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会社設立時は社会保険に加入する義務がある!手続き方法や必要書類を解説

会社設立時は社会保険に加入する義務がある!手続き方法や必要書類を解説

会社を設立すると、社会保険に加入する義務が発生します。しかし、社会保険の加入手続きについてよくわからない方も多いのではないでしょうか。そこで、こちらでは社会保険の種類や手続き方法を紹介します。これから会社を設立する方や社会保険の加入手続きの詳細を知りたい方に役立つ情報を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

会社設立時は社会保険に加入する義務がある!

会社設立時は社会保険に加入する義務がある!

会社を設立する場合は、年金保険や健康保険をはじめとした社会保険に入る必要があります。なぜなら、健康保険法や厚生年金保険法などでは法人は社会保険への加入が義務付けられているからです。従業員がいる場合はもちろんのこと、ひとりで会社を設立する場合や構成メンバーが役員のみの場合も加入の義務は変わりません。設立準備と並行して、必要な加入手続きを行うようにしてください。

会社設立時に加入が必要な社会保険の種類

会社設立時に加入が必要な社会保険の種類

会社設立時に加入が必要な社会保険は、大きく3つに分けられます。

  • 健康保険・厚生年金保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

各保険で特色が異なるため、手続き前に確認しておくことが大切です。詳細は後述していますので、参考にしてください。

健康保険・厚生年金保険

健康保険とは、怪我や病気で病院を受診した際の医療費が3割負担になる制度のことです。また、療養のために働けなくなったときの収入減に備えることも目的としているのに加え、死亡や出産時にも給付を受けられます。大手企業は独自の健康保険組合を設立している場合がほとんどですが、中小企業の場合は全国健康保険協会に加入するケースが多いです。

厚生年金保険は、公務員や会社勤めの人が加入する年金保険を指します。65歳以上の老齢になった場合や障害を負った場合、亡くなった場合に一定の条件を満たせば年金の支給を受けられるのが特徴です。なお、厚生年金保険で支払う保険料には、20歳以上60歳未満の全国内居住者が支払うべき国民年金も含まれます。

雇用保険

雇用保険は、失業後の生活の安定と速やかな再就職を促進するための制度です。離職した日の翌日から7日後から再就職するまで、最大360日受給を受けられます。

労災保険

労災保険は、通勤中や就業中に遭った災害・事故で従業員が怪我・病気・障害を負ったり死亡したりした場合に、本人もしくは家族(遺族)が給付を受けられる制度です。保険料の全額は企業が負担し、従業員が支払うことはありません。

会社設立時に社会保険に加入する手続きの流れ

会社設立時に社会保険に加入する手続きの流れ

会社設立時にはやるべきことがたくさんあるため、社会保険についても手続きの基本的な流れを把握しておくことが大切です。そこで、ここからは各保険別に手続きの流れを紹介します。

健康保険・厚生年金保険の手続き

健康保険と厚生年金保険は、必要書類を揃えたうえで管轄の年金事務所にて手続きを行います。会社の設立登記の完了日から5日以内に申請してください。必要書類を年金事務所の窓口に提出し、問題がなければ手続きの完了です。

健康保険・厚生年金保険の手続きに必要な書類

手続きに必要な書類は、主に以下の通りです。

必要な書類 取得場所 取得方法 取得までにかかる期間 詳細
健康保険・厚生年金保険新規適用届 年金事務所もしくは日本年金機構のHP 即日 会社を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けるときに必要
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 年金事務所もしくは日本年金機構のHP 即日 役員や従業員が保険に加入するときに必要
被扶養者(異動)届 年金事務所もしくは日本年金機構のHP 即日 家族を被扶養者にするときに必要
健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付申出書 年金事務所もしくは日本年金機構のHP 即日 保険料を口座振替によって納付するときに必要
法人登記簿謄本 法務局もしくは法務局のHP 即日 書類提出日から遡って3ヶ月以内に発行した原本

必要書類のうち、被扶養者(異動)届は家族を被扶養者にするときに、保険料口座振替納付申出書は保険料を口座振替で支払うときに必要です。その他の書類は全てのケースで必要となるため、必ず準備してください。

雇用保険の手続き

雇用保険は、必要書類を準備した後に管轄のハローワーク(公共職業安定所)にて手続きを行います。提出期限は書類によって異なるため注意が必要です。

雇用保険適用事務所設置届の場合、会社設立と同時に従業員を雇う場合は設立登記完了日の翌日から10日以内に、設立後しばらく経ってから従業員を雇うときは雇用日の翌日から10日以内に提出してください。

雇用保険被保険者資格取得届の場合、従業員を雇用した日の翌月10日までに提出します。月初めに従業員を雇用した場合は期限まで1ヶ月ほど猶予がありますが、月末に雇用した場合は翌月10日まであまり時間がないため準備を忘れないようにしてください。

雇用保険の手続きに必要な書類

手続きに必要な書類は、主に以下の通りです。

必要な書類 取得場所 取得方法 取得までにかかる期間 詳細
雇用保険適用事務所設置届 ハローワークの窓口もしくはハローワークのHP 即日
雇用保険被保険者資格取得届 ハローワークの窓口もしくはハローワークのHP 即日
法人登記簿謄本 法務局もしくは法務局のHP 即日 書類提出日から遡って3ヶ月以内に発行した原本
被保険者所有の雇用保険被保険者証 被保険者から取得 ない場合は履歴書の写しを準備
労働保険関係成立届の控え 労働局に提出する際に控えをもらう 労働局に提出した際の控えを用意

