バーチャルオフィスで口座開設はできる?ポイントや流れについて解説
この記事では、バーチャルオフィスで口座を開設する際のポイントや流れについて詳しく解説します。
- 【この記事のまとめ】
- バーチャルオフィスでも銀行口座の開設は可能ですが、すべての銀行が対応しているわけではなく、審査基準も銀行によって異なります。
- バーチャルオフィスでの口座開設は、実態確認が難しく、違法利用のリスクが高いため、審査が厳しくなりがちです。
- 口座開設をスムーズに進めるためには、事業内容の明確化や必要書類の準備、信頼性の高い金融機関の選定が重要です。
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バーチャルオフィスで口座開設はできる?
バーチャルオフィスでも銀行口座開設は可能です。近年は、バーチャルオフィスを利用する企業が増えており、多くの銀行がバーチャルオフィスでの口座開設に対応しています。
ただし、すべての銀行でバーチャルオフィスでの口座開設に対応しているわけではありません。また、口座開設の審査基準は銀行によって異なり、審査基準を満たしていない場合は口座開設ができない可能性があります。
バーチャルオフィスでの口座開設が難しい理由
一般的に、バーチャルオフィスでの口座開設は難しいと言われています。
具体的には、以下のようなことが理由として挙げられます。
- バーチャルオフィスの住所を悪用した違法な取引が多発していること
- 口座開設の際に本人確認及び事業目的の確認、実態把握など厳格に審査するよう金融庁から要請があったこと
近年、マネーロンダリングやテロ資金供与対策が強化されており、実態として反社会勢力や犯罪・詐欺集団などに悪用されてしまったケースも多く、関係当局から金融機関が厳しく指導されているのが実情です。
参考:犯罪収益移転防止法
特にバーチャルオフィスの場合、実際の事業所が存在しないため実態性の確認が難しく、悪用されるリスクが高いと判断される場合があるのです。
バーチャルオフィスで口座開設できる金融機関
一部の金融機関ではバーチャルオフィスを使用しても法人口座の開設が可能です。例えば、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行などがバーチャルオフィスでの口座開設を行っています。
バーチャルオフィスで口座開設するために注意するポイント
ここからは、バーチャルオフィスで口座開設するためのポイントを紹介します。
主に以下の5点です。
- 事業内容を明確にしておく
- 資本金を低くしすぎない
- 必要書類の準備を怠らない
- 事業実績を積んでおく
- 過去に犯罪等が行われた住所ではないか確認する
事業内容を明確にしておく
事業内容がはっきりしていないと、会社の実態を把握しづらく審査が厳しくなります。代表者が金融機関に対して事業内容を簡潔にわかりやすく説明できることが求められます。
事業内容が不明瞭だと、金融機関から口座を不正利用するつもりなのではと疑われてしまうかもしれません。
資本金を低くしすぎない
審査において資本金の額が重要なポイントの一つです。適切な資本金額を設定し、事業の信頼性を示すことが重要です。
資本金が低すぎると、実態のない会社として疑われやすくなります。
必要書類の準備を怠らない
法人口座開設には履歴事項全部証明書、印鑑証明書、官公庁から発行された免許・許認可、会社定款(必要に応じて)、代表者の顔写真付き身分証明書などが必要になります。
もし提出書類に不備があると審査が進まないので気をつけましょう。
事業実態を具体的に示す
銀行審査においては事業実態が重要視されます。可能であれば、契約書や見積書、注文書、請求書、ホームページのコピーなど事業実態を具体的に示す書類を提出するとよいでしょう。
過去に犯罪等が行われた住所ではないか確認する
バーチャルオフィスの住所が過去に犯罪に関与した住所でないことを確認し、信頼性を高めることが重要です。
バーチャルオフィスで口座開設する手順
ここからは、実際にバーチャルオフィスで口座開設する手順を紹介します。
- 口座開設する金融機関を選定する
- 銀行口座を開設する際に必要な書類を準備する
- 審査を受ける
- 口座開設が完了する
1. 口座開設する金融機関を選定する
バーチャルオフィスでの口座開設は、金融機関によって対応が異なります。先述したように、一部の銀行ではバーチャルオフィスの住所では口座開設できない場合があります。そのため、事前に希望する金融機関に問い合わせて、バーチャルオフィスでの口座開設が可能かどうかを確認しましょう。
一般的に、バーチャルオフィスの住所に近い銀行やネット銀行は、口座開設の審査に有利です。また、バーチャルオフィスと提携している銀行もありますので、そういった銀行を選ぶとスムーズに口座開設できる可能性が高まります。
2. 銀行口座を開設する際に必要な書類を準備する
銀行口座を開設する際には、以下のような書類を準備する必要があります。
- 会社の登記簿謄本(発行後3ヶ月以内のもの)
- 定款
- 銀行印
- 代表者の本人確認書類
- 会社の事業実態が分かる資料(事業計画書、会社概要、パンフレット、HPのコピー、名刺や商品サンプル、請求書、納品書など事業実態の確認できるもの)
- バーチャルオフィスとの契約書
書類は、銀行によって異なりますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
「起業の窓口」の特集ページ「AI×起業」では、AIを活用して事業計画書を簡単に作成する方法を紹介!
詳しくは「【できるのか?】ChatGPTを使ってたった1時間で事業計画書を書くアラフォー起業家。《小説「AI起業」シリーズ#01》」をご覧ください。
また、新たに法人を設立した場合は、以下の書類も準備しておくと役立ちます。
- 法人設立届出書
- 資本金が確認できる書類
3.審査する
銀行口座を開設するには、銀行の審査に合格する必要があります。審査では、事業内容や開設の目的、資本金額、事業実態などさまざまな項目をチェックされます。
銀行によって審査基準や必要書類が異なるため、具体的な審査内容を把握して書類などを準備しておきましょう。
具体的に、以下のようなポイントをおさえておくと審査に通る可能性が高まります。
- 資本金は300万円以上用意しておくと信用を得やすい
- 事業の目的・計画を明確に説明できるように準備しておく
- 会社用の固定電話番号を準備しておく
- 会社のWEBサイトを作成しておく
- 取引実績がある銀行で法人口座を開設する
- 面談時には身だしなみを整える
- 法人の目的に貸金業、投資業、風俗業などは避ける
4.口座開設が完了する
審査を通過すれば、口座開設が完了します。手続きには数週間かかることがありますので、早めの対応が重要です。
銀行からキャッシュカードなどが送付されますので、確認してください。また口座開設後は、定期的に残高や取引明細を確認するようにしましょう。
まとめ
今回は、バーチャルオフィスで口座開設はできるのかどうか、また口座開設するために注意するポイントについて解説しました。バーチャルオフィスは、都心の一等地の住所をオフィス住所として使えることで信用性が増したり、自分の住所を公表しなくて済むのでプライバシーを保護できたりとメリットが多々あります。
しかし、実際の事業所が存在しないので実在性を示すことが難しく、口座開設する際にも審査に通りにくい可能性が高いです。とはいえ、メガバンクやネット銀行などでも口座開設を取り扱っているところもあるので、事前にリサーチしておきましょう。
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- 記事監修
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- 中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
- 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。