円から、株式会社が約16万5,000円から かかります。

ここでいう実費は国や公証役場に払うお金で、専門家に依頼する報酬は別です。

個人事業主と法人でお金がどこにかかるのが、結論として運転資金を見るべきであることを女性ナビゲーターがアドバイスする図
形態 登録免許税 定款認証 印紙税 実費の目安
個人事業主 なし なし なし 0円
合同会社(電子定款) 6万円から 不要 課税されない 6万円から
株式会社(電子定款) 15万円から 1万5,000円〜5万円 課税されない 16万5,000円から

表の見方を3つだけ補います。

登録免許税は資本金の0.7%が本則

6万円・15万円はその最低額です。資本金が大きいと0.7%のほうが上回るので、上限のように読まないでください。

なお、国の認定を受けた市区町村の特定創業支援等事業による支援を受けて証明書の交付を受けると、この登録免許税が2分の1に軽減されます(株式会社は最低7万5,000円、合同会社は最低3万円)。

証明書を発行した市区町村内に本店を置くことが条件で、支援の内容も要件も自治体ごとに違います。本店を置く予定の市区町村の窓口でご確認ください。

出典:国税庁|No.7191登録免許税の税額表
出典:国税庁|No.7140印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

定款認証は株式会社だけに必要

手数料は資本金の額で3段階です。

  • 100万円未満が3万円
  • 100万円以上300万円未満が4万円
  • 300万円以上が5万円

合同会社は認証そのものが不要です。

このうち資本金100万円未満の場合にかぎり、次の3つをすべて満たすと1万5,000円になります。

発起人の全員が個人で3人以下であること、定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨があること、定款に取締役会を置く旨がないこと。

資本金が100万円以上のときは、3つを満たしても1万5,000円にはなりません。

出典:日本公証人連合会|会社の定款手数料の改定

電子定款なら印紙税はかからない

紙の定款には印紙税4万円がかかりますが、電子定款ではかかりません。

安くなる特例があるからではなく、印紙税法上、電磁的記録は文書に当たらないため課税されない、というのが理由です。

国税庁の一覧表でも、4万円がかかるのは会社の設立時に作成する定款の原本だと限定されています。

つまり紙で作れば1枚目に4万円が乗り、電子で作れば乗りません。

ここが個人事業主との差がいちばん開くところなので、法人で始める方は電子定款に対応している専門家かサービスを使うかどうかを、見積もりの段階で確認しておくと無駄が出ません。

出典:中小企業庁|会社設立時の登録免許税の軽減について

実費より先に半年分の運転資金を見る

ここまでは手続きにかかる実費を並べてきましたが、実際に相談の現場で問題になるのは別のところです。

設立費用より先に確認してほしい点をひとことお伝えします。

設立の実費は調べればわかる数字ですが、実際にご相談を受けていて多いのは 「実費より先に、毎月いくら出ていくかを見ていなかった」というつまずきです。

設立費用を抑えることよりも、開業してから半年分の運転資金を確保できているかを先に確認してください。

設立の実費とは別に、事業を始めるための資金が要ります。

手元のお金が足りない場合の集め方は このあとの「お金の集め方」で扱います。

まったくお金をかけずに始める方法は 0円起業アイデア23選にまとめてあります。
法人設立の手続きそのものは 会社設立のやり方と流れをご覧ください。

AIで起業準備を効率化する

起業の準備は、調べる、比べる、書く、確かめるの繰り返しです。

この章では、その各段階でそのままコピーして使えるプロンプトを添えました。

AIに前提を書いてから聞くと、一般論ではなく自分向けの答えが返ります。

AIに起業の相談をする際は、経験と使える時間を最初に伝えるべきだとアドバイスする4コマ漫画

起業する理由を明確にする

どうして起業したいのか理由を明確にするために、ChatGPTやGeminiなどAIを活用し、自己理解を深めることがおすすめです。

たとえば、AIを活用した性格診断やビジョンマップ作成ツールを使って、自分が何に価値を感じるのか、どのような課題解決に興味があるのかを可視化することで、起業の動機をより明確にできます。

