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起業に失敗する人の特徴とは?原因・確率の実態から借金・再挑戦の道まで解説

起業に失敗する人の特徴とは?原因・確率の実態から借金・再挑戦の道まで解説
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「起業は9割が失敗する」。そう聞いて、足が止まっている方は多いと思います。

ただ、その9割という数字がどこから来たものかを確かめると、出どころがはっきりしません。逆に「5年後も8割が生き残る」という説明も、そのまま受け取ることはできません。

この記事では、公的な統計が実際に何を数えているのかを整理したうえで、失敗する人に共通する傾向、そして万一うまくいかなかったときに何が起きるのかまでを順にお伝えします。読み終えたときに、次に何をすればよいかが決まっている状態を目指します。

記事監修
中野裕哲
中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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9割が失敗するという噂の出どころを、そうたとみおが確かめようとしている3コマ

起業に失敗する確率は?

結論から言うと、「起業の失敗率」を直接示した公的な統計はありません。近い数字として使われるのが廃業率で、2024年度は3.7%です(中小企業庁「2026年版中小企業白書」第1部第1章第7節。2026年9月8日確認)。

ただしこの数字をそのまま「起業の失敗率」と読むことはできません。理由は3つあります。

廃業率と休廃業・解散と倒産が、それぞれ何を数えた統計かを並べて示した図

廃業率は下がり続けているわけではありません

よく引用される「廃業率3.3%」は2022年度の数字で、白書2版ぶん古いものです。実際の推移はいったん上がってから小幅に下がっています。

対象年度 廃業率 出典
2022年度 3.3% 2024年版中小企業白書
2023年度 3.9% 2025年版中小企業白書
2024年度 3.7% 2026年版中小企業白書

いずれも中小企業庁の公表値です(2026年9月8日確認)。数字を引くときは、どの年度のものかをあわせて見るようにしてください。

廃業率は「一人で始めた事業」を数えていません

この開廃業率は厚生労働省「雇用保険事業年報」にもとづく数字です。雇用保険の適用事業所の設置と廃止を開業・廃業とみなすため、従業員を雇わずに一人で始めた事業は反映されません。

中小企業庁自身も、2026年版白書の開廃業率の図で、雇用者が存在しない場合や事業主一人での開業の実態は把握できないと注記しています。フリーランスや副業から始めた個人事業主の多くは、この統計の外側にいます。ご自身が一人で始めるつもりなら、この数字は自分の話ではないと考えたほうが正確です。

廃業は必ずしも失敗ではありません

廃業した企業の約半数は、赤字ではなく黒字のまま事業を終えています。帝国データバンクの2025年の調査では、休廃業・解散をした企業のうち直前期の決算が黒字だった割合は49.1%でした(「全国企業『休廃業・解散』動向調査(2025年)2026年1月9日公表。2026年9月8日確認)。

後継者がいない、体力のあるうちに畳む、といった前向きな終わり方が相当数含まれます。廃業をそのまま失敗と数えると、実態を見誤ります。

なお倒産件数のほうは増加が続いています。東京商工リサーチによると2026年上半期の全国企業倒産は5,346件で、前年同期比7.1%増と5年連続の増加でした(2026年9月8日確認)。

「9割が失敗する」「10年後は6.3%」は根拠が確認できません

よく見かける「起業して10年後に生き残るのは6.3%」という数字は、出所となる公的データが確認できていません。国立国会図書館のレファレンス協同データベースに同じ問い合わせが寄せられており、調査の結論は「根拠となるデータはなさそう」でした(事例ID 1000355744。2026年9月8日確認)。

逆に「5年後の生存率は81.7%だから8割が生き残る」という説明も、そのままは使えません。2017年版中小企業白書のコラムに載った数字で、白書自身が実際より高めに算出されている可能性があると注記しています。

生存率の数字をどう読めばよいかは、別の記事で母集団と年次まで詳しくまとめています。

高い数字も低い数字も、そのまま信じないのが安全です。

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起業に失敗する原因

事業が続かなくなるとき、きっかけになる出来事はある程度決まっています。ここでは何が起きて事業が止まるのかを4つに整理します。次の章で扱う「どんな人がそうなりやすいか」とは分けて読んでください。

