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フリーランスには育休がない!休みを取るための準備や代わりになる制度を解説

フリーランスには育休がない!休みを取るための準備や代わりになる制度を解説

フリーランスにとって出産や育児は大きな転機ですが、一般的な会社員とは異なり、法律で定められた育児休業制度は利用できません。

そのため、フリーランスは自身で休業期間や収入の確保、業務の調整などを行う必要があります。

この記事では、フリーランスが出産や育児のために休みを取るための準備や、活用できる制度について解説します。

安心して出産や育児に臨めるよう、事前の準備や制度の活用方法について把握したいフリーランスの方は、ぜひ参考にしてください。

【この記事のまとめ】
  • フリーランスは雇用契約を結んでいないため、基本的に育休が取れません。
  • 出産や育児のために休みを取る場合は取引先との相談が必要です。
  • 妊婦健診の補助・出産育児一時金・国民年金保険料の免除・児童手当・子どもの医療費助成・医療費控除などの制度は育休の代替となります。

2024年11月1日より、フリーランス保護法が施行されます。

組織に所属せずに働くフリーランスが安心して働ける環境を整備するために、フリーランスと企業などとの発注事業者間の取引の適正化(契約書等により取引条件を明示する)が主な目的です。

詳しくは次の記事をご覧ください。フリーランス保護法の概要、制定された背景や具体的な内容などを解説しています。

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フリーランスは育休を取得できない

フリーランスは育休を取得できない

フリーランスは法律で定められた育児休業制度を利用できません。

育児休業制度は、労働基準法で雇用された労働者を対象としているため、雇用契約を結んでいないフリーランスは対象外となります。

また、企業が独自に設けている育児休暇制度も適用されないため、フリーランスが出産や育児で休業する場合は、収入が途絶えてしまう可能性があります。

さらには、育児休業給付金のような経済的支援も受けられないため、フリーランスは自身で休業期間を決定し、収入の確保や業務の調整を行わなければいけません。

このような状況から、多くのフリーランスは出産後すぐに仕事に復帰する傾向にあります。調査によると、出産を経験したフリーランスの約59%が2か月以内に仕事に復帰しています。

フリーランスが出産や育児のために休みを取る準備

フリーランスが出産や育児のために休みを取る準備

ここでは、フリーランスが出産や育児のために休みを取る準備について解説します。

収入減にそなえて貯金しておく

フリーランスが出産や育児のために休業する際、大きな課題となるのが収入の減少です。

会社員とは異なり、育児休業給付金などの経済的支援を受けられないため、自身で資金を準備しなければなりません。

そのため、妊娠が分かった時点から計画的に貯金を始めることが重要です。

具体的には、休業予定期間の生活費に加え、出産や育児にかかる費用を見積もり、その合計額を目標に貯蓄を行います。

たとえば、4〜5か月の休業を予定している場合は、最低でも5ヵ月分の生活費と出産育児関連費用を貯金しておくのが望ましいです。

また、予期せぬ出費に備えて、さらに余裕を持った貯蓄を心がけるべきです。このような資金的な準備を整えれば、安心して出産や育児に専念できます。

取引先に相談して業務の調整をしてもらう

フリーランスが出産や育児のために休業する際、取引先との業務調整が重要です。

妊娠が分かった時点で主要な取引先に状況を説明し、休業予定期間や復帰時期について相談を始めましょう。

いつから休業に入りたいか、どのくらいの期間休むか、復帰後はどのような働き方を希望するかなどを明確に伝えてください。また、休業中の業務対応についても話し合いましょう。

