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個人事業主に契約書は必要?業務委託契約時に取り交わすメリットや確認ポイントを紹介

個人事業主に契約書は必要?業務委託契約時に取り交わすメリットや確認ポイントを紹介
個人事業主は企業と仕事をする際に、自分の身を守るためにも、契約書を取り交わすことが重要です。契約書を取り交わさずに業務を引き受けた場合、業務内容外の仕事を振られたり、報酬が異なったりすることがあります。

本記事では、個人事業主の契約形態に応じた契約書の種類や契約書を取り交わす重要性、確認するべきポイントなどを解説します。

  • 個人事業主が企業と契約を結ぶ際、契約形態に応じて適切な契約書が必要です。契約内容を明確にすることで、業務の食い違いを防ぎ、トラブルを回避できます。
  • 業務委託契約書、準委任契約書、請負契約書の3種類があり、それぞれの契約書は業務内容や報酬、契約期間などが異なります。契約書を作成する際は、業務範囲を明確にしましょう。
  • 契約書がないと、報酬の相違や損害賠償請求のリスクが高まります。業務内容や契約条件を文書化することで、後から発生するトラブルを未然に防ぐことが重要です。

2024年11月1日より、フリーランス新法(フリーランス保護法、フリーランス保護新法)が施行されます。

組織に所属せずに働くフリーランスが安心して働ける環境を整備するために、フリーランスと企業などとの発注事業者間の取引の適正化(契約書等により取引条件を明示する)が主な目的です。

詳しくは次の記事をご覧ください。フリーランス新法の概要、制定された背景や具体的な内容などを解説しています。

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個人事業主は契約形態によって契約書が必要

個人事業主は契約形態によって契約書が必要

個人事業主やフリーランスとして企業から仕事を受注する場合、契約を結ぶ必要があります。契約書は企業と結ぶ契約形態によって必要な契約書が異なるため、前もって確認しておきましょう。

交わす契約書は、主に以下の3種類です。

  • 業務委託契約書
  • 準委任契約書
  • 請負契約書

きちんと契約書を結ばないと、業務内容や契約期間などの食い違いが起こり、トラブルに発展する可能性があるでしょう。

業務委託契約書

仕事を外部の人や組織に依頼する際に使用する業務委託契約書には、仕事の詳細や報酬、契約の期間、情報の取扱いについて書かれています。

たとえば、A会社がBさんに記事制作の仕事を頼む場合、A会社が契約書を作り、Bさんと結びます。

しかし、日本の法律では「業務委託契約」という名前の契約は正式にはありません。法律上は「請負契約」や「委任契約」という名前であり、仕事の内容にあわせて選んで結ぶことになります。

法務省からひな型が提供されているので、必要に応じて活用するとよいでしょう。

業務委託契約書|法務省

準委任契約書

準委任契約書は、仕事の内容によって報酬がもらえる契約において交わされる契約書のことです。準委任契約と似ているものに委任契約があり、違いは仕事が法律行為かどうかです。

たとえば、弁護士や税理士の方々が行うような法律行為は委任契約になり、コンサルタントやエンジニアなどの仕事は準委任契約になります。

エンジニアでもWebサイトの作成といった成果物がある場合は、請負契約になるので注意が必要です。

委任契約や準委任契約の文書には印紙税がかからないため、収入印紙は必要ありません。

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請負契約書

請負契約書は、仕事を受けた受託者が期日までに仕事を完成させ、仕事を頼んだ委託者がその結果に対してお金を払う契約において交わす契約書です。契約内容が記された文章となります。

製造や建築、ライターやデザイナーなど具体的な物を作る仕事や、警備や機械の保守などの特定のサービスを行う方に対して結ぶ契約形態です。

請負契約の文書には、金額に合わせて印紙を貼る必要があり、印紙の代金は、文書を作った方が払います。金額ごとの印紙税額は、国税庁の公式サイトに記載されているので確認してみてください。