さらに、AIを使って同じような理由で起業した事例や成功体験をリサーチし、モチベーションを高める材料にするのも効果的です。

そのまま使えるプロンプト


あなたはキャリアの相談に乗る専門家です。
私は起業を考えていますが、なぜやりたいのかを自分でも言葉にできていません。次の3つに答えるので、そこから私の動機を3つの候補に整理してください。
・いまの仕事で嫌だと感じること:〔ここに書く〕
・時間を忘れて取り組めること:〔ここに書く〕
・5年後にどうなっていたいか:〔ここに書く〕
3つの候補それぞれについて「その動機だとどんな事業が向くか」も1行ずつ添えてください。

起業のアイデアをまとめる

もし起業のアイデアが思いつかなかったり、考えがまとまらない場合は、ChatGPTやGeminiなどの生成AIに市場のトレンドや競合情報を分析させ、アイデアを深めたり、自動で提案させていくやり方もおすすめです。

自分のアイデアの可能性を評価してもらうことも有益でしょう。

また、AIを使って関連キーワードをリサーチし、トレンドの把握やニッチな市場を見つけるためのインサイトを得ることで、より現実的で実行可能なアイデアをまとめることができます。

従来のマインドマップなどの手法に加え、生成AIを活用することで、より効率的で質の高いアイデアの創出が可能となるのです。

起業の窓口」では、AIインフルエンサーの茶圓氏とコラボをおこない、AIを活用してビジネスの効率化を図るための貴重な知識を提供しています。

特集ページ「AI×起業」では、最新のAI技術やツールを使った実践的なアプローチを紹介しており、起業家個人事業主の業務をよりスマートにサポートします。

AIの力で業務の負担を軽減し、ビジネスの成長を加速させたい方に最適な情報が満載です。ぜひご覧ください。

起業アイデアの詳しい見つけ方やは、こちらの記事で詳しく解説しています。

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そのまま使えるプロンプト


あなたは起業支援の専門家です。
私はこれから起業を考えている会社員です。
次の3つを踏まえて、私に向いている事業のアイデアを5つ挙げてください。

・いまの仕事で身につけたこと:〔ここに書く〕
・使える時間とお金:〔ここに書く〕
・やりたくないこと:〔ここに書く〕

それぞれについて「必要な初期費用の目安」「最初の顧客をどこで見つけるか」「3か月でどこまで進められるか」を書いてください。
数字は目安であることを明記してください。

答えが返ってきたら、そのまま次を続けてください。

そのまま使えるプロンプト


挙げてもらった5つのうち、初期費用が最も小さいものを1つ選んでください。
そのうえで、私が最初の1週間で実際にやるべきことを、日ごとに分けて書いてください。

起業する形態・手段を比べる

AIを使って、法人化(株式会社、合同会社など)や個人事業主のどちらが適しているかをシミュレーションしましょう。

それぞれのメリットとデメリットを列挙してもらうこともおすすめです。

また、AIを使って地域や業種ごとの規制や助成金の情報を集め、最も適した形態を見つけるのに役立てましょう。

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法人として事業を始めるか迷う場合は、法人化のメリット・手順を確認し、個人事業主との違いを比較しておきましょう。

まずは小さく始めたい場合は、個人事業主として開業するメリット・デメリットも確認しておくと判断しやすくなります。

そのまま使えるプロンプト


私は〔業種〕で起業しようとしています。
個人事業主で始める場合と法人をつくる場合を、次の5つの観点で比べた表を作ってください。

・始めるまでの手間
・かかる実費
・取引先からの見え方
・やめるときの手間
・事務作業の量

金額や税額は目安として書き、断定はしないでください。
最後に「私の場合はどちらから始めるのが現実的か」を1段落で書いてください。

税額や有利不利の判断は、AIの答えだけで決めないでください。

事業の内容と個々の事情で結論が変わる論点は、誰に相談するかで紹介している窓口や専門家に、AIの答えを持っていったうえでご確認ください。

事業計画書を作成する

AIに市場データや競合情報を収集させ、事業計画書の市場分析部分を効率的に作成しましょう。さらに、売上予測や資金計画などの財務計画も、AIを使ったシミュレーションで精度を高めることが可能です。

また、テンプレートベースのAIツールを活用して、事業計画書のフォーマットや文章構成を自動生成し、書類作成の負担を軽減することができます。

起業の窓口」の特集ページ「AI×起業」では、AIを活用して事業計画書を簡単に作成する方法を紹介!