たとえば、進行中のプロジェクトの扱いや、休業中に発生する可能性のある業務への対応方法などです。

取引先との良好な関係を維持するためにも、できるだけ早い段階で相談を始め、互いに納得できる形で調整しましょう。

事前の調整を整えれば、スムーズな休業と復帰が可能となります。

リモートワークで業務が可能であれば対応してもらう

出産や育児による休業が難しい場合は、リモートワークでの業務継続も検討しましょう。

とくにデザインやプログラミング、ライティングなど、場所を選ばずに作業可能な業種であれば、リモートワークへの切り替えは比較的容易です。

取引先に相談する際は、自宅で可能な業務内容や想定される作業時間、連絡手段などを具体的に提案しましょう。

また、オンラインミーティングツールやプロジェクト管理ソフトなどを活用し、円滑なコミュニケーションと進捗管理を行う方法も提示してみてください。

リモートワークを導入すれば、完全休業よりも収入の減少を抑えられるほか、仕事から長期間離れることによるスキルの低下も防げます。

ただし、体調管理には十分注意し、無理のない範囲で業務を行いましょう。

自分の代わりになる人材を紹介する

フリーランスが出産や育児のために長期休業する場合は、自分の代わりとなる人材を取引先に紹介するのも有効です。

とくに専門性の高い業務や継続的なプロジェクトを抱えている場合、代替要員の確保は取引先にとっても重要な課題となります。

代替人材を紹介する際は、自分と同等以上のスキルや経験を持つ信頼できる人を選ぶのが大切です。

たとえば、以前の職場の同僚や同じ業界で活動するフリーランス仲間などが候補として考えられます。

紹介する際はその人物のスキルセットや過去の実績、人柄などを詳しく説明し、取引先が安心して業務を任せられるよう配慮しましょう。

また、引き継ぎがスムーズに行えるよう休業前に十分な時間を確保し、必要な情報や資料を整理しておくのも重要です。

プロジェクト単位の業務なら契約終了もひとつの選択肢

フリーランスのなかには、プロジェクト単位で業務を請け負っている方も多いはずです。

そのような場合は、出産や育児を機に現在のプロジェクトを終了し、新たな契約は休業後に検討するという選択肢も考えられます。

メリットは業務の区切りをつけやすく、取引先との調整も比較的スムーズに行えることです。休業中の業務に関する心配や負担が軽減されるため、出産や育児に専念しやすくなります。

ただし、休業後の新規案件獲得に向けた準備も必要です。たとえば、休業中でもスキルアップを図る方法を考えたり、業界の動向をチェックしたりするなどが挙げられます。

復帰のタイミングを見計らって、エージェントやクラウドソーシングサービスを活用し、新たな案件の情報収集を始めましょう。

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フリーランスが活用できる育休関連の制度

フリーランスが活用できる育休関連の制度

ここでは、フリーランスが活用できる育休関連の制度を紹介します。

妊婦健診の補助

妊婦健診は、妊娠中の母体と胎児の健康状態を確認するために重要な検査です。

健康保険が適用されないため自己負担額が大きくなりますが、多くの自治体では妊婦健診の費用補助制度が設けられています。

補助の内容は自治体により異なりますが、14回程度の健診費用が補助されるのが一般的です。

妊娠届を提出する際に交付される母子健康手帳と受診券や補助券を使用すれば、健診時の自己負担額を軽減できます。

補助額は自治体によって異なりますが、平均して10万円程度の補助が受けられるでしょう。

妊婦健診の補助制度を活用すれば、経済的な負担を軽減しつつ、必要な健診を受けられます。妊娠が分かったら早めに居住地の自治体に問い合わせ、制度の詳細と申請方法を確認しましょう。

出産育児一時金

出産育児一時金は、出産にかかる費用の負担を軽減するために支給される給付金です。フリーランスも国民健康保険に加入していれば受け取ることができます。

2023年4月以降の出産では、一児につき50万円(産科医療補償制度に未加入の医療機関での出産の場合は48.8万円)が支給されます。

出産育児一時金は妊娠85日(4か月)以上の出産であれば、死産や流産の場合でも対象です。また、多胎児の場合は胎児の数に応じて支給額が増えます。

受け取り方法は、直接支払制度、受取代理制度、事後申請の3つです。

直接支払制度を利用すると、医療機関への支払いが出産育児一時金の範囲内なら自己負担なしで出産できる可能性があります。

出産予定の医療機関や居住地の自治体に事前に確認し、最適な受け取り方法を選択してください。

国民年金保険料の免除

フリーランスが加入する国民年金では、2019年4月から産前産後期間の保険料が免除される制度が始まりました。

出産予定日または出産日が属する月の前月から、4か月間の国民年金保険料が免除されます。多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3か月前から6か月間が免除対象です。