届出に必要な書類は、ハローワークの窓口もしくはHPで取得できるため、必要事項を記入のうえ提出してください。被保険者証は被保険者から取得する必要がありますので、あらかじめ本人に確認しておくとスムーズです。また、労働局へ提出した労働保険関係成立届の控えは本手続きに必要です。控えをもらうのを忘れないようにしましょう。

労災保険の手続き

必要書類を準備し、都道府県の労働局にて手続きを行います。必要書類のうち、保険関係成立届は従業員を雇った翌日から10日以内が期限です。

保険関係成立届を提出した後は、手続き時に発行された労働保険番号と従業員の年度見込給与額を労働保険概算保険料申告書に記入し、労働局に提出します。こちらの期限は従業員を雇った日の翌日から50日以内です。労働保険番号の発行後、速やかに準備を整えて提出するとよいでしょう。

労災保険の手続きに必要な書類

手続きに必要な書類は、以下の通りです。

必要な書類 取得場所 取得方法 取得までにかかる期間 詳細
保険関係成立届 厚生労働省のHP 即日
法人登記簿謄本 法務局もしくは法務局のHP 即日 保険関係成立届に添付/書類提出日から遡って3ヶ月以内に発行した原本
事業所の実在を確認できる書類(不動産登記記載証明書、公共料金請求書など) 不動産登記事項証明書:法務局もしくは法務局のHP 即日 保険関係成立届に添付
事業実態を確認できる書類(営業許可証、代理店契約書など) 会社で準備 保険関係成立届に添付
労働者名簿 会社で準備 保険関係成立届に添付
出勤簿 会社で準備 保険関係成立届に添付
労働条件通知書(アルバイト・アルバイトのみ) 会社で準備 保険関係成立届に添付
労働保険概算保険料申告書 労働局
  • 労働局の窓口にて取得
即日

保険関係成立届には添付書類がいくつかあるため、忘れないようにしてください。また、保険関係成立届を労働局へ提出する際に労働保険概算保険料申告書も取得しておくとスムーズです。

会社設立後、社会保険に未加入だとどうなる?

会社設立後、社会保険に未加入だとどうなる?

会社設立後、社会保険に加入していない状態を続けると以下のような3つのリスクがあります。

  • 過去2年分の保険料を徴収される
  • 補助金や助成金を受給できない
  • 損害賠償を請求される可能性がある

社会保険への加入は義務であるため、未加入の場合はペナルティを課されます。不利益を被ることがないよう、あらかじめリスクを確認しましょう。

過去2年分の保険料を徴収される

未加入状態が続いた場合、年金事務所から加入の要請が届きます。要請を無視し続けると立入検査が行われ、社会保険に加入すべきと認定された場合は強制加入になるのが基本の流れです。強制加入後、最大で過去2年分まで遡って保険料を納める必要があります。2年以降の分は時効のため徴収されませんが、2年分でも大きな負担になるため注意してください。

そうならないためにも、年金事務所から加入要請が届いた時点で社会保険に入るとよいでしょう。このタイミングで加入しておけば、過去2年分の保険料が徴収されることはなく、加入日以降に発生する保険料を納めるだけで済みます。

補助金や助成金を受給できない

雇用に関する補助金や助成金は、雇用保険適用事業所であることを受給条件にしている場合がほとんどです。補助金・助成金は原則返済不要のため、雇用関係の公的な支援を受けられないことは設立間もない会社にとって大きなリスクになるでしょう。補助金や助成金の申請を検討している場合は、事前に社会保険への加入手続きを行ってください。

損害賠償を請求される可能性がある

会社の社会保険に加入できない場合、従業員は自分で国民年金や国民健康保険に加入し、保険料を支払わなければなりません。国民年金は厚生年金と比べて将来受け取れる年金額が低額なのに加え、扶養者がいる場合は社会保険より保険料の負担も増えます。

社会保険未加入によって不利益を被ったことを理由に、従業員や元従業員が会社に対して賠償金を請求するケースがあるため注意が必要です。従業員との関係を悪化させないためにも、雇用関係が発生した時点で社会保険への加入手続きを行いましょう。

会社設立時の社会保険加入に関するよくある質問

会社設立時の社会保険加入に関するよくある質問

社会保険の加入に関しては、疑問に思うこともあるのではないでしょうか。ここからはよくある質問と回答を紹介しますので、疑問解消に役立ててください。

Q. 加入手続きが遅れた場合はどうなる?

社会保険の時効は2年のため、2年以内ならいつでも手続きできます。ただし前述の通り、年金事務所から加入要請があったにも関わらず手続きを行わないと、立入調査などのリスクを負うためなるべく早く手続きをしてください。なお、加入手続きが60日以上遅れた場合は遅滞理由書などの追加書類が必要となることもありますので、あらかじめ年金事務所へ確認しましょう。

Q.パートやアルバイトも社会保険の加入対象になる?

労災保険は会社ごとに加入するため、アルバイトやパートを含む全ての従業員が雇用と同時に加入扱いとなります。年金保険・健康保険・雇用保険は、アルバイトやパートを常用的に雇用し、1週間の労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が正社員の3/4以上の勤務となった場合に加入手続きを行うのが原則です。

まとめ

まとめ

会社設立時には、たとえ社長1人だけだとしても社会保険への加入手続きが必要です。健康保険と年金保険は年金事務所、雇用保険はハローワーク、労災保険は都道府県の労働局で手続きを行うため、それぞれの必要書類と流れを確認してください。未加入状態が続くと過去2年分の保険料を徴収されるなどのリスクがあるため、期限内に手続きを終えられるようスケジュールを組んでおくのがおすすめです。社会保険の手続きをしっかりと行い、万全の状態で会社運営をスタートさせましょう。

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記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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