起業におすすめの本16選!取材した起業家が読んだ本を悩み別に紹介
起業の本は、今の悩みに合う一冊から読むのが近道です。何から始めるか分からないなら『起業を考えたら必ず読む本』や『起業の科学』、失敗が不安なら『リーン・スタートアップ』のように、悩みによって最初に手に取る本は変わります。
起業の窓口では、これまでに54本の起業家インタビューを公開してきました。その中で20人を超える起業家が、起業の前後に本から学んだことを話しています。実際に起業家が挙げた本と読み方を、悩み別に16冊紹介します。

- 記事監修
起業の本はどう選ぶか
起業の本は、冊数やランキングより、今の自分の悩みに合うかで選ぶと読み進めやすくなります。何から始めるか分からない、失敗が不安、小さく始めたいなど、悩みによって合う本の分野は変わります。次の図で、自分に近い悩みを探してみましょう。

今の悩みに合う分野から選ぶ
本選びで迷ったときは、人気の本より、いま困っていることに近い本を選んでみましょう。株式会社FREEDiVEの今井渉平さんは、人に勧められた本は自分の課題と合っていないことが多いとして、次のように話しています。
「結局『自分が今どんな課題を抱えているか』によって読むべき本は変わると思うんですよね。」
いま直面している課題に沿った本を選べば、読んだ内容をすぐに事業で試せます。
活字が苦手なら漫画や図解から入る
起業の本は文字が多く、読み始めてすぐに疲れてしまう方もいます。そういうときは、漫画や図解で起業の流れをつかめる入門書から始めてみましょう。
株式会社デジライズの茶圓将裕さんも、もとは漫画しか読めず、活字の本には拒否反応があったそうです。それでもインターン先の課題で8冊ほど読むうちに「意外と面白いじゃん!」と感じ、本にハマっていったと話しています。最初の一冊は、内容の難しさより読み切れるかどうかで選ぶのがおすすめです。
新しい版が出ていないか確かめる
同じ本でも、改訂版や新装版が出ていることがあります。たとえば『起業の科学』は2026年3月に増補改訂版が、『リーン・スタートアップ』は2026年6月に新装版が出ています。
事業の考え方を学ぶ本は古い版でも役立ちますが、会社設立の手続きや税金を扱う本は、制度が変わると内容が合わなくなります。手続きを扱う本を選ぶときは、発行年を見てから手に取りましょう。
何から始めるか分からない人がまず読む本
起業の全体像がまだつかめていない人は、起業の流れを一通り説明している入門書から読んでみましょう。どれか一冊を読み切るだけでも、次に調べることが見えてきます。起業に必要な知識やスキルの一覧は、詳細をまとめた記事で確認できます。
起業の科学 スタートアップサイエンス
- 著者:田所雅之/出版社:ダイヤモンド社(増補改訂版 Ver.2・2026年)。初版は日経BP(2017年)
スタートアップがぶつかりやすい課題と、その乗り越え方を、起業の段階を追って整理した本です。アイデアを思いついてから事業として形にするまでに、何をどの順番で確かめればよいかが分かります。
2026年に出た増補改訂版では、国内外の新しい成功と失敗の事例や、実践で使える枠組みが加わりました。起業の流れを一冊で体系的に学びたい人に向いています。
起業を考えたら必ず読む本
- 著者:井上達也/出版社:明日香出版社(2016年)。ポケット版(2023年)もあり
長く会社を経営してきた著者が、起業を思い立ってから会社を辞めるまでと、会社をつくった後にやることを、自分の経験をもとに助言する本です。
うまくいった話だけでなく、起業の厳しい面にも正面から触れています。勢いで会社を辞める前に、起業のリアルを知っておきたい人に向いています。持ち歩きやすいポケット版から読み始めるのもよいでしょう。
マンガでやさしくわかる起業
- 著者:中野裕哲/出版社:日本能率協会マネジメントセンター(2014年)
マンガと解説を交互に読みながら、起業の準備、事業計画、融資、手続きまでを段階的に学べる本です。活字の本が続かない人でも、物語を追ううちに起業までの流れがつかめます。
著者の中野裕哲さんは、起業の窓口の会員特典で無料相談を担当しているV-Spiritsグループの代表です。図解で学びたい場合は、中野さんが監修した『図解 知識ゼロからはじめる起業の本』(ソシム・2015年)もあります。
失敗を避けたい人が読む本
起業の失敗が不安な人は、失敗のパターンと、大きなお金をかける前に小さく試す方法を学べる本を読んでみましょう。失敗の原因を先に知っておくと、準備の段階で確かめることが具体的になります。起業に失敗する主な原因や防ぎ方は、別の解説記事でも紹介しています。
リーン・スタートアップ
- 著者:エリック・リース/訳:井口耕二/出版社:日経BP(新装版・2026年)。初版は2012年
新しい商品やサービスを、完璧に作り込む前に小さく出して反応を確かめ、学んだことを次に生かす進め方を解説した本です。作る、測る、学ぶを繰り返して、ムダな開発を減らす考え方が中心になっています。
お金や時間をかけて作り込んだあとで、誰にも必要とされていなかったと気づく失敗を避けたい人に向いています。
起業の失敗大全 スタートアップの成否を決める6つのパターン
