副業と本業の違いは?両立させるためのポイントや収入で本業を超えるコツ
近年では副業を認めている企業が増えてきており、関心を寄せている人も多いことでしょう。とはいえ、副業を本業と両立させることは簡単ではありません。
そこで本記事では、本業と副業を両立させるためのポイントや、本業の収入を超えるコツ、その際の注意点などについて解説していきます。副業に興味がある方、始めたばかりだという方は、ぜひ最後までお読みください。
- 【この記事のまとめ】
- 本業は主要な収入源で、安定性が求められます。一方、副業は追加収入を得る柔軟な手段で、スキルや労働時間に多様性があります。
- 副業を本業と両立するには、労働時間の管理、効果的な時間活用、やること・やらないことの優先順位が重要です。
- 副業収入が本業を超える場合は、確定申告を忘れずに行い、必要に応じて開業届を提出することが重要です。
副業とは?本業との違い
副業とは、本業以外の仕事で収入を得ることです。法律上、
は明確に定められていませんが、一般的には、本業以外に就労するすべての仕事を指します。本業と副業の違いについて、下表にまとめたのでご覧ください。
違い | 本業 | 副業 |
---|---|---|
収入源の主次 | 主要な収入源 | 追加の収入源 |
労働時間と柔軟性 | 一定の労働時間 | 柔軟なスケジュール |
スキルと専門性 | 専門知識やスキルを活用 | 幅広い分野での活動 |
リスクと安定性 | 業界や組織の安定性に依存 | 収入の変動があるがリスク分散が可能 |
副業を本業とのバランスを考えながら始める際には、これらの違いを把握し、自分の目標や状況に合った選択をしましょう。それぞれ詳しく解説します。
収入源の違い
本業は、生活の基盤を支えるため、安定感のある収入を得ることが求められます。
一方で、副業は追加の収入を提供するものであり、生活の足しにするケースが多いです。主業としての収入がない限り、副業で生計を立てるのは難しいでしょう。
労働時間と柔軟性
本業は通常、一定の労働時間や勤務条件が設定されています。一方で、副業はより柔軟なスケジュールで行えることが多く、仕事の融通が利きやすいです。自分の都合に合わせて効率的に時間を使えます。
スキルと専門性
本業は、専門的な知識や経験を活用して、深いレベルでの業務を担当します。一方で、副業は専門性を持たないジャンルでも、趣味やアイディアを活かしたり、幅広い仕事に挑戦できる環境となります。
リスクと安定性
本業は、その業界や組織の安定性によってリスクが変動します。安定した企業で働く場合、比較的安定した収入が期待されますが、経済変動や業績の変化によって影響を受けることもあるでしょう。
一方で、副業は収入が変動しやすいですが、複数の収入源を持つことで全体のリスクを分散することも可能です。
本業と副業を両立させるためのポイント
ここでは、本業と副業を両立させるためのポイントを3つほど紹介します。
- 労働時間に注意する
- 本業以外の時間を有効活用する
- やること・やらないことの優先順位を決める
それぞれ見ていきましょう。
労働時間に注意する
法律で定められた労働時間を超えて働くことは、健康や安全に悪影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、効果的な時間の使い方で、無理なく成果を上げるためのポイントを紹介します。まずは、スケジュールの立て方を意識してみてください。本業と副業のタスクを調和させ、予定をきちんと組めば、無駄な時間の浪費を避けられます。タスクの優先順位を明確にし、大事な仕事を確実にこなすように取り組んでみましょう。
また、適度な休憩も大切です。本業との両立は長時間の作業になりがちなため、生産性を下げる恐れがあります。計画的な休息を取り入れ、リフレッシュする時間を確保すれば、集中力を維持しながら効率的に作業できます。
さらに、法定労働時間にも気を配りましょう。法定労働時間とは、1週間の労働時間が原則40時間を超えないように定められた規定です。こちらは、労働者の健康や労働環境を守るための重要なルールです。
労働基準法に違反すると、労働者と雇用主の間で問題が生じる可能性があります。
副業と本業の労働時間を合わせる際には、法的な制約を理解し、バランスを取っていきましょう。法定労働時間を超える場合には、適切な手続きや条件が必要となるため、注意深く計画を立ててみてください。
本業以外の時間を有効活用する
本業を定時で終えた後の時間を有効に使えば、副業の成果を最大限に引き出せます。ここでは、その方法について詳しく考えてみましょう。
まず、仕事のタスクを細かく分けるのが効果的です。小さなタスクをリストアップし、それを短い時間でこなすことを目指します。たとえば、10分や30分の時間でも取り組めるタスクを準備しておき、スキマ時間を活用して段階的に進めていくなど工夫してみましょう。
また、自己管理を徹底することも大切です。本業以外の時間を有効に使うためには、計画的なスケジュールを立て、目標を設定することも必要でしょう。これにより、作業の優先順位を明確にし、時間の無駄遣いを防げます。
