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スタートアップの資金調達方法7選!成長フェーズに合わせた方法や成功させるポイントを紹介

スタートアップの資金調達方法7選!成長フェーズに合わせた方法や成功させるポイントを紹介
潤沢な自己資金がある場合を除き、多くの経営者にとって資金調達は重要なミッションです。

特にスタートアップは、まだ企業としての実績がない場合が多いため、資金調達の方法に悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、スタートアップが活用できる資金調達方法や、成長フェーズに合わせた資金調達方法などを詳しく紹介します。
【この記事のまとめ】
  • 企業が資金調達を必要とするタイミングは主に「起業時」と「事業拡大時」の2つです。起業時は設備導入や初期費用がかかり、運転資金を確保することが重要です。特にスタートアップはキャッシュ不足に備える必要があります。
  • 事業拡大時には新たな社員の雇用や設備の導入に多額の資金が必要です。スタートアップは成長段階に応じて、自己資金や補助金、投資家からの資金調達方法を使い分けることが求められます。
  • 資金調達方法には自己資金や家族からの借入、銀行融資、補助金、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、クラウドファンディングなどがあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、状況に応じて選択が重要です。

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資金調達が必要になるタイミング

資金調達が必要になるタイミング

企業が資金調達を必要とするタイミングは、大きく分けて2つあります。

  • 起業時
  • 事業拡大時

ここでは、具体的にどのような場面で資金が必要になるかを詳しく解説します。

起業時

新規事業を立ち上げる起業時は、多くの資金が必要となります。

具体的には、製造や販売活動を行うために必要な設備の導入費、オフィスを開業するための初期費用などが必要です。

また、起業直後に必要となる資金だけではなく、数ヶ月先までの運転資金を見積もることが重要です。

企業を経営していくために必要な資金は経常運転資金と呼ばれており、事業活動に必要な原材料や商品の仕入れ費用、人件費、家賃、水道光熱費などが含まれます。

特にスタートアップの場合、起業直後は売上が上がらず利益が少ないこともあるため、キャッシュが足りなくなった時の備えで確保しておくと安心です。

日本政策金融公庫が発表した「2022年度 新規開業実態調査」によると、開業費用の平均は1,077万円で、資金調達額の平均は1,274万円です。

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事業拡大時

新事業を始めるための社員雇用、広いオフィスを借りるための初期費用、新しい設備の導入費用など、事業拡大時には多額の費用が必要です。

当然ですが、利益を上げるためには事業を拡大しなければいけません。

事業拡大のために資金調達することが多いスタートアップは、成長フェーズに合わせてさまざまな方法を使い分ける必要があります。

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スタートアップが活用できる7つの資金調達方法

スタートアップが活用できる7つの資金調達方法

スタートアップの場合、これから起業する、または十分な実績がないケースがあるため、長く事業を継続している企業よりも資金調達の方法が限定されることがあります。

スタートアップが活用できる主な資金調達方法は、以下の7つです。

  • 自己資金
  • 家族や知人から借入
  • 銀行からの融資
  • 補助金・助成金
  • エンジェル投資家
  • ベンチャーキャピタル
  • クラウドファンディング

ここでは、それぞれの資金調達方法を一つずつ詳しく解説します。

自己資金

自己資金とは、文字通り自身が所有する資産を利用する資金調達方法です。

起業や運転資金などのあらゆる費用を自身で賄う方法で、経営権を保持できる、トラブルのリスクがないことなどがメリットとして挙げられます。

また、自己資金が多いと多くの融資を受けやすくなるというメリットもあります。

融資や投資など、他の資金調達を進めるうえでも自己資金を充実させることは必須です。

家族や知人から借入

自己資金がなく、金融機関やファンドからの資金調達も見込めない場合は、家族や知人からの借入で資金調達を行うという方法もあります。

この場合、返済期間や利率については多少の融通が利くことがあり、借入の相手が両親の場合は元金を相続財産にすることができるなどのメリットがあります。

一方で、借入であるため返済の義務が生じる点や、返済計画に乱れが発生した場合に関係性が悪化するリスクがあるなどのデメリットに注意が必要です。

銀行からの融資

銀行からの融資は、大きく分けて政府系と民間系の2種類に分類されます。

代表的な政府系金融機関である日本政策金融公庫には、実績がないスタートアップでも利用できる融資制度があります。

新創業融資制度は、無担保・無利息で利用することができ、融資限度額も3,000万円(運転資金1,500万円)までと高く設定されています。

また、民間系の銀行もスタートアップ融資に力を入れており、創業計画書や事業計画書の内容や自己資金、個人信用情報など総合的に判断して問題がないと判断されれば資金を調達できます。

