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個人事業主は社会保険に加入できない?加入できる保険や注意点を解説

個人事業主は社会保険に加入できない?加入できる保険や注意点を解説

社会保険とは、病気や災害などのリスクに備えるための公的保険制度です。しかし、個人事業主と社会保険の関係について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では個人事業主が加入できる保険の種類や注意点を紹介します。これから個人事業主となる方や社会保険加入時に気を付けることを知りたい方に役立つ情報を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

個人事業主は社会保険に加入できない?

個人事業主は社会保険に加入できない?

個人事業主が社会保険に加入することは可能です。しかし、会社勤めの人と異なり厚生年金保険や雇用保険など一部の社会保険には加入できないため、「個人事業主は社会保険に加入できない」と言われることがあります。

そもそも社会保険とは、病気や災害などさまざまなリスクに備えるための公的保険制度です。医療や年金、介護などいくつかの種類があり、国民の生活を支えるために役立てられています。

社会保険 保険の概要
医療保険 病気や怪我を負った際の治療費の一部を負担
年金 障害や高齢などが理由で働けない場合や遺族になった場合に定期的にお金を支給
介護保険 要介護と認定された場合に介護・医療サービスを受ける費用の一部を負担
雇用保険 産休・育休取得時や失業時に一定のお金を支給
労災保険 仕事中に負った怪我や病気の程度に合わせてお金を支給

病気や怪我、介護、育児など、多種多様な理由で働けない場合や治療を受けなければならない場合も、社会保険を利用することで費用負担を抑えられます。社会保険は、万が一の事態に備えておくために必要なものだといえるでしょう。

個人事業主が個人で加入できる社会保険

個人事業主が個人で加入できる社会保険

個人事業主が加入できる社会保険の種類は、以下の3つです。

  • 健康保険
  • 国民年金
  • 介護保険

それぞれ加入条件や制度の内容が異なるため、あらかじめ確認しておくといざという時に役立ちます。具体的な詳細については後述していますので、参考にしてください。

健康保険

健康保険とは、怪我や病気の治療を病院で受けたときの個人費用負担が3割になる制度です。残りの7割は、保険により賄われます。ただし、全ての人が3割負担になるのではなく、年齢などによって変動する場合があるため、自分の条件を確認しておくことも大切です。

支払い方法には、口座振替による納付・納付書による現金納付・一定期間分を一括して納付といった方法があります。また、支払う保険料は年齢や所得、世帯人数によって変わるのも意識しておきたいポイントです。

加入条件 加入可能期間
国民健康保険
  • 企業の保険に加入していない
退職後14日以内
任意継続する
  • 資格喪失日(退職の翌日)までに被保険者だった期間が2ヶ月以上である
資格喪失日から20日以内
家族の健康保険の扶養に入る
  • 組合によって条件が異なる(年収130万円未満であることが必要)
扶養者の加入制度によって異なる
健康保険組合
  • 業種ごとの健康保険組合によって異なる
健康保険組合によって異なる

個人事業主は、基本的に国民健康保険に加入する場合がほとんどです。退職前の保険を任意で継続する場合は2年以内と定められているため、2年経過したらほかの健康保険へ切り替えてください。

また、土木や建築などの業種によっては、独自に健康保険組合を立ち上げている場合もあります。国民健康保険以外の選択肢を考えているときは、関連業種の健康保険組合があるかチェックしておくと良いでしょう。なお、家族の健康保険組合の扶養に入れるか否かは所得によって変わることが多いので、規則を確認する必要があります。

国民年金

国民年金とは、高齢や障害などを理由に働けなくなった場合に定期的に年金を受けられる制度です。20歳から60歳未満の国民は全て加入しなければならない制度です。主に、納付書での支払い、口座振替による支払い、クレジットカードでの支払いが可能です。

なお、国民年金には3つの区分があります。

第1号被保険者 農業者や自営業者とその家族、無職の人、学生など第2号・第3号に当てはまらない人
第2号被保険者 公務員や会社員など厚生年金に加入している人
第3号被保険者 年収130万円未満で第2号被保険者の扶養に入っている配偶者

個人事業主の場合、第1号被保険者に当たります。もし配偶者の扶養に入るのであれば、第3号被保険者になるでしょう。

介護保険

介護保険とは、高齢者に必要な介護費用を社会全体で支えるための制度であり、40歳以上の人は全て加入する義務があります。保険料を支払っていれば、要介護と認定された場合の自己費用負担が1~3割になるほか、介護サービスを受けられるのが特徴です。

個人事業主の場合、40歳以上になったら自動的に加入している健康保険制度の介護保険料を支払うことになります。ただし、65歳以上の年金受給者は介護保険料を差し引いた額の年金を受給することによって、保険料納付に変えるのが基本です。

