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【株式会社LeanGo】唯一無二のマーケティングサクセスツール「DEJAM」が創る、業界の新常識

【株式会社LeanGo】唯一無二のマーケティングサクセスツール「DEJAM」が創る、業界の新常識
“Lean”に“Go”する行動哲学を掲げ、マーケティングサクセスツール「DEJAM(デジャム)」を展開する「株式会社LeanGo(リーンゴー)」の代表取締役CEO、平井翔吏さん。

関西学院大学に進学した平井さんは、大学1年生でNPOや企業と連携した起業プロジェクトに参加し、サービスの企画・開発を経験。大学3年生で、コンテンツマーケティング領域を事業とした会社を立ち上げるなど、若くして「事業をつくる楽しさ」に魅了されてきました。

大学卒業後は株式会社リクルートホールディングスに新卒入社。UXデザイナーとしてチームリーダーを務めるなど幅広く経験を積み、その傍らでは副業で納品型UXコンサルを立ち上げるなど独自のキャリアを築いてきました。

そして、副業から得た確かな手応えと競争優位を見据えた戦略的思考をもとに、2020年4月に「株式会社LeanGo」を創業。

唯一無二のツール「DEJAM」を開発し、「クライアントのマーケティング課題を根本的に解決する」コンサルティング支援に尽力している平井さんに、起業までの道のりや経営者として大切にしているマインドをお伺いしました。
INDEX
  1. 平井翔吏さんのご経歴
  2. クリエイティブとアクションが共存する、「株式会社LeanGo」
  3. ー現在、経営されている会社名と主な事業内容を教えてください。
  4. ー”LeanGo”という社名の由来を教えてください。
  5. ビジネスの目覚めは熱帯魚!?中学生で抱いた起業のタネ
  6. ー起業に初めて興味を抱いたのはいつ頃でしょうか?
  7. ー起業を初めて経験されたときのエピソードをお聞かせください。
  8. 人に惜しまず投資する「リクルートホールディングス」の姿勢に感銘を受けた
  9. ー「株式会社リクルートホールディングス」のインターン参加に至った経緯を教えてください。
  10. ー「株式会社リクルートホールディングス」への入社を決めた理由とは何でしょうか?
  11. 納品型UXデザインに手応えを感じ、「株式会社LeanGo」 を創業
  12. ー「株式会社リクルートホールディングス」を退社し、起業した経緯をお聞かせください。
  13. キャッシュベースでの視点が弱く、黒字倒産の危機に直面した
  14. ー起業準備において苦労された点や、スムーズに進んだ点をお聞かせください。
  15. ー起業前に経営ノウハウや成功事例などを学ぶ機会はありましたか?
  16. 自分にとっても社会にとっても、居心地のよい環境づくりを目指す「LeanGo」
  17. ー株式会社LeanGoが掲げるミッションについてお聞かせください。
  18. “人が動かなくても価値が出る”仕組みを追求したのが「DEJAM」
  19. ー「株式会社LeanGo」のビジネスモデル形成において、どのようなアイデアがあったのでしょうか?
  20. ー御社のサービス「DEJAM」の特徴についてお聞かせください。
  21. マーケティングの理解力とUXスキルが融合した、唯一無二の”最強ツール”
  22. ー「DEJAM」ならではの強みや独自性について教えてください。
  23. ーマーケティングツールの開発において、どのような要素が重要だと考えていますか?
  24. 遊び心のあるプロモーションで、”デジャブ”のように記憶に残す
  25. ーサービスの認知拡大に向けて、どのようなアプローチをされているのでしょうか?
  26. ー広告などのマーケティング施策も同時に行なっているのでしょうか?
  27. 広告流入からCV獲得まで、「DEJAM」ひとつですべておさえたい
  28. ー今後、新たに展開しようと考えているビジネスがあれば簡単にお聞かせください。
  29. ー「株式会社LeanGo」は、これからどのような会社を目指していくのでしょうか?
  30. 死を忘れず、限りある時間の中で「周囲の負」を取り除いていきたい
  31. ー経営者として大切にしているマインドを教えてください。
  32. 当たり前を疑い、さらに工夫する「定説の上書き」が、組織を成長させる
  33. ー組織と社員の成長を促すために心がけていることはありますか?
  34. 「DEJAM」はアートに近い存在。他社と競争しない圧倒的なプロダクトにもなれる
  35. ー株式会社LeanGoと平井様ご自身の将来ビジョンをお聞かせください。
  36. 経営者に必要な資質は、プレッシャーと正面から向き合える度胸
  37. ー経営者になってよかったと思えたことをお聞かせください。
  38. ー経営者を目指すうえで大切な要素とは何でしょうか?
  39. 「やりたいことを言語化する」ことから、すべては始まる
  40. ー起業を目指している読者にメッセージをお願いします。
  41. 起業や独立に興味を持ったら、まずは「起業の窓口」に登録してみよう!