事業が止まるきっかけを、お金・集客・人間関係・数字の4つに分けて示した図

開業資金が足りなくなる

最も多いのがこれです。開業のための費用は見積もっていても、売上が入るまでの運転資金と生活費が抜けている、というかたちで起こります。

利益が出ていても現金が足りなくなることもあります。入金より支払いのほうが先に来る状態が続くと、帳簿の上では黒字のまま資金が尽きます。

集客や営業がうまくいかない

商品やサービスができても、それを必要とする人に届かなければ売上は立ちません。自分がやりたいことと、お金を払ってでも解決したい人がいるかどうかは別の問題です。

始める前に、想定するお客さまを1人でも具体的に思い浮かべられるかを確かめておくと、この失敗は避けやすくなります。

一緒に始めた人との関係が壊れる

友人や元同僚と始めた場合に起きやすい失敗です。報酬の分け方、役割、決定権をあいまいにしたまま進むと、事業が伸びたときにも縮んだときにも、もめる材料になります。

穴熊の西村成城さんは、共同創業者を探した経験をこう振り返っています。「その後、共同創業者を探すために、学生数が多い日本大学へ進学したという経緯があります。でも、色んなサークルに入って沢山の人と出会いましたが、そう簡単に一緒に会社を立ち上げてくれる人は見つかりませんでした」。

数字を見ないまま進んでしまう

売上と経費の把握が月単位でできていないと、資金が減っていることに気づくのが遅れます。気づいたときには打てる手が少なくなっています。

経理を人に任せること自体は問題ありません。ただし任せきりで、自分が数字を読めない状態のままにしないことが大切です。

起業に失敗する人の特徴

うまくいかなかった事業には、いくつか共通する傾向があります。ただし当てはまったからといって失敗が決まるわけではありません。多くは準備と習慣で変えられるものです。

起業の窓口では起業家の方に直接お話をうかがっています。ここでは実際の言葉もあわせてご紹介します。

起業の前に確かめておきたい5項目のチェックリスト

お金の出入りを把握していない

売上が立っていても、入金より先に支払いが来れば現金は尽きます。利益が出ているのに資金が回らなくなる状態です。

アルサーガパートナーズの小俣泰明さんは、投じた金額と競合との差についてこう振り返っています。「でも、それは失敗だったんです。3億円かけてソーシャルゲームを開発しましたが、大手企業は20億円、30億円と巨額をかけていますから勝てるわけがないんですよね」。

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売上が急に落ちることを想定していない

順調に伸びているときほど、落ち方の速さは見えにくくなります。

Crowd Mooveの信濃拓実さんは、こう話しています。「めちゃくちゃ売上が伸びたと思って油断していると、そこからガクンと落ちることがあります。まさに弊社がそうで、半年前くらいに売上が一気に95%減少したんです」。

取引先が偏っているほど、この落ち方は大きくなります。売上の何割が上位1社から来ているかを、一度数えてみてください。

固定費を先に大きくしてしまう

人を雇う、事務所を借りる。どちらも売上が落ちても減らせません。

MCHSの下方彩純さんは、当時の状況をこう語っています。「当時、SES事業で取引のあった大手企業が一斉に支店開設をストップしました。そこから大阪の景気も一気に冷え込み、会社は毎月200万円の赤字を計上する状況に陥りました。社員7名、資本金300万円という状態でしたから、『このままでは会社が終わってしまう』という強い危機感を抱きました」。

一緒にやる人との取り決めがない

友人や元同僚と始める場合ほど、報酬の分け方や決定権をあいまいにしたまま進みがちです。もめごとが起きてから決めようとすると、事業そのものが止まります。始める前に、紙に書いて残しておくことをおすすめします。

数字を見る習慣がない

アクティブ アンド カンパニーの大野順也さんは、経営に必要なこととしてこう挙げています。「そしてもう一つ大事なのは、『会計がわかること』です。これは感覚じゃなくて、『本当にわかっていないと話にならない』と思っています。決算書が読めない、仕分けができない、月次決算が締められない――そんな状態で経営なんてできないはずです」。

最初から完璧である必要はありません。月に一度、数字を見る時間を決めるところから始められます。

起業に失敗するとどうなる?

