個人事業主の退職金はどうすればいい?用意する4つの方法を徹底解説
個人事業主の皆さん、退職金のことで頭を悩ませていませんか?会社員と違い、個人事業主には自動的に退職金が用意されるわけではありません。
しかし、将来の生活設計を考えると、退職金の準備は欠かせません。安心してください。個人事業主にも退職金を用意する方法があるのです。
本記事では、小規模企業共済やiDeCoなど、4つの退職金準備方法をわかりやすく解説します。これを読めば、あなたにぴったりの退職金対策が見つかるはずです。
将来に備えて、今日から退職金準備を始めましょう。
- 【この記事のまとめ】
- 個人事業主が退職金を準備するには、小規模企業共済やiDeCo、つみたてNISA、国民年金基金が有効です。
- 退職金を積み立てることで、老後の資金を確保できるほか、万が一働けなくなった際の生活費にも備えられます。
- 資金繰りやリスク管理にはFREENANCEが役立ち、専用口座や補償サービスで安心して事業を継続できる環境を整えましょう。
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個人事業主が退職金を用意する方法4選
個人事業主の方々が退職金を用意するための方法として、以下の4つの選択肢があります。
- 小規模企業共済制度
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- つみたてNISA・新NISA
- 国民年金基金
これらの制度にはそれぞれ特徴があり、メリットとデメリットがあります。以下の表で簡単に比較してみましょう
特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
小規模企業共済制度 | 国が運営する退職金制度 | 掛金全額所得控除、低金利の貸付制度 | 20年未満での解約で元本割れリスク |
個人型確定拠出年金(iDeCo) | 自己運用型の年金制度 | 掛金全額所得控除、運用益非課税 | 60歳まで引き出し不可、運用リスクあり |
つみたてNISA・新NISA | 非課税投資制度 | 運用益非課税、少額から投資可能 | 投資期間制限あり、運用リスクあり |
国民年金基金 | 国民年金の上乗せ年金 | 掛金所得控除、安定的な運用 | 受給要件の制限あり、掛金負担 |
これらの制度は、それぞれ異なる特徴を持っています。個人事業主の皆様の状況や目標に応じて、最適な方法を選択することが重要です。以下では、各制度についてより詳しく解説していきます。
小規模企業共済制度
小規模企業共済制度は、国が運営する個人事業主向けの退職金制度です。この制度は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が管理しています。
- 【制度の概要】
-
- 毎月1,000円から70,000円までの範囲で掛金を納付
- 廃業時や65歳以上で退職時に共済金を受け取れる
- 掛金は全額所得控除の対象となる
- 【メリット】
-
- 税制優遇:掛金全額が所得控除の対象となり、節税効果が高い
- 低金利の貸付制度:事業資金の調達に活用可能
- 安全性:国が運営するため、信頼性が高い
- 【デメリット】
-
- 元本割れリスク:20年未満での解約時に元本割れの可能性がある
- 運用利回りが低め:安全性重視のため、高い運用益は期待できない
- 受取時に課税される:共済金受取時に所得税・住民税が課税される
小規模企業共済制度は、安全性と税制優遇を重視する個人事業主にとって、有効な退職金準備の選択肢となります。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、自己責任で運用し、老後の資産を形成する年金制度です。個人事業主も加入することができます。
- 【制度の概要】
-
- 毎月の掛金を自身で決定(上限あり)
- 運用商品を自分で選択し、資産を運用
- 60歳から受け取り開始可能
- 【メリット】
-
- 税制優遇:掛金全額が所得控除の対象となり、運用益も非課税
- 自由な運用:自身のリスク許容度に合わせて運用商品を選択可能
- ポータビリティ:転職や独立後も継続利用可能
- 【デメリット】
-
- 60歳まで引き出し不可:原則として60歳まで資金の引き出しができない
- 運用リスク:自己責任での運用のため、元本割れのリスクがある
- 手数料負担:口座管理手数料や運用商品の手数料がかかる
iDeCoは、長期的な視点で老後資金を準備したい個人事業主に適した制度といえます。特に、積極的な資産運用を行いたい方にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。
つみたてNISA・新NISA
つみたてNISAは、少額から始められる非課税投資制度です。2024年からは、より柔軟な投資が可能な新NISAが始まりました。