詳しくは「【できるのか?】ChatGPTを使ってたった1時間で事業計画書を書くアラフォー起業家。《小説「AI起業」シリーズ#01》」をご覧ください。

そのまま使えるプロンプト


あなたは創業融資の審査を見てきた立場の専門家です。
私の事業計画のたたき台を読んで、審査で突っ込まれそうな点を5つ挙げてください。

〔ここに事業の概要・想定顧客・売上の見込み・必要な資金を書く〕

それぞれについて「なぜ突っ込まれるか」「どう直せばよいか」を1行ずつ書いてください。
私の計画を褒める必要はありません。

ヒト・モノ・カネの準備をする

AIを使ってリクルーティングツールを活用し、最適な人材を自動でマッチングしましょう。

さらに、AIを使った財務ツールを用いて、資金調達の計画を立てたり、クラウドファンディングや補助金申請のための最適なタイミングを見極めたりすることが可能です。

仕入れ先の選定や設備の準備についても、AIが市場の最安値や信頼性の高いサプライヤーを自動的にリストアップしてくれます。

そのまま使えるプロンプト


私は〔業種〕を〔開業予定時期〕に始めます。
開業から半年間のお金の出入りを月ごとに並べた表を作ってください。

・最初に必要な設備や仕入れ:〔ここに書く〕
・毎月かかる固定費:〔ここに書く〕
・売上が立ち始めるまでの見込み期間:〔ここに書く〕

最後に「手元にいくら残しておくべきか」を1文で書いてください。
金額は目安であることを明記してください。

開業の手続きをする

起業手続きに必要な書類作成や申請の準備をするとき、AIが必要な書類や手続きをリストアップし、提出期限を管理することができます。

また、AIを使った法務支援ツールを活用すれば、契約書のチェックや登記に必要な情報の整理を自動化することも効果的です。

そのまま使えるプロンプト


私は〔個人事業主/法人〕として〔開業予定日〕に事業を始めます。
提出が必要な書類を、提出先ごとに一覧にしてください。

各書類について「いつまでに出すか」「出さないとどうなるか」を添えてください。

**期限は必ず出典(官公庁のページ名)を示してください。
**出典を示せないものは「要確認」と書いてください。

AIが返した一覧を、そのまま提出計画にしないでください。

書類の名前と提出先は拾えますが、提出期限は法改正で動くため、古い期限が混ざることがあります。

開業届と青色申告承認申請書の期限は起業の手順7ステップ早見表の下に出典つきでまとめています。

AIの一覧はそちらと突き合わせて、抜けている書類がないかを確かめる用途にとどめてください。

事業をスタートして顧客を獲得する

AIを活用して、初期の顧客獲得を効率的に進めましょう。

たとえば、メール配信やSNS広告の最適化をAIが行い、ターゲット層に対する効果的なアプローチを自動で実施します。

また、AIを活用したカスタマーサポートツールを導入して、24時間の顧客対応体制を整えることで、顧客満足度を高め、リピーターを増やすことができます。

そのまま使えるプロンプト


私は〔業種〕を始めたばかりで、まだお客さまがいません。
広告費をかけずに最初の10人を集める方法を、実行の順番つきで5つ挙げてください。

・私が使えるSNSや人のつながり:〔ここに書く〕
・1週間に使える時間:〔ここに書く〕

それぞれについて「初日にやること」を1行で書いてください。

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AIに相談する利点と使うときに気をつけること

また、起業時にAIに相談するメリットは次のような内容が挙げられます。

スピーディな情報提供

AIは膨大な情報から必要な内容を瞬時に探し出し、適切なアドバイスを提供できます。時間の制約がある中で、短時間で解決策やアイデアを得られるのは大きなメリットです。

24時間対応のサポート

AIは時間や場所に関係なく、いつでも対応可能です。夜中や週末でも相談できるため、忙しい起業家にとって便利なサポートツールです。

起業アイデアの発想支援

起業に関するアイデアを具体化する際、AIは多角的な質問を通じてアイデアを深める手助けができます。壁打ち相手として活用し、さまざまな視点から事業計画をブラッシュアップすることができます。

