30代で起業した成功例8選!前の仕事の経験を事業に変えた人の共通点
30代で起業して成功した人には、会社員として積んだ経験を生かして上場まで進んだ人もいれば、1社目を売却したあとの2度目の起業で成功した人もいます。この記事では、30歳から38歳で起業した8人を、起業した年齢と経歴を確かめたうえで紹介します。
8人に共通していたのは、前の仕事に近い分野で起業したこと、仲間と一緒に始めたこと、売却や譲渡も選んで形を変えたこと、節目まで何年も続けたことの4つです。有名な会社の創業者だけでなく、起業の窓口が取材した起業家の例も入れています。

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30代で起業して成功した8人はこの人たちです
30代で会社を作り、その後に上場、事業や会社の売却、事業の継続と拡大のいずれかに進んだ8人を選びました。起業した年齢は1人ずつ確かめ、40歳を過ぎてから会社を作った人は入れていません。
| 起業家 | 会社 | 起業した年齢 | 起業する前の仕事 | その後の主な節目 |
|---|---|---|---|---|
| 寺田親弘さん | Sansan | 30歳(2007年6月) | 三井物産 | 2019年6月に東証マザーズへ上場 |
| 佐々木大輔さん | freee | 31歳(2012年7月) | 博報堂、グーグルなど | 2019年12月に東証マザーズへ上場 |
| 辻庸介さん | マネーフォワード | 35歳(2012年5月) | ソニー、マネックス証券 | 2017年9月に東証マザーズへ上場 |
| 玉川憲さん | ソラコム | 38歳(2014年11月) | 日本IBM、アマゾンデータサービスジャパン | 2017年8月にKDDIの子会社になり、2024年3月に東証グロースへ上場 |
| 山田進太郎さん | メルカリ | 35歳(2013年2月) | 1社目のウノウを創業し、売却 | 2018年6月に東証マザーズへ上場 |
| 小俣泰明さん | アルサーガパートナーズ | 35歳(2012年8月) | 大手ITベンダー、ITベンチャーの役員 | 1社目を売却し、2016年1月に今の会社を創業 |
| 山咲サトルさん | 美容家集団MEDUSA | 34歳(2004年) | ヘアメイクアップアーティスト | ヘアメイクアップアーティストの育成と派遣、講演の事業を続けている |
| 井戸裕哉さん | on the bakery | 30歳(2021年11月) | 野村證券、動画マーケティングの会社 | 最初の事業を譲渡し、新しいサービスに力を集中 |
成功とみなしたのは上場と売却と事業を続けて伸ばすことの3つです
この記事では、外から確かめられる節目として、株式の上場、事業や会社の売却・譲渡、事業を続けて伸ばすことの3つを目安にしました。上場は、会社の株式を証券取引所で売買できるようにすることです。資金を集めやすくなる一方で、会社の情報を開示し続ける責任も生まれます。
売却や譲渡は、育てた事業を他社に引き継いで、自分は次の事業へ進む形です。上場した例だけを並べると、30代の起業の成功が一部の大きな会社の話に見えてしまうため、得意な分野で事業を続けている例も入れました。
起業した年齢は1人ずつ確かめました
30代の起業の成功例として紹介される人の中には、40歳を過ぎてから会社を作った人や、記事によって起業した年齢の書き方が違う人もいます。
そこで8人については、上場企業が国に提出している有価証券報告書の役員の経歴と会社の沿革、会社の公式の紹介、起業の窓口の取材記事で、起業した年齢を確かめました。年齢を確かめられなかった人は、知名度があっても入れていません。会社の名前や上場している市場は変わることがあるので、最新の状況は各社のホームページで確認してください。
会社員の経験を生かして上場まで進んだ例
会社員として働いたあとに起業し、上場まで進んだ4人です。4人とも、前の仕事に近い分野で事業を始め、設立のころから一緒に経営する仲間がいました。起業した年齢は30歳から38歳まで幅があり、30代の前半でも後半でも、それまでの経験が事業の土台になっています。

Sansanの寺田親弘さんは30歳で名刺管理の会社を作りました
寺田さんは1999年に三井物産に入社し、シリコンバレーにある関連会社での勤務や、グループ会社の経営管理部長を経験しました。2007年6月、30歳のときに、名刺管理サービスを提供する目的で三三株式会社(今のSansan)を設立し、同じ年の9月に法人向けのサービスを始めています。
