【株式会社renue】古い価値と新しい技術をつなぎ、AI時代の企業変革を一気通貫で支える
2021年3月の設立以来、顧客企業の課題に対して企画から開発まで一気通貫で向き合ってきました。
京都大学工学部を中退後、東京大学文学部言語文化学科を卒業し、アクセンチュア株式会社やフリーランスでの活動などを経て起業した山本さん。
今回は、株式会社renueの事業内容や独自の強み、起業初期に苦労したこと、AI時代の起業観、今後の展望について伺いました。
山本悠介さんのご経歴
- 京都大学工学部を中退
- 東京大学文学部言語文化学科を卒業
- アクセンチュア株式会社に入社し、証券会社向けのシステム提案やデータ分析に従事
- ベンチャー企業で複数プロダクトの責任者を担当
- フリーランスのコンサルタントとして活動
- 2021年3月に株式会社renueを設立
アクセンチュアで学んだ「顧客の役に立つ」仕事の原点

ーこれまでのご経歴と、起業に至った背景を教えてください。
私は京都大学工学部を中退したあと、東京大学文学部言語文化学科を卒業しました。新卒で入社したのがアクセンチュア株式会社です。金融領域、とくに証券会社向けの提案や分析に携わりながら、コンサルタントとしての基礎を身につけました。
その後は、友人が立ち上げたベンチャー企業に移り、さらにフリーランスとしても活動しました。大手企業、ベンチャー、個人と立場を変えながら仕事をしていく中で、働き方も見え方もかなり変わったと思います。
最初から「絶対に起業したい」と思って一直線に進んできたわけではありませんが、いろいろな環境を経験したからこそ、自分で会社をつくるのが自然な流れになっていきました。
そして2021年に株式会社renueを設立しました。形は変わっても一貫しているのは、ITの力を使って顧客の課題解決に向き合う仕事を続けてきたことです。
今もその延長線上で、コンサルティングや開発、内製化支援に取り組んでいます。
ー前職で学んだことは、今の経営にどう生きていますか?
アクセンチュアで学んだことで大きいのは、「顧客の役に立つことをやる」という姿勢です。コンサルタントの仕事は、きれいな資料をつくることでも、もっともらしいことを言うことでもありません。
相手にとって意味があるか、現場で使えるか、事業にちゃんと貢献できるかが重要です。その感覚は、今の経営にもかなり強く残っています。
もうひとつ学んだことは、価値に対する厳しさです。コンサルティングは、自分の時間や知見に対して対価をいただく仕事です。
つまり、「その金額に見合う価値を本当に出せているのか」が常に問われていて、その緊張感の中で仕事をしてきた経験が今の基準になっています。
だからこそ私は、提案の見栄えよりも、実際に顧客の成果につながるかを重視しています。自分たちで実践していないことを簡単に勧めないのも、その延長です。口先ではなく、きちんと価値を出せるかどうかを大事にしています。
ー起業前に一度会社で働く経験には、どのような意味があると考えていますか?
これは人によると思います。新卒ですぐ起業してうまくいく人もいますし、会社員から始めて道を切り開く人もいます。なので、全員が会社員を経験すべきだと言いたいわけではありません。
ただ、BtoBの領域では「企業がどう意思決定しているのか」「なぜその進め方を取るのか」「どこに制約があるのか」を理解しているかどうかで、提案の精度が大きく変わります。
外から見ると非効率に見えることでも、実際にはそうせざるを得ない理由がある場面は少なくありません。
大企業の中に入ってその論理を知っていると、新しい技術を持ち込むときも現実的な提案がしやすくなります。私は、そうした「会社の構造を理解したうえで提案する感覚」は、会社で働いたからこそ身についたものだと思っています。
古い価値と新しい技術をつなぐ『株式会社renue』
ー社名の由来と、現在の事業内容を教えてください。
社名の「renue」は、新しさを連想させる言葉をベースにしながら、リニューアルのようなイメージを重ねてつくった造語です。私は昔から、単に新しいものを追いかけるのではなく、すでにある価値を見直して磨き直すことに意味があると考えており、そうした思いを社名にも込めています。
事業の中心はITコンサルティングです。お客様がITを使って会社をよりよくしていきたいと考えたときに、何をどう変えるべきかを整理し、必要なソリューションを設計して提供しています。構想だけを描いて終わるのではなく、実際に開発するところまで一気通貫で支援しているのが特徴です。
また、コンサルティングに加えて内製化支援の相談も増えています。企業の中でAIやITをどう使えばよいかがテーマになっている一方で、技術だけ入れてもうまく進まないケースは少なくありません。だからこそ、現場でどう使い、どう定着させるかまで含めて支援しています。
ーなぜ「古い価値」と「新しい技術」をつなぐ考え方を大切にしているのですか?