定時退社後の時間を副業に充てる際には、いくつかの方法があります。例えば、通勤時間を有効に使う方法です。通勤や電車内での作業や勉強、情報収集など、限られた時間でも成果をだすためには有効活用していきましょう。また、定時退社後に専念するのではなく、週末や休日にまとまった時間を副業に費やしてみるのもひとつの手段です。
計画的な時間の使い方を意識し、自分のペースに合わせたやり方で取り組んでみましょう。
]やること・やらないことの優先順位を決める
結論として、副業のやること・やらないことの優先順位は、個々の目的や状況によって異なります。
副業をするにあたって、どの活動を優先したいのか考えてみましょう。例えば、収益を最大化したいのか、新しいスキルを身につけたいのか、将来的なキャリアを築くための布石を打ちたいのか、その目的に応じて優先順位を設定します。
収益を最大化する場合
直接収益に結びつく仕事やプロジェクトを優先的に取り組むべきです。高単価の案件や需要の高い分野に注力すれば、効果的に収入を増やせます。ただし、短期的な収益だけでなく、長期的な展望も見据えてプランを練ることも重要です。
新しいスキルを身につける場合
スキルアップや専門性の向上を目指すのであれば、新しいスキルを磨くための時間を確保しましょう。これには学習や研鑽が含まれます。将来のために重要なスキルや知識を習得し、価値を高めていけます。
キャリアの布石を打つ場合
ビジョンを持って計画を進めることが大切です。業界や分野において知名度を広げたり、専門的な実績を積み重ねたりすれば、本業と副業の両方でキャリアを手にすることができるでしょう。自分の目標を明確にし、それに合った戦略を練ることが成功への近道となります。
稼げる副業とは?本業の収入を超えるコツ
前提として、副業の稼げる基準は人それぞれです。理由としては、稼げる副業の定義は人それぞれ異なっており、目的次第で収入に違いがでるからです。つまり、個人のスキルや努力次第で変動します。
副業で稼ぐカギは、自分のスキルと市場の需要をうまく結びつけることにあります。個人の目標に合わせた戦略を練り、着実に成果を上げる努力を続けていきましょう。詳しくは、以下の記事もぜひ参考にしてください。
本業よりも稼ぎたい場合は、以下の2点に関するポイントを押さえておきましょう。
単価が高い副業を選ぶ
副業の選択肢を検討する際に、単価が高い仕事を選ぶのが重要です。以下では、アフィリエイト、SNS運用、動画編集など、副業の中でも注目を浴びている高単価の仕事について説明します。高単価を見込めるため、自分の得意分野や興味に合わせて積極的に選んでいきましょう。
注意点としては、スタートから収入を上げるまでには時間や努力がかかることです。確かなスキルや戦略の構築ができれば、単価が高い副業として仕事にできるため、本業より稼ぎたい方にとっては魅力的な仕事になるでしょう。
アフィリエイト
アフィリエイトは、他社の商品やサービスを紹介し、成果に応じて報酬を受ける仕組みです。一度設定が整えば、継続的な収入が見込める一方で、最初に必要な知識やマーケティングスキルが求められます。
SNS運用
SNS運用は、企業や個人のSNSアカウントを管理し、フォロワーの増加やエンゲージメント向上を目指す仕事です。一定のファンベースを築ければ、収益もアップする可能性がありますが、コンテンツの企画や戦略的な発信が欠かせません。
動画編集
動画編集は、YouTubeやSNS上での動画コンテンツ編集を担当する仕事です。需要が高まっており、高品質な編集スキルを持つ人材に求められています。クリエイティブな視点や編集技術が問われる一方で、実績を積むことで収入を伸ばせます。
時間管理を意識する
本業の長時間労働でも、副業に捧げる時間を確保することが必要です。労働時間が長く、使える時間がなくなってしまう場合、稼ぐのは難しくなってきます。そのため、毎週のスケジュールを見直し、実際に副業に使える時間を明確に設定しましょう。
無理のない範囲で取り組むのが大切なので、効率的なタスクの優先順位を考えてみてください。副業の時間を有効に活用し、自分の成果を最大限に引き出す工夫をしていきましょう。
副業収入が本業を超えたら注意すること
ここでは、副業収入が本業を超えたら注意することを2つ説明します。
- 確定申告を忘れずに行う
- 収入が安定したら開業届を提出してもよい
それぞれ見ていきましょう。
確定申告を忘れずに行う
副業で収入が本業を上回る場合(20万円以上)、確定申告を怠ることは避けてください。確定申告は法的義務であり、行わない場合には重大なリスクが伴います。
具体的なリスクは下表をご覧ください。
リスク | 内容 |
---|---|
罰金の課税 | 確定申告を怠ると、税務署からの指導や調査の対象となり、収入の隠し捜査が行われる可能性があります。 |
信用の低下 | 確定申告の怠りは信用の低下に繋がることがあり、将来的な金融取引や融資の際に支障をきたす可能性があります。 |
刑事罰の対象 | 売上を隠して納税漏れをすることは、脱税行為とみなされる場合があり、刑事罰が科せられることがあります。 |
副業を通じて得た収入も正当に申告し、法的な義務を果たせば、将来的なトラブルを避けつつ、安心して副業活動を続けていけます。
