起業の成功率は年数で低下する!成功する人と失敗する人の特徴を詳しく紹介
起業した人のうち、どれくらいが事業を続けられているのか。数字で知っておきたいという方は多いと思います。
よく使われるのが、起業してから何年後に企業が残っているかを示した生存率です。ただしこの数字は、何を数えたものかによって見え方が変わります。この記事では公的な統計をもとに生存率を示したうえで、その数字をどう読めばよいかまでお伝えします。

- 記事監修
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- 中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
- 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
起業の成功率は?年数ごとの生存率で見る
「成功率」を直接示した公的な統計はありません。近い数字として使われるのが、起業してから何年後に企業が残っているかを示した生存率です。

起業してからの生存率
中小企業庁が公表した国際比較のデータでは、日本の企業の生存率は次のように推移しています。
| 起業からの年数 | 生存率 |
|---|---|
| 1年後 | 95.3% |
| 2年後 | 91.5% |
| 3年後 | 88.1% |
| 4年後 | 84.8% |
| 5年後 | 81.7% |
2017年版(平成29年版)中小企業白書のコラム2-1-2の図から引用しています(2026年9月8日確認)。
同じ図では米国48.9%、英国48.8%、ドイツ40.2%、フランス44.5%と並んでおり、日本の数字は高く見えます。
この数字をそのまま読めない3つの理由
ただし、この生存率をそのまま「10社のうち8社が成功している」と読むことはできません。

1つ目は母集団です。この数字は帝国データバンクのデータベースに情報が収録されている企業だけを集計したものです。白書の注記にも、データベースに企業情報が収録されている企業のみで集計していると明記されています。
2つ目は白書自身の留保です。同じ注記に「データベース収録までに一定の時間を要するため、実際の生存率よりも高めに算出されている可能性がある」と書かれています。公表した側が、高めに出ると断っている数字だということです。
3つ目は年次です。2017年版の白書に載ったデータで、公表から9年が経っています。
白書自身も、企業生存率は国によって統計やデータの性質が異なるため単純に比較できないとしています。数字の読み方でご不安があれば、GMOオフィスサポートが紹介する税理士に無料で相談できます(起業の窓口とGMOオフィスサポートは同じGMOインターネットグループです)。
「10年後の生存率は6%」に根拠はありません
インターネット上で見かける「起業して10年後に残るのは6.3%」という数字は、出所となる公的データが確認できていません。
国立国会図書館のレファレンス協同データベースに同じ問い合わせが寄せられており、調査の結論は「根拠となるデータはなさそう」でした(事例ID 1000355744。2026年9月8日確認)。
同じ調査では、2016年版中小企業白書に10年の生存率として72%という記載があることも紹介されています。低い数字も高い数字も、出どころを確かめてから受け取るのが安全です。
なお、成功率の裏返しとして、うまくいかなかった事業に共通する傾向も気になるところだと思います。失敗の原因や、失敗したときに借金や家族がどうなるかについては、別の記事で公的な統計と起業家の実体験をもとに詳しくまとめています。
起業を成功させるための5つのポイント

