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社会起業家とは?定義や起業家との違い、メリット、事例を徹底解説

社会起業家とは?定義や起業家との違い、メリット、事例を徹底解説

「社会起業家」という言葉について、あまり聞き慣れていない人もいることでしょう。社会起業家とは、「社会問題の解決」を起業の目的とし、事業を始める人のことを指します。

現代の社会では、環境や教育、資源などさまざまな側面で問題を抱えています。それらの解決には、画期的・革新的なアイデアを用いて対処することが有効な場合があります。このような問題を解決するために、社会起業家の存在が必要とされているのです。

この記事では、社会起業家の定義や向いている人の特徴などを解説します。実際の事例もまとめているため、起業を考えている人は参考にしてみてください。

【この記事のまとめ】
  • 社会起業家は、社会問題の解決を目的としてビジネスを行う起業家です。NPOとは異なり、利益を出して事業を継続させる必要があります。
  • 社会起業家は、収益を出しつつも社会問題解決に取り組むビジネスモデルが求められ、一般の起業家やNPOと異なる特徴を持ちます。
  • 社会起業家には、情熱や使命感、ビジネススキルが不可欠です。さらに、他者視点で課題を見つめ、事業を構築する力も求められます。

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社会起業家とは

社会起業家とは

社会起業家とは、「社会問題の解決」を起業の目的として事業を始める人のことです。

まず、社会起業家の定義や他の起業家との違いについて整理しましょう。ここでは、以下の観点から違いを紹介します。

  • 社会起業家の定義
  • 社会起業家と起業家の違い
  • 社会起業家とNPOの違い

社会起業家の定義

社会起業家の定義は、簡潔に言うと「ビジネスを通じて社会問題を解決する人」です。そもそも社会起業家は、世界各国の有識者と研究機関によって定義の意味合いが異なっています。しかし、「社会的な問題をビジネスの力・仕組みを活用して解決する」という点が共通していることは確かです。

ただし、社会起業家を名乗るには、社会問題を解決するだけでは不十分です。ビジネスである以上、利益を生むことは必須です。ボランティアなどとは異なり、自社の利益によってビジネスを継続していくことも「社会起業家」に求められる点といえるでしょう。

また、社会問題を解決するためには、これまでと異なるアプローチが必要となる場合があります。ビジネスを通し、新たなサービスなどを社会に提供することも社会起業家に求められるポイントでしょう。

社会起業家と起業家の違い

では、社会起業家は一般的な起業家とどのような違いがあるのでしょうか。両者の大きな違いは「起業のきっかけ」です。

起業家とは、自ら事業を始めた人のことを指します。起業家はビジネスにより利益を生むことが基本的な目標であり、事業内容が社会問題を解決するかどうかは特に関係ありません。

一方で、社会起業家は「社会問題を解決する」ことを前提にビジネスを行います。それゆえに社会起業家は、事業を起こした後に社会問題を解決してはじめて成立するといえるでしょう。

社会起業家とNPOの違い

「社会問題の解決」と聞いて、NPO(非営利組織)による活動をイメージする人も多いかもしれません。

内閣府によると、NPOは次のように定義されています。

様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称

引用元:内閣府NPOホームページ「NPOのイロハ」

つまり、社会貢献に取り組み、発生した利益は次の社会貢献活動へ充てることを基本とした団体がNPOです。NPO法人であっても、この点は変わりません。

NPOの場合、活動資金への利用として寄付を募っていることが多いです。内閣府によると多くの団体の財源別構造収益の内訳は、1番は事業収益の67.9%で、次いで寄付金が15.9%と収益全体の2番目に位置しています。

一方で、社会起業家の場合、ビジネスとして事業を継続していくことが求められます。そのため、寄付の積極的な利用は、社会起業家の本来の姿とは異なるでしょう。

社会起業家が行う主な事業

社会起業家が行う主な事業

社会起業家の事業領域には、医療・介護、教育、福祉、環境に加えて、ブランド事業や販売事業なども含まれます。

いずれの事業においても、最優先は社会問題の解決です。教育領域では不登校や無気力な生徒の支援、ブランド事業の場合は途上国の職人の技術を用いて衣類を制作などが、主な事業例として挙げられます。