コストの低さ

専門家に相談する場合、費用がかかることがありますが、AIは基本的に無料で使えるため、コストを抑えた情報収集が可能です。特に起業初期の資金が限られている時には有効です。

幅広い知識へのアクセス

AIは法律や会計、マーケティングなど多様な分野に関する情報を提供できるため、さまざまな視点で問題解決に役立ちます。特に専門的な領域の基本知識を学ぶ際に役立ちます。

一方で、金額・制度・法律に関する答えは、AIが古い情報や誤った情報を返すことがあります。

答えを使う前に、官公庁のページで出典を確認してください。税額や許認可の可否のように、事業の内容と個々の事情で結論が変わることは、AIの答えを持ったうえで専門家にご相談ください。

このページで扱っている制度の数値は、2026年8月時点で官公庁のページを確認したものです。

起業の手順7ステップ早見表

ここまでで、何をやるか、いくらかかるか、どの形態で始めるかの3つが見えてきたら、あとはそれを手続きの順番に並べ替えるだけです。

起業の準備は大きく7つのステップに分かれますが、全部を一度に進める必要はありません。

いまの段階の行だけを見て、次に何をするかがひとつ決まれば十分です。

あわせて、順番どおり進めた方でも落としやすい2つの期限を章の最後に置きました。

7つのステップと期間の目安

順番に迷ったときはこの表に戻ってください。

各ステップの詳しい手順は、それぞれ担当の記事にまとめてあります。

期間の目安は、準備にかけられる時間や業種によって前後しますので、幅として受け取ってください。

前のステップが完璧に終わっていなくても、次に進みながら埋め戻して構いません。

# やること かかる期間の目安 詳しい解説
1 なぜ起業するのかを言葉にする 数日 起業したい人が最初にやるべきこと10選
2 何をやるかを決める 数週間 起業アイデアの見つけ方から収益化まで
3 個人事業主か法人かを決める 数日 起業の種類は?形態や事業内容
4 事業計画書をつくる 1〜2週間 事業計画書とは?書き方やテンプレート
5 お金と人と場所を用意する 1〜3か月 起業時に受けられる融資一覧
6 開業の手続きをする 1〜2週間 開業のやり方完全ガイド
7 事業を始めて最初のお客さまを取る 継続 起業・創業準備でやるべきこと

手続きで見落とされやすい期限

ステップ6の開業の手続きには、期限が違う書類が2つ混ざっています。

片方に間に合わせれば両方そろうと思われがちですが、別々に押さえないと片方だけ落ちます。

開業届と青色申告承認申請書の期限について女性ナビゲーターがアドバイスする図

個人事業の開業届は、2026年1月1日以後に事業を始めた場合、その事実があった日の属する年分の確定申告期限までに出せばよいことになっています(所得税法第229条)。
出典:e-GOV法令検索|第二百二十九条 開業等の届出

つまり、2025年12月31日までに始めた方は、従来どおり事実があった日から1か月以内が期限です。

一方で青色申告承認申請書の期限は変わっていません。
その年の3月15日まで、 1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内です。

つまり開業届は間に合っても、青色申告の申請を逃すとその年は白色申告になります。
開業日を決めたら、この2つの期限を先にカレンダーへ入れておくと安心です。

出典:国税庁|A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続
出典:国税庁|A1-8 所得税の青色申告承認申請手続
出典:国税庁|No.2090 新たに事業を始めたときの届出など

お金の集め方

起業のお金には、返さなくてよいお金(補助金・助成金)返すお金(融資)の2種類があります。

混同すると資金繰りの計画が崩れるので、先に分けて把握しておきましょう。

融資と補助金の違いを4つのポイントで簡潔に女性ナビゲーターが解説する図

返すお金(融資)

