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海外起業のメリット|おすすめアイデアや成功させるコツなども紹介

海外起業のメリット|おすすめアイデアや成功させるコツなども紹介

起業する際、事業展開の場として日本ではなく海外を選ぶ手もあります。ただし、外国で起業するには日本との違いを把握し、その国でなければいけない理由をはっきりさせることが重要です。

本記事では、海外で起業するメリット・デメリットやおすすめのビジネスアイデア、役立つ補助金・融資制度を紹介します。成功するためのコツに加えて実際の成功・失敗事例も紹介しますので、海外での起業を考えている方はぜひご一読ください。


【この記事のまとめ】
  • 海外での起業は、未開拓市場に挑戦できる機会を提供します。特に東南アジアなどの新興国では、潜在顧客が多く、競争が少ないため、大きなビジネスチャンスとなります。
  • 国によって税率が異なるため、海外での起業は節税につながる場合があります。東ヨーロッパなどでは、日本よりも低い税率で事業を行える可能性がありますが、法令遵守に注意が必要です。
  • 海外でのビジネス展開は、企業のブランドイメージを向上させます。海外展開することで、顧客や取引先に優れた経営能力を印象付け、優秀な人材の採用にも有利に働きます。

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海外で起業するメリット

海外で起業するメリット

近年、外国での起業が増えていますが、わざわざ海外で起業する意味は何なのか疑問に思う方も多いでしょう。

海外で起業するメリットとして、次の3点が挙げられます。

  • 未開拓の市場に挑戦できる
  • 節税に繋げられる可能性がある
  • グローバル企業としてアピールできる

未開拓の市場に挑戦できる

海外に数多くある未開拓の市場をいち早く見つけられれば、その開拓者として挑戦できます。

日本の外に何億人といる潜在顧客にリーチできることは、大きなチャンスです。特に東南アジア諸国などの新興国は人口が増加傾向にあり、最低賃金も年々上がっているため、消費者の購買力が高まっています。

日本では飽和状態で競争の激しいビジネスでも、海外なら自社の独壇場となれる可能性があるのです。

節税に繋げられる可能性がある

国によっては税制や適用税率が日本と大きく異なるため、日本よりも税率が低い国で起業することで、節税に繋げられるかもしれません。

例えば、日本では法人の実質的な税負担率(実効税率)が約30%であるのに対し、東ヨーロッパ諸国では約10~20%で済みます。

タックスヘイブンと呼ばれる国・地域では、課税が著しく軽減もしくは免除されていますが、資産に関する情報の秘匿性が高くお金の流れがわかりにくいのが問題です。

節税を意識するあまり、脱税やマネーロンダリングといった違法行為に関わらないよう注意してください。

グローバル企業としてアピールできる

「海外でビジネスをしている」という事実だけでも、企業のブランドイメージ向上というメリットに繋がります。顧客や取引先から「海外展開できるほど事業が好調で、経営者や従業員の能力が優れている」といった良い印象を与えられるのです。

現状として海外での就職希望者が増えているため、人材採用の面でもグローバル企業としてアピールできるのは強みといえます。

海外で起業するデメリット

海外で起業するデメリット

海外で起業する際は、以下の2点のようなデメリットもあることに気を付けなければいけません。

  • 人件費等が高くなる可能性がある
  • その国特有の障壁に当たる可能性がある

人件費等が高くなる可能性がある

海外で起業すると、日本で事業展開するよりも人件費が高くなる可能性があります。アメリカやイギリスなど多くの欧米諸国では、日本での雇用条件以上に賃金が高い傾向があるためです。

また、かつては人件費が安く抑えられるといわれていた東南アジアでも、現在は新興国の経済成長が著しく、日本よりも安くなるとは限りません。

海外での起業においては、人件費を抑えられる国を見極めることも重要です。

その国特有の障壁に当たる可能性がある

世界情勢が目まぐるしく変わる現代で海外ビジネスを展開する場合、次のような障壁にぶつかることがあります。

  • 法改正され税制や法人の扱いが変わる
  • 戦争が勃発し経済や採用の状況が変わる
  • 賃金水準の引き上げによって人件費が高くなる
  • 円高・円安の影響で日本企業と連携しづらくなる