個人事業主が契約書を取り交わす必要性

個人事業主が契約書を取り交わす必要性

契約書は、立場が弱い個人事業主にとって必要不可欠なものです。個人事業主が自身の立場を守るためにも、契約書は取り交わしたほうがよいです。

具体的に、以下のような理由から契約書は必要性があるといえます。

  • 契約外の業務を断れる
  • 働き方が自由になる
  • 自分の得意分野の仕事ができる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

契約外の業務を断れる

契約書を取り交わすことで、クライアントが業務範囲外の要求をしてきた際に、正当な理由を持って断れます。

契約書は、仕事の範囲や条件を明確に示している文章です。クライアントが後から追加の業務を依頼してきた場合でも、契約書があれば要求を明確に断れます。

個人事業主自身の業務範囲を守り、無理な要求に振り回されることを避けられるでしょう。

働き方が自由になる

契約書には委託側と個人事業主の双方の権利と義務のもと、作業の範囲や時間、場所などを明確に記すため、個人事業主は自身で働き方を決められます。

そのため、予期せぬ要求や突発的な作業の追加を防ぎ、自らのライフスタイルや働き方にあわせて業務を進められるでしょう。

自分の得意分野の仕事ができる

契約書では業務内容を明確に規定しているため、自身の専門性や得意な分野に焦点を当て、無関係な業務の要求を避けられます。

たとえばWebデザインが得意な個人事業主であれば、契約書にデザイン業務の範囲や条件を記載することで、プログラミングやマーケティングなど得意範囲外の業務の要求を避けられるでしょう。

個人事業主が契約書を取り交わさない3つのリスク

個人事業主が契約書を取り交わさない3つのリスク<

個人事業主が契約書を取り交わさないと、報酬金額の相違があったり損害賠償請求を受けたりする可能性があり、トラブルに発展しかねません。

本章では、個人事業主が契約書を取り交わさないことで起こりうるリスクを3つ解説します。

  • 報酬金額が異なる場合がある
  • 損害賠償請求を受ける可能性がある
  • 想定外の業務を依頼される

報酬金額が異なる場合がある

契約書を取り交わさないことで、実際に支払われる報酬金額が想定していた額と異なる可能性があります。

電話やメールでの約束が主になると、双方で認識に相違があった場合に「言った・言わない」の水掛け論になりかねません。契約書で明確に作業範囲や金額を示しておけば、未然に防ぐことができます。

契約内容に不明点があれば、契約を締結する前に確認を取れるので、後から「聞いていなかった」という事態も避けられるでしょう。

損害賠償請求を受ける可能性がある

契約書を取り交わしていないと、意図しないトラブルや誤解が生じた際に、相手から損害賠償請求を受ける可能性があります。

プロジェクトにおける仕事内容や納期、報酬に関する具体的な取り決めを口頭のみで進めてしまうと、納期遅れや成果物に問題があった際、責任の所在が曖昧となりやすいためです。その結果、損害賠償請求を受けるリスクが高まります。

契約書に取引の内容や条件、責任の範囲を具体的に示しておくことで、避けられるでしょう。

想定外の業務を依頼される

先述したように、契約書がないと依頼内容の範囲や詳細が曖昧になり、追加の業務や変更の要求が生じる可能性もあります。

たとえばWebデザインの仕事を受注した際に、業務内容を「サイト制作のみ」と認識して作業を進めたとします。しかし、途中で「SEO対策も実装してほしい」という追加依頼が来た場合、「Webデザインの作業範囲内だ」と主張されてしまうと業務を断る根拠に欠ける可能性があります。

契約書は双方の信頼関係を築き、スムーズな取引を実現するためには欠かせない書類です。

個人事業主が業務委託契約する際の3ステップ

個人事業主が業務委託契約する際の3ステップ

初めて企業と契約を結ぶ個人事業主のなかには、契約する流れがわからず不安な方もいるでしょう。

本章では、個人事業主が業務委託契約する流れを3Stepで解説します。

  1. 業務委託契約書の作成
  2. 業務委託契約書の修正
  3. 業務委託契約書の締結

業務委託契約をする流れを事前に把握しておけば、企業とのやり取りもスムーズになり、安心して契約できます。

Step1.業務委託契約書の作成

契約を結ぶ際は、業務内容・報酬・業務範囲などの基本的なことから、情報の取扱いといった細かい点まで、しっかりと話し合いをしたうえで契約書を作成します。

契約内容を変更するときは「覚書」として対応することが多いですが、大幅な変更や追加があるときは、新しく契約を結び直すケースもあります。

独自で契約書のテンプレートを持っている委託側企業もあるので、一度契約を結んだ後では簡単に内容を変えることが難しいこともあるでしょう。サインをする前に、内容をよく読んで、疑問点をはっきりさせておくことが重要です。

