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【2024年11月施行】フリーランス保護法とは?発注事業者の義務・罰則・リスク回避を解説

【2024年11月施行】フリーランス保護法とは?発注事業者の義務・罰則・リスク回避を解説

フリーランス保護法とは、フリーランスで働く人の就業環境を守るための法律です。


この記事では、フリーランス保護法の基本について解説します。

【この記事のまとめ】
  • 「フリーランス保護法」は、フリーランスの就業環境を守るための法律です。
  • 可決されたのは2023年4月28日で、施行されるのは2024年11月1日です。
  • 発注事業者はフリーランス保護法の内容を把握しておかないと罰則を課せられる可能性があります。

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フリーランス保護法とは?

フリーランス保護法とは?

フリーランス保護法とは、組織に所属せずに働くフリーランスの人を守るための法律です。ここでは、フリーランス保護法について詳しく解説します。

2023年4月28日に可決

フリーランス保護法が可決されたのは、2023年4月28日です。可決とは、提出議案の承認を決定することを指します。

ただし、可決は法令の策定が決定したというだけで、施行される日とは違うため注意が必要です。

2024年11月1日に施行

フリーランス保護法が施行されるのは、2024年11月1日です。施行とは、法令の効力を発生させることを指します。施行日は、法令が初めて効力を持つ日となります。

組織に所属しない人の就業環境保護が目的

フリーランス保護法は、組織に所属しない人の就業環境保護が目的です。

現状、フリーランスとして働く人は弱い立場にあり、曖昧な契約内容を迫られたり、過剰な就業時間を求められたりしています。

案件の募集要項と仕事内容が一致していなかったり、体調不良でも休めなかったりと、フリーランスを取り巻く環境は決して快適とはいえません。

突然契約を破棄される可能性があったり、セクシャルハラスメント・マタニティハラスメント・パワーハラスメントなどのハラスメントを受けたりと問題は山積みです。

報酬の未払いも話題となっており、早急にフリーランスの就業環境を守る必要があると国会が判断した結果、フリーランス保護法が生まれるに至りました。

発注事業者は今後、フリーランス保護法を加味して仕事を依頼することが求められます。

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フリーランスが置かれている厳しい現状

フリーランスが置かれている厳しい現状

フリーランス保護法は、正式名称「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」と呼ばれ、フリーランスとして働く人を守るための法律です。