- 【制度の概要】
-
- 年間120万円まで非課税で投資可能(新NISAは年間360万円まで)
- 投資信託やETFなどに投資
- 非課税期間は20年間(新NISAは無期限)
- 【メリット】
-
- 運用益非課税:利益や配当金が非課税
- 少額から投資可能:1,000円から始められる
- 柔軟性:新NISAでは投資枠の選択肢が増加
- 【デメリット】
-
- 投資期間の制限:つみたてNISAは20年間の非課税期間制限あり
- 運用リスク:市場の変動により元本割れの可能性あり
- 商品の制限:投資可能な商品が限定されている
つみたてNISA・新NISAは、長期的な資産形成を目指す個人事業主にとって、有効な選択肢となります。特に、新NISAでは非課税期間が無期限になるなど、より使いやすい制度となっています。
国民年金基金
国民年金基金は、国民年金に上乗せする形で加入できる公的な年金制度です。個人事業主も加入することができます。
- 【制度の概要】
-
- 国民年金の第1号被保険者が任意で加入可能
- 毎月の掛金を選択(上限あり)
- 65歳から年金として受け取り開始
- 【メリット】
-
- 税制優遇:掛金が全額所得控除の対象
- 安定的な運用:公的機関による運用で安全性が高い
- 終身年金:生涯にわたって年金を受け取れる
- 【デメリット】
-
- 受給要件の制限:65歳までに10年以上の加入期間が必要
- 掛金負担:国民年金保険料に加えて掛金を納付する必要がある
- 運用の自由度が低い:運用方法を自分で選択することはできない
国民年金基金は、安定的な老後の収入を確保したい個人事業主にとって、適した選択肢となります。特に、リスクを抑えつつ、公的年金の上乗せを希望する方におすすめです。
個人事業主が退職金を積み立てておくメリット
個人事業主が退職金を積み立てることには、以下の3つの大きなメリットがあります。
- 老後の資金を得られる
- 万が一働けなくなった場合でも生活に困らない
- 節税できる
これらのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
老後の資金を得られる
退職金を積み立てることで、個人事業主の方も老後の生活資金を確保することができます。働ける若いうちから積み立てを始めることで、より多くの資金を蓄えることができます。複利効果により、長期間積み立てることで資金が大きく成長する可能性があります。また、早めに準備を始めることで、毎月の積立額を抑えつつ、十分な退職金を用意することができます。
万が一働けなくなった場合でも生活に困らない
個人事業主には、会社員のような傷病手当や休職による給付金制度がありません。そのため、事故や病気で突然働けなくなった場合、経済的に困窮するリスクがあります。
退職金を用意しておくことで、万が一の際の生活資金を確保できます。これは、個人事業主とその家族にとって大きな安心材料となります。また、一時的に仕事ができない期間の生活費としても活用できるため、安心して療養に専念することができます。
節税できる
退職金を準備する制度の多くには、税制上の優遇措置があります。これらを活用することで、効果的に節税を行うことができます。
例えば、小規模企業共済制度では、掛金が全額所得控除の対象となります。これにより、所得税や住民税の負担を軽減することができます。また、iDeCoなどの制度では、運用益が非課税となるため、長期的な資産形成に効果的です。
さらに、退職金を受け取る際にも、一定の控除や優遇措置があります。一括で受け取る場合は退職所得控除が適用され、分割で受け取る場合は公的年金等控除が適用されるなど、受取方法によって税制上のメリットが異なります。
これらの税制優遇を活用することで、現役時代の税負担を軽減しつつ、将来の資金を効率的に準備することができます。
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個人事業主にとって、退職金の準備は将来の安定した生活を確保するための重要な課題です。小規模企業共済制度、iDeCo、つみたてNISA・新NISA、国民年金基金など、複数の選択肢を活用することで、効果的に資金を積み立てることができます。これらの方法を組み合わせることで、老後の資金確保だけでなく、節税効果も得られます。
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- 中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
- 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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