【株式会社三虎データサイエンス】循環を核に人材とプロダクトを回す”ミトラ流”データサイエンス!

法政大学を卒業後、「株式会社船井総合研究所」に入社した近松さんは、建築・士業・美容を中心としたコンサルティングに従事し、中小企業が抱える真の悩みに直面しました。その経験をもとに、AI活用とデータ分析を融合させ、人材育成から受注開発、プロダクト化、再教育へと”循環”させる独自モデルを創案。
2023年3月に企業経営の課題に最適なソリューションを提供する「株式会社三虎データサイエンス」を創業し、代表取締役に就任しました。
現在、”ミトラマインド”を掲げ、中小企業支援の新たなカタチを創っている近松さんに、起業までの道のりや経営者として大切にしているマインドなどをお伺いしました。
近松虎太郎さんのご経歴
- 2020年4月:法政大学経営学部を卒業後、「株式会社船井総合研究所」に入社。美容領域での業態開発や店舗マーケティングを担当。
- 2023年3月:AI/データサイエンス/DX事業を行う「株式会社三虎データサイエンス」を創業。AIチャットボットサービス「DOPPEL」や受託・ソーシング事業「MITRAworks」、オンラインスクール「MITRAtech」などをリリース。
AI時代の次を見据えた、三虎データサイエンスの共創ビジョン

ー現在、経営されている会社名と主な事業内容を教えてください。
「株式会社三虎データサイエンス」という会社を経営しており、主にAI・データサイエンス・DX領域の事業を展開しています。
社名の「三虎(ミトラ)」については、三方良し的な意味での「三(ミ)」と、インド神話に登場する太陽の神「Mitra(ミトラ)」を掛け合わせた造語になっています。これは、誠実さや仲間との協働を表す言葉です。
僕の名前である「虎太郎」が「三虎」の由来かと思われることもありますが、実はそうではなく、三人で始めた会社という点も含めて「三(ミ)」を意識しています。
後ろに続く「データサイエンス」は、設立当初から「AIの次はデータサイエンスが来るだろう」と考え、システム開発・AI開発だけで終わらず、そこに溜まったデータを徹底的に分析するところまで手がけるという意思を込めたものです。
「ミトラさん!」と呼んでいただくことも多いので、みなさんに覚えてもらいやすく、親しみやすい社名になったかなと思っています。
プログラミングスクール開校に携わった経験が、起業への第一歩になった
ー学生時代、会社経営に憧れを抱いたエピソードがあればお聞かせください。
中学生・高校生の頃から、なんとなく「いつか会社を経営するんだろうな」というイメージを持っていたんですよね。はっきりした理由は自分でもわからないんですけど、祖父が材木会社をやっていたこともあって、自由さに魅力を感じていたのかもしれません。
起業をより意識するようになったのは、法政大学経営学部に在学中、理科大の仲間と一緒にプログラミングスクールの開業をお手伝いしたときですね。当時は右も左もわからない状態でしたが、ビジネスの裏側を知るよい経験になりました!
バーティカルSaaSの時流に乗り、新卒でコンサルティング業界へ

ー新卒で「株式会社船井総合研究所」に入社された理由をお聞かせください。
大学時代、「バーティカルSaaS」と呼ばれる業種特化型のSaaSが盛り上がりを見せていました。就活の際には、成長性の高いスタートアップ企業を探していたんですが、そこで出会ったのが「株式会社船井総合研究所(船井総研)」でした。
船井総研には、コンサルティング会社として全業種をカバーでき、調査力にも優れている印象があったんです。もともと経営に携わりたいという想いがあったので、将来事業を興すことを見据えつつ経営を学べる環境として、迷うことなく船井総研に入社しました。
ー「株式会社船井総合研究所」での成長体験についてお聞かせください。
船井総研では、全業種を対象にSaaSの導入余地を調査していました。「この業界は難しいな」「すでに他プレイヤーがいるな」といった分析もしつつ、営業からセミナー開催、受注、コンサルティング、納品に至るまで一通り経験させていただきました。
僕が主に携わった業界は、建築・士業・美容の三つです。例えば、美容の部署では、新規開業から黒字にするまでのミッションに取り組みました。先輩がほとんどいない環境でしたので、顧客開拓もコンサル商品開発も自分で手がける状態でした。
コンサルティング用のソリューションをゼロから立ち上げて販売した経験は、本当によい学びになりました!
従来型コンサルティングを進化させた「三虎データサイエンス」の誕生
ー「株式会社三虎データサイエンス」の創業に至るまでのエピソードをお聞かせください。
船井総研でコンサルティングに携わる中、「中小企業様の課題を本当に解決するには、コンサルティングするだけでは足りない」と感じていたんです。
人手不足の企業様に対して、「この媒体にいくら投資すれば採用がうまくいきます」という船井流のノウハウはあります。ただ、根本的にデジタル化やAIによる自動化、いわゆる”DX”が必要である企業様も多く見受けられました。
「人を取る」のではなく、AIやシステムを駆使して人手を補完し、利益率を上げる。最終的には、システムで蓄積したデータを分析し、意思決定まで支援する――これが僕の理想とするコンサルティングのイメージでした。
船井総研のコンサルティング哲学「船井流経営法」には、店舗出店の定石や規模の重要性といったルールがあるんですが、それをもっとアップデートするには「データサイエンス」が鍵だと確信したんです!
こうした想いを形にするために、2023年3月に「株式会社三虎データサイエンス」を創業しました。
AIで縦割りを打破し、個人の強みをマッチングする革新的なモデル

