学生起業に向いている業種は?初期費用・許可・時間・年齢で比べる選び方
学生起業に向いているのは、Web制作やSNS運用の代行のようにパソコンで受ける仕事、家庭教師やオンライン講座のように教える仕事、自分で作った物をネットで売る仕事です。どれも、始める前に買いそろえる物が少なく、業種そのものに許可が要らず、授業の合間に時間を動かしやすいからです。
反対に、中古品を仕入れて売る仕事、飲食店、不動産仲介のように免許が前提の仕事は、許可や設備の準備が先に要ります。業種を初期費用・許可や届出・時間・年齢の4つの物差しで比べ、18歳未満で確認すべき点や、実際の起業例を紹介します。

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学生起業に向いている業種はどれですか
学生に向く業種は、元手が小さく、許可が要らず、時間を自分で決めやすい業種です。人気のある業種でも、自分の手持ちのお金や年齢で始められなければ、選んでも動けません。先に物差しを決めてから、業種を比べてみましょう。

向いているのは元手が小さく許可の要らない業種
学生が始めやすいのは、パソコンと通信環境があれば仕事を受けられる業種です。Web制作、アプリ開発、SNS運用やWebライティング、動画編集の代行がこれに当たります。家庭教師やオンライン講座のように、自分の知識を教える仕事も、場所を借りずに始められます。
自分で作った雑貨や作品をネットで売る仕事も、材料を少しずつ買えば試せます。どの業種も失敗したときの費用を小さく抑えられるため、在学中でも安心して試せます。具体的な始め方の例は、学生起業のアイデアでまとめています。
4つの物差しで比べると自分に合う業種が絞れる
1つ目の物差しは初期費用です。金額より、始める前に何を買いそろえるかで比べると、業種どうしの差が見えます。2つ目は許可や届出で、警察署や保健所に先に出すものがあるかを見ます。3つ目は時間で、授業や試験の時期に合わせて仕事を減らせるかを確かめます。
4つ目は年齢です。18歳未満の場合は、契約に親の同意が要るなど、確認が増えます。この4つは、学生だからこそ差が大きく出る点です。経験や市場の伸びなど、起業全体で成功しやすい業種の条件は、起業で成功しやすい業種で解説しています。
業種ごとの初期費用・許可・時間・年齢の比較
学生が選びやすい業種を8つのまとまりに分け、4つの物差しで比べました。上の4つは在学中に試しやすく、下にいくほど準備が先に要ります。許可が要るかどうかは、扱う物や売り方で変わるため、表は目安として使ってください。
| 業種のまとまり | 例 | 初期費用(買いそろえる物) | 許可・届出 | 時間の動かしやすさ | 18歳未満の注意 |
|---|---|---|---|---|---|
| Web制作・アプリ開発 | ホームページ制作 | 小さい(パソコン・通信) | 業種としての許可は不要 | 納期を相談して決めやすい | 契約に親の同意 |
| SNS運用・ライティング・動画編集の代行 | 企業のSNS投稿の作成 | 小さい(パソコン・ソフト) | 業種としての許可は不要 | 納期を相談して決めやすい | 契約に親の同意 |
| 教える仕事 | 家庭教師・オンライン講座 | 小さい(教材・通信) | 業種としての許可は不要。長期・高額の契約は特定商取引法の規制の対象になる場合がある | 授業の時間が決まる | 契約に親の同意 |
| 自作品のネット販売 | ハンドメイド雑貨 | 中くらい(材料・発送用品) | 業種としての許可は不要。通信販売の表示が要る | 発送の手間がかかる | 販売サイトの利用規約の年齢条件 |
| イベントの企画 | 学生向けの交流会 | 中くらい(会場費の前払い) | 内容による。飲食や物販を伴うと別に許可が要ることがある | 開催日の前に集中する | 会場の契約に親の同意 |
| 中古品の売買 | 古着や本の仕入れ販売 | 中くらい(仕入れ代) | 古物商許可(警察署) | 仕入れと発送が続く | 許可の条件が増える。管理者は成年 |
| 飲食 | カフェ・キッチンカー | 大きい(店舗・設備) | 営業許可(保健所)と食品衛生責任者 | 営業時間に縛られる | 店舗の賃貸借に親の同意 |
| 免許・許可が前提の業種 | 不動産仲介・酒類販売・人材紹介 | 大きい | 免許・許可(資格者や経営・財産の要件がある) | ― | 最初の業種には向きにくい |
パソコン1台で受ける仕事は試しやすい