制度名 限度額 返済期間 対象
新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫) 7,200万円 設備資金20年以内/運転資金10年以内(いずれも据置期間5年以内) 新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方

創業期の方、つまりこれから事業を始める方と、事業開始後の税務申告をまだ2期終えていない方は、原則として無担保・無保証人で各種の融資制度を利用できます。

あわせて創業支援貸付利率特例制度を使うと、各種融資制度に定める利率から0.65%引き下げられます(雇用の拡大を図る場合は0.9%)。

ただし一部に対象外の融資制度があり、審査の結果、ご希望に沿えないこともあります。

なお、以前の名称で案内されている情報は、現行と条件が異なる場合があります。 制度名で調べるときは公庫の公式ページでご確認ください。

出典:日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金(中小企業経営力強化関連)
出典:日本政策金融公庫|事業資金 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】
出典:日本政策金融公庫|Q&A

返さなくてよいお金(補助金)

補助金は返済が要らないぶん、使える場面と対象が細かく決まっています。

起業まわりでまず候補になるのは小規模事業者持続化補助金で、通常枠と創業型の2つがあります。

通常枠の上限にある250万円は、基本の50万円にインボイス特例(+50万円)と賃金引上げ特例(+150万円)を両方上乗せした場合の金額です。

制度名 補助上限 補助率 対象
小規模事業者持続化補助金 通常枠 50万円(特例活用で最大250万円) 2/3 小規模事業者等(商業・サービス業は従業員5人以下ほか)
小規模事業者持続化補助金 創業型 200万円(特例の活用で最大250万円) 2/3 創業後1年以内の小規模事業者等(事業開始前でも対象)。特定創業支援等事業の支援を受けた日と開業日の両方が、受付締切日から過去1年の期間内にあること

創業型は市区町村の証明書が応募の前提

創業型は、産業競争力強化法にもとづく認定市区町村(または連携する認定連携創業支援等事業者)が実施する特定創業支援等事業の支援を受けていることが応募の前提です。

期限の取り方に注意が必要で、支援を受けた日と開業日(設立年月日)の両方が、受付締切日から過去1年の期間内に入っていることが要件になります。

第4回公募なら締切が2026年12月15日で、対象になるのは2025年12月15日から2026年12月15日までの1年です。

証明書は経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野について、市区町村が定める期間と回数の支援を受けたうえで交付されます。

受けようと思った時点で日数が足りないこともありますので、申請を考えたら先に市区町村の窓口へご確認ください。

採択審査があり支払いは後払い

補助金には採択審査があり、申請すれば必ず受け取れるものではありません。

また原則として後払いで、先に自分で支払ってから精算します。手元資金の計画に組み込んでおきましょう。

回次ごとに受付期間が区切られます。応募には商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)が必要で、この書類の受付締切は補助金本体の締切より早く設定されます。