起業を成功させるためには、綿密な計画と事前準備が必要不可欠です。ここでは、成功率を向上させる5つのポイントを紹介します。
未来を見越した事業計画書を作成する
起業する際は、事業計画書を作成するのが一般的です。事業計画書は、事業の進む方向や将来の計画を的確に示した書類です。
書き方は経営者によって異なりますが、毎月の売上高目標や経費を細かく明記し、綿密な目標を設定する経営者もいれば、進む方向性を大まかに作成する経営者もいます。
しかし、起業が成功する経営者の多くは、起業前から1〜10年先の未来を想像して事業計画書を作成します。
外部からの資金調達をしない場合は、事業計画書を作成しない場合もありますが、起業の成功率を上げるためにも作成しておきましょう。
事前に明確な目標を決めておくことで、事業計画にズレが生じた場合でもスムーズに軌道修正ができるため、リスクを少なくできます。
専門的な知識を増やす
起業の成功率を上げるには、参入する事業に関する知識を増やすことが大切です。
同業者のなかでも差別化を図れるように専門的な知識を増やし、その道を極めることでニーズの探求が可能となり顧客獲得につながります。
また、専門的な知識を増やすことによって関わりが深くなる人物が増え、人脈を活用したビジネスも可能となるでしょう。
今までに培った人脈や経験を活用する
起業する際は親戚や友人、元会社の上司や同僚など、今までに培ったあらゆる人脈を活用するのがおすすめです。
自分には足りない知識や技術を人から教わることで、起業の成功率は向上します。
また、過去の経験はビジネスシーンで自分の強みとなるため、ゼロからスタートするよりも早く成長するでしょう。
起業する際には、他人との接点が必要になるため、たとえ個人で起業した場合でも他人と関わりがなくなることはありません。
培った人脈や今までの人生で得た経験は、あらゆる場面で自分を助けてくれる大切な要素になるため、うまく活用しましょう。
コンパクトに起業する
初めての起業は、コンパクトに起業するのがおすすめです。
起業初期に、金融機関の融資を受けて大規模に始める方もいますが、事業規模を大きくするとリスクが高まります。
万が一失敗してしまうと、大きな負債が残り、再起するのが困難になる場合もあります。コンパクトに起業するメリットは以下の通りです。
- 心の余裕が生まれる
- 失敗しても負債を最小限に抑えられる
- 万が一失敗してもやり直しやすい
成功率を上げるには、自己資金の範囲で起業して、融資を受けないビジネスモデルも手段のひとつです。
コンパクトに起業した事業で多くの経営経験を積み、拡大するタイミングを見極めることも成功率アップのカギとなるでしょう。
売上が見込める取引先や顧客の確保を徹底する
起業の成功率を上げるためには、売上の確保が必須です。
ビジネスでは、売上を確保できなければ必要経費を支払えず、資金が不足し倒産するリスクが高くなります。
そのため、ビジネスでは売上が見込める取引先や顧客の確保が最優先です。
自社の商品やサービスを定期で購入してくれるリピーター、もしくは長期で契約してくれる取引先など、売上に直結する顧客を確保できれば起業の成功率は上がります。
起業初期から安定した売上が見込める顧客を探すのは困難ですが、営業活動は自社の将来を支える重要な要素になるため、顧客確得を徹底しましょう。
起業が成功する人の特徴

起業で成功する人には、考え方や精神面において似ている特徴があります。ここでは、起業で成功する人の特徴について解説します。
ロジカルシンキングができる
会社経営には、論理的思考(ロジカルシンキング)が重要です。論理的思考とは、問いに対して道筋を立て、矛盾のない答えをセットで考える思考です。
ビジネスではさまざまな問題に直面しますが、物事をロジカルに考えることで効率的に対応できます。
答えを導くまでの道筋を頭の中で整理しながら考えることで、無駄な考えや行動を省き、スムーズな決断が可能です。
もちろん直感やセンスも起業の成功のためには重要なことです。
日常生活においても、論理的思考で物事を考えられる力を身につけたり、直感やセンスを磨いたりするとよいでしょう。
忍耐力と継続力がある
起業後はさまざまなトラブルが山積みで、精神的に挫折しそうになる場面があります。しかし、起業で成功するためには強い忍耐力が必要です。
今まで継続してきたプロジェクトや事業モデルで利益を出せなくても、あきらめずに続けることで、成功の兆しが見えて売上に直結するモデルへと発展する可能性があります。
成功する経営者は強い忍耐力を持ち、常に諦めずに継続する力を有している場合が多いです。
情報収集力と行動力がある
ビジネスで成功するためには、情報収集力と行動力が求められます。
ビジネスの成功には、市場調査だけでなく顧客満足度や品質を高めるサービス内容など、購買者の目線になって考えることが重要になるため、あらゆる目線の情報が必要です。
また、新しいプロジェクトやマーケティング方法が浮かんだときに、すぐ実践に移せる行動力が成功する秘訣といえるでしょう。
日常生活においても常に新しい情報にアンテナを張り、ビジネスに活かせる可能性を探求しながら行動することで、誰よりも先に事業を展開できます。
探求心とモチベーションがある
成功している経営者の多くは、新製品や新サービスに興味を持ち、知識を蓄えようとする探究心を持ち合わせています。
例えば、自社に関係がない商品やサービスであっても、関連性を見つけてビジネスチャンスにつなげます。些細なことでも常に探求心を持つことは、成功へのチャンスを高めるでしょう。
また、常に前向きで楽観的な性格をしている経営者は多いです。失敗を恐れない性格は、経験を学びに変えることができ、いかなる場合でも高いモチベーションが保たれます。
キャッシュフローや利益の仕組みを理解している
キャッシュフローや利益の仕組みの理解が、起業の成功率アップの秘訣です。
経営に失敗する原因で多いのが、経営者が実務に専念してしまい、キャッシュフローのトラブルに気がつかないことです。
トラブルに気がついた時には、すでに資金が不足している場合もあるため、冷静な判断ができません。
そのため、経営者はキャッシュフローを理解し、どのような仕組みで利益が発生しているかを常に考えることが重要です。
起業が失敗する人の特徴