補助金・助成金

補助金・助成金は、原則として返済する必要がない資金調達方法です。

経済産業省や厚生労働省、地方自治体などが資金を提供しており、返済義務がなく企業の収益性を問われない場合もあるため、スタートアップの資金調達に有用だとされています。

一方で、補助対象期間が定められており、審査を経て採択を待つ必要があるため、いつでも資金調達に利用できるわけではない点がデメリットです。

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エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、創業間もないベンチャーやスタートアップへ資金を出資し、見返りとして株式や転換社債、ストックオプションを受け取る個人投資家のことです。

投資対象にスタートアップが含まれているため、企業としての実績がなくても資金を出資してもらいやすく、経営に関するアドバイスが貰えるなどのメリットがあります。

一方で、投資家によっては必要以上に経営に関与されて自由度が下がる可能性があります。デメリットを解消するためには、自身に合ったエンジェル投資家を選ぶことが重要です。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルとは、未上場のベンチャーやスタートアップへ資金を出資する投資ファンドを運用する会社のことです。

エンジェル投資家と同様に、出資する見返りとして受け取る株式や配当で利益を得ることを目的にしています。

出資であるため返済の義務は負いませんが、経営に対する議決権が発生するため、自由な経営ができなくなる可能性があるデメリットがあります。

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クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多数の人から資金調達する方法です。

支援者は、自身が共感するプロジェクトや商品に対して寄付や投資を行い、その対価としてリターンを得ることができます。

現在は、商品やサービスのテストマーケティングに利用されることが多く、実績がないスタートアップでも共感さえ得られれば多額の資金調達が可能です。

しかし、目標金額に到達しない、プロジェクトが不成立となり支援金を受け取れない場合があるなど、確実に目当ての金額を調達できるとは限りません。

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スタートアップの成長フェーズに合わせた資金調達方法

スタートアップの成長フェーズに合わせた資金調達方法

スタートアップには、大きく分けて4つの成長フェーズがあります。

成長フェーズ 特徴
シード期 サービスや商品の大枠だけが決まっている段階
アーリー期 事業を展開して利益が生まれている段階
ミドル期 成長へ向けた事業展開を進めている段階
レイター期 事業が軌道に乗り利益が安定している段階