- 著者:トム・アイゼンマン/訳:グロービス/出版社:ダイヤモンド社(2022年)
ハーバード・ビジネス・スクールで教える著者が、スタートアップが失敗する理由をパターンに分けて解説した本です。
成功した会社の話ではなく、うまくいかなかった会社から学ぶ構成なので、自分の計画に同じ落とし穴がないかを確かめながら読めます。事業のアイデアが固まり、計画を見直したい段階の人に向いています。
エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」
- 著者:吉田満梨、中村龍太/出版社:ダイヤモンド社(2023年)
優れた起業家に共通する考え方を研究者が体系化した理論を、5つの原則に分けて紹介する入門書です。完璧な計画を先に立てるのではなく、いま手元にある知識や人とのつながりから始め、失ってもよい範囲を決めて動く考え方が学べます。
個人の仕事や会社の新規事業での生かし方にも触れています。資金や経験が十分でなくても、できることから始めたい人に向いています。
お金をかけずに小さく始めたい人が読む本
大きな資金を用意せず、ひとりや少人数で始めたい人は、実際に小さく始めた人の方法を書いた本が参考になります。小さな事業の始め方の全体は、スモールビジネスの始め方をまとめた記事でも紹介しています。
1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法
- 著者:クリス・ギレボー/監訳:本田直之/出版社:飛鳥新社(2013年)。文庫版(2015年)もあり
わずかな元手で事業を始め、十分な収入を得るようになった人たちを調べ、その始め方をまとめた本です。大きな資金を用意しなくても、自分にできることを事業にしていく道筋が見えてきます。
会社員を続けながら、今ある経験や得意なことで小さく事業を試してみたい人に向いています。
社員ゼロ!会社は「1人」で経営しなさい
- 著者:山本憲明/出版社:明日香出版社(2017年)
社員を雇わずに一人で会社を経営していく方法を、税理士の視点からまとめた本です。一人で事業を続けていくための考え方と工夫が学べます。
会社をつくっても一人で続けたい人や、将来の法人化を考えている個人事業主に向いています。一人で会社をつくるときの流れは、一人会社の設立についての記事で解説しています。
取材した起業家が挙げた考え方を学ぶ本
起業の窓口の起業家インタビューでは、経営者としての考え方を学んだ本として、長く読み継がれてきた本の名前が挙がりました。事業の進め方を学ぶ本とは違い、判断に迷ったときや人と向き合うときの支えになる本です。
完訳 7つの習慣 人格主義の回復
- 著者:スティーブン・R・コヴィー/訳:フランクリン・コヴィー・ジャパン/出版社:キングベアー出版(2013年)。30周年記念版(2020年)もあり
主体的に動くことや、相手を理解することから始めることなど、仕事と人生で成果を出すための7つの習慣を解説した本です。
未知株式会社の下方彩純さんは、経営者を目指すなら読んでおいた方がよい本として挙げています。virapture株式会社の伊藤大樹さんも、自分の内面をどう整えるか、どう主体的に動くかという視点が起業家としてとても刺さったと話しています。
経営者の条件
- 著者:P.F.ドラッカー/訳:上田惇生/出版社:ダイヤモンド社(ドラッカー名著集・2006年)
自分の強みを知り、時間の使い方を見直し、なすべきことに集中して成果をあげる方法を説いた本です。
ボンディッシュ株式会社の上形秀一郎さんは、起業前にいちばん大きかった学びとして書籍を挙げ、ドラッカーの本を中心に読み込んでいたと話しています。大学のゼミでドラッカーを研究した際に、経営の本質は強みを生かして成果を出すことだと学んだそうです。日々の時間管理を見直し、成果につながる仕事に注力したい人に向いています。
京セラフィロソフィ
- 著者:稲盛和夫/出版社:サンマーク出版(2014年)
京セラを創業した稲盛和夫さんが、社外に出してこなかった経営の考え方を、一般の読者に向けて初めてまとめた本です。
合同会社NETSUIの横川祐介さんは、この本を平日の朝6時から少しずつ読み、経営者の在り方を学んできたと話しています。本の中にある『仕事の結果は考え方と熱意と能力の掛け算で決まる』という言葉が好きで、社名の由来にもなったそうです。仕事への向き合い方を固めたい人に向いています。
起業家の実体験から学べる本
実際に会社を立ち上げた人が、どんな場面で迷い、どう決めてきたかを知りたい人には、起業家が自分の歩みを書いた本が参考になります。手法をまとめた本と違い、うまくいかなかった時期の判断まで具体的に書かれているのが特徴です。起業の窓口の起業家インタビューとあわせて読むと、立場の違う起業家の考え方を比べられます。
渋谷ではたらく社長の告白
- 著者:藤田晋/出版社:幻冬舎(幻冬舎文庫・新装版・2013年)。単行本は2005年
高校生のころからの起業の夢をサイバーエージェントの設立で実現した著者が、ITバブルの崩壊や買収の危機を経験した日々をつづったノンフィクションです。成功した場面だけでなく、孤独や行き詰まりまで率直に書かれています。
