ネイルサロン開業のステップ!物件や内装選びと集客の重要ポイント

ネイルサロンの開業をお考えではないでしょうか。
ネイルサロンは自分のペースで働けることや、直接お客様に喜んでもらえるなど、さまざまな魅力があります。一方で、ネイルサロンを開業したくても、「開業は難しそう」「どうやって開業したらいいかわからない」など不安に感じることもあるでしょう。
ネイルサロンの開業は、事前準備や資金計画をしっかり行って効率よく進めていくことが重要です。
この記事では、ネイルサロン開業のステップや物件、内装選びと集客のポイントを紹介します。
- 【この記事のまとめ】
- ネイルサロンを開業するために資格や経験などは不要ですが、資格や経験があると有利です。
- ネイルサロンを始めるためには事業計画や開業資金の調達、コンセプトづくりが重要です。
- ネイルサロンの経営を持続させるためにはリピーター獲得がポイントになります。/li>
- ネイルサロン開業で知っておきたいこと
- ネイルサロン開業に必要な資格と経験
- ネイルサロンの主な形態
- ステップ1.ネイルサロン開業の準備段階
- 事業計画の立て方
- 開業資金の調達方法
- ターゲット顧客の設定とコンセプトづくり
- ステップ2.ネイルサロンの開業手続き
- 開業届と青色申告承認申請書の提出
- その他の必要な手続きと保険加入
- ステップ3.ネイルサロンの物件と内装の選び方
- 立地条件と物件選びのポイント
- 内装デザインと必要な設備
- ステップ4.ネイルサロンの必要機材と仕入れ
- 必要な機材とツールのリスト
- 仕入れ先の選び方と在庫管理
- ステップ5.ネイルサロンの集客と運営
- 効果的な集客方法とSNS活用
- リピーター獲得のためのサービス設計
- スタッフ育成と管理のポイント
- まとめ
ネイルサロン開業で知っておきたいこと

ネイルサロン開業の準備にあたって、まずは必要な資格と経験、形態などを知っておきましょう。
ここでは、ネイルサロン開業で知っておきたいことを解説します。
ネイルサロン開業に必要な資格と経験
ネイルサロン開業に必要な資格や経験はありません。
ネイルに関する資格として、ネイリスト技能検定やジェルネイル検定などがありますが、これらの資格を取得していなくても、ネイルサロンの開業はできます。
一方、ネイルには高いスキルが必要になるため、一定の技術や経験がなければ顧客を確得することは難しいでしょう。資格を取得していることでスキルを持っていることの証明になるため、ネイリストとしての知名度や実績がない場合は資格がある方が有利になるでしょう。
ネイルサロンの主な形態
ネイルサロンの主な形態は以下の3つです。
- 自宅開業
- 店舗開業
- フランチャイズ開業
ネイルサロンは、施術できる場所があれば自宅を使って個人事業として開業可能です。自宅を所有していて、小規模から気軽にスタートしたい場合に向いています。
また、テナント契約で商業施設やビルの一角を借りて、独立した店舗として開業する方法もあります。立地条件がよければ集客しやすいメリットがある一方、コストがかかりやすいのがデメリットです。
フランチャイズ開業は、本部のノウハウやブランド力を活用したり、経営サポートが受けられたりするメリットがあります。ただし、契約の自由度が下がったり、ロイヤリティが発生したりする点には注意が必要です。
ステップ1.ネイルサロン開業の準備段階