なお、詳細な事例については「社会起業家の事例」で後述します。

社会的起業の形態

社会的起業の形態

社会的起業には、次のような形態があります。これから社会起業家として活動したい人は、まずはそれぞれの形態の特徴を押さえましょう。

株式会社・合同会社

株式会社は、社会的な信用も得やすいほか、資金調達が比較的容易な形態です。投資家などから資金を募れるため、大きめの事業を始めることもできます。株式会社では資金提供者と経営者が別の場合もあれば、同一の場合もあり得ます。

一方で合同会社は、出資者と経営者が同一であることが特徴です。加えて、株式会社よりも設立の費用が安価です。

一般社団法人

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に則って設立された法人を「一般社団法人」と呼びます。複数の人間が集い、設立することが前提であるため、一人では設立できません。そのため、法人として成立したのちに社員となる2人以上の社員が必要である点は、株式会社との大きな違いでしょう。

CIC

海外の場合、CIC(イギリス、コミュニティ利益会社)という形態もあります。特徴としては、事業によって得た利益を社会的な問題の解決のために再投資することを予定している会社です。いわゆる「会社組織」とは異なり、広く一般社会という意味合いでの「コミュニティ」に対する利益の提供が設立の目的として求められる点が、株式会社などと異なる点と言えます。まだまだCICの設立件数は株式会社など一般的な法人に比べて圧倒的に少ないのが現状です。

また「アセットロック」といって、上述したとおりCICが収益をコミュニティへ活用するために、構成員に対する利益分配や資産の分配に一定の制限を課すことも、株式会社などとは異なると言えるでしょう。

社会的起業のメリット

社会的起業のメリット

社会的起業の主なメリットは以下のとおりです。

  • 社会の欠陥や不合理から生まれる問題を事業で解消できる
  • やりがい・達成感が大きい

社会的起業は「ビジネスを通じて社会問題を解決する」ことが目的です。例えば、高齢化や地域活性化など深刻な社会問題の影響を受けて困っている人たちを、事業を通して助けることができます。

社会問題の解決策に利益を生むための視点も踏まえて取り組むことで、事業が伸びれば生まれた利益を投じて活動の継続やさらなるアイデアの具現化が実現できる可能性があるでしょう。

また、社会的起業は一般的な起業と比べて難易度が高いと考えられます。社会問題を解決に導くことは容易ではないですし、すぐに結果につながるものではありませんが、収益が少なくても事業を成立させなければならないからです。しかしその分、社会に与えるインパクトは大きいですし、やりがいや達成感は人一倍大きいと言えるでしょう。

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社会的起業のデメリット

社会的起業のデメリット

ここでは、社会的起業のデメリットについて解説します。

主なデメリットは以下の通りです。

  • 責任の度合いが大きい
  • 収入・利益が不安定
  • 社会的な信用を築くところからスタートしなければならない

社会起業家には「社会問題の解決を促すビジネス」が求められるため、社会問題を解決しながら利益を生み出すビジネスモデルを考案する必要があります。一般的なビジネスモデルと比べて、配慮しなければならないことが多く、非常に難しいでしょう。事業の見通しが立たなくては、収益性も不安定になってしまいます。

さらに、起業したての組織は、社会的な信用が不足していることが考えられます。実績を積み上げるまでの期間は、本来チャレンジしたい事業が思うように進まないかもしれません。

社会起業家に求められるもの

社会起業家に求められるもの

社会起業家として活動するために必要なものとして、「社会問題を解決したい!」という情熱と使命感が挙げられます。

前述した通り、社会起業家は「社会問題の解決」を目的として活動します。社会をより良い方向に導くための活動をしなければ、社会起業家である必要はなくなります。そのため、問題解決を最優先とし、根気強く活動し続けるためにも「情熱」と「使命感」が必要なのです。

さらに、一個人のみで社会問題を解決することは非現実的です。他者がつい力を貸したくなるような、周囲を惹きつけて心を動かす、ストーリーテリングのスキルがあると良いでしょう。