交付までに時間がかかることもありますので、申請すると決めたら先に商工会・商工会議所へご相談ください。最新の受付期間は事務局サイトでご確認ください。

出典:中小企業庁「小規模事業者持続化補助金(創業型)について

補助金を当てにして資金計画を立てない

融資と補助金のどちらを先に考えるかで迷う方が多いのですが、順番は決まっています。

補助金は後払いなので、それを当てにして手元の資金計画を立てることはできません。

まず手元で回るかを確認し、足りない分を融資で埋め、補助金は後から取りに行くものと考えてください。

補助金の種類と申請の流れは 起業時の補助金・助成金ガイドに、 融資の選び方は 起業時に受けられる融資一覧に まとめてあります。

先に起業した人はどう決めたか

先に起業した人の話は、規模ではなく決め方を見てください。

売上や資金の大きさは、始めた時期や業界の条件に左右され、そのまま真似できるものではありません。

一方で判断の順番は、事業の大小にかかわらず自分の準備に重ねられます。

当サイトの起業家インタビューでは、事業を立ち上げた方ご本人に、決めた理由と最初の一歩をうかがっています。

業種も規模もさまざまなので、自分の状況に近い方を選んでください。

起業に成功した人がどの様に最初のお客様を見つけたのかアドバイスする4コマ漫画

読むときに探していただきたいのは、何を売ると決めた理由、最初のお客さまがどこから来たか、いくらで始めたかの3点です。

この順で追うと、思いついた段階から売上が立つまでに何を決めていったのかが一本の線でつながります。

逆に、記事に書かれていない部分は、その方が悩まなかったところとはかぎりません。

取材の構成上そこまで触れていないだけのこともあります。書かれていないことを想像で埋めながら読まないでください。

何を売ると決めた理由をたどる

ひらめきそのものより、その人が何を見て決めたのかを探します。

前職で毎日のように聞いていた困りごと、客として不便に感じた経験、身近な人から繰り返し相談されたこと。

決め手は手元の観察にあることが多く、自分にも同じ材料がないかを確かめる手がかりになります。

読みながら、自分の職歴や生活のどこに同じ観察がたまっているかを書き出してみてください。

たとえばCafe&Bar Palette 山崎琴乃さんのインタビューでは、3つの読み取り方がひととおり追えます。

秋葉原のメイド喫茶で働いた経験と、退職後に自分で企画したイベントでファンと再び交流できたことが出発点で、その反応が想像以上に良かったことから、運営者としてやっていけるかもしれないと考えるようになった経緯が語られています。

事業の中身の決め方は何で起業するかで扱っています。

最初のお客さまをどこから連れてきたか

開業した初日から人が集まるとはかぎりません。

出どころは、開業前からのつながり、紹介、検索、SNSのどれかであることが多く、取材記事でもそこが具体的に語られています。

最初の数件がどこから来たのかを確認すると、自分はどのつながりに頼れるのか、どこは用意しておかないと空くのかが見えてきます。

先ほどの山崎さんは、看護師として働きながら開業の準備を進め、開業後の集客は、ファンを抱える友人に一日店長を頼むところから始めるつもりでした。

ただ内輪だけで終わらせないためにSNS運用とSEOを外注しており、実際に一番最初の一日店長を務めたのは、検索でお店を知って来た方だったと振り返っています。

見込んでいた手元のつながりと、外に向けて用意した検索の両方が、最初の数件を運んだことになります。

いくらで始めたかを読み取る

手元の資金だけで始めたのか、融資を利用したのか、始めてから何か月で回り始めたのか。金額そのものより、どこまでを自己資金でまかなう設計にしていたかを読み取ります。

同じ業種でも立地や設備の持ち方で必要額は変わりますので、他の方の数字をそのまま自分の見積もりに置き換えないでください。

山崎さんは開業資金を日本政策金融公庫に申し込んでおり、起業の知識がほとんどない状態から独学で学んで事業計画書を作り込んだ結果、最初の面談で満額の融資を得たと語られています。

ただし自己資金をいくら入れたかは記事に書かれていません。

読み取りたいのは金額そのものではなく、何をどの順番で決めて計画書に落としたのかという過程のほうです。

開業にかかる費用は起業にいくらかかるか、集め方はお金の集め方にまとめています。

起業を誰に相談するか

相談先は、相談したい内容によって決まります。

事業の方向や資金の話は無料で相談できる公的な窓口があり、税務や法務のように個別の事情で結論が変わる話題は有料の専門家が向いています。

まず無料の窓口で全体を整理し、判断が必要な論点だけを専門家に持ち込む順番だと、費用をかけすぎずに進められます。

何も決まっていないからこそ相談するべきだとアドバイスする4コマ漫画

相談したいことから相談先を決める

同じ起業の相談でも、迷っている中身が違えば適した相手も変わります。下の表で、いま抱えている問いに近い行から見てください。

相談したいこと 向いている相談先 費用の目安
何で起業するか決めきれない 起業のイベントやセミナー、先に起業した人の体験談 無料が中心
事業計画の中身を見てもらいたい よろず支援拠点、商工会議所・商工会 無料
資金の集め方を相談したい 日本政策金融公庫、よろず支援拠点、商工会議所・商工会 無料
手続きの段取りを整理したい 公的機関の手続き案内、AIチャットでの下調べ 無料
税務や法務の判断が必要 税理士などの専門家 相談は無料の窓口もあり、依頼すると有料
不安や迷いを聞いてほしい 家族や友人、同時期に起業した人 無料