ービジネスモデルの構築において、どのようなアイデアや戦略があったのでしょうか?
起業にあたって描いていたビジネスモデルは、まず教育で人材を育て、そのまま受託案件で実践させる。そして、ソフトウェア部品を蓄え、最終的に自社プロダクトとして各業界にカスタマイズ導入するという流れです。
大学時代にプログラミングスクールを立ち上げた経験や、中小企業様の課題をコンサルティングで解決してきた背景から、「どう意思決定が行われるか」「コンサルタントがどのように成長するか」がイメージできていたので、このモデルをすぐに描けたんですよね!当初は業種を絞らず、AI・データサイエンスのテーマで幅広く受託をこなしながら、必要なソフトウェア部品を揃えていきました。
今取り組んでいるのは、建設会社やソーシング会社向けの業務OSの開発です。フリーランスをはじめとした人材が最適な案件にスムーズにアサインされるよう、顧客管理からタレントマネジメント、プロジェクト管理、契約管理までを一気通貫で行えるシステムなんです。
コンサルティングやデータサイエンスの教育事業では、最適な案件に最適な人材を当てる「タレントマネジメント」が大きな課題になりますよね。そこで、部署ごとの縦割りでスキルやノウハウが閉ざされている状況をAIで打破して、個人の強みを市場に示しながらマッチングできる仕組みが必要だと思ったんです!
今、そのモデルの有意性を確信して、建設業などさまざまな業界へ展開を進めているところです。
専門知識のある友人のサポートにより、起業準備がスムーズに進んだ
ー起業に必要な書類の作成や手続き、申請はスムーズに進みましたか?
まず会計まわりの準備に関しては、「クラウド会計ソフト freee」を使って乗り切り、事業計画書に関しては、財務に詳しい同期の友人にアドバイスをもらいながら作成しました。
資金関連の手続きは、ご両親が税理士である船井総研時代の先輩に相談しながら進めました。助成金・補助金については、対象になるものをこれから申請していこうと考えています。
ー起業前に経営ノウハウや成功事例などを学ぶ機会はありましたか?
最近はYouTubeで経営ノウハウを学ぶという方法もありますよね。ただ、YouTubeの情報は抽象的なことも多いので、船井総研の中にある実行事例をひたすら見て学んでいきました。
それに加えて、船井総研時代の先輩と飲み会を重ねて、現場のリアルな成功事例や失敗談を直接聞く機会も大切にしていましたね。
AI・データサイエンスの力で中小企業の業態に新たな価値を生み出す

ー「株式会社三虎データサイエンス」が掲げるミッション、ビジョン、バリューに込められた意味をお聞かせください。
当社では、”AI・データサイエンスで未来を創造する”というミッション、”日本の明日に希望の光を”というビジョン、”正義・盟約・革新”というバリューを掲げています。
まずミッションについてですが、AIもデータサイエンスもあくまで手段であり、その先にあるのは「中小企業様の業態をリニューアルし、新しい価値を生み出すこと」だと考えています。僕自身、船井総研で業態開発を経験した身ですから、革新的に“変える”ことにこだわっているんですよ。この実現には、「技術の進化と人間の真価に挑む」姿勢が不可欠です。
そして当社のビジョンは、国内の中小企業様が抱える「人手不足」「業績停滞」といった課題を、AIやデータサイエンスの力でどんどんアップデートしていくことです。例えば、北海道の老舗呉服店と連携して、DXで着物のジャケットを作るプロジェクトを進めていますが、こういう取り組みが新たな世界発信のモデルケースになると思っています。
最後にバリューに含まれる「正義・盟約・革新」ですが、これはインド神話の“Mitra”にも通じる精神です。自分たちが正しいと信じたことは迷わず貫く。そして、パートナー企業様やお客様と同盟のように手を取り合って成果を出し、革新をもたらす――そんな覚悟を表しています。
頭の中で描いたイメージを実現させる「行動力」と「行動回数」が大事
ー経営者として大切にしているマインドを教えてください。
「とにかく行動しよう」というマインドを大切にしています。何かを始めるとき、やろうと思っていることを頭の中で描けるなら、「それは必ず実現できることなんだよ」と、メンバーにも伝えています。
当社はAI・データサイエンスの会社ですが、根性論的な部分もかなりあって、とにかく行動回数を増やすことを意識しているんです。データサイエンス的に言うと「くじをたくさん引けば当たる確率が上がる」のと同じで、実際に道端でチラシを配ったり、自分も率先して手を動かしたりします。手数、つまり行動回数こそが勝負だと思っています。
あとは、先程お話しした「正義・盟約・革新」みたいな考え方も、事業を選ぶときには常に意識していますね。自分たちが正しいと信じたことに、確信を持って取り組む――これが経営者として僕が大事にしているマインドですね!
ー組織と社員の成長を促すために心がけていることはありますか?
当社は代表取締役3名と、業務委託も含めた10〜15名のメンバーで組織を構成しています。
社員や組織の成長を促すために僕たちが心がけているのは、「相手の長所を伸ばすこと」です。日頃から会話を重ねて、その人が何を得意としていて、何が苦手なのかをしっかり把握するようにしているんです。例えば「○○さんはここが得意だよね」「こっちの業務のほうが向いているんじゃない?」といった意見が自然に飛び交う文化を大切にしています。
外注パートナーさんに対しても同じアプローチで、どんなスキルを身につけたいのか、将来どんなエンジニアになりたいのかを丁寧にヒアリングするよう心がけています。そのうえで「それならこんなお仕事があるけど、やってみる?」と具体的に提案するんです。
こうした「未来につながる対話」を重視することで、一人ひとりが自分の成長ビジョンを描き、必要な経験を積める環境を整えています。結果として、組織全体としてもレベルアップにつながっていると感じていますね!
「ミトラマインド」を世界中に広め、日本企業の優れた事業を発信していきたい