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収入が安定したら開業届を提出してもよい
副業で収入が安定して本業を超える場合、開業届の提出を検討することが重要です。
開業届のメリットとデメリットは下表になります。
メリット | 内容 |
---|---|
資金調達の機会 | 銀行などの金融機関での融資が受けやすくなり、ビジネスの成長を支援する機会が増えます。 |
法的な安心感 | 事業を法的に成立させることで、ビジネスの運営が安定し、信頼性が向上します。 |
経費の控除 | 事業として収入を得ている場合、必要経費を控除できるため、税金の負担軽減が期待できます。 |
デメリット | 内容 |
---|---|
税金の支払い | 事業としての収入には、所得税や消費税が課税されます。収入に対する税金の支払いが必要です。 |
事業運営の責任 | 事業を運営する際には、税金や手続きなど、法的な責任を果たす必要があります。 |
手続きの複雑さ | 開業届の提出や経理などの手続きは煩雑で、正確な情報提供が求められます。 |
副業を本格的な事業に発展させる際には、法的な手続きを正しく行うことが重要です。
なお以下の記事では、開業届の具体的な手続きやその影響について詳しく解説しています。
副業に関してよくある質問
ここでは、副業に関するよくある質問について回答していきます。
複業や兼業との違いは何?
「複業」と「兼業」は、副業という概念の中で微妙な違いがあります。複業は本業とは異なる分野の仕事を並行して行うのを指し、趣味やスキルを生かした収入源を持つ例です。
一方、兼業は本業と同じ職種や業務内容で、別の仕事を並行して行うことです。通常は専門性を活かした収入の追加を意味します。どちらも個人の状況や目的に合わせて選ぶことが必要なため、2つの働き方で迷われている場合は慎重に検討してみてください。
本業と副業どっちで稼ぐ方が向いているか判断するには?
個人の目標や価値観により、本業と副業の選択が変わります。
判断基準 | 本業で稼ぐ | 副業で稼ぐ |
---|---|---|
目標の達成 | 〇 | 〇 |
収入の分散 | × | 〇 |
専門性の深化 | 〇 | × |
経済的安定 | 〇 | 〇 |
スキル活用 | × | 〇 |
本業でのキャリアを重視するなら本業、収入多様化を求めるなら副業が適しています。最終的な判断は自分の優先事項と将来のビジョンに基づいて行うべきです。
ダブルワークはいくらまで稼いでいいの?
ダブルワークの収入制限は、大きく分けて税金と社会保険の2つです。
本業がある場合、ダブルワークの収入が合計20万円を超えると、確定申告が必要になります。確定申告をしないと、税金の還付を受けることができません。また、ダブルワークの収入が合計103万円を超えると、住民税の課税対象となります。さらに、ダブルワークの収入が年間130万円を超えると、社会保険の扶養から外れます。社会保険の扶養から外れると、健康保険や厚生年金保険の被保険者資格を失い、社会保険料の負担が発生するようになります。
ダブルワークを行う場合、以上のことに注意しましょう。
副業を本業にする目安は?
副業を本業に移行する際、以下のポイントを考慮してみてください。
ポイント | 目安 |
---|---|
収入水準 | 副業収入が、生活費や必要経費をカバーできる程度に安定していること。 |
スキルと専門性 | 副業のスキルや専門性が本業のレベルに達していること |
リスクと準備 | 本業に移行するためのリスク評価と、それに対する計画と準備が整っていること。 |
市場の需要 | 本業としての需要や市場トレンドを十分に調査し、長期的す見込まれること。 |
リソース | 必要な場合、協力者やパートナーを探し、ビジョンを共有できる人的ネットワークを構築すること。 |
以上のポイントを総合的に評価し、副業を本業に移行する際の目安を考えることが大切です。焦らず、計画的な段階移行を検討するのが重要です。
まとめ
副業と本業の違い、両立のポイント、稼げる副業、そして本業から副業への移行について、いろんな視点から解説しました。副業は柔軟な働き方や複数の収入を得る手段として、将来に向けて取り組むべきものです。
また、本業とのバランスを保つためには、労働時間の管理や優先順位の設定が大切です。収入の安定や節税のために確定申告や開業届の手続きを忘れずに行いましょう。
さらに、副業を本業にするかどうかの判断は個人の状況や目標によります。スムーズな移行のためには、収入水準やスキル、市場の需要などを考慮し、計画的な段階移行を検討してみましょう。
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- 記事監修
-
- 中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
- 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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