こうした国特有の政治・経済・その他社会環境の変化に対応できなければ、海外での起業は難しいでしょう。

海外起業におすすめのアイデア4選

海外起業におすすめのアイデア4選

海外で起業するのであれば、日本が得意とする分野や現地にはない分野のビジネスを展開したほうが成功しやすい傾向にあります。

こちらでは、海外ビジネスとしておすすめのアイデアを4つ紹介します。

  • 日本製品の輸出ビジネス
  • 飲食ビジネス
  • アニメ制作ビジネス
  • 対象国に在住している日本人を対象にしたビジネス

日本製品の輸出ビジネス

日本製品の海外人気は高く、日本にしかない製品の販売には大きなビジネスチャンスが眠っています。

ECサイトを運営する場合も、日本から国外に送るよりも送料が抑えられるため顧客にとってもメリットとなり、リピート購入の促進に繋がるかもしれません。

伝統工芸品やサブカルチャー関連の商品などは、特に人気が根強いです。ただし、販売製品を選ぶ際は普遍的な人気の高さで判断するのではなく、現地での需要をしっかりリサーチしなければいけません。

飲食ビジネス

海外で起業するなら、飲食ビジネスもおすすめです。なかでも和食はユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、世界中でブームを巻き起こしています。

そのため、日本人が経営する和食店は国内では当たり前でも、海外ではプレミア感が満載なのです。寿司や天ぷらなどをその国の文化に合わせてアレンジすれば、より受け入れられやすくヒットの可能性が大きくなるでしょう。

アニメ制作ビジネス

日本といえば、クオリティが高く独自の色を持つアニメ制作に定評があることでも有名です。日本のアニメ業界は人材不足の問題に陥っていますが、ノウハウを現地の人材に教育すれば、事業拡大やスキルの継承にも繋がります。

アニメ制作会社は世界的にはいまだ珍しく、日本のサブカルチャーを直接アピールする機会にもなるため、スキルのある方は海外ビジネスで活用してみてはいかがでしょうか。

対象国に在住している日本人を対象にしたビジネス

海外在住の日本人が欲しているサービスをビジネスにするのも、一つの手段です。日本人を対象とするサービスを展開すれば言語や文化の壁は低く、顧客との間に安心感や信頼感が生まれやすくなります。

具体的には、次のようなビジネスがおすすめです。

  • 同じ国に住む日本人同士のマッチングサービス
  • 日本の教育要綱を基にした保育サービス
  • 日本の医大で学んだスタッフが在籍する医療サービス

日本人が多く住む国や地域で需要があるにもかかわらず、まだ開拓されていないサービスを展開すれば、成功の可能性はより大きくなります。

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海外で起業を成功させるコツ

海外で起業を成功させるコツ

海外での起業を成功させるには、次の3つのコツを押さえることが大切です。

  • ビジネスを展開する国の厳選と市場調査
  • 現地の言語・文化の勉強
  • 資金調達ができるように準備しておく

ビジネスを展開する国の厳選と市場調査

海外起業で第一に重要なのは、ビジネスを展開する国を厳選し、その国における市場を念入りに調査することです。

国によって人件費や税制などは異なるため、ビジネスの場としてどこの国を選定するかは事業の存続に大きく関わります。

また、トレンドや市場規模の現地調査も、自社サービスとの相性を知るうえで必要です。予算や自社のビジネスに応じて、ある程度の利益が見込める国を選ばなければいけません。

現地の言語・文化の勉強

海外でビジネスを展開するのであれば、現地の言語・文化の勉強は欠かせません。現地の取引先とコミュニケーションが取れなければ、当然ながら信用は得られないためです。

必ずしもネイティブレベルに達する必要はありませんが、経営者自身が日常会話や事業に関するフレーズは身につけておくべきでしょう。

日本では当然のことでも、海外ではタブーとされる文化や慣習も多くあるため、できれば日本語の話せるネイティブの方から適切な表現方法やマナーを教えてもらうのが一番です。

資金調達ができるように準備しておく

ビジネスは十分な資金があってこそ成り立つため、資金調達の手段を確保できるかどうかで、海外起業の成功確率に差が出ます。

資金調達は、日本に本社を置いて海外で事業をする場合には、日本の金融機関や各省庁、自治体による融資や助成制度が利用可能です。海外拠点のみですと、日本の金融機関や各省庁、自治体による融資や助成制度の利用はできません。