Step2.業務委託契約書の修正

業務委託契約書の作成を行ったあとは、一度見直しを行いましょう。

契約書の協議で新しい内容を追加した際は、追加部分だけではなく、全体の内容もしっかりと確認することが大切です。新しい項目の追加により、他の部分も変わる可能性があるからです。

契約は双方がメリットを感じる内容にする必要があり、片方が損をする内容にならないように全体のバランスを見直してください。

Step3.業務委託契約書の締結

双方が納得できる内容になった場合、業務委託契約書の締結に移ります。

以前は、契約の際に2通の原本を作成して署名・押印していましたが、今ではテレワークの普及やペーパーレス化の流れにともない、オンラインで契約することが多くなってきました。

電子契約では、印鑑の代わりに電子署名が用いられています。オンラインの契約は迅速で、双方にとってメリットが多いといえます。

しかし、オンライン契約書も保存には注意が必要です。アカウントが消えたり、保存期間が切れたりする場合、復旧が難しいことがあります。そのため、バックアップとして他の場所にPDFなどの形式で保存するとよいでしょう。

なお、電子契約を結ぶ際は、文書や相手にあわせて柔軟な締結が可能なGMOサインがおすすめです。

業務委託契約書の書き方のポイント

業務委託契約書の書き方のポイント

業務委託契約書を作成するときの注意点や意識するポイントを解説します。

  • 業務内容
  • 納期・契約期間
  • 報酬内容
  • 秘密保持
  • 著作権・知的財産権の帰属
  • 再委託
  • 契約解除条件

それぞれ詳しく見ていきましょう。

業務内容

契約書には、具体的な業務内容をしっかり書き記し、請負契約なのか委任・準委任契約なのかも明確にしましょう。

意識するポイントは、主要な業務だけではなく、関連する追加の業務も考慮に入れることです。

契約にない業務を勝手に依頼するのは契約違反です。業務内容を曖昧にせず、明確にすることでトラブルを避けられます。

納期・契約期間

契約書には、納期や契約期間を明記することが大切です。

納期について、具体的な日付や納期を延長する場合の手続きや条件、納期遅れによるペナルティーなどを記載するようにしましょう。

契約期間の欄には、契約の開始日と終了日、解約条件、終了後の業務について記載することが大事です。

納期や契約期間の部分を明確にすることで、契約の有効性や期間に関する認識の齟齬を防ぎ、双方が安心して契約できます。

報酬内容

報酬に関する部分は非常に重要であり、金額はもちろん税金や追加の費用の負担者、支払いの方法や期日もしっかり記載することが大切です。

報酬の詳細を忘れると、あとで問題が起こる可能性があるため、よく確認し、間違いがないように注意しましょう。

秘密保持

秘密保持とは、業務上で知り得た情報を第三者に伝えないという約束のことです。秘密保持を守らないと、賠償を求められる可能性があるため注意が必要です。

多くの企業は、秘密保持を重視して、業務委託契約の他に専用の秘密保持契約を結ぶこともよくあります。

著作権・知的財産権の帰属

著作権や知的財産権の取り決めを契約書に書くことは大切であり、成果物の所有権が誰にあるのかを明確にするためにも重要です。

一般的には委託側が権利を持つことが多いものの、場合によっては受託側となる個人事業主が権利を持つこともあります。

著作権問題でトラブルが起きるケースもあるので、話し合ったうえで契約書に記載しましょう。

再委託

再委託とは、業務を受けた側が他の会社や人にその業務をさらに依頼することを指します。

請負契約の場合、どのようにして成果を出すかは問題にされにくいため、再委託が許されることが多いですが、依頼する側の了承は必要です。

一方で委任契約では、特定の人物の能力を求めて依頼しているので、基本的には外部の人を巻き込む再委任はできません。

再委託は、情報漏洩の面でもトラブルになりやすいため、必ず企業に確認したうえで行いましょう。

契約解除条件

契約解除条件は、特定の行為が行われた場合、契約期間が終わる前でも契約を終了させるための条件を指します。条件に該当すると、議論の余地なく、片方が契約を終了可能です。

