副業で農業はできる?おすすめ作物やメリット・注意点を詳しく紹介!
副業を始める人が増えていますが、空いた時間を使って農業で副収入を得ている人もいます。
副業で農業をすることは可能で、時間や予算に応じてさまざまな農業の方法があります。しかし起業しやすいメリットがある一方で、初期費用が高くなりやすいことや不作のリスクなどに注意しなければなりません。
また、農業で副業を始めるなら育てる農作物選びもポイントです。この記事では、副業で農業を始める方法やおすすめの作物、注意点などを詳しく紹介します。
- 【この記事のまとめ】
- 農業は公務員でもできる副業ですが、難易度は高めです。
- 副業で農業をするなら、手間がかからず単価が高い農作物選びがポイントです。
- 副業で農業を行う方法は5つあります。
- 副業で農業する場合は、初期コストの高さや不作リスクに注意が必要です。
副業で農業をすることは可能!
副業で農業をすることは可能です。
農林水産省の農業構造の部によると、国内の農家のうち約35%は兼業農家で、多くの人が本業をしながら農業に取り組んでいる実態があります。近年はテレワークを導入する企業が増えていることもあり、自然の多い地方に移住して農業を副業にする人も増えています。
しかし、副業で農業をすることは簡単ではありません。畑や田んぼなどの環境が必要であることや農機具の購入も必要で、農作物の販売価格も低いことから、一定量を育てなければ安定した収入は得られません。
もちろん、農業をしながら稼いでいる人も実際には多くいるため、育てる農作物や注意点などを把握することで副業でも安定した収入を目指すことができます。
副業で農業をする5つの方法
副業で農業をする方法はいくつかあり、なかには低コストで始められるものもあります。ここでは、副業で農業をする5つの方法を紹介します。
週末農業
週末農業とは、仕事が休みになる週末のみ行う農業の方法です。
平日は農業を行わず週末のみの稼働となるため、副業には最適な方法といえるでしょう。仕事の休みがカレンダー通りのように、休日がある程度固定されている場合におすすめです。
本格的に農業を始める場合と違って、設備やコストを必要としないことから、農業初心者も始めやすいメリットがあります。
まずは週末農業からスタートし、経験や知識を増やしてから規模の拡大を目指すのがおすすめです。
シェア農業
シェア農業とは、小さな区画に分けた一つの畑を使って行う農業です。
農業をするために必要な農具や肥料、苗などはすべてそろっており、畑の持ち主や管理者などに相談しながら農作物が作れます。
シェア農業は、月額料金を畑の持ち主や管理者に支払うことで成り立つサービスです。
農業の知識がなくてもサポートが受けられることから、農業初心者が副業したい場合にもおすすめです。しかし、コストがかかることや使える農地が小さいなどの理由から、大きな収益は期待できません。
半農半X
半農半Xとは、自分や家族が食べる分だけの食料を農業で得て、その他の時間は自分のために使うというライフスタイルです。
半農半XのXに当てはまるものは人それぞれで、自営業やサラリーマンなども該当します。
兼業農家と半農半Xの違いは利益の有無であり、兼業農家は農業が一つの収入源になっているのに対し、半農半Xでは利益獲得を目的としていません。
「利益が出ない半農半Xを副業といえるのか?」と思う方もいるかもしれませんが、自分で育てた農作物を自分たちで消費することで食材の購入費用を抑えられることから、副業の新しい形といえます。
市民農園
市民農園とは、自治体や農家が運営している農園を借りて農業を行う方法です。農機具などは自分で用意して作物に関する知識も自ら学ぶことになるため、農業の知識を増やせます。
市民農園の契約は1年が基本ですが、前年度に使っていた人は優先的に契約できる仕組みもあります。
シェア農業は、空きがあれば誰でも自由に申し込んで使えることに対し、市民農園は畑のある市町村に在住している人のみ使えるという違いもあります。
自治体によっては抽選になる場合もあり、10倍を超えるような抽選倍率になるほど人気です。
家庭菜園
家庭菜園とは、自身が所有する土地やプランターなどを使って自宅で行う農業です。農園に通う手間がかからないことや、作物の状況をすぐにチェックできるなどのメリットがあります。
集合住宅に住んで庭がないという人も、ベランダを利用したプランター菜園や、室内でも栽培できる水耕栽培で農作物を育てることは可能です。
しかし、栽培できる面積が小さい場合だと、収益化できるだけの農作物を育てることは難しくなります。
副業で農業をする際のおすすめ作物
副業で農業をするためには作物選びも重要です。ここでは、副業で農業をする際のおすすめ作物を紹介します。
単価が高いものを選ぶ
副業で農業をする際は、限られた時間とスペースで行う必要があるため、できるだけ単価が高い作物を選ぶのがコツです。
単価が高い農作物として、下記が挙げられます。
- ミョウガ
- タラの芽
- アスパラガス
- アボカド
- イチジク
イチジクのように、デリケートで流通が難しい農作物は単価が高くなりやすい特徴があります。また、南国の輸入農作物のイメージが強いアボカドも、地球温暖化の影響で国内でも栽培可能な地域が増えている現状があります。
作付面積が狭くても作れるものを選ぶ
農業できる土地が狭い場合は、作付面積が狭くても作れるものを選びましょう。
たとえば、ナスやトマトなどは作付面積が狭くても作ることができて、一つの苗に複数の実がつくことから量も増やせます。
市民農園やシェア農業においても使える耕地面積は狭いケースが多いため、作付面積に注目して農作物を選びましょう。
手間がかからないものを選ぶ
週末農業のように農業できる時間が少ない場合は、特別な設備が不要で水やりや肥料をやる頻度が少ないなど、手間がかからない農作物を選びましょう。