個人事業主が従業員を雇用した場合に加入する社会保険

個人事業主が従業員を雇用した場合に加入する社会保険

個人事業主が従業員を雇用した場合、人数に関わらず社会保険の加入手続きを行うことになります。ただし、従業員が1名以上のケースと5名以上のケースで必要な保険は変わるため詳しく確認しましょう。

従業員が1名以上いる場合

従業員が1名以上いる場合は、雇用保険と労災保険に入る必要があります。それぞれの保険内容については以下の通りです。

雇用保険

雇用保険とは次の内容になります。

  • 保険内容:失業時などに現金を給付する制度
  • 対象従業員:1週間の労働時間が20時間以上、31日以上の継続的な雇用が見込まれる(※昼間学生は含まれない)

労災保険

労災保険とは次の内容になります。

  • 保険内容:仕事中・通勤途中の怪我や病気の治療費の一部負担や医療サービスの提供
  • 対象従業員:雇用形態に関わらず全従業員が対象

従業員が5名以上いる場合

従業員が5名以上いる場合、雇用保険と労災保険に加えて厚生年金と健康保険への加入が義務となります。ただし、農業を始めとした第一産業や理容・美容業などのサービス業、宗教業は5人以上の従業員がいても加入は任意となるため、事前に確認しましょう。

加入義務に当てはまる場合は、5人以上の従業員を雇うことになってから5日以内に所轄の年金事務所などに必要書類を提出しましょう。なお、健康保険と厚生年金の保険料はどちらも従業員と事業主が半分ずつ負担します。

会社員から個人事業主になる際の注意点

会社員から個人事業主になる際の注意点

会社員から個人事業主になる際の注意点は、主に2つあります。

  • 社会保険は経費にできない
  • 家族の社会保険料を支払う

社会保険は生活の根幹に関わる重要なものであるため、注意点を踏まえたうえで個人事業主としての手続きを始めてください。

社会保険は経費にできない

個人事業主が自分のために支払う社会保険料は、経費として処理できません。経費とならないものを経費として計上した場合、過少申告加算税などの罰則を受ける可能性があるため気を付けてください。

ただし、国民年金保険料・国民健康保険料・介護保険料は社会保険料控除として確定申告時に申請できます。控除を受ければ節税にも繋がるため、活用しましょう。なお、従業員に関する社会保険料は法定福利費として経費計上可能なので、混同しないよう注意が必要です。

家族の社会保険料を支払う

国民健康保険では家族の年収に応じて各人の保険料を払わなければなりません。

一方で、企業の社会保険には扶養制度があるのが特徴です。多くの場合は年収130万円以下の家族を扶養家族として扱い、加入者1人分の保険料で扶養家族全員の健康保険証をもらえます。年金に関しても、配偶者が扶養に入っている場合には支払う必要はありません。

そのため、個人事業主になることで家族分の社会保険料の負担が大きくなる場合があります。あらかじめ予想される費用を確認し、無理なく支払いを行えるよう計画を立てておくことが重要です。

民間の保険に加入することも検討しよう

会社員と比較すると、個人事業主は社会保険の充実度が低く、老齢年金の額が少なかったり、傷病手当金を受給できなかったりといった懸念点があります。社会保険でカバーできない部分に不安を感じる場合は、民間保険への加入も検討するのがおすすめです。

個人事業主として活動する場合、いつ何が起きるか分かりません。万が一のリスクに備え、必要に応じて民間保険にも加入しておけば安心して働けるのではないでしょうか。

個人事業主が加入しておいた方が良い保険

個人事業主が加入を検討した方が良い保険は、以下の通りです。

  • 医療保険
    怪我や病気で治療・入院した際に給付金を受け取れる保険です。差額ベッド代や先進医療の技術料など、社会保険では保障されない部分をカバーできます。
  • 就業不能保険
    怪我や病気などで通常通り働くことが困難であると医師から診断を受けた際に、給付金を受け取れる保険です。社会保険では傷病手当金が出ないため、就業不能になった場合の保障を受けられません。就業不能保険は入院以外に自宅療養も適用されますので、働けなくなったときの強い味方になるでしょう。
  • 個人年金
    契約の際に決めた年齢から一定期間もしくは亡くなるまで年金を受給できる保険です。個人事業主の老齢年金・遺族年金・障害年金は基礎年金分しかもらえないため、個人年金を取り入れることで将来的な年金受給額を増やせます。

まとめ

まとめ

社会保険は病気や怪我などさまざまなリスクに備えられるものであり、個人事業主の場合は国民健康保険・介護保険・年金保険に加入できます。ただし、社会保険料を経費にできないことや家族の社会保険料を支払う必要があることなど、いくつかの注意点があるため、きちんと確認しておくことが大切です。

また、社会保険で保障できない部分に不安を感じるときは、民間保険の加入も検討すると良いかもしれません。社会保険は生活に関わる重要なものになりますので、基礎知識を身につけたうえで個人事業主としてのスタートを切りましょう。

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記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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