契約解除条件に記載する内容には、違反行為の定義や違約金、契約解除後の守るべき義務などがあります。条件を詳細に記載することで、双方の当事者が契約解除の際の手順や責任を明確に理解し、トラブルを未然に防げます。

個人事業主が業務委託契約書を交わす際に確認すること

個人事業主が業務委託契約書を交わす際に確認すること

個人事業主が業務委託契約書を交わす際には、確認するべきポイントがあり、見逃すと不利な条件で契約してしまう可能性があります。

  • 業務内容
  • 契約形態・期間・更新
  • 損害賠償

一度契約すると、契約内容を破棄することは難しいため、事前に上記3つのポイントを確認しましょう。

業務内容

契約書の最初の部分には、業務の内容や範囲を明確に記述する必要があります。業務内容をはっきりさせないと、業務内容を巡ってトラブルが起こる可能性が高まります。

万が一、すべての業務内容を明記できないときは、「関連業務や付随業務を含む」という文言を加えるのがよいでしょう。

さらに、予期せぬ業務が発生することも考慮し、「甲乙の合意による追加業務」と明記しておくと安全です。

契約形態・期間・更新

請負や委任など契約の種類によって報酬の支払い方法が変わるため、必ず記載するようにしましょう。

請負契約では成果に基づいて報酬が決まりますが、委任契約では行った業務に基づいて報酬が決まります。とはいえ、これらの契約が混合している場合もあるため、単に「業務委託契約」と記載することも多いです。

また契約期間については、更新の手続きについても事前に取り決めておくと、後に双方の手間が省けます。

損害賠償

損害賠償の項目は、なにか問題が起きた際の金銭トラブルに備えるためにあります。

受託側は、賠償金額を最小限に留めるための交渉が必要です。

どの範囲までの責任を持つか、賠償の期間や最大金額を明確にしておくことで、過度な賠償請求のリスクを減らせます。

個人事業主の契約書に関するよくある質問

個人事業主の契約書に関するよくある質問

個人事業主の契約書に関するよくある質問に回答していきます。

契約書なしの場合に個人事業主はどうなる?

契約書がなくても個人事業主は仕事できます。突然の契約打ち切りや報酬の減額になった場合、契約書がないと法律上不利になることがあります。

契約書を取り交わしておくと、たとえば契約内容に「半年契約」と記載があったにもかかわらず、2ヶ月で契約を切られた場合に損害賠償請求が可能です。契約書がない場合、契約を立証することは難しく、トラブルに発展する可能性が高いでしょう。

個人事業主は屋号なしでも大丈夫なのか?

個人事業主は屋号なしでも問題ありません。屋号を持っている方が便利な面もあります。金銭管理の側面では、仕事用とプライベート用で区別がつきやすくなります。

今使っているお金が事業用なのかプライベート用なのか区別しないと、帳簿をつける際に手間がかかり、確定申告の計算も苦労します。

屋号を設定したい方は、開業届の提出時か毎年の確定申告の際に決められるので、事前に名前を決めておきましょう。

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まとめ

本記事では、個人事業主の契約形態に応じた契約書の種類や契約書を取り交わす重要性、確認するべきポイントなどを解説しました。企業との契約内容に応じて、業務委託契約書や準委任契約書、請負契約書など結ぶ契約書が異なります。企業と結ぶ契約書の種類が異なっていても、契約書を取り交わす重要性や取り交わさないリスクは同じです。

契約書の内容をきちんと確認したうえでサインすることが大切であり、業務内容や契約形態・期間・更新、損害賠償の欄を重点的に確認することで、後々のトラブルを避けられるでしょう。

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記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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