いずれの窓口も、無料で相談できる範囲や対応できる内容、予約の要否は地域と時期で異なります。

費用の目安は2026年8月時点のもので、専門家派遣など一部に費用がかかる場合があります。

利用前に最寄りの窓口で確認してください。相談先ごとの特徴や使い分けは、起業に関する相談先の比較で詳しく紹介しています。

AIを使って準備を効率化する方法はAIで起業準備を効率化するで扱っています。

手続きそのものの順番は起業の手順7ステップ早見表で確認できます。

失敗の原因を先に知っておく

相談の質は、何を聞けるかで決まります。

売上が想定に届かない、固定費が重くなる、入金が遅れて手元の資金が細るといったつまずきは起業後に起こりやすいものなので、先に知っておくと、自分の計画のどこが弱いのかを具体的に相談できます。

原因と対策は起業に失敗する原因の記事にまとめていますので、相談の前に目を通しておくと話が早く進みます。

税務や法務は専門家に確認する

無料の窓口で答えが出ないのは、自分の場合はどうなるのかという段階に入ったときです。

税額の計算、登記が通るかどうか、その事業に許認可が要るかどうかは、事業の内容と個々の事情で結論が変わるため、一般論では決まりません。ここまで来たら専門家に確認してください。

当サイトでは会員登録(無料)の特典として、本記事の監修者が代表を務めるV-Spiritsの1時間の無料相談を、初回に限りご利用いただけます。

相談の前に、次の3点を手元にまとめておくと話が早く進みます。

  • 事業の内容と開始予定の時期
  • 想定している売上と主な経費
  • 個人事業と法人のどちらを考えているか

起業に関するよくある質問

起業にあたっては、疑問に感じることも多くあるのではないでしょうか。ここからはよくある質問と回答を紹介しますので、役立ててみてください。

会社員でも起業できる?

適切な手続きを取れば、会社員でも起業は可能です。

ただし、就業規則で副業が禁止されている場合は処分の対象となる可能性があるため、事前に確認しましょう。

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学生でも起業はできる?

学生でも起業は可能です。近年は少額の開業資金で済むIT関連の起業が学生の間で人気を集めています。

学生起業については下記で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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女性や主婦におすすめの起業は?

近年は、女性の起業も増えています。

どのようなジャンルが良いかチェックして、起業のイメージを膨らませましょう。

【女性全般におすすめの分野】

  • 美容サロン:ネイルやエステなどの美容サロンでは、女性ならではの共感力を活かして「もっと美しくなりたい」という顧客の気持ちに寄り添った仕事ができます。ただし、施術の資格が必要な場合もあるため、事前のリサーチが重要です。
  • ハンドメイド作家:アクセサリーや雑貨など、ハンドメイド系の作品は女性に人気が高いため、女性の好みを知り尽くした同性作家の方が高い評価を得やすいといわれています。身近な材料を使って自宅で始められるため、小規模な起業を考えている方にも最適です。

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【主婦におすすめの分野】

  • セミナー&教室:子育て経験が豊富なら子育てセミナー、料理が得意なら料理教室など、主婦の経験を活かした事業を始められます。自宅を使ったスモールビジネスから始められるのもポイントです。
  • 代行ビジネス:ハウスクリーニングや買い物代行なども、主婦で培った家事経験を活かせるジャンルです。主婦ならではの感性で顧客のニーズを掴み取りやすいでしょう。

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進む順番と立ち止まる場所のまとめ

ここまでの内容を、進む順番として整理します。

起業の準備は、何をやるかを決める、いくらかかるかを見積もる、どの形態で始めるかを選ぶ、この3つが先にきます。手続きの書類は、その3つが埋まってから取りかかっても間に合います。