Web制作、アプリ開発、SNS運用、ライティング、動画編集は、注文を受けてから作る仕事です。在庫を持たないので、仕事が来なかったときも損が出にくく、学生の最初の事業として選ばれやすい業種です。
一方で、スキルがそのまま商品になるため、作品や実績を見せられるかで仕事の取りやすさが変わります。友人のサークルや知り合いのお店の仕事を、安く引き受けて実績を作る人もいます。業種の一覧をもっと広く見たいときは、初心者向け起業おすすめ業種・職種一覧も参考になります。
教える仕事とイベントは時間が決まりやすい
家庭教師やオンライン講座は、自分が受験や資格の勉強をした経験を生かせます。ただし授業の時間は相手と決めるので、試験期間に休めるかを先に話しておきます。2か月を超え、5万円を超えるような家庭教師や学習塾の契約は、特定商取引法の規制の対象になる場合があります。塾の形で始めるときの決まりは塾を開業する方法で確認できます。
イベントの企画は、学内の人脈を生かしやすい一方、会場費を先に払うことが多く、開催日の前に作業が集中します。飲食や物販を伴うと、別に許可が要ることもあります。
モノを売る業種は仕入れ方で手続きが変わる
自分で作った作品を売るなら、業種としての許可は要りません。ネットで売るときは、特定商取引法の通信販売のルールで、事業者の氏名や住所などを表示します。表示の書き方は特定商取引法に基づく表記にまとめています。
同じモノを売る仕事でも、フリマアプリなどで中古品を仕入れて売る場合は、古物商許可が要ります。ハンドメイド作品の売り方はハンドメイド販売の始め方でも紹介しています。
許可や届出が要る業種で学生が気をつけること
業種によっては、始める前に警察署や保健所の許可が要ります。許可なしで営業すると罰則の対象になることがあるため、扱う物と売り方を決めたら、許可が要るかを先に確かめます。学生が選びやすい業種で、とくに確認が要るのは次の3つです。

中古品を仕入れて売るなら古物商許可が要る
古着や本、ゲームなどを仕入れて売る仕事は、古物営業法の古物の売買にあたり、都道府県の公安委員会の許可が要ります。古物には、一度使われた物だけでなく、新品でも一度消費者の手に渡った物が含まれます。一方で、自分の不用品を売るだけで、人から買い取らないなら、古物の営業にはあたりません。
申請は、営業所を管轄する警察署で行います。東京都(警視庁)の場合、手数料は19,000円です。営業所ごとに管理者を1人置く必要があり、ネットで売るときは許可番号などの表示も求められます。申請の流れは古物商許可とはで確認できます。
飲食は保健所の営業許可と食品衛生責任者が要る
カフェやキッチンカーのように料理を出す仕事は、食品衛生法にもとづき、都道府県知事(保健所)の営業許可が要ります。許可は、店舗や車の設備が基準に合っているかで判断されます。さらに、営業する施設ごとに食品衛生責任者を決めます。調理師などの資格がなくても、講習会を受ければなれます。
設備をそろえるための費用が先に出るので、学生の最初の業種としては負担が大きくなりがちです。飲食に関わりたいときは、店を持たずに飲食店を手伝う仕事から始める方法もあります。許可の流れは飲食店の営業許可証を得るための条件にまとめています。
免許や資格が前提の業種は最初の選択肢から外す
不動産の売買や賃貸の仲介は宅地建物取引業の免許、お酒の販売は税務署の販売業免許、人材紹介は厚生労働大臣の許可が要ります。業種ごとに、資格を持つ人を置く、経営の経験や財産を示す、といった要件があり、在学中に一人で始めるには準備が重くなります。
これらの業種をいずれ目指す場合も、まずは関連する知識を生かせる受託の仕事から始め、条件がそろってから許可を取る順番が現実的です。業種ごとに必要な許認可の全体は許認可とはで一覧にしています。
18歳未満の高校生が業種を選ぶときは確認が増えます
成年は18歳なので、大学生の多くは大人と同じように契約や届出ができます。18歳未満の高校生も事業は始められますが、親の同意など、確認することが増えます。始める前に、次の順番で親と一緒に確かめてみましょう。

18歳未満の契約には親の同意が要る
18歳未満の人が契約をするには、親(親権者)の同意が要ります。同意のない契約は、あとから取り消せる決まりです。取引先から見ると、契約が取り消されるおそれがあるため、仕事を頼むのをためらうことがあります。
そのため、仕事を受けるときや、仕入れ先・販売サイトと契約するときは、先に親の同意をもらっておきます。販売サイトや決済サービスは、利用規約で年齢や保護者の同意を求めていることもあるので、申し込む前に規約を読んでおきましょう。根拠となる法律は民法第5条です。
営業の許可と未成年者登記で一人で取引できる範囲が広がる