起業が失敗する人には、成功する経営者と比べて大きく異なる特徴があります。ここでは、起業が失敗する人の特徴を紹介します。
起業する動機があいまい
起業で失敗する人の多くは、動機があいまいな状態で始めてしまっています。
会社を経営する場合は、会社員のように決まった業務を行うのではなく、すべてを自分で考えながら行動しなければいけません。
「自分ひとりで好きな仕事がしたい」「就職するより起業の方が簡単そう」などの安易な考えでは、些細なトラブルで挫折してしまいます。
そのため、目標や夢を実現させるための強い動機が必要です。
他人の意見を取り入れられない
他人の意見を取り入れられない人は、起業に失敗してしまうケースが見受けられます。
例えば、ビジネスで新プロジェクトを始める際は、まず意見を交換します。複数の意見を取り入れることで、プロジェクトがより良いものへと変わり、成功に近づくのが一般的です。
これは起業するときも同様で、取引先やクライアントの意見がサービスや製品の品質向上につながる可能性があります。
他人の意見を取り入れず自分勝手に物事を進めてしまうと、顧客が求めるニーズすら分からず、継続的な売上は望めないでしょう。
そのため、経営者には他人の意見を取り入れて、柔軟に対応できる能力が求められます。
ネガティブ思考で感情の起伏が大きい
ネガティブ思考で感情の起伏が大きい人は経営者として不向きな性格です。
起業後にはさまざまなトラブルがつきものですが、失敗したときに激しく落ち込んだり、いつまでも引きずってしまうネガティブ思考は、今後の事業にも大きな影響を与えます。
一方で、常に冷静で物事に対して感情をあらわにしないタイプの経営者は、トラブルを的確な判断で対処するだけでなく、失敗をおそれずに次につながる糧にできます。
向上心や成長意欲が少ない
向上心や成長意欲が少ない方は、起業に向いていません。
会社経営で難しいのは、起業した後に事業を継続させることです。起業後は常に向上心を持ち、自分自身を成長させる意欲がなければ、起業の成功率は極めて低いでしょう。
知識が少なく計画性がない
事業に対する知識の少なさや計画のなさは、起業が失敗する原因です。
「おもしろそうだから」「儲かりそうだから」といった理由だけで知識のない業種で起業してしまうと、成功率は極めて低いといえるでしょう。
また、計画性がない場合は、万が一のトラブルに対応ができず失敗してしまいます。
そのため、起業する際は知識のない業種ではなく、最低限の知識を持った業種で始めるのがベストです。
起業の成功率を上げる方法