株式会社Crowd Mooveの信濃拓実さんも、強い経営者の考え方を取り入れたくて、藤田さんの著書を読んだと話しています。
一勝九敗
- 著者:柳井正/出版社:新潮社(新潮文庫・2006年/単行本は2003年)
家業の紳士服店をユニクロに育てるまでの数多くの失敗を率直に明かし、そこから導いた経営の考え方を公開した本です。
失敗を重ねながら事業を大きくしてきた過程が書かれており、失敗を恐れて動けずにいる人や、小さな店から事業を広げたい人に向いています。
HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか
- 著者:ベン・ホロウィッツ/訳:滑川海彦、高橋信夫/出版社:日経BP(2015年)
シリコンバレーで起業し、ベンチャーキャピタルを共同で創業した著者が、会社を率いる中で直面した答えのない問題にどう向き合ったかを書いた本です。
会社が苦しい時期に、経営者としてどのように決断したかが具体的につづられています。チームを率いて事業を大きくしていきたい人や、困難な場面での判断の仕方を知りたい人に向いています。
女性や学生が読みたい起業の本
起業を考えるきっかけや不安の中身は、立場によって変わります。自分と近い立場の人に向けて書かれた本や、同じ立場で起業した人の話は、準備を具体的に考える助けになります。どちらの立場でも、まずはこの記事の前半で紹介した入門書と組み合わせて読むと、全体の流れと自分に近い話の両方が分かります。
法律・お金・経営のプロが教える 女性のための「起業の教科書」
- 編著:豊増さくら/出版社:日本実業出版社(2018年)
好きなことや得意なことを事業にして、長く稼ぎ続けるためのノウハウと実務を、法律・お金・経営の専門家がまとめた本です。安易に始めて失敗しないための注意点にも触れています。
自分のペースで、準備を一つずつ進めたい人に向いています。具体的な起業方法や使える支援は、女性の起業についてまとめた記事でも紹介しています。
学生のうちに読むなら入門書と起業家の本を1冊ずつ
学生のうちは、起業の流れがつかめる入門書と、起業家の歩みが分かる本を1冊ずつ読むと、知識と具体的なイメージの両方が持てます。この記事で紹介した本なら、『起業の科学』と『渋谷ではたらく社長の告白』のような組み合わせです。
株式会社SHIFT AIの木内翔大さんは、起業前に準備して良かったこととして、起業に関する本を読んで起業論を理解したことを挙げています。具体的な進め方は、学生起業のやり方をまとめた記事で解説しています。
起業家は本をどう読んで行動につなげているか
取材した起業家の話からは、本をたくさん読むことより、読んだ内容を自分の事業で試すことを大切にしている様子が見えてきます。読み方は人によって違いますが、大きく分けると次の3つです。ここでは残りの2つの読み方と、読書の仕方を学べる本、本を読まずに動き出した起業家の事例を紹介します。

一冊を繰り返し読み事業に置き換える
株式会社BizPatoの高橋拓真さんは、経営を体系的に学ぶ機会がなかったため、識学の考え方を紹介している本を「ボロボロになるまで繰り返し読んで」、書かれている内容を自分の事業に置き換えながら実践していたそうです。
『京セラフィロソフィ』の紹介で触れた横川祐介さんも、同じ本を長く読み続けていて、同じところを読んでも毎回感じ方が違うと話しています。気に入った一冊が見つかったら、一度読み終えてそのままにせず、時期を空けて読み返してみましょう。
分からなかった本は経験を積んでから読み返す
起業前に読んだ本がよく分からなくても、心配はいりません。株式会社スイセイの松村幸弥さんは、最初の頃は本を読んでも「正直まったく理解できなくて」、ある程度経験を積んでから読み返すと腑に落ちることがあると話しています。
株式会社MAGMAの福永祐大さんも、大学時代に読んでいた稲盛和夫さんの本を社会人になって読み返し、その言葉の重みを実感したそうです。今は分からない部分があっても、動き始めてから読み返すと理解が深まります。
レバレッジ・リーディング
- 著者:本田直之/出版社:東洋経済新報社(2006年)
読書を自分への投資と考え、ビジネス書から効率よく学んで仕事に生かす方法を、本の探し方から読んだ後の生かし方まで解説した本です。
先に紹介した上形秀一郎さんは、就職に悩んでいた時期にこの本と出会い、本からでも膨大な知識や経験に触れられると気づいたそうです。そこから、書いてあることをできるだけ忠実に実践するようにしてきたと話しています。本を読んでも行動につながらないと感じている人に向いています。
本を読まずに動き出した起業家もいる
一方で、本を読まずに起業した方もいます。株式会社COFFISOの白﨑誠志朗さんは、本を読んでも読まなくても「行動に移して結果を出した人が勝ち」だと話しています。株式会社astroSTARの山縣杏奈さんも、起業するなら自分で全部やりたいと考え、経営の本やセミナーで学ぶことはなかったそうです。
本は、動き出すための道具の一つです。読むことが目的にならないよう、読んだら試すことを1つ決めてから次へ進みましょう。
本だけでは確かめにくいことはどうすればいいですか?