民法には、親から営業を許された未成年者は、その営業については大人と同じように取引できるという決まりがあります。事業を続けるなら、どの営業を許すのかを親と決めておくと、取引のたびに同意をもらわずに済みます。
また商法では、未成年者が営業を行うときは、未成年者登記をすることになっています。自分の事業が登記の対象になるかは、事業の内容で変わるので、法務局に確認してください。18歳になれば、同意も未成年者登記も要らなくなります。誕生日が近いなら、それを待ってから始める選択もあります。
古物商許可は18歳未満だと条件が増える
古物営業法では、営業について大人と同じ行為能力を持たない未成年者には、古物商許可が出ません。つまり、18歳未満で取るなら、親から営業の許可を得ていることが前提になります。さらに、未成年者は営業所に置く管理者になれないため、18歳以上の人に管理者を頼む必要があります。
申請の書類も本人と管理者の両方の分が要るなど準備が多いため、18歳未満で中古品の売買を始めたいときは、親と一緒に警察署に相談してから決めましょう。条文は古物営業法の第4条と第13条で確認できます。
授業や試験と両立しやすい業種の選び方
学生起業でつまずきやすいのは、お金よりも時間です。同じ業種でも、仕事の受け方で授業との両立のしやすさが変わります。業種を決める前に、1週間で事業に使える時間と、試験期間に仕事を止められるかを確かめておきます。分かれ目は、仕事の量を自分で決められるかどうかです。
納期を相談できる受託の仕事は試験期間に調整しやすい
Web制作やライティングのような受託の仕事は、注文ごとに納期を相手と決めます。試験の前は仕事を受けない、受ける量を減らす、と自分で調整できるので、学業と両立しやすい仕事です。
ただし、引き受けた仕事の納期は守る必要があります。最初のうちは、自分が作業にかかる時間を記録し、1週間で受ける量の上限を決めておくと、無理な引き受けを防げます。教える仕事も、生徒と授業の日を先に決めておけば、試験期間を空けることができます。
在庫や店舗を持つ業種は決まった時間が要る
中古品の売買や自作品の販売は、仕入れ、出品、発送、問い合わせへの返信が続くため、毎日少しずつ時間を取られます。飲食店は営業時間が決まり、その時間は店にいる必要があります。
これらの業種を選ぶときは、発送を週2回にまとめる、受注生産にして在庫を持たない、といった工夫で時間を区切ります。それでも授業や試験と重なるなら、規模を小さくして続けるか、別の業種から始めることも考えてみてください。学業との両立の考え方は学生起業のやり方でも解説しています。
取材した起業家は在学中にどの業種から始めたか
起業の窓口が取材した起業家のうち、在学中に事業を始めた3人の業種を紹介します。3人とも、在学中は元手が小さく許可の要らない業種を選び、個人で始めています。どのような理由でその業種を選んだかを紹介します。現在の状況は各インタビュー記事をご覧ください。
パソコンで受ける仕事から始めた西村さんと佐藤さん
株式会社穴熊の西村成城さんは、日本大学経済学部に在学中、学生向けの情報サービスや家政婦の個人契約のマッチングサービスなど、数十のアプリやWebサービスを一人で開発しました。卒業直前に会社を立ち上げています。詳しくは西村さんのインタビュー記事で読めます。
株式会社Epaceの佐藤駿介さんは、法政大学1年のときから、SNS運用の代行やWebライティングなどの個人事業を始めました。個人事業主として1年数か月働いたあと、大学2年で会社を設立しています。資本金は個人事業主のあいだに貯めたお金でまかなえたそうです。詳しくは佐藤さんのインタビュー記事をご覧ください。
飲食店を相手にする仕事を選んだ上形さん
株式会社ボンディッシュの上形秀一郎さんは、明治大学商学部に在学中、アルバイトで得意だった飲食店の呼び込みのノウハウを研修プログラムにして販売しました。自分で店を持つのではなく、飲食店を相手に支援する形を選んだ例です。
店舗や設備の費用がかかる飲食店経営は学生には負担が大きいため、知見やノウハウを提供する形は現実的な選択肢です。卒業後は、経営を学ぶために就職する道を選んでいます。詳しくは上形さんのインタビュー記事で読めます。在学中に起業した人の例は、学生起業の成功例でも紹介しています。
自分に合う業種を決める手順
業種は、比較表を眺めるだけでは決まりません。候補を2〜3に絞る段階と、許可を確かめてから小さく試す段階の、2つに分けて決めてみましょう。どちらも、お金をかけずに今日から始められます。最初から1つに固定せず、試しながら見直す前提で進めるのがスムーズです。