ネイルサロンを開業するためには事前準備が大切です。
ここでは、ネイルサロン開業の準備段階について解説します。
事業計画の立て方
ネイルサロンの開業にあたって、安定した経営を目指すためにも事業計画を立てる必要があります。
事業計画では、以下のポイントを含めて考えていくのがポイントです。
- 開業の目的・動機
- 経営者の職歴や実績
- サービス内容
- 材料の仕入れ先
- 従業員
- 借入の状況
- 資金の調達方法
- 事業の見通し
- 競合分析
事業計画を立てることにより、事業の全体像がわかりやすくなり、実現可能性や改善点などの検討ができます。また、融資を受ける際には提出を求められる場合が多いため、必ず作成しておきましょう。
事業計画書を作成すべき理由やメリット、書き方について、以下の記事でも詳しく解説しています。
開業資金の調達方法
ネイルサロンを開業する際は、資金の調達方法を考えておく必要があります。
開業資金は自宅開業だと30万円前後、店舗開業だと200万円前後、フランチャイズ開業だと300万円~700万前後です。開業資金が不足する場合は金融機関からの融資や、補助金や助成金を活用するのも良いでしょう。
資金調達を考える際は、同時に無理のない返済計画を立てることも大切です。返済計画を立てることは資金繰りの安定や融資審査など、持続的な経営を続けるためにも欠かせません。
ターゲット顧客の設定とコンセプトづくり
ネイルサロンを開業するためには、ターゲット顧客の設定とコンセプトづくりが必要になります。
ターゲット顧客やコンセプトを作る際は、顧客の年齢やライフスタイルに合わせることがポイントです。ネイルサロンを利用する年齢層は10代~60代以上と幅広く、学生や主婦、接客業などさまざまです。
この中から競合店やサロンの立地、自身のネイルスキルや得意なネイルデザインに合わせ、顧客の設定やコンセプトづくりをしましょう。
また、ネイルサロンで安定した収入を得るためには、リピーターの獲得も欠かせません。ターゲットの設定だけではなく、何度も通いたくなるような安心感や雰囲気などもコンセプトに含めていくと良いでしょう。
ステップ2.ネイルサロンの開業手続き

ネイルサロンを開業するためには、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
ここでは、ネイルサロンの開業手続きについて解説します。
開業届と青色申告承認申請書の提出
ネイルサロンを開業した後に必要なものは開業届です。
開業届は提出しなくてもネイルサロンの開業はできるものの、開業届は開業後1カ月以内に届け出ることと法律で定められているため、必ず行いましょう。
青色申告を行う場合は、青色申告承認申請書の申請が必要です。青色申告を行うと、赤字の繰り越しや青色申告特別控除受けられるなど大きなメリットがあります。
開業届の書き方や提出後にやるべきことは以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
その他の必要な手続きと保険加入
ネイルサロンを開業するにあたり、店舗が入居する建物が防火対象物に該当する場合は、消防署に防火対象物使用開始届出書を提出する必要があります。これは、ネイルサロン内での火災防止や安全管理のための手続きで、建物によっては不要です。
また、ネイルサロンを経営する際は、義務ではないものの、賠償責任保険や休業保障などに加入しておいた方がよいでしょう。賠償責任保険は、施術中にお客様がケガをした場合の保険、休業補償は事故や災害によって営業できなくなった場合に収入を保証するための保険です。
ステップ3.ネイルサロンの物件と内装の選び方

ネイルサロンを開業するにあたって、物件選びや内装デザインは重要なポイントになります。
ここでは、ネイルサロンの物件と内装の選び方を解説します。
立地条件と物件選びのポイント
ネイルサロンの物件を探す際は、ターゲット層が多くコンセプトに適していることや、競合のネイルサロンがないかもチェックしましょう。
立地条件が良いのは駅周辺、ビジネス街、住宅街などがあり、それぞれのエリアの特性をリサーチし、自身のイメージに合った場所を選ぶことが重要です。また、物件にもテナント物件や路面物件、居抜き物件など、さまざまな種類があります。
物件によってコストも変わってくるため、まずは初期コストやランニングコストを算出し、それに合った物件選びが必要です。
内装デザインと必要な設備
ネイルサロンの物件が決まったら、内装デザインを決めて、必要な設備を揃えていきましょう。
内装デザインのコンセプトは「おしゃれ」「清潔」「居心地の良さ」であり、おしゃれな空間でも癒しや落ち着き感がなければ魅力的とはいえません。
また、必要な設備としては粉塵を抑える空気清浄機や換気設備などがあります。内装デザインや必要な設備を把握したら、内装工事や設備投資に必要な資金を算出して調達しましょう。
ステップ4.ネイルサロンの必要機材と仕入れ