ー株式会社三虎データサイエンスと近松様ご自身の将来ビジョンをお聞かせください。
将来的には、“ミトラマインド”が世界中に広がるような組織をつくりたいと思っています。ピラミッド型の縦割り組織ではなく、人と人、ソリューション同士が網目のように繋がり合う、そんなフラットなネットワークを描いています。
また、日本の中小企業様が持つ優れたビジネスモデルや技術を、DXを起点に世界へ届けたいですね!単なる受託開発ではなく、共同開発やレベニューシェアによってお客様と伴走し、その未来を一緒に実現していく。そうしたスタンスで、中小企業様と共にグローバルにチャレンジできる事業を生み出していきたいんです。
個人的には、いつか世界中を巻き込んだ飲み会とかお祭りを開きたいという夢があるんです(笑)。AIやデータサイエンスが進んで仕事がどんどん自動化されていくと、空いた時間は遊びやエンタメに使えるようになります。そうなったら、思い切りお祭りを楽しんだり、みんなでワイワイ飲んだり…なんなら地球規模のお祭りをやりたいくらいのイメージですね!
自分が生み出したサービスで、お客様やメンバーに変化が起こるワクワク感がある!
ー経営者になってよかったと思えたことをお聞かせください。
毎日がとにかく楽しいことですね!自分が思い描いたアイデアが少しずつ形になり、今までになかったサービスが生まれる。そして、お客様である中小企業様はもちろん、メンバーにも変化が起こることに常にワクワクしています。
身近な例で言えば、スクールの卒業生だったメンバーが、今ではフルタイムでジョインし、エース級と呼べるレベルまでスキルを伸ばしています。いろんな業種のプロジェクトで活躍している姿を見ると、「ああ、本当に起業してよかったな」としみじみ感じますね!
―経営者を目指すうえで大切な要素とは何でしょうか?
自分が考えた事業によって「世の中がこう変わっていく」というイメージを描けること。そして、自分ができることを明確化し、「絶対にできるんだ!」と信じて実行に移す能力ですかね。
もちろん必要なスキルは会社や業界によって異なりますが、軸にすべきは「自分が本当にやりたいこと」なんですよね。これがなければ、ただ“儲かるビジネス”に流されてしまい、迷いが生まれてしまいますから。
「時流適応」の精神で理想の起業家を目指してみよう!
―起業を目指している読者にメッセージをお願いします。
「まずは稼げるもので起業する」という選択肢もありますが、いずれは自分のビジョンに照らし合わせて、次の一手を判断することが大事だと思います。
自分のやりたいことを明確に描きつつ、時代の変化にも柔軟に「時流適応」していく。これが、経営者として成長できるマインドセットなんじゃないかと感じています。
この記事を読んでくださっているみなさんの起業を応援しますし、いつかどこかで出会い、一緒に何か面白いビジネスをしてみたいですね!
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起業には個人事業主としての開業と会社設立の2種類があり、事業形態に合わせて選ぶことが大切です。また、起業のアイデアをまとめたり、事業計画書を作成したりといった起業の流れを把握し、十分な準備を整えるようにしてください。
一度起業すると、資金や従業員の管理、納税など多くの責任を負わなければなりません。過去の成功事例も参考にしながら、自分なりのビジネスを展開できるよう起業アイデアを練ってみましょう。
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