4つの物差しで候補を2〜3に絞る
まず、自分が使えるお金、必要な許可や届出、1週間で使える時間、今の年齢を書き出します。そのうえで比較表を見て、4つの物差しのどれにも引っかからない業種を2〜3に絞ります。自分のスキルや、アルバイトや授業で得た経験と重なる業種が残れば、その業種から試すのが近道です。
候補が1つも残らないときは、業種より先に、何を売るかを探します。学生ならではの強みから考える方法は学生起業のアイデアで紹介しています。
許可が要るかを窓口で確かめてから小さく試す
候補の業種が決まったら、許可や届出が要るかを確かめます。中古品の売買なら警察署、飲食なら保健所、未成年者登記なら法務局が窓口です。18歳未満の場合は、この時点で親に話して同意をもらっておきます。
許可が要らない業種なら、友人や知り合いから仕事を受けて、小さく試します。続けると決めたら、個人事業主として開業届を出します。最初の1か月で何をするかは、学生起業は何から始めるかで順番にまとめています。
学生起業の業種についてよくある質問
学生起業の業種について、よく寄せられる質問に短く答えます。どの業種が一番よいか、資格は要るか、高校生のせどり、開業届の職業欄の書き方、業種の変更、の5つです。答えはどれも、比較表の4つの物差しと、許可の章を元にしています。詳しい手続きは、各章とリンク先の記事で確認してください。
Q. 学生が一番起業しやすい業種は何ですか?
A. 決まった1つはありませんが、Web制作やSNS運用の代行、家庭教師のように、パソコンや自分の知識で受ける仕事は、元手が小さく許可も要らないため始めやすい業種です。自分のスキルと、使える時間と年齢に合うかを、4つの物差しで確かめてから選んでください。
Q. 資格がなくても起業できる業種はありますか?
A. あります。Web制作、ライティング、動画編集、家庭教師などは、資格がなくても始められます。資格の代わりに、作った物や教えた実績を見せられるようにしておくと、仕事を頼まれやすくなります。一方で、不動産の仲介のように資格を持つ人を置く必要がある業種もあります。起業に役立つ資格は起業に資格は必要?でまとめています。
Q. 高校生でもせどりはできますか?
A. 自分の不用品を売るだけなら、古物商許可は要りません。中古品を仕入れて売る場合は古物商許可が要り、18歳未満は親から営業の許可を得ていることや、18歳以上の管理者を置くことが前提になります。始める前に、親と一緒に警察署に相談してください。
Q. 開業届の職業欄には業種をどう書けばいいですか?
A. 事業の内容が分かる言葉で書きます。たとえば、Web制作業、ライター、家庭教師などです。複数の仕事をしているときは、主な収入になっている仕事を書く人が多いです。屋号や職業欄の書き方はフリーランスの職業欄はどう書く?で例を挙げています。提出の期限は学生起業のやり方の開業の手続きで確認できます。
Q. 始めたあとで業種を変えることはできますか?
A. できます。小さく試して合わなければ、別の業種に移る学生もいます。許可が要る業種に移るときは、その許可を新たに取ります。18歳未満なら、親から許された営業の範囲が変わるので、親とも話し直します。税務署に出した開業届の内容を変えるときの手続きは、開業届の内容を変更する方法で確認してください。
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まとめ
学生起業の業種は、人気より、初期費用・許可や届出・時間・年齢の4つで、自分が始められるかを比べて選びます。Web制作やSNS運用の代行、教える仕事、自作品のネット販売は、元手が小さく許可も要らないため、在学中に試しやすい業種です。中古品の売買には古物商許可が、飲食には保健所の営業許可が要り、18歳未満は親の同意や営業の許可などの確認が増えます。
まずは候補を2〜3に絞り、許可が要るかを窓口で確かめてから、小さく試してみてください。起業の窓口に会員登録すると、起業・経営支援のV-Spiritsによる1時間の無料起業相談(初回のみ)を、特典として利用できます。V-Spiritsは起業の窓口と同じグループの会社ではありません。起業の全体の流れは起業は何から始める?で確認できます。

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- ※本記事は、起業の窓口編集部が専門家の監修または独自調査(アンケート)に基づいて制作したものです。
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