ネイルサロンを開業するにあたって、必要な機材と仕入れについても考えておく必要があります。
ここでは、ネイルサロンに必要な機材と仕入れ先の選び方、在庫管理のポイントを解説します。
必要な機材とツールのリスト
ネイルサロンを経営する際には、以下の機材やツールが必要です。
用品 | 詳細 |
ネイル施術用品 | ジェルネイル一式、ネイルチップ、ネイルフォーム、ネイルグルー、ネイルポリッシュ、ネイルアート用品など |
衛生・消毒用品 | 消毒液、消毒ケース、除菌ジェル、マスク、ペーパータオル、使い捨て手袋、洗浄用具など |
ケア用品 | ハンドクリーム、ネイルオイル、リムーバー、コットン、キューティクルリムーバー、ウッドスティックなど |
その他 | 証明器具、ネイルカラーチャート、ネイルアートサンプル、チェア、クッション、テーブル、収納キャビネット、ゴミ箱、傘立て、雑誌ラック、ミラーなど |
中でも特に重要となるのはチェアやテーブルです。施術中は長時間座った状態のままとなるため、長く座っていても疲れないようなテーブル・チェア選びが必要となります。
また、ネイルの施術に使う薬剤にはプラスチックを溶かしてしまうようなものもあるため、薬剤をこぼしても変質しないものを選びましょう。
仕入れ先の選び方と在庫管理
ネイルサロンを始めるためには、仕入れ先選びや在庫管理も必要となります。
仕入れ方法としては、卸業者やネイル用品専門店、ネット通販、海外からの輸入などがあります。事業が大規模であれば卸業者やネイル用品専門店から仕入れるのが一般的ですが、個人経営であれば、その都度ネット通販や海外から購入しても問題ありません。
在庫管理は、エクセルやスプレッドシートなどを使って在庫管理表を作成しておくと便利です。在庫管理表があれば、仕入れ状況や現在の在庫量を一目で把握できるため、欠品や過剰在庫を防げます。
事業の規模が大きい場合は、在庫管理システムを導入するのも良いでしょう。
ステップ5.ネイルサロンの集客と運営

ネイルサロンの経営を安定化させるためには、集客や運営にも力を入れる必要があります。
ここでは、ネイルサロンの集客や運営方法を紹介します。
効果的な集客方法とSNS活用
ネイルサロンで安定した収益を得るためには、効果的に集客する必要があります。
集客方法には、チラシや看板の設置などのオフライン集客をはじめ、ブログやWebサイトの開設、SNSなどを使ったオンライン集客があります。中でも、SNSは初期費用やランニングコストを抑えながら集客できることや、ネイルサロンとの相性が良いこともあり、おすすめです。
ネイルサロンとSNSの相性が良いのは、SNSユーザーにはネイルサロンの見込み客が多いことや、お店の雰囲気を視覚的にアピールできることが挙げられます。SNSでネイルデザインを投稿することによって、ネイルサロンへの認知度が高まり、集客につながる可能性も高まるでしょう。
リピーター獲得のためのサービス設計
ネイルサロンでリピーターを獲得するためには、サービス設計も重要です。
例えば、予約システムを完備することによって次回の予約を簡単に取れるようにしたり、会員専用割引を提供したりするのも効果的といえます。
また、リピートしてもらうために施術中の会話の中で出てきた顧客の好みや履歴を記録し、次回来店した際にその話題を出すと特別感を感じてもらえるでしょう。
他にも、誕生日や特別な日に合わせて割引やプレゼントを提供するのもおすすめです。
スタッフ育成と管理のポイント
ネイルサロンのスタッフ育成と管理は、事業を成功させるためにも重要です。
スタッフ育成では、育成目標を設定して、継続的なスキルアップトレーニングを実施し、フィードバックを行うと良いでしょう。
スタッフ一人ひとりの役割や責任を明確にし、お互いが支える環境を作ることも大切です。コミュニケーションの場やミーティングの場を設けることで、チームとしての団結力も高まります。
また、スタッフが働きたいと思えるような労働環境の整備や雰囲気づくりも大切です。スタッフの働きに応じた正当な評価や報酬制度も、モチベーションアップにつながるでしょう。
まとめ
この記事では、ネイルサロン開業のステップや物件、内装選びと集客の重要ポイントを解説しました。
ネイルサロンを開業するにあたって、開業方法や事業計画を練り、コンセプトの明確化や資金調達の方法を考えることが大切です。
設備や道具を新たに用意する場合や、テナントを借りて開業する場合は、初期費用も多くなるため早めに準備を進めましょう。
自宅に空いたスペースがある場合は、自宅ネイルサロンからスタートするのもおすすめです。
また、ネイルサロンはリピーターの獲得が重要になります。新規顧客に対する施策だけではなく、継続的に通ってもらえる仕組みを意識した集客も必要です。
自身の強みや売り、ターゲットを明確にし、それに合わせた戦略を立てていきましょう。
- 記事監修
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- 中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
- 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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