事業がうまくいかなくなったとき、何がどこまで自分に及ぶのか。ここが最も不安な部分だと思います。

結論から言うと、事業の形と、借入に個人保証を付けているかどうかで大きく変わります。漠然と怖がる必要はありませんが、始める前に知っておくことは大切です。

事業の借入が個人にどこまで及ぶかを、事業の形と連帯保証の有無で分けた図

借金は誰が返すことになるのか

個人事業主の場合、事業の借入は事業主本人の債務です。法人の場合は、出資した金額の範囲を超えて株主が責任を負わないのが原則です。

ただし中小企業では、代表者が連帯保証人になって融資を受けているケースが多くあります。その場合は法人の債務を代表者個人が背負うことになります。法人にしたから安心、とはならないのがここです。

ご自身の借入に個人保証が付いているかどうかは、契約書で確認できます。判断に迷う場合は、GMOオフィスサポートが紹介する税理士に無料で相談できます(起業の窓口とGMOオフィスサポートは同じGMOインターネットグループです)。

家族に返済義務は及ぶのか

家族は法律上、本人とは別の人格です。家族が連帯保証人になっていない限り、事業の借金の返済義務が配偶者やお子さんに自動的に及ぶことはありません。

ただし配偶者が連帯保証人になっている場合や、相続が発生した場合は扱いが変わります。ご家族に保証人になってもらう前に、その意味を共有しておくことをおすすめします。

個人保証を外す制度があります

近年は、経営者の個人保証に頼らない融資の仕組みが整えられてきました。金融機関が個人保証を求める際の指針を定めた「経営者保証に関するガイドライン」、創業時に個人保証なしで信用保証を受けられる「スタートアップ創出促進保証」があります。

一度事業に失敗した方の再挑戦を支える「再挑戦支援資金」(日本政策金融公庫)といった制度もあります。いずれも要件があり、すべての方が使えるわけではありません。利用を検討する場合は、それぞれの窓口や金融機関で最新の要件をご確認ください。

やり直した人たちがいます

事業をたたんだあとに再就職する方も、もう一度起業する方もいます。

クルカの早川由紀夫さんは、前の事業についてこう話しています。「広告代理店は、年商10億円にまで成長させることができましたが、約10年で倒産しました」。現在は別の事業を営んでいます。

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起業に失敗しないためにやるべきこと

ここまでを踏まえて、始める前と始めたあとにできることを整理します。どれも大がかりな準備は要りません。

始める前にやっておくこと4つを、進める順番つきで並べた図

小さく始める

最初から大きく投じないことが、いちばん確実な備えになります。

epaceの佐藤駿介さんは、資金調達についてこう述べています。「正直、1,000〜5,000万円程度の資金調達をして起業するくらいなら、まずは自分でしっかり稼げる仕組みを作っていくことのほうが大事です」。

個人事業主として始めるなら、税務署に出す開業届は無料で作成できます。起業の窓口が提供する「GMO開業届」は、画面の質問に答えるだけで最短5分、専門知識がなくても書類が作れます(起業の窓口とGMOオフィスサポートは同じGMOインターネットグループです)。会社を設立する場合と違い、始めるための費用がかからない分、思っていたのと違ったときに軌道修正しやすいのも個人事業のよいところです。

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手続きの期限を知らずに控除を逃すことがあります

資金繰りの失敗は、売上が立たないことだけが原因ではありません。手元に残せたはずのお金を、手続きを知らなかったために残せないことがあります。

申請書を先に出しておく必要があります

個人事業主が青色申告を選ぶと、最大65万円の所得控除を受けられます。ただしこれは自動では適用されず、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を出しておく必要があります。そしてこの申請書の期限は、開業届よりも早く来ます。

開業届より青色申告承認申請書の期限のほうが先に来ることを示した図
書類 提出期限
個人事業の開業・廃業等届出書(開業届) 事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで
所得税の青色申告承認申請書 その年の3月15日まで。1月16日以後に開業した場合は、事業開始日から2月以内

国税庁の記載にもとづきます(2026年9月8日確認)。開業届の期限は所得税法229条の改正により、令和8年1月1日以後に生じた事実について適用されます。それ以前に生じた事実は従前の扱いです。

