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起業・創業

シード期とは?かかる費用や活用できる6つの資金調達方法を紹介

シード期とは?かかる費用や活用できる6つの資金調達方法を紹介

スタートアップ企業が事業を開始する初期段階をシード期と呼びますが、起業前や起業後間もない時期の資金調達方法に、不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

シード期には人件費や固定費をはじめ、多くの出費が発生します。そのため、事業を円滑に運営していくためにも、資金調達は非常に重要な課題の一つです。

この記事では、シード期に必要となる主な費用や活用できる資金調達方法、経営を成功させるためのポイントなどを紹介します。

シード期とは

シード期とは

シード期とは、スタートアップ企業が事業を開始する初期段階のことです。

一般的には、製品やサービスのアイデアがある段階から、プロトタイプの開発や市場調査を進める段階までを指します。

シード期はまだビジネスモデルが確立されておらず、市場における需要や競合環境などの不確定要素があるため、多くのリスクを伴います。

しかし同時に、大きな成長の可能性を秘めているともいえるでしょう。

シード期以降の成長段階

シード期以降の成長段階

シード期以降の成長には、以下の段階があります。

  • アーリー期
  • ミドル期
  • レイター期

ここでは、それぞれの成長段階について詳しく紹介します。

アーリー期

アーリー期とは企業がシード期を終え、製品やサービスの開発が進み、市場投入を目指す段階です。

シード期で得られた資金をもとに製品やサービスの開発を進め、市場に向けたマーケティング戦略を練り、顧客獲得に向けた営業活動を展開する段階を指します。

まだビジネスモデルが完全に確立されていないため、依然としてリスクはありますが、成功すれば大きな成長を遂げ、市場における地位を確立できる可能性があります。

アーリー期は企業にとって大きな分岐点となる重要な時期であり、適切な経営戦略の立案と実行が求められます。

ミドル期

ミドル期とは、アーリー期を終え事業規模を拡大していく段階です。

具体的には、製品やサービスの開発が進み、市場での地位を確立し収益が増加していく段階のことを指します。ビジネスモデルが確立され、事業運営が安定化し、多くの場合で利益を出し始めます。

まだ成長の余地があるため、新たな市場や製品分野への進出など、戦略的な意思決定が必要です。また、企業の拡大やプロセスの最適化など、内部改革も必要になるでしょう。

レイター期

レイター期とは、企業が成長を続けて事業規模を拡大していくなかで、成熟期に入った段階です。収益は安定していますが、企業にとってはこれまで以上に経営戦略の選択が重要になります。

また、レイター期においては既存の製品やサービスを改善し、さらに高品質のものが求められ、新たな分野への進出や新規事業の創造が必要になることもあります。

さらに、企業の再編やプロセスの見直し、効率化などの内部改革も必要になるでしょう。これらの取り組みによって事業の生産性を高め、より収益性の高い事業モデルを確立することが求められます。

シード期にかかる費用

シード期にかかる費用

シード期にかかる費用は、以降の段階と比較すると少ない傾向にありますが、準備資金が少ない場合には資金調達が必要となります。

ここでは、具体的にどのような費用がかかるのかを紹介します。

会社設立

会社設立の際には、法人登記が必要になります。例として、株式会社を設立する際にかかる費用の内訳を紹介します。

定款の収入印紙代(電子定款の場合は不要) 4万円
定款の認証手数料(資本金額によって異なる) 3万円〜5万円
設立登記にかかる登録免許税 15万円

合計で約24万2千円の費用が必要になります。

また、登記を司法書士や行政書士に依頼する場合には、さらに5万円〜10万円の費用がかかる場合があります。

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市場調査

市場調査をリサーチ会社に依頼する際は、およそ5万円〜10万円程度の費用がかかりますが、サービス内容によっては100万円を超える場合もあります。

市場調査を行うことで、自社の製品やサービスがどのような層に需要があるのか、またはどのような競合が存在するのかなど、さまざまな情報を収集することができます。

また、市場調査を行うことで、自社の製品やサービスに対する顧客のニーズを把握することができ、改善点があればその部分をブラッシュアップすることで、顧客満足度を向上させることができます。