ジャガイモやさつまいもなど土の中で育つ作物は、外気による被害を受けにくいことから手間もかからず初心者にもおすすめです。
収穫した作物が売れる場所
副業の農業で稼ぐためには、収穫した作物を売る場所が必要です。ここでは、収穫した作物が売れる場所を紹介します。
直売所
直売所とは、市町村で指定された場所や道の駅、スーパーの一角などで作物を直接販売する場所のことです。
直売所では販売者が農作物の価格をある程度自由に設定できることから、価格を下げて売れ残りを防ぐこともできます。
しかし、直売所には手数料を支払う必要があるため、価格設定を失敗すると赤字になるケースもあるため注意しましょう。
ネット販売
収穫した農作物は、フリマアプリやネットショップ、自身で作成した公式サイトやSNSなどを通じてネット販売を行うこともできます。
全国の人をターゲットにできるメリットがあり、ファンが増えるとブランド化しやすいメリットもあります。
しかし、競合も多くいるため、最初のうちは買い手がなかなか見つからない場合も考えられます。また、ネット販売は配送料もかかるため、価格設定によっては利益がほとんどないケースもあります。
JA(農協)
収穫した農作物は、JA(農協)に販売できます。JA(農協)では買取価格が決められているため、数がそろえば安定した収入が得られるでしょう。
しかし、農作物の形や大きさなど一定の基準を満たしていないと買い取ってもらえないため、基準外の農作物については直売所やネット販売を通して売ることをおすすめします。
副業で農業をするメリット
副業をしたい方に農業はおすすめです。ここでは、副業で農業をするメリットを紹介します。
公務員でもできる
副業規定が厳しい公務員でも、農業については例外的に認められています。
公務員の副業が禁止されている理由は、信用失墜行為や守秘義務、職務専念の義務が法律で定められているためで、農業はこれらに抵触しないため副業として行うことが可能です。
また、農業分野は農家の高齢化が問題となっており、農業の存続ができないケースも増えています。
公務員が副業で農業をすることは、地域経済において重要な農産業を守ることにつながり、地域貢献や人材育成にもなるため、公務員の兼業農業を後押しする自治体も増えています。
ビジネスを広げられる可能性がある
副業で農業を行うメリットは、ビジネスとして広げられる可能性があることです。
副業で安定した収入を得られるようになったら、投資をして農地を拡大することにより、さらに多くの収入を得られます。
従業員を雇う給料が払えるだけの収入になれば、手間がかかる農作物にもチャレンジできるようになるでしょう。
起業しやすい
副業の農業は、起業しやすいメリットがあります。
現代の日本では、さまざまな分野においてIT化やAIの活用が進んでいますが、農業については、他の分野に比べると大きな変化や進化はみられません。副業の農業が起動に乗ってIT化やAIの活用を行うことで、新しい事業につながる可能性もあります。
副業で農業する際の注意点
副業で農業する際には、リスクも知っておく必要があります。ここでは、副業で農業する際の注意点を紹介します。
初期費用が高くなりやすい
市民農園を借りたり、農地を買って農業を始めたりする場合、農機具や農地の購入費が多くかかるため、初期費用が高くなりやすい特徴があります。
初期費用を抑えたい場合は、高い農機具や農地の購入が不要で始められるシェア農業や家庭菜園などがおすすめです。
不作になることがある
副業で農業をする場合、農作物の不作で収入がなくなるリスクがあるため注意が必要です。
農作物は天候に影響されやすく、異常な気温や気象災害が発生すると農作物が枯れてしまったり被害を受けたりすることもあります。また、害虫被害や病気によって不作になるケースもあります。
不作のリスクを減らすためには、気象情報を確認して天気が荒れそうなときは早めに収穫したり、害虫対策をとる必要などがあります。
収益を得るまで時間がかかる
副業で農業をするデメリットは、収益を得るまでには時間がかかることです。
日雇いバイトのようにすぐに働いて現金がもらえるわけではなく、農作物によっては収益化するまでに数年以上かかることもあります。
また、農作物ごとに種植えや収穫時期が決まっているため、毎月安定した収入を得られるとも限りません。すぐに稼ぎたいという方には、不向きの副業といえます。
必ず売れるわけではない
副業の農業は農作物の買い手がいて成り立つ仕事であるため、必ず売れるとは限りません。
直売所やネット販売をしても売れなかった場合、在庫を抱えることにもなります。また、本業との兼ね合いからベストなタイミングで収穫できるとは限らず、収穫時期が遅れることで売り物にならない場合もあるでしょう。
副業の収入をあてにしすぎないように注意する必要もあります。
まとめ
副業で農業はできますが、農地の購入や市民農園の利用は初期費用が高くなるため、家庭菜園やシェア農業などの小規模農業から始めることをおすすめします。
農業の副業で安定した収入を得られるようになったら、稼いだお金を農地や設備に投資して、少しずつ範囲を拡大していくとよいでしょう。
農業には大きな可能性があり、副業から始めて専業農家に転身する人も多くいます。自然と触れ合いながら働きたい人にとって、農業は最高の仕事といえるでしょう。
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- 記事監修
-
- 中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
- 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。