設立と同時に、日本オラクル出身の富岡圭さんらも取締役に就いていて、1人ではなく仲間と始めた会社でした。2012年には個人向けの名刺アプリEightを始め、設立から12年後の2019年6月に東証マザーズへ上場しています。
freeeの佐々木大輔さんは31歳でクラウド会計ソフトを始めました
佐々木さんは、博報堂や投資ファンド、データ分析の会社を経て、2008年にグーグルに入社しました。2012年7月、31歳のときに、資本金100万円でCFO株式会社(今のフリー株式会社)を設立しています。設立と同時に、ソニー出身の横路隆さんも取締役に就きました。
翌2013年3月にクラウド会計ソフトfreee(今のfreee会計)を出し、その後、給与計算や会社設立、開業の手続きのサービスを増やしていきました。設立から7年ほどたった2019年12月に、東証マザーズへ上場しています。資本金100万円の小さな会社から始めた例です。
マネーフォワードの辻庸介さんは35歳で証券会社から独立しました
辻さんは2001年にソニーに入社し、2004年からマネックス証券で働きました。マーケティング部長などを務めたあと、2012年5月、35歳のときにマネーブック株式会社(今のマネーフォワード)を設立しています。設立には、野村證券出身の瀧俊雄さんや、マネックス証券出身の市川貴志さんも加わりました。
同じ年の12月に家計簿などのお金の管理サービスを始め、翌2013年には事業者向けの会計のサービスも出しました。設立から5年ほどたった2017年9月に、東証マザーズへ上場しています。金融機関で培った知見を、個人・法人向けの資産管理サービスへ展開させた事例といえます。
ソラコムの玉川憲さんは38歳でIoT向けの通信の会社を作りました
玉川さんは2000年に日本IBMに入社し、2010年からアマゾンデータサービスジャパンでクラウドの事業に携わりました。2014年11月、38歳のときに株式会社ヴイコネック(今のソラコム)を設立し、翌2015年9月にIoT向けの通信サービスを始めています。同じ会社で働いていた安川健太さんも、2015年2月に取締役に就きました。
2017年8月には、株式をKDDIに譲渡して、KDDIグループの子会社になりました。その後も玉川さんが経営を続け、2024年3月に東証グロースへ上場しています。株式譲渡後も経営を継続し、最終的に上場まで事業を拡大させました。
1社目の経験を次の起業に生かした例
30代の起業が2度目の起業だった人や、30代で作った会社を売却して次の会社を作った人もいます。1社目で得たお金や経験、うまくいかなかったことが、次の事業の出発点になっています。紹介する2人のうち小俣さんは、起業の窓口が取材した起業家です。次の章で紹介するon the bakeryの井戸さんも、最初の事業を譲渡して別のサービスに力を集中させました。

メルカリの山田進太郎さんは1社目を売却したあと35歳で創業しました
山田さんは早稲田大学を卒業したあと、2001年8月にウノウを設立し、映画やフォトなどのインターネットサービスを立ち上げました。2010年にウノウをアメリカのZyngaに売却し、2012年に退社しています。その後、世界一周の旅を経て、2013年2月、35歳のときに株式会社コウゾウ(今のメルカリ)を設立しました。
同じ年の7月にフリマアプリのメルカリを始め、11月に社名をメルカリに変えています。設立から5年ほどたった2018年6月に、東証マザーズへ上場しました。会社は、限りある資源を循環させたいという、世界一周の旅で抱いた問題意識からメルカリが生まれたと説明しています。
アルサーガパートナーズの小俣泰明さんは35歳で起業して会社を売却しました
小俣さんは漫画の専門学校を卒業したあと、日本ヒューレット・パッカードやNTTコミュニケーションズなどの大手ITベンダーで技術職を務めました。28歳でベンチャー企業に移り、上場しているベンチャー企業の執行役員を経て、2012年8月、35歳のときにITベンチャー企業を創業しています。35歳になるまで、起業する気はまったくなかったと振り返っています。
その会社を3年ほどで大きく育てて売却したあと、2016年1月にアルサーガパートナーズを創業しました。売却を経て、お金を稼ぎたいという気持ちから、社会の課題を解決したいという気持ちに変わったと話しています。35歳での起業の利点には、大手企業で受けた教育を生かせたことを挙げています。詳しくは小俣さんのインタビュー記事をご覧ください。
起業の窓口が取材した30代の起業家の例
上場や大きな売却だけが成功ではありません。起業の窓口が取材した起業家の中から、30代で起業し、自分が働いてきた分野で事業を続けている2人を紹介します。2人とも、会社員や個人として働いた分野の経験を、そのまま事業の中身にしています。苦しい時期をどう乗り越えたかも、本人の話から紹介します。