人件費・オフィス

事業を開始するにあたって、オフィスの賃貸契約や人を雇う場合には、初期費用や人件費が必ず発生します。

人件費で見落としがちなのが社会保険料の負担です。会社を設立する際には代表者一人の会社であったとしても、役員報酬を取る場合には社会保険に加入する必要があるため、その分の費用も見積もっておきましょう。

オフィスを借りる場合の一般的な初期費用は、以下の通りです。

保証金 賃料のおよそ6ヶ月〜1年分
礼金 賃料のおよそ1〜2ヶ月分
前家賃 賃料に応じた額
仲介手数料 賃料のおよそ半月〜1ヶ月分
火災保険料(2年契約の場合) 2〜3万円

事業用物件の場合は、一般の住居に比べて初期費用が高額になりやすい傾向があります。

保証金が高額になる理由としては、万が一事業が低迷した場合、居住用に比べて賃料を滞納するリスクが高くなるからです。

シード期の6つの資金調達方法

シード期の6つの資金調達方法

シード期では、将来的に成功するために必要なリソースを持っていないことが一般的であるため、事業を円滑に運営していくための資金調達は重要な課題の一つといえます。

ここでは、シード期の代表的な資金調達方法を6つ紹介します。

自己資金

自己資金を利用するメリットは、返済の必要がなく利用上の制約がないことです。

起業後間もない時期は、特に経営が不安定な状態であるため、返済の必要がないという点は非常に大きなメリットだといえるでしょう。

また、銀行からの融資を利用する際には、自己資金額に応じて融資額が決められることもあります。

補助金・助成金

補助金・助成金とは、国や地方自治体、民間の団体などが地域振興や中小企業支援、スタートアップ企業の成長促進、雇用環境の安定、改善などを目的に資金を提供するものです。

銀行からの融資とは異なり、原則的に返済不要という特徴があります。

補助金・助成金は主に以下4つの組織が運営しており、それぞれの組織により特徴が異なります。

  • 厚生労働省
  • 経済産業省
  • 地方自治体
  • 民間団体・企業

厚生労働省では、主に雇用に対する支援を行っています。助成金を中心に取り扱っており、人材採用や雇用環境の改善に対して支援を受けたい企業は、厚生労働省系の助成金を視野に入れましょう。

経済産業省は、シード期の企業も活用できる補助金制度があります。高額な補助金を取り扱っているということもあり、申請者が多いため誰でももらえるわけではありません。

地方自治体は、地域内の産業振興などの目的で創業支援の補助金や助成金を実施しています。内容は多岐にわたり、積極的に補助金や助成金の支出を行なっている自治体と、積極的ではない自治体とで温度差が生まれます。

そのため、自身が起業している市区町村で実施している補助金・助成金の内容を確認することをおすすめします。

また、民間団体や民間企業などが、社会公益を目的として行っている制度もあります。条件や種類、支給額は団体により異なるため、直接問い合わせて確認するようにしましょう。

なお、助成金・補助金は後払いで支払われるため、それまでは自己資金や銀行からの融資などで資金調達を行う必要があります。

銀行融資

銀行からの融資は、資金調達の方法として一般的です。銀行が企業の事業計画や決算書を審査し、事業規模に見合った金額の融資を受けることができます。

シード期は信用性が低いため、一般的には信用保証協会の保証をつけて融資を行うことが多く、事業の実績が少ない企業でも融資を受けやすいというメリットがある一方、信用保証料が発生するというデメリットがあります。

また、金利がかかる点や、金融機関によっては審査が厳しい場合があり、希望額を調達することができない可能性があるため注意が必要です。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫では、日本の経済成長・発展への貢献や、地域活性化への貢献を経営方針として掲げているため、新たな事業への支援、中小企業や小規模事業者への融資を積極的に行っているという特徴があります。

そのため、企業の将来性や利益向上の見込みを説明できれば、低金利かつ無担保・無保証人で融資を受けることができます。

なお、シード期でも比較的融資を受けやすい特徴がありますが、自社のみで融資を申し込んだ場合、約半数が審査に落ちてしまったり、融資額が希望額よりも減額されてしまう可能性があるため、認定支援機関や専門家を経由して融資を申し込むことを視野に入れましょう。

エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、起業後間もない企業に対して出資を行う個人投資家のことです。エンジェル投資家は、出資した企業の成長により配当や株式売却により収益を得ることができます。