このように、海外で起業すべきか検討する際、調達方法があるか否かは大きな判断材料です。

海外起業の成功事例

海外起業の成功事例

海外で起業して成功した事例としては、Fond(旧AnyPerk)が有名です。

Fondの創業者はアメリカの転職率の高さに注目し、日本で普及している福利厚生サービスのアウトソーシング事業に参入しました。

主に提供しているのは映画館やホテル、携帯料金などの割引・優待が受けられる福利厚生サービスです。このサービスはセールスフォースなどの大手企業を含む多数の企業に導入され、トップシェアを獲得しました。

海外起業の失敗事例

海外起業の失敗事例

逆に海外起業で失敗してしまった事例もあります。

Web会議ツール「Remotehour」を開発した日本人起業家の山田俊輔さんは、かつてスタートアップを目指してアメリカのシリコンバレーに渡ったものの、資金不足で一時帰国を余儀なくされたそうです。

再び渡米した後は、シリコンバレーで起業した理由を明確化できないまま50のプロダクトをリリースしましたが、いずれも失敗に終わってしまいます。

しかし起業の目的を模索し、業務受託時代の経験から常時接続可能なWeb会議ツール「Remotehour」を開発すると、世界的メディアで反響を呼びました。

海外で起業する際に利用できる補助金・融資制度

海外で起業する際に利用できる補助金・融資制度

日本に本社を置いて海外展開を行う場合には、国や金融機関が提供している補助金・助成金、融資制度が利用できる場合があります。

返済不要の制度もあるため、起業費用を抑えたい方は条件を確認のうえ、ぜひ活用してください。

ここからは、代表的な5つの支援制度の概要を紹介します。

  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(グローバル市場開拓枠)
  • 海外展開・事業再編資金
  • スタンドバイ・クレジット制度
  • 各省庁による支援制度
  • 株式会社国際協力銀行(JBC)の融資制度

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(グローバル市場開拓枠)

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(グローバル市場開拓枠)は、中小企業庁が実施する補助金です。

中小企業や小規模事業者が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を支援するための制度で、海外事業の拡大・強化などを目的とした場合に利用できます。

グローバル市場開拓枠の補助金額は1,000万~3,000万円で、原則返済は不要です。

海外展開・事業再編資金

海外展開・事業再編資金は日本政策金融公庫(JFC)が実施している融資制度です。

海外展開および既存の海外事業の再編を行う事業者は、最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)の融資が受けられます。

返済期限は原則として設備資金が20年以内、運転資金が7年以内です。

スタンドバイ・クレジット制度

スタンドバイ・クレジット制度では、海外の金融機関から現地流通通貨での融資を受けたいときに、日本の金融機関や保証会社から信用状(スタンドバイ・クレジット)を発行してもらえます。

信用状は事業者が債務不履行等の場合、代わりに弁済することを保証するものです。制度を活用すると、海外の金融機関からの融資が受けやすくなります。

補償限度額は利用機関によって異なり、JFCの場合は1法人あたり4億5,000万円です。

各省庁による支援制度

経済産業省や特許庁などの各省庁も、海外展開する事業者を対象とした支援制度を実施しています。

以下は、各省庁による支援制度の例です。

  • 経済産業省・・・コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業費補助金
  • 特許庁・・・外国出願補助金

コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業費補助金は、日本発のコンテンツ等の海外事業展開・拡大を目指す事業者の支援を目的としています。

外国出願補助金は、外国特許庁への特許・商標の出願に必要な費用を助成する制度です。

株式会社国際協力銀行(JBIC)の融資制度

株式会社国際協力銀行(JBIC)は、日本産業の国際競争力の維持・向上や、海外の重要な資源の開発および取得の促進などを目的とする日本の政策金融機関です。

JBICでは中堅・中小企業の海外事業を、融資や保証などで多面的に支援しています。

例えば、生産拠点の設立・増設費や資源開発費など、海外での事業展開に必要な長期資金の融資が利用可能です。

まとめ

まとめ

海外で起業して需要のある製品・サービスを提供すると、ブランドイメージの向上にも繋がり、日本で事業展開するよりも高い利益を生み出せる可能性があります。

さらに法人税の税率が低い国を選べば、納税額を低くできます。しかし、言語・政治・経済など国ごとの問題や文化に適応できなければ、成功は望めません。

海外での起業を検討する際は、本当に日本以外で行う意味があるか、十分に資金調達できるのかよく考慮して判断しましょう。実際に海外起業するのであれば、国の厳選と現地の市場調査を徹底することが重要です。

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記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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