美容家集団MEDUSAの山咲サトルさんは34歳でヘアメイクの会社を作りました
山咲さんは、ヘアメイクアップアーティストとして、かつらの製造会社や化粧品メーカーで働き、韓国でも4年間講師を務めました。年齢を重ねるとフリーランスの仕事が減っていく先輩たちを見て、30歳になる前から独立を考えていたといいます。仕事が減り始めるのは35歳くらいだと知り、34歳で会社を設立しました。
事業のもとになったのは、フリーのヘアメイク仲間を集めて派遣するという、個人で働いていたころの発想です。2004年に設立した会社で、今もヘアメイクアップアーティストの育成と派遣、講演の事業を続けています。会社を作るときの書類は、司法書士に任せたと話しています。詳しくは山咲さんのインタビュー記事をご覧ください。
on the bakeryの井戸裕哉さんは30歳で起業し最初の事業を譲渡しました
井戸さんは新卒で野村證券に入り、3年間の金融営業のあと、Webマーケティングの会社と動画マーケティングの会社で働きました。動画マーケティングの会社では部長も務め、インフルエンサーの業界の課題が集まってくる立場にいたといいます。その経験から、2021年11月に株式会社on the bakeryを創業しました。
ただ、最初のインフルエンサーの事業は目指した形にならず、起業して1、2年目は苦しい時期が続きました。その事業は大手企業に譲渡し、今はオンラインガチャなどを作れるサービスに力を集中させています。苦しい時期を創業メンバー3人で乗り越え、上場企業の経営者やVCからの出資も受けたと話しています。詳しくは井戸さんのインタビュー記事をご覧ください。
30代の起業の成功例に共通する4つのこと
8人の歩みを並べると、事業の中身は違っても、進め方に共通点があります。どれも20代までに積んだ仕事の経験と関わっていて、30代の起業ならではの点です。事業そのものを真似するより、この4つを自分の状況に当てはめるほうが参考になります。

前の仕事に近い分野で起業しています
寺田さんは商社のIT関連の仕事、佐々木さんはIT企業、辻さんはネット証券、玉川さんはクラウドの事業を経験してから起業しました。山咲さんはヘアメイク、井戸さんはマーケティングの仕事を、そのまま事業にしています。8人の多くは、まったく知らない分野ではなく、それまでの仕事で見てきた分野を選んでいます。
30代は、20代で積んだ仕事の経験がある年代です。どの業界で、どんな人の、どんな困りごとを見てきたかを書き出すと、事業の種を探しやすくなります。会社員の経験を起業に生かす考え方は、30代からの起業がおすすめの理由でも解説しています。
仲間と一緒に会社を始めています
Sansanは設立と同時に複数の取締役が就任し、freeeとマネーフォワードも、設立に加わった人がその後も経営を支えています。ソラコムでも、前の職場で一緒だった人が設立の翌年に取締役に就きました。井戸さんも、創業メンバー3人で苦しい時期を乗り越えたと話しています。
30代になると、前の職場や取引先などで、得意なことが違う知り合いが増えています。1人で全部を担うより、技術や営業など、足りない部分を補い合える人と始めるほうが、事業を広げやすくなります。誰とどんな役割で始めるかを、起業の準備段階で整理しておくことが重要です。
売却や譲渡も選んで形を変えています
山田さんと小俣さんは1社目を売却し、そのときの経験を次の会社に生かしました。玉川さんは、株式をKDDIに譲渡したあとも経営を続けて上場しています。井戸さんは、最初の事業を譲渡して、伸びているサービスに力を集中させました。
事業の売却や譲渡は、失敗して手放すことだけを意味するわけではありません。育てた事業を他社に任せ、自分は次の事業に力を注ぐという選び方もあります。事業形態の変更も当初から視野に入れておくことで、停滞期にも冷静な判断を下しやすくなります。
節目まで何年も続けています
上場した5社では、設立から上場までに5年から12年かかっています。マネーフォワードとメルカリは5年あまり、Sansanは12年でした。山咲さんの会社は、設立から20年を超えて事業を続けています。
30代で起業しても、すぐに大きな成果が出るとは限りません。家族や住まいの事情が変わる時期と重なることもあるため、続ける期間と使うお金の上限を先に決めておくと、焦らずに続けやすくなります。会社を辞める前に小さく試す進め方は、スモールビジネスの始め方でまとめています。
成功例を自分の起業に生かすには
成功例は、そのまま真似できる手順ではありません。著名な事例に感化されるだけでなく、自身の状況との違いを検証したうえで行動することで、事業リスクを軽減できます。