エンジェル投資家からの資金調達は借入ではないため、返済義務が生じないというメリットがあります。

また、金融機関のように明確な出資基準があるわけではなく、事業の内容や将来性などを重視した投資家個人の基準によって出資の有無が決定されます。

しかし、投資を受けるためには株式を渡す必要があるため、経営の自由度が下がるというリスクが生じる可能性があります。

ベンチャーキャピタル(VC)

ベンチャーキャピタルとは、将来性のあるベンチャー企業に対して自社で運用するファンドの資金を出資する会社のことです。

ベンチャーキャピタルは株式会社へ投資するため、審査やEXITなどの意思決定が会社レベルでの判断となります。

また、出資額はエンジェル投資家に比べて高額になるケースがあります。

しかし、企業はベンチャーキャピタルから定期的に経営状態や成果に関する報告が求められ、その際に事業に対して見込みがないと判断された場合には、投資金額の回収を求められる可能性があります。

シード期の経営を成功させる5つのポイント

シード期の経営を成功させる5つのポイント

シード期に重要となるのは、資金調達の確保だけではありません。ここでは、シード期の経営を成功させるためのポイントを紹介します。

事業計画の詳細を作成

事業計画書とは、投資家に出資を求める際や金融機関に融資を申し込む際に必要な書類のことです。

起業するにあたり、自社がそれぞれの成長段階でどのような状態になっているのかを、あらかじめ計画を立てて可視化しておくことで、事業を円滑に行える可能性が高まります。

また、計画や目標を立てておくことで、微調整を繰り返しながら事業を安定化させる仕組みを構築できるため、長期的な詳細まで作成することをおすすめします。

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経費削減の方法を考案

事業が安定するまでは、できる限り経費削減につながる工夫を考案する必要があります。

固定費が必要な正社員の確保以外にも、業務委託で仕事を振れる部分はないかを検討し、経費を節約できる方法を自社の従業員と相談することが重要です。

また、オフィスに関しても必要なスペースだけを確保し、余分な経費がかからないように工夫することで、固定費の削減につながります。

自社の将来性に共感してくれる従業員の確保

企業を成長に導くためには、自社の将来性に共感してくれる従業員を確保することが重要です。

志を共有できる従業員がいることで、意見を交わしながら一つひとつの課題を改善できる可能性が高くなります。

一方で、自社の将来性に共感できない従業員がいる場合には、事業を行ううえでトラブルにつながるリスクが高まり、それに伴い人材を失ってしまった場合、新たな従業員を確保するための労力が必要になることが考えられます。

そのため、従業員を募る際には人柄や企業理念に共感してくれるかどうかを見極める必要があります。

事業を拡大できる能力を持った人材の確保

事業を拡大させていくためには、製品やサービスをより多くの方に提供できる人材を確保する必要があります。企業は顧客に提供する製品やサービスを持っていますが、それだけでは利益につながりません。

事業を継続して拡大させていくためには、それらを市場に認知してもらい、消費者の購買意欲を高める必要があります。

そのため、事業を円滑に進めていくために必要な人材を検討し、自社のビジョンに沿った人材を確保することが重要です。

投資家へのアプローチ

シード期の企業は資金が不足していることが多いため、安定して経営を行う場合には、資金面をサポートしてくれる投資家の存在が重要になります。

投資家が出資する主な理由は、まだ市場に知られていない無名の企業に対し、将来の成長性に対して投資をすることでリターンを得ることです。しかし中には、純粋に企業のビジョンに共感して出資を行う投資家も存在します。

そのため、投資家に自社をアプローチするためには、先述で説明した事業計画書に明確な計画や目標を記載する必要があります。

まとめ

事業を開始する初期段階のシード期は、ビジネスモデルが確立されていないため、市場における需要や資金面での不安要素が多くリスクを伴います。しかし、それと同時に舵取り次第では成功につながる大きな可能性を秘めています。

シード期の重要な課題の一つとして、資金調達が挙げられます。シード期に活用できる資金調達方法にはさまざまな種類があるため、自社のニーズにあった方法を選択することが重要です。

また、事業を成功させるためには、事業計画書に明確な目標を記載し、将来のビジョンを可視化する必要があります。自社の将来性に共感してくれる従業員がいることで、一つひとつの課題や悩みを共感しながら改善につなげられるでしょう。

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記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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