しかし、依然として厳しい状況に置かれているフリーランスは多くいます。ここでは、フリーランスが置かれている厳しい現状について詳しく解説します。

曖昧な契約内容を迫られる

フリーランスは、曖昧な契約内容を迫られる場合があります。

就業時間や仕事内容など、現状は発注事業者とフリーランスとの間で誤解が生まれやすい状況で、後になってから「契約内容と違う」という事態が発生しやすいです。

しかし、弱い立場にあるフリーランスは「契約内容と違うじゃないか」とはいえず、仕方なく受け入れてしまう例が後を絶ちません。

曖昧な契約内容は後々さらなるトラブルに発展する可能性があるため、契約の段階で明確に内容を決めておくことが推奨されます。

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過剰な就業時間を求められる

フリーランスは、過剰な就業時間を求められる場合があります。

一般的な会社員は1日8時間、1週間に40時間と労働時間が決まっており、長時間の労働時間を強いる場合は適切な休憩が必要です。

しかし、フリーランスは自宅・カフェ・コワーキングスペースで働く場合が多く、就業時間が曖昧になっている人が少なくありません。

発注事業者が平日・土日祝日に関係なく連絡し、仕事せざるを得ない状況に陥っているフリーランスは多くいます。

仕事内容が一致していない

フリーランスは、フリーランスエージェントやクラウドソーシングを通して案件に応募したり仕事を紹介してもらったりできますが、仕事内容が一致しない場合があります。

最初にいわれていた仕事と違う内容の仕事を任されるケースは多いです

実際に業務対応外の仕事を任され、自分自身のスキルをうまく活かせずにいるフリーランスの人もいるのではないでしょうか。

体調不良でも休めない

フリーランスは、体調不良でも休めない場合があります。基本的にフリーランスは働く時間を自分自身で決められますが、成果物を納品するタイプの仕事は納期が絶対です。

納期に間に合わない場合は、体調不良でも仕事をしなければならなくなるでしょう。

これは、発注事業者の責任というよりは本人の責任となります。依頼を受ける段階で、自分自身のキャパシティを理解しておくことが重要です。

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突然契約破棄される可能性がある

フリーランスは、突然契約破棄される可能性があります。

どれほど真面目に働いていたとしても、突然「来月から依頼はストップで」と一方的に決定される場合があり、ある日突然仕事を失うフリーランスが多いです。

発注事業者も経営状況的に依頼ができない状況に陥っている場合があり、手詰まりの状況となっている場合が少なくありません。

ハラスメントがある

フリーランスは自宅・カフェ・コワーキングスペースなどで働くため、比較的ハラスメントは多くないものの、セクハラ・マタハラ・パワハラの被害に遭っている人がいます。

電話やメールによるセクハラ・マタハラの他、発注事業者がフリーランスに対してパワハラを行っている例もあります。

報酬の未払いがある

フリーランスに対して、報酬の未払いを行う発注事業者がいます。報酬の未払いとは、文字通り成果物に対する報酬を支払わないことです。

発注事業者のなかには、報酬を払う気がないまま依頼する場合がある他、払う気があっても滞る場合があるなど、報酬に関するトラブルは後を絶ちません。

フリーランス保護法の内容(発注事業者の義務)

フリーランス保護法の内容(発注事業者の義務)

フリーランス保護法は、フリーランスに依頼を行う発注事業者にとって重要な法律です。

ここでは、内閣官房・公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省によって周知されているフリーランス保護法の内容について詳しく解説します。

書⾯等による取引条件の明⽰

発注事業者は、書面等による取引条件の明示を行わなくてはなりません。フリーランスに業務委託を行う場合、書面に以下の取引条件を明示することが求められます。

  • 業務の内容
  • 報酬の額
  • ⽀払期⽇
  • 発注事業者・フリーランスの名称
  • 業務委託をした⽇
  • 給付を受領/役務提供を受ける⽇
  • 給付を受領/役務提供を受ける場所
  • (検査を⾏う場合)検査完了⽇
  • (現⾦以外の⽅法で⽀払う場合)報酬の⽀払⽅法に関する必要事項

取引条件は、発注事業者が一方的に決めるものではなく、フリーランスとの双方の合意がなくてはならないため、書面での明示が必須です。

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報酬⽀払期⽇の設定・期⽇内の⽀払

発注事業者は、報酬の支払期日の設定・期日内支払を行わなくてはなりません。

発注した物品等を受け取った日から数えて、60日以内のできる限り早い日に報酬支払期日を設定し、期日内に報酬を支払うことと定められています。

報酬の未払いや遅延は法律違反となる可能性があるため、報酬支払期日の設定・期日内の支払の遵守が必要です。

禁⽌⾏為

発注事業者は、フリーランスに対して1ヶ月以上の委託をした場合、以下7つの行為をしてはならないとされています。主な禁止行為は、以下の通りです。

  • 受領拒否
  • 報酬の減額
  • 返品
  • 買いたたき
  • 購⼊・利⽤強制
  • 不当な経済上の利益の提供要請
  • 不当な給付内容の変更・やり直し

1ヶ月以上業務委託を行ったにもかかわらず、受領拒否・報酬の減額・返品・買いたたきなどを行った場合は法律違反となる可能性があるため、注意が必要となるでしょう。

他にも購入・利用矯正、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更・やり直しが禁止されています。

発注事業者としてフリーランスに依頼する場合、禁止行為を行わないよう注意が必要です。

募集情報の的確表⽰

発注事業者は、募集情報の的確表示が求められます。

広告などにフリーランスの募集に関する情報を掲載する場合、虚偽の表示や誤解を与える表示をしてはなりません。また、内容を正確かつ最新のものに保たなければなりません。

虚偽の募集や誤解を与える募集は法律違反となるため、注意が必要です。

育児介護等と業務の両⽴に対する配慮

発注事業者は、育児介護等と業務の両立に対する配慮が求められます。

6ヶ月以上の業務委託を行う場合、フリーランスが育児や介護などと業務を両立できるよう、本人の申出に応じて必要な配慮をしなければなりません。

やむを得ず配慮が行えない場合は、その理由についての説明が必要です。

ハラスメント対策に係る体制整備

発注事業者は、ハラスメント対策に係る体制整備が求められます。主に講じる対策は、以下の通りです。

  • ハラスメントを⾏ってはならない旨の⽅針の明確化、⽅針の周知・啓発
  • 相談や苦情に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  • ハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応