社会起業家に向いている人の特徴

社会起業家に向いている人の特徴

次のようなスキルがある、もしくは思考ができる人は、社会起業家に向いているといえます。

  • ビジネススキルが身についている
  • 他者視点で物事を考えることができる

社会起業家は、ビジネスを通じて社会の問題解決を図る立場です。そのため、事業計画力や戦略立案力、マーケティング力などの優れたビジネススキルを持つ人が向いているのは、当然ともいえるでしょう。

加えて、社会の役に立つような事業モデルを新たに作り出すためには、客観的な視点で課題について考える力も求められるでしょう。

社会起業家に向いていない人の特徴

社会起業家に向いていない人の特徴

一方で、次のような特徴に該当する場合は、社会起業家としてあまり活躍が期待できないかもしれません。

  • 他人任せなところがある
  • 完璧を求めすぎてしまう
  • 飽きっぽいところがある

前述した通り、社会起業家には、問題を解決するための情熱や使命感が求められます。そのため、他人任せのようなスタンスでは、ビジネスに取り組むことは難しいでしょう。

また、社会的起業に限らず、起業に失敗はつきものです。最初から完璧を求めるがゆえひとつの失敗を気にしすぎてしまうと、事業の進捗に影響が出るでしょう。さらに、飽きっぽい性分の場合は、事業に集中できなかったり、根気よく続けたりすることが厳しいと考えられます。

社会問題の解決には、十分な時間や他者との協力などが必要です。もし、ビジネスにおいてすぐに成果を上げることがやりがいに繋がるタイプ、もしくはなんでも自分ひとりでやってしまおうとするタイプなのであれば、社会起業家ではなく

他の方法で事業に取り組むことが良いかもしれません。

社会起業家の事例

社会起業家の事例

最後に社会起業家の事例を紹介します。今回は日本国内で活動している起業家・団体をピックアップしました。

事例①株式会社LITALICO

社名・団体名 株式会社LITALICO
掲げているビジョン 障害のない世界をつくる

株式会社LITALICOは、障害のある人や発達障害のあるお子さまなどの支援事業を行っている会社です。2022年9月時点では、就労支援サービスや学習教室、社会課題・障害についての研究機関などの運営を行っています。

就労支援サービスでは、障害者の特性に理解のあるスタッフを中心に対応を行い、これまでに10,000人以上の就職支援実績があります。売り上げに関しては、197億円(2022年3月期)を記録しています。

事例②株式会社マザーハウス

社名・団体名 株式会社マザーハウス
掲げているビジョン 途上国から世界に通用するブランドをつくる。

株式会社マザーハウスは、バングラデシュにて「ジュート」と呼ばれる麻を使ったバッグの製造・販売をはじめたことをきっかけに活動がスタートしました。2022年現在では、スリランカなどの国々にも生産拠点をかまえています。

代表の山口氏が最初にバングラデシュを訪れたのは学生時代であり、当時はビジネスの経験はもちろん、資金もあまりなかったそうです。それでも粘り強く現地の職人と試行錯誤を重ねた結果、バッグの製造・販売に成功しました。

事業が安定するまでには、サンプル製造を依頼するもお金を持ち逃げされたり、現地の政治情勢が不安定になったりと、いくつもの困難に直面したそうですが、それでも負けずに引かなかった姿勢は、まさに社会起業家の鑑ではないでしょうか。

事例③株式会社Letibee

社名・団体名 株式会社Letibee
掲げているビジョン すべてのひとがセクシュアリティにかかわらず、自分の幸せを自由に追求できる社会を実現する

株式会社Letibeeは「好きな人を当たり前に大切にできる」社会を目指し活動を行っている団体です。LGBTの領域に特化していることが特徴であり、LGBTに関するダイバーシティ研修やLGBT関連のメディア運営などを行っています。

まとめ

まとめ

社会起業家は、社会問題の解決を目的とした起業家です。そのため、利益のみを追求するビジネスモデルでは、社会起業家を名乗るには不十分でしょう。

社会起業家を志す人には、最後まで課題に取り組む情熱や強い使命感が必要です。これまでの人生で「どうしても解決したい」「解決に貢献したい」という社会問題にぶち当たった経験があれば、社会起業家の事業例を参考にして、起業の検討をしてみてはいかがでしょうか。

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記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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