また、投資家は自身の目的を果たしやすい時期にいるスタートアップを分類するため、投資ラウンドという考え方で成長フェーズを分類します。

ここでは、スタートアップの成長フェーズに合わせた資金調達方法を詳しく解説します。

シード期

シード期は、提供するサービスや商品の大枠は決まっているが、具体的な事業計画にまで落とし込めていない起業前、もしくは起業間もない段階です。

スタートアップのシード期では、以下の資金調達方法が適しています。

  • 自己資金
  • 家族や知人からの借入
  • エンジェル投資家・ベンチャーキャピタルからの出資
  • 補助金・助成金
  • 日本政策金融公庫の融資

シード期では、事業を開始するうえで必要となる最低限の資金を調達することが多いため、1,000万円以内である場合が大半です。

しかし、まだ実績がないため、投資家から出資をしてもらうためには、将来的に成長が見込める画期的かつ具体的なアイデアが必要となります。

そのため、自己資金や家族からの借入、日本政策金融公庫が創業者向けに実施している新創業融資制度の利用などが現実的です。

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アーリー期

アーリー期は、すでに事業を展開しているが、提供する商品やサービスの認知度が低く、売上も少ない状態の起業直後の段階です。

スタートアップのアーリー期では、以下の資金調達方法が適しています。

  • エンジェル投資家・ベンチャーキャピタルからの出資
  • 補助金・助成金
  • 金融機関からの融資

アーリー期では、必要最低限のサービス提供や商品開発によりわずかに売上が上がっている一方、起業直後で人件費や開発費が嵩む段階であるため、赤字の場合がほとんどです。

また、顧客から一定のフィードバックを得ている場合が多く、認知度向上や売上拡大に向けて、資金が必要になることが想定されます。

実績が出だしてきた段階のため、金融機関からの融資で資金調達することも考えられます。

ミドル期

ミドル期は、提供する商品やサービスが認知され、安定した売上が上がりだし、ようやく黒字になる段階です。人材育成・確保・設備投資など、持続的に企業を成長させるために事業規模をスケールする段階です。

スタートアップのミドル期では、以下の資金調達方法が適しています。

  • エンジェル投資家・ベンチャーキャピタルからの出資
  • 補助金・助成金
  • 金融機関からの融資
  • クラウドファクタリング

ミドル期頃からようやく黒字経営となり、収益が安定しているスタートアップが見られるようになります。

そのため、さらなる企業の成長へ向けて追加の資金調達が必要になり、投資家からの出資や金融機関からの融資などで賄う場合が多いです。

レイター期

レイター期は、提供する商品やサービスの認知度が高まり経営が安定し、IPOやM&Aを視野に入れていく段階です。

スタートアップのレイター期では、以下の資金調達方法が適しています。

  • ベンチャーキャピタルからの出資
  • 金融機関からの融資
  • クラウドファクタリング

事業の黒字経営で安定しているフェーズであるため、金融機関からの融資やベンチャーキャピタルからの出資で、数億円から数十億円規模の資金調達も可能です。

事業が軌道に乗り黒字経営で安定しているため、新たなビジネスモデルの開拓や海外進出など、さらなる認知度拡大や売上向上へ乗り出す企業が多くなります。

スタートアップが資金調達を成功させるための3つのポイント

スタートアップが資金調達を成功させるための3つのポイント

最後に、スタートアップが資金調達を成功させるために必要なポイントを3つ紹介します。

具体的な事業計画書の作成

スタートアップが資金調達を成功させるためには、具体的な事業計画書が不可欠です。

事業計画書とは、経営に携わる人が事業計画を説明する文書で、投資家や銀行への説明や補助金申請など、さまざまな場面で必要になります。

事業概要や収支計画を内外へ示す書類であるため、出資や融資の決断を後押しするためにも、今後どのように事業が展開していくのかを具体的に記載しなければいけません。

事業計画書の目的や必要性、具体的な書き方は以下の記事で詳しく解説しています。

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起業の窓口」の特集ページ「AI×起業」では、AIを活用して事業計画書を簡単に作成する方法を紹介!

詳しくは「【できるのか?】ChatGPTを使ってたった1時間で事業計画書を書くアラフォー起業家。《小説「AI起業」シリーズ#01》」をご覧ください。

専門家からのサポートを受ける

自社に合った最適な資金調達方法がわからない場合は、専門家からのサポートを受けることをおすすめします。

特にスタートアップが活用できる補助金・助成金に関しては、探すのに手間がかかり、審査基準をクリアするための事業計画書作成にはコツが必要です。

資金調達に関して相談できる専門家としては、行政書士、社会保険労務士、税理士、会計士、中小企業診断士などが挙げられます。

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積極的に申請をする

特に補助金・助成金に関しては、審査の難易度が高く申請自体に手間がかかるため、申請をせずに諦めてしまう方も多くいます。

しかし、原則返済不要の資金のため、少しでも受領できる可能性がある補助金・助成金に関しては、積極的に申請することをおすすめします。

他にも、金融機関からの融資やエンジェル投資家・ベンチャーキャピタルからの出資も、創業間もないスタートアップだからと諦めるのではなく、積極的に活用してみてください。

まとめ

スタートアップは創業してから日が浅い、または実績が少ないことが多いため、資金調達をするのは難しいと考えている方が多くいます。

しかし、新創業融資制度などのように、スタートアップだからこそ利用できる資金調達方法もあります。

自社の成長フェーズを見極めたうえで、適切な資金調達方法を選択していきましょう。

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記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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