起業したのであれば、誰もが成功を目指すものです。しかし、起業は必ずしも成功するものではなく、失敗してしまう割合のほうが多いといっても過言ではありません。
ここでは、起業の成功率を上げるポイントを解説します。
起業する目的と進む方向を明確化させる
起業する目的や進む方向性を明確化させましょう。
「なぜ起業するのか」「将来はどう進むべきか」などを自問自答しながら、起業後の未来予想を紙に書き出してみるのがおすすめです。
起業初期から事業モデルを明確化することで、必要な知識やサービスが見える化され、将来的にも迷うことなく経営に専念できるでしょう。
迅速な資金調達とキャッシュフローを確保する
起業の成功を左右させるのは資金調達です。優れた才能や人脈があっても、資金が枯渇すれば事業は継続できません。
そのため、自社のキャッシュフローを理解しながら、不足分は迅速に調達できる対応力が求められます。
起業を成功させるためには、経営資源のひとつでもある資金の確保が重要です。
市場調査とマーケティングを徹底する
市場調査とマーケティングは、起業成功のカギを握ります。
例えば、参入を考えている市場を調査することで、同業他社の存在、ユーザー層、ニーズなどが明確になります。
集めたデータをもとにしてターゲットの選定やサービスの差別化を図ることが、成功率アップの近道といえるでしょう。
特に同業他社の存在は、事業発展の足かせになることも少なくありません。
いくら素晴らしい製品やサービスを考えたとしても、同業他社が類似した製品やサービスを提供していた場合、付加価値を付けたり、金額で差別化を図らなければ想定した売上を達成させることができないでしょう。
そのため、同業他社が脅威にならないフィールドを見つける戦略こそが成功の秘訣です。
起業や独立を成功させたいならまずは「起業の窓口」に登録してみよう
起業は決して簡単に成功するものではありません。将来を見越した事業計画と自社にあったフィールドで戦う資金力が重要です。
また、起業の成功率を上げるためには、目的や方向性の明確化、迅速な資金調達、市場調査が必要となります。
起業が実際に成功した経営者の声を聞きたい方は、起業の窓口マガジンの起業家インタビューをご覧ください。
成功までの苦労や成功の秘訣などをインタビュー形式で公開しています。
成功者の意見を取り入れ、起業成功への道を目指しましょう。
よくある質問
起業して1年後に残っている割合はどれくらいですか?
2017年版中小企業白書のデータでは、起業から1年後の生存率は95.3%です。ただしこの数字は帝国データバンクのデータベースに収録されている企業を集計したもので、白書自身が実際より高めに算出されている可能性があると注記しています。目安としてご覧ください。
起業して10年後の成功率はどれくらいですか?
10年後の生存率を示した公的なデータは、確認できている範囲では2016年版中小企業白書の72%という記載のみです。よく見かける「6.3%」は、国立国会図書館の調査でも根拠が見当たらないと結論づけられています。
個人事業主の廃業はどう数えられていますか?
よく使われる廃業率は雇用保険の適用事業所をもとにした数字のため、従業員を雇わずに一人で始めた事業は含まれません。廃業の数え方については、別の記事で詳しく整理しています。
まとめ
起業の成功率を直接示した公的な統計はありません。近い数字である生存率は、1年後95.3%から5年後81.7%と推移します。ただしこの数字はデータベースに収録された企業だけを集計したもので、白書自身が高めに出ている可能性を注記しており、しかも公表から9年が経っています。
「10年後は6%」という説にも根拠は確認できていません。高い数字も低い数字も、何を数えたものかを確かめてから受け取ってください。
大切なのは全体の割合ではなく、自分の事業が続く形になっているかです。この記事で挙げたポイントを、始める前に1つずつ確かめてみてください。起業の窓口では、準備に必要な手続きやサービスをまとめて確認できます。
- ※本記事は、起業の窓口編集部が専門家の監修または独自調査(アンケート)に基づいて制作したものです。
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