順番に迷ったら起業の手順7ステップ早見表に戻ってください。

いまの状態 進む先
何をやるか決まっていない 何で起業するか
どの形態で始めるか迷っている 個人事業主・法人・フランチャイズ・M&Aの選び方
お金が足りるか不安 起業にいくらかかるか
準備の時間がない AIで起業準備を効率化する

立ち止まったほうがよいところは2つあります。1つはお金です。手元の資金で半年回るかを確かめないまま融資や補助金の話に進むと、計画が途中で崩れます。もう1つは、税や許認可のように自分の事情で結論が変わるところです。ここは調べて自分で決めきるより、事業の内容と数字を持って専門家に相談したほうが早く片づきます。

最後に、今日やることを1つだけ選んでください。

  • 事業の中身がまだ決まっていない方:何で起業するかの3つの入口から1つ選んで、思いつくことを紙に書き出す(手が止まったらAIで起業準備を効率化するのプロンプトを使う)
  • 中身が決まった方:起業にいくらかかるかの表で、自分の形態の実費を計算する
  • 金額まで見えた方:誰に相談するかの窓口に、相談の予定を入れる
  • 開業日を決めた方:開業届と青色申告承認申請書の期限をカレンダーに書き込む

1つ済めば、次に読む章は自然に決まります。

起業は1つずつ決めて行けば良いとアドバイスしている4コマ漫画

起業の窓口に登録して準備を進める

ここまでで進む方向が見えてきたら、次の一歩は、決めたことを紙かメモに書き出して手続きの順番に並べ替えることです。

何で起業するか、いくらかかるか、どの形態でいくか。この3つが埋まっていれば、あとは書類をそろえて口座を用意する作業に移れます。

まだ埋まっていない項目がある方も、材料を集めながら進められる入口を2つご用意しています。

会員登録して準備の材料をそろえる

会員登録(無料)をしていただくと、この記事の監修者である中野裕哲が代表を務めるV-Spirits監修のオリジナル冊子「起業家のための会社設立完全ガイド」を無料でお受け取りいただけます。

あわせて、初回に限り全国どこからでも受けられる1時間の無料相談もご利用いただけます。

何で起業するかまでは決まったけれど手続きの順番が読めない、という段階の方はここで一度、人に話してみるのが早いです。

登録後は、当サイトを運営するGMOオフィスサポートが属するGMOインターネットグループのサービスを中心に、準備段階で必要になるドメイン・レンタルサーバー・電子契約・バーチャルオフィスなどを特典付きでご紹介しています。どんな特典があるかは会員登録のご案内ページでご確認ください。

登記の前に申し込めば口座は最短即日で使える

法人口座は登記の完了を待ってから動き始めると、入金や支払いの開始が遅れがちです。

同じグループのGMOあおぞらネット銀行には、登記が完了する前に申し込める「法人口座予約申込」があります。設立の書類を準備している段階で申し込んでおくと、登記完了後に最短即日で口座を使い始められます。

申込はハンコレス・ペーパーレス・郵送レスで進められるので、来店も書類の郵送も要りません。

ただし口座開設後に、登録した法人住所宛てへ転送不要の簡易書留が届きます。この郵便物を受け取って初期設定をすることで利用開始になりますので、登記した住所で郵便を受け取れる状態にしておいてください(バーチャルオフィスを登記住所にしている場合も、受け取れることが条件です)。

なお申込は口座開設を保証するものではなく、審査があります。

会社の銀行口座(法人口座)はGMOあおぞらネット銀行がおすすめ!

出典:GMOあおぞらネット銀行

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※取引責任者さま(開設する口座におけるすべての取引の照会・操作・承認を行う権限が付与されたご担当者)と代表者さまが同一かつマイナンバーカード読取または自撮り動画(セルフィー)で本人確認の場合。審査の状況によりお時間がかかる場合がございます。あらかじめご了承ください。当社休業日にお申し込みいただいた場合は、当日の口座開設はできませんのであらかじめご了承くださいますようお願いいたします。

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  • ※本記事は、起業の窓口編集部が専門家の監修または独自調査(アンケート)に基づいて制作したものです。
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