開業届のほうは確定申告のときまで猶予があります。そのつもりで構えていると、先に来る青色申告承認申請書の期限を過ぎてしまい、その年は控除を受けられないということが起こり得ます。実務上は2枚を同時に出しておくのが安全です。

65万円と55万円を分けるもの

最大65万円の控除を受けるには、正規の簿記による記帳などの要件に加えて、e-Taxで申告するか電子帳簿保存を行うかのどちらか一方が必要です。要件を満たさない場合は55万円または10万円の控除になります(国税庁タックスアンサーNo.2072。2026年9月8日確認)。ご自身がどれに当てはまるかは、GMOオフィスサポートが紹介する税理士に無料で相談できます。

2枚を同時に出しておくと安全です

起業の窓口の「GMO開業届」なら、開業届と青色申告承認申請書を1回の入力で同時に作成できます。利用料は無料で、スマホから最短5分です。専門知識がなくても、画面の質問に答えるだけで両方そろいます。

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相談できる相手を先に決めておく

うまくいかなくなってから相談先を探すと、選ぶ余裕がありません。始める前に、お金のことを聞ける相手を決めておくと安心です。

やめる条件を先に決めておく

小俣泰明さんは、切り替えの目安をこう話しています。「『起業をするなら、ピボットをして当たり前』という考えを持つことが大事ですし、ベンチャー企業ならなおさら、1、2年で駄目ならすぐにピボットをする覚悟が必要だと思います」。

いつまでに何が起きなければ方針を変えるのか。始める前の冷静なうちに決めておくと、判断が遅れずに済みます。

よくある質問

起業に失敗する確率はどれくらいですか?

「起業の失敗率」を直接示した公的統計はありません。近い数字は廃業率で、2024年度は3.7%です(中小企業庁「2026年版中小企業白書」)。ただしこの数字は雇用保険の適用事業所をもとにしているため、一人で始めた事業は含まれません。また廃業した企業の49.1%は直前期が黒字で(帝国データバンク2025年調査)、廃業がそのまま失敗を意味するわけでもありません。

起業に失敗したら借金はどうなりますか?

個人事業主の場合、事業の借入は本人の債務です。法人の場合も、代表者が連帯保証人になっていれば個人に返済を求められます。家族は別人格のため、連帯保証人になっていない限り返済義務は及びません。近年は個人保証に頼らない融資の仕組みも整えられています。ご自身の契約内容の確認や対応については、GMOオフィスサポートが紹介する税理士に無料で相談できます。

開業届はいつまでに出せばよいですか?

事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までです(国税庁。2026年9月8日確認)。ただし青色申告を利用したい場合は、別に「所得税の青色申告承認申請書」を、その年の3月15日まで(1月16日以後の開業なら事業開始日から2月以内)に出す必要があります。こちらのほうが期限が早いため、2枚を同時に出しておくのが安全です。

起業に向いていないのはどんな人ですか?

この記事で挙げた傾向に当てはまる方が、必ず失敗するわけではありません。多くは準備と習慣で変えられます。ただし、数字を見る習慣がないまま始めるのは避けたほうがよいでしょう。インタビューでも、決算書が読めない状態での経営は難しいと語る経営者がいます。

まとめ

起業の失敗率を直接示した公的な統計はありません。よく使われる廃業率は2024年度で3.7%ですが、この数字は一人で始めた事業を数えておらず、しかも廃業した企業の約半数は黒字のまま終えています。「9割が失敗する」も「8割が生き残る」も、そのまま受け取らないでください。

大切なのは確率ではなく、自分の場合に何が起きるかです。お金の出入りを把握しているか、売上が落ちたときに耐えられる形になっているか、一緒にやる人との取り決めがあるか。この3つを始める前に確かめておくと、多くのつまずきは避けられます。

万一うまくいかなくなっても、個人保証の有無で及ぶ範囲は変わりますし、保証に頼らない融資や再挑戦を支える制度もあります。

まずは小さく始めて、手続きの期限だけは逃さないこと。開業届と青色申告承認申請書は、同時に出しておくのが安全です。

  • ※本記事は、起業の窓口編集部が専門家の監修または独自調査(アンケート)に基づいて制作したものです。
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