セクハラ・マタハラ・パワハラなど、現場で行われているハラスメントを発注事業者が適切に認識し、対処する必要があるでしょう。

中途解除等の事前予告・理由開⽰

発注事業者は、中途解除等の事前予告・理由開示を怠ってはなりません。

6ヶ月以上の業務委託を中途解除したり、更新しないこととしたりする場合は原則30日前までに予告が必要です。

予告の日から解除日までにフリーランスから理由の開示請求があった場合は、理由の開示を行わなければならないとされています。

フリーランス保護法における罰則

フリーランス保護法における罰則

フリーランス保護法に違反した場合、罰則が課せられるため発注事業者は注意が必要です。ここでは、フリーランス保護法における罰則について詳しく解説します。

検査拒否・命令違反がある場合は50万円以下の罰金

法律に対して検査拒否・命令違反がある場合は、50万円以下の罰金が課せられます。

検査拒否は法律に抵触していないか確認する調査を拒否すること、命令違反は法律によって定められた要項に違反することを指します。

どちらも発注事業者に対して50万円以下の罰金が課せられるため、注意が必要となるでしょう。健全な経営のためには、検査拒否・命令違反を行ってはなりません。

発注事業者側の従業員が違反行為を行った場合は連帯責任

発注事業者側の従業員が違反行為を行った場合、連帯責任となります。

例えば、発注事業者の経営者が把握していない状況で発注事業者の社員がフリーランス保護法に抵触する行為を行っていた場合、連帯責任です。

経営者は社員に対してフリーランス保護法を遵守するよう周知する必要があり、十分に周知しなかった場合は経営者・社員の連帯責任となるため注意が必要となるでしょう。

報告徴収・立入検査・指導・助言の実施

フリーランス保護法に抵触した場合、報告徴収・立入検査の実施が行われます。

あわせて公正取引委員会・中小企業庁長官・厚生労働大臣による助言・指導が行われるため、フリーランスに対する就業環境の改善が必要です。

フリーランスからの相談

フリーランスからの相談

発注事業者からの被害に遭っている場合は、フリーランス・トラブル110番に通報しましょう。

フリーランス・トラブル110番は厚生労働省を中心に内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、6,000人以上の会員がいる大規模弁護士会「第二東京弁護士会」が協力して設立した窓口です。

ここでは、フリーランス・トラブル110番によく寄せられるフリーランスからの相談について紹介します。

報酬に関する相談

フリーランス・トラブル110番には、報酬の未払いや遅延に関する相談が少なくありません。

適切に仕事をしたにも関わらず報酬が支払われなかったり、遅れたりする例が多いです。実際にフリーランス・トラブル110番には、報酬に関する相談が毎日のように寄せられています。

報酬のトラブルはよくあるため、フリーランスとして働く人は発注事業者と事前によく話し合っておきましょう。

契約に関する相談

フリーランス・トラブル110番には、契約内容の反故・一方的な契約解除に関する相談が寄せられています。

業務委託という形で働いていたものの、理由なく契約内容を反故されたり、一方的に契約解除されたりする例は珍しくありません。

事前の告知なく契約を破棄された場合は、フリーランス・トラブル110番への相談が有効です。

就業環境に関する相談

フリーランス・トラブル110番には、セクハラ・マタハラ・パワハラなど、就業環境に関する相談が多数寄せられています。

外部で働くフリーランスの場合、直接的なハラスメントを受ける例は少数ですが、電話やメールなど間接的にハラスメントを受ける例があります。

肉体的・精神的に追い込む言動で苦しめられている人は、フリーランス・トラブル110番に相談してください。

業務内容に関する相談

フリーランス・トラブル110番には、対応範囲外の業務・過度な作業量・無理な納期など、業務内容に関する相談が多いです。

自分自身のスキルに見合わない業務を任せられたり、過度な作業を強いられたり、無理な納期を設けられたりすることで追い込まれる例が少なくありません。

業務に関するトラブルは、発注事業者・フリーランスともに悩みの種といえるでしょう。

損害賠償に関する相談

フリーランス・トラブル110番には、情報漏洩・著作権侵害・納品物の欠陥・納期の遅延など、損害賠償に関する相談が定期的に寄せられます。

フリーランスが意図的に情報漏洩・著作権侵害・納品物の欠陥・納期の遅延を行った場合、発注事業者は損害賠償請求が可能です。

しかし、フリーランスのなかには、損害賠償請求に納得できない場合があるでしょう。

その場合はフリーランス・トラブル110番に相談することで円滑に解決できます。本人同士のトラブルは平行線となる場合があるため、第三者を交えての解決が望ましいです。

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フリーランスとして働くなら「FREENANCE」がおすすめ!

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フリーランス保護法は、フリーランスとして働く人の就業環境を守るために作られた法律です。

フリーランスは発注事業者とのトラブルが頻発しており、厳しい就業環境で働いている例が目立ちます。

しかし、今後は新たな法律が制定されることで、快適に働ける環境が整備されるでしょう。一方、発注事業者は法律に抵触しないよう準備が必要となるため、迅速な対応が求められるでしょう。

なお、フリーランスとして何らかのトラブルに巻き込まれた場合は、フリーランス・トラブル110番をご活用ください。

そして、もしフリーランスに関するお金や保険のことでお悩みの場合は、FREENANCEの利用をご検討ください。

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記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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