私は、古いものは古いというだけで捨てるべきではないと思っています。昔から続いている事業や仕組みの中に、まだ十分に生かしきれていない価値が残っていることが多いからです。それを理解しないまま新しい技術だけを持ち込んでも、表面的な置き換えで終わってしまいます。
お客様を見ていても、もともと強みを持っているのに、それを現代の形で表現しきれていない会社は少なくありません。私は、そうした会社の価値を見つけて、今の技術を取り入れていくことに大きな意味があると考えています。
AIも同じです。新しいから使うのではなく、何の価値を伸ばしたいのかを明確にしたうえで使うべきだと思っています。古い価値を理解し、それを今の技術でどう生かすかを考える。その姿勢が、renueの仕事の土台になっています。
自分たちで実践していることを提案する。それがrenueの強み

ー他社との違いや強みはどこにありますか?
renueの強みは、構想だけで終わらず、実装まで一気通貫で支援できるところです。コンサルティング会社の中には、課題整理や戦略立案までは行っても、その先の開発は別会社に任せるケースがあります。
一方で、開発会社だと要件どおりにつくることはできても、経営や業務の課題整理までは踏み込めないことがあります。
私は、その分断がもったいないと感じてきました。お客様が本当に求めているのは、きれいな提案書でも、言われたものをそのままつくることでもなく、事業や現場が実際によくなることです。
だからrenueでは、何を解決するべきかを一緒に考えるところから入り、必要であればそのまま開発や運用まで伴走しています。
もうひとつ強みと言えば、自分たちが腹落ちしていないものを無理に勧めないことです。技術の世界は新しい言葉が次々に出てきますが、流行っているからという理由だけで提案しても、お客様にとって意味がなければ価値にはなりません。
社内で自分たちで使ってみて理解して扱えるものを提案する。その姿勢が、renueらしさだと思っています。
ーAI時代において、renueならではの価値はどこにあると考えていますか?
AI時代だからこそ、実際に使っている会社かどうかで提案の質は大きく変わると思っています。AIは便利ですし、できることも一気に増えていますが、使ってみると向いていることと向いていないことがはっきりあります。
表面的な理解だけで「AIで何でもできます」と言うのは簡単ですが、実際の現場ではそこまで単純ではありません。
renueでは、自分たちの業務の中でもAIをかなり使っています。だからこそ、どこで効率が上がるのか、どこは人が判断したほうがいいのか、どの業務なら導入しやすいのかを現実的に考えられます。
机上の知識ではなく、実践の中で得た感覚をもとに提案できるのは大きな価値です。
AIの活用は、単に業務を速くすることだけが目的ではないと思っています。企業の中にある知見や情報をどう蓄積し、どう使える形に変えていくかまで考えないと、本当の価値にはつながりません。
私たちは、AIを流行として扱うのではなく、事業や組織の中にどう組み込めば価値になるかを一緒に考えられる存在でありたいと思っています。
起業初期に苦しかったのは、“何者でもない自分”と向き合うこと
ー起業当初に苦労したことを教えてください。
細かい苦労はいろいろありました。つくったサービスが思うように伸びなかったり、入ると思っていた案件が入らなかったり、採用の面でも想定どおりに進まなかったりと、うまくいかないことは多くあります。
ただ、一番しんどかったのは、“何者でもない自分”と向き合うことでした。もともと強い原体験や明確な使命感があって起業したわけではなかったので、起業初期は自分に何ができるのか、自分は何者なのかを問い続ける時間が長かったです。
格好いい理由を後からつくることはできますが、実際にはそんなにきれいな話ではありません。何者でもない自分のまま前に出て、仕事を取り、価値を出していかなければならない。その感覚が、最初はいちばんきつかったです。
ーその時期をどのように乗り越えてきましたか?