本で学べるのは、事業の考え方や失敗のパターンなど、時間がたっても変わりにくい内容です。一方で、会社設立の手続きや費用、税金、補助金の条件は制度の変更で変わるため、本に書かれた内容が今も同じとは限りません。こうした内容は、最新の情報で確かめてから進めましょう。

手続きや費用は最新の情報で確かめる
株式会社コソドの湯川健太さんは、起業の準備を自分で進めたときに、会社設立の本を一冊買い、書いてある手順をひとつずつ進めていったと話しています。本は全体の流れをつかむのに役立ちます。
実際に動く前に、最新の手順と費用を確認しておきましょう。会社設立の流れと費用は会社設立のやり方をまとめた記事、準備の全体像は起業準備でやることをまとめた記事で確認できます。
判断に迷ったら無料相談を使う
本を読んでも、自分の場合は個人事業主と会社のどちらで始めるか、いつ始めるかなど、判断に迷う点は残ります。
起業の窓口に無料で会員登録すると、起業・経営支援を行うV-Spiritsによる1時間の無料相談を受けられます。V-Spiritsが監修した冊子『会社設立完全ガイド』も受け取れます。本で学んだことを、自分の状況に当てはめて整理する場として使ってみてください。
起業の本についてよくある質問
起業の本を選ぶときや読むときに、よく聞かれる質問をまとめました。取材した起業家の話も交えて回答していますので、気になる質問から確認してみてください。
起業する前に何冊くらい読めばいいですか?
決まった冊数はありません。取材した起業家にも、毎月30冊を目標に読んでいた方がいれば、一冊を繰り返し読む方、経営の本をほとんど読まなかった方もいました。
まずは今の悩みに合う一冊を読み切り、試せることを1つ実行してから次の本を選ぶと、読んだ内容が身につきやすくなります。
起業の本は古い本でも役に立ちますか?
事業の考え方や経営者の体験を書いた本は、発行から時間がたっていても役立つものが多くあります。一方で、手続きや費用、税金を扱う本は、制度が変わると内容が合わなくなります。
改訂版や新装版が出ている本は新しい版を選び、手続きの内容は最新の情報で確認しましょう。
起業家が読むべき本はありますか?
すべての起業家に共通する一冊はありません。取材では『7つの習慣』やドラッカーの本、稲盛和夫さんの本など、長く読み継がれてきた本を挙げる方がいました。
まずは経営者としての考え方を学べる本から一冊選び、そのあとで自分の悩みに合う分野の本へ広げていくのがおすすめです。
本を読む時間がないときはどうすればいいですか?
すべてを読み切ってから動く必要はありません。目次を見て、いまの悩みに関係する章だけを先に読むのも一つの方法です。
漫画や図解の入門書なら、短い時間でも起業の流れをつかめます。読んだ章から試せることを1つ決めて、動きながら続きを読んでみましょう。
まとめ
起業の本は、今の自分の悩みに合う一冊から選ぶことで、より行動につなげやすくなります。
取材した起業家は、一冊を繰り返し読んだり、経験を積んでから読み返したりしながら、本の内容を自分の事業に置き換えていました。自分に合う一冊が見つかったら、まずは書かれていることをひとつ実践に移してみましょう。
手続きや費用、税金のように制度で変わる内容は、本だけで判断せず最新の情報で確認しましょう。起業の準備全体の進め方は、起業は何から始めるかをまとめた記事で確認できます。
- ※本記事は、起業の窓口編集部が専門家の監修または独自調査(アンケート)に基づいて制作したものです。
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