国民年金保険料の免除は、出産予定日の6か月前から届け出ができます。居住地の市区町村役場の国民年金担当窓口で手続きを行いましょう。

国民年金保険料の免除を利用すれば、出産前後の経済的負担を軽減できるだけでなく、将来受け取る年金額にも影響がありません。

理由は、免除期間分の保険料を国が代わりに負担してくれるためです。積極的に活用し、出産前後の経済的負担を軽減しましょう。

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児童手当

児童手当は、中学校修了前(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の子どもを養育している人に支給される手当です。

支給額は子どもの年齢によって異なり、3歳未満は月額15,000円、3歳から小学校修了前は月額10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生は月額10,000円です。

ただし所得制限があり、所得が一定以上の場合は月額5,000円の特例給付となります。

児童手当を受給するためには子どもの出生後や転入時に、居住地の市区町村に認定請求書の提出が必要です。

支給は申請した月の翌月分から開始されるため、できるだけ早く手続きを行いましょう。

また、2024年10月からは制度の拡充が予定されており、高校卒業までの支給や所得制限の撤廃、第3子以降の支給額倍増などが検討されています。

児童手当はフリーランスにとって安定した収入源となり得るため、積極的に活用すべき制度のひとつです。

子どもの医療費助成

子どもの医療費助成制度は、子どもの医療費の自己負担分を軽減する制度です。

ただし、各自治体が独自に実施しているため、対象年齢や助成内容は地域によって異なる点に注意が必要です。

多くの自治体では、健康保険適用後の自己負担額の一部または全額を助成しています。

たとえば東京都豊島区では中学生までの子どもを対象に、健康保険診療の自己負担分や接骨院・整骨院での診療、補装具購入費用の自己負担分を助成しています。

子どもの医療費助成を利用するには、自治体への申請が必要です。交付された医療証を医療機関での受診時に提示すれば、自己負担額が軽減されます。

医療費控除

医療費控除は、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合(または所得の5%を超えた場合)に、確定申告を通じて税金の還付を受けられる制度です。

フリーランスも利用可能で、出産や育児に関連する医療費も対象となります。

具体的には、出産費用、妊婦健診の費用、不妊治療費、予防接種の費用などが含まれます。ただし、出産育児一時金で補填された分は控除対象外です。

医療費控除を受けるためには、1年間の医療費の領収書を保管し、確定申告時に申請する必要があります。

控除額は、支払った医療費から10万円(または所得の5%のいずれか低い方)を差し引いた金額です。

フリーランスは普段から確定申告を行っている場合が多いため、この制度を活用しやすい立場にあります。

出産や育児に関連する医療費の領収書は必ず保管し、確定申告時に忘れずに申請しましょう。

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出典:FREENANCE

フリーランスが出産や育児のために休業する際には、さまざまな課題に直面します。

法定の育児休業制度や育児休業給付金などが利用できないため、自身で休業期間の収入確保や業務調整を行わなければなりません。

しかし、妊婦健診の補助や出産育児一時金、児童手当など、フリーランスでも利用できる支援制度も存在します。

これらの制度を最大限活用しつつ、十分な貯蓄や取引先との丁寧な調整を行えば、安心して出産や育児に臨めるはずです。

また、リモートワークの活用や業務量の調整など、柔軟な働き方を検討するのも重要です。

しかし、休業中の資金繰りに悩む方も少なくありません。休業中の収入源に困っているのであれば、ファクタリングサービスを提供するFREENANCEがおすすめです。

最短即日で請求書を現金化できるため、もしものときでも安心です。

出産や育児を控えたフリーランスはさまざまな選択肢を検討し、自身に最適な方法で準備を進めていきましょう。

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記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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