成功例は続いて節目に届いた人の話です
ここで紹介した8人は、事業を続けて、上場や売却、事業の拡大といった節目に届いた人です。その陰には、30代で起業して事業をやめた人や、会社員に戻った人もいます。世に出る成功例は事業を継続できたケースに偏りがちであることを認識すれば、焦らず客観的に状況を判断できます。
また、上場は成功の形の1つにすぎません。自分のお金で小さく始めて、自分で決めた規模で事業を続ける起業もあります。起業した会社がどれくらい続いているかという数字の読み方は、起業の成功率は年数で低下するで説明しています。
真似するのは事業ではなく経験の棚卸しです
8人が起業する前にしていたことは、前の仕事で見てきた分野を選ぶ、一緒に始める人を見つける、といった準備でした。上場や売却は、その準備をもとに何年も続けた先の結果です。
まずは、これまでの仕事で関わった業界、身につけた知識、困っていた人を書き出してみてください。社会人の起業の成功例をもっと見たい方は起業の成功例を、40代・50代で起業した人の例は40代の起業の成功例や50代の起業の成功例をご覧ください。
30代の起業の成功例についてよくある質問
30代の起業の成功例について、よく寄せられる質問に答えます。30代での起業は遅いのか、有名な起業家はほかにいるのか、成功する確率はどれくらいか、スキルに自信がなくても起業できるかを、短くまとめました。答えはどれも、この記事で紹介した8人の事実の範囲で書いています。
Q. 30代で起業するのは遅いですか?
A. 遅いとは限りません。この記事で紹介した8人は、30歳から38歳で起業しています。辻さん、山田さん、小俣さんは35歳、玉川さんは38歳で会社を作り、その後に上場や売却まで進みました。30代は、それまでの仕事の経験を事業の土台にできる年代です。年代ごとの起業する人の多さや、30代で起業する利点と注意点は、30代からの起業がおすすめの理由で説明しています。
Q. 30代で起業した有名な起業家はほかにいますか?
A. ほかにもいます。ただ、この記事では、起業した年齢を有価証券報告書や本人の話で確かめられた人だけを紹介しています。紹介される記事によって、起業した年齢や時期の書き方が違う人もいるため、気になる人がいれば、会社の沿革や本人の発信で確かめてみてください。なお、現在30代の経営者と「30代で起業した人」の実績は異なるため、区別して整理することをおすすめします。
Q. 30代で起業して成功する確率はどれくらいですか?
A. 30代の起業だけを対象にした成功率の公的な統計は、確認できませんでした。成功の決め方も人によって違うため、確率より、自分がいつまでに何を目指すかを決めておくほうが判断に役立ちます。起業した会社がどれくらい続いているかという数字と、その読み方は、起業の成功率は年数で低下するで説明しています。
Q. 30代でスキルに自信がなくても起業できますか?
A. この記事の8人は、前の仕事の経験を生かして起業した人が中心ですが、最初から同じ仕事をしていた人ばかりではありません。小俣さんは漫画の専門学校から技術職に進み、井戸さんは金融の営業からマーケティングの仕事に移って経験を積みました。会社員として身につけた仕事の進め方や人とのつながりも、事業の土台になります。30代でスキルに自信がない人の始め方は、30代のスキルなし起業で詳しく解説しています。
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まとめ
30代で起業した成功例には、会社員の経験を生かして上場した人、1社目を売却したあとの起業で成功した人、働いてきた分野で起業して事業を続けている人がいます。8人に共通していたのは、前の仕事に近い分野で起業したこと、仲間と始めたこと、売却や譲渡も選んで形を変えたこと、節目まで何年も続けたことです。
成功例から真似できるのは、事業の中身より進め方です。まずは、これまでの仕事で関わった業界と、そこで見てきた困りごとを書き出してみてください。起業の窓口に会員登録すると、起業・経営支援のV-Spiritsによる1時間の無料起業相談(初回のみ)を、特典として利用できます。起業全体の進め方は、起業は何から始める?で確認できます。

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- ※本記事は、起業の窓口編集部が専門家の監修または独自調査(アンケート)に基づいて制作したものです。
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