私は、もともとあまり気負いすぎるタイプではありません。だから、起業初期も必要以上に深刻に考え込みすぎないようにはしていました。考えても変わらないことはあるので、そこにずっと引っ張られないようにしていた感覚です。
オンとオフを分けて、休むときは休む、飲んで寝たら忘れている。すごく特別な乗り越え方があったわけではなくて、そうやって頭を切り替えながら進んでいました。
起業すると、不安がゼロになることはありません。来月どうなるかわからない時期もあります。それでも、そこで立ち止まっていても仕方がないので、できることをやって、また次に進むしかない。結局は、その繰り返しの中で少しずつ慣れていったのだと思います。
経営者コミュニティに答えはない。信頼は地道な仕事の先についてくる

ー人とのつながりで助けられた経験はありますか?
人とのつながりに助けられた経験は、もちろんあります。たとえば学生時代からコンサルティングの仕事を教えてくれた先輩には、ずっと面倒を見てもらいました。
一緒に何かをやる話がなくなったあとも関係が切れず、気にかけてもらえたのはありがたく思っています。
あとは、やはり実際に仕事をくださった方の存在が大きいです。自分ではかなり価値を出せたと思っていても、それをきちんと見てくれる相手がいなければ次にはつながりません。「山本さんの会社なら任せられる」と声をかけてもらえた経験は、苦しい時期を支えてくれました。
ー起業初期に人脈や経営者コミュニティを求めることについて、どう考えていますか?
私は、起業初期に無理をして人脈をつくろうとしなくていいと思っています。むしろ「コミュニティに入れば何か変わるはずだ」と期待しすぎないほうがいいです。世の中には、経営者の不安や寂しさにつけ込むような場もありますし、そこに時間やお金を使っても、仕事につながらないケースは少なくありません。
実際にお金の流れを決めているのは、派手な場にいる人たちではなく、企業の中で普通に意思決定している人たちです。
だからこそ、キラキラしたつながりを追いかけるより、目の前の仕事をきちんとやるほうが現実的だと思っています。
大事なのは、背伸びをして人脈を広げることではなく、誠実に仕事をして信頼を積み重ねることです。真面目にやっていれば、必要なつながりは後からついてきます。起業初期ほど、そういうリアルと向き合ったほうがいいと思います。
AIの未来は誰にもわからない。だからこそ、変化の大きい今は起業のチャンスでもある
ー生成AIの広がりを、どのように見ていますか?
まず大前提として、AIがこの先どうなるかを予想できる人はいないと思っています。だから私は「AIの未来はこうなる」と断定的に語る人の言葉は、あまり信じていません。
そのうえで、私は人間の仕事が全部なくなるとは思っていません。AIはたしかに強力な道具ですが、世の中から競争や対立がなくなることはないからです。
便利な技術が出てくれば、それをうまく使って価値を出す人もいれば、別の方向に使う人も出てくる。結局は、人間同士の競争の形が変わるだけだと思っています。
だからこそ大事なのは、AIを過剰に恐れることでも、逆に万能視することでもありません。すごい技術であることは間違いありませんが、それをどう使うかは人間次第です。AIは人間を置き換えるというより、人間の力を加速させるものとして見ています。
ーこれから起業する人は、AIとどう向き合うべきでしょうか?
スタートアップのように新しい事業を起こしたい人にとっては、むしろ今はチャンスだと思っています。世の中が安定していると、すでに強い会社が有利です。一方で、AIのような大きな変化が起きているときは、これまでの前提が崩れるので、後発でも入り込める余地が出てきます。
極端に言えば、平時なら勝ち目が薄い領域でも、変化が激しい時期なら可能性がゼロではなくなるということです。だから「AI時代は不安だから起業しにくい」と考えるより、「AI時代だからこそ新しく勝負できる」と捉えたほうがいいと思います。
少なくとも新しいビジネスをつくりたい人にとっては、変化の大きい今のほうが面白いはずです。AIを怖がるより、どう使えば自分の武器になるのかを考えることが大切です。
AIを使いこなす組織をつくり、1人あたり売上1億円を目指す

ー社内では、AIをどのように活用していますか?
私たちはコンサルティング会社ですが、まず自分たちの仕事の中でAIを徹底的に使うことを重視しています。社内ポータルや業務の進め方にもAIを組み込み、実際に使いながら、どこで効果が出るのかを確かめています。
私が大事にしているのは、外に提案する前に、まず自分たちで使うことです。DXやAIを掲げていても、社内では従来のやり方のままという会社は少なくありません。それでは提案に実感が乗りませんし、現場で何が起こるかも見えにくいと思っています。
renueでは、コンサルタントとエンジニアを分けず、両方を理解できる人材を育てています。AIを自分たちで使い、そのうえでビジネスへのインパクトまで見にいく。この感覚を持った人が増えることが、会社の強さにつながると思っています。
ー今後5年、10年で実現したい姿を教えてください。
まず目指しているのは、社員1人あたりの売上を年間1億円規模まで高めることです。人数を増やすこと自体が目的ではなく、1人ひとりが高い価値を出せる組織にしたいと考えています。その状態がつくれれば、会社としての伸び方もかなり変わってきます。
そのためには、今いる優秀な人に依存するのではなく、教育の再現性が必要です。誰か特定の人だけが成果を出せるのではなく、一定の水準で価値を出せる人材をどう増やすかが、これからの大きなテーマです。
採用と教育の両輪で、コンサルタント兼エンジニアを育てる
ー採用と教育で重視していることは何ですか?
採用と教育はどちらも大事ですが、やはり採用の重要性は大きいと思っています。うちのような会社は、大企業と比べると採用できる人材の幅がどうしても狭くなります。
知名度や条件面で強い会社と同じ土俵で競うのは簡単ではないので、まず人に来てもらうこと自体が大きなテーマになります。
その一方で、私は学歴や経歴に強くこだわっているわけではありません。コンサルファームとしてはかなり珍しいほうだと思いますが、学歴だけで判断しませんし、経歴も決め手にはしていません。
だからこそ、教育も重要になります。いろいろなバックグラウンドの人が入ってくるからこそ、入社後にどう育てるかをきちんと考える必要があります。教育の再現性を高め、その人が現場で価値を出せるように育てていくことまで含めて、会社の力になります。
起業は一世一代ではない。まずは現実を見て、やってみることが大切

ーこれから起業を目指す読者にメッセージをお願いします。
起業と聞くと、一世一代の大きな決断のように感じるかもしれません。ただ、私はそこまで重く考えすぎなくてもいいと思っています。もちろん簡単なことではありませんが、やる前から特別なものにしすぎると、かえって動けなくなるからです。
大事なのは、最悪のケースをある程度現実的に考えてみることです。失敗したら本当に取り返しがつかないのか、生活はどうなるのか、どこまでなら耐えられるのか。そこを冷静に見たうえで、それでもやってみたいと思うなら、やってみたほうがいいと思います。
起業には不安もありますが、意外と何とかなることも多くあります。大切なのは、自分なりにリスクを理解し、やると決めたら目の前のことに向き合うことです。
起業や独立に興味を持ったら、まずは「起業の窓口」に登録してみよう!

起業には個人事業主としての開業と会社設立の2種類があり、事業形態に合わせて選ぶことが大切です。また、起業のアイデアをまとめたり、事業計画書を作成したりといった起業の流れを把握し、十分な準備を整えるようにしてください。
一度起業すると、資金や従業員の管理、納税など多くの責任を負わなければなりません。過去の成功事例も参考にしながら、自分なりのビジネスを展開できるよう起業アイデアを練ってみましょう。
起業や開業、独立に興味を持ったら、まずは「起業の窓口」に登録してみよう!
「起業の窓口」では、起業に必要なノウハウや成功者のインタビューなど、さまざまなコンテンツを完全無料で提供しています。
会員特典として、起業・経営支援のプロ「V-Spirits」が監修するオリジナル冊子『会社設立完全ガイド』を無料プレゼント。さらに、V-Spritsによる1時間の無料起業相談や、GMOインターネットグループが展開するビジネスの立ち上げや拡大に役立つ各種サービスをおトクな特典付きでご紹介します。
あなたの夢の実現を全力でサポートします!
- ※本記事の内容は取材時点の情報に基づいて作成されたものであり、今後変更される可能性があります。
- ※本記事は一般的な情報提供を目的としております。個人の状況に応じた具体的な助言が必要な場合は、専門家にご相談ください。
- ※本記事に掲載された情報によって生じた損害や損失に対し、弊社は一切の責任を負いません。
シェア