平井翔吏さんのご経歴

  • 2014年4月〜2017年3月:関西学院大学 商学部に在学。2016年、NPOや企業と連携した起業プロジェクトで、中小企業就活支援サービスをリリース。その後、コンテンツマーケティングを事業とする会社の立ち上げも経験。
  • 2017年4月〜:「株式会社リクルートホールディングス」に新卒で入社。「ゼクシィ」のUXデザインを担当。2018年にはカウンター領域におけるリーダーを経験し、2019年には式場領域における新機能の開発や特典名称のブランドリニューアル推進に携わる。
  • 2020年4月1日:「株式会社LeanGo(リーンゴー)」を創業し、代表取締役CEOに就任。
  • 現在:マーケティングサクセスツール「DEJAM(デジャム)」の開発・提供、広告業界向けメディア・イベント「AD FUTURE(アドフューチャー)」の運営、「LPO AWARD(エル・ピー・オー・アワード)」の開催、Webコンサルティング、新規事業開発支援などを行う。

クリエイティブとアクションが共存する、「株式会社LeanGo」

クリエイティブとアクションが共存する、「株式会社LeanGo」

ー現在、経営されている会社名と主な事業内容を教えてください。

「株式会社LeanGo(リーンゴー)」というマーケティングファームを経営しています。

主な事業として、マーケティングサクセスツール「DEJAM(デジャム)」の開発・提供や、広告業界向けメディア・イベント「AD FUTURE(アドフューチャー)」の運営、Webコンサルティング、新規事業開発支援などを行なっています。

ー”LeanGo”という社名の由来を教えてください。

読み方のとおり、「リンゴ」がモチーフになっています。リンゴって、どこか創造性とかクリエイティビティの象徴みたいなイメージがありますよね。また、ご存知かわからないですが、海外にはApple社というすごい会社もあったりしますし(笑)。

創業当時、和製Appleを目指してリンゴを社名に採用することを考えていましたが、ただ、単に「リンゴ」とするだけじゃ面白くないなと思いました。僕自身、ダブルミーニングが好きなので、ひとつの言葉に複数の意味を込めるような、そういう遊び心がある社名にしたかったんです。

そして、2つの言葉を掛け合わせた「LeanGo」という社名を思いつきました。LeanGoは「Lean StartupのLean」と「Go」という単語の造語です。

素早く検証し、短期間で正解を見つける。それに向けて「まずはやってみよう!」という行動スタンスが弊社の企業文化になっています。

ビジネスの目覚めは熱帯魚!?中学生で抱いた起業のタネ

ー起業に初めて興味を抱いたのはいつ頃でしょうか?

起業に興味を持ち始めたのは、中学1年生のときでした。当時、熱帯魚がめちゃくちゃ好きで、親友と熱帯魚ショップ巡りが趣味だったんです。その流れで、「熱帯魚に関するビジネスができたら面白いな」って、ぼんやりと考え始めたのがきっかけです。

大学進学のタイミングで論文を書くとき、「外来魚問題を解決するベンチャービジネスの提案」をテーマにしました。多摩川や琵琶湖のブラックバス問題などを調べて、最終的には4万字の論文を書き上げました。その中で考えたビジネスアイデアが、起業家となる原点だったと思います。

熱帯魚って、飼いたい人もいれば、捨てたい人もいるんです。たとえばアロワナは、カッコいいし人気だけど、飼育下では最終的には60cmくらいまで大きくなるんですよ。30cmの小さい水槽で飼い始めても、大きくなりすぎて飼いきれず、最終的に放流されることがあって、それが外来魚問題に繋がってしまう。

一方で、お金に余裕のある人は、最初から大きな個体を購入して飼うことがあります。だったら、「その捨てたい人と飼いたい人のマッチングができたら面白いんじゃないか?」と考えたんです。でも結局、ビジネスとしての規模が小さすぎるなと思い、当時はアイデア止まりでした。

とはいえ、それが「ビジネスで課題を解決する」という発想を持った最初の経験だったと思います。

ー起業を初めて経験されたときのエピソードをお聞かせください。

関西学院大学の1年生のとき、初めて飲食のバイトをしたのですが、1ヶ月程度でクビになってしまいまして……。あえて言い訳しますが、バイトの面接のときに「大きい声でお客様に挨拶できるか!」という質問に対して「できません!」と回答したのですが、採用されてしまいました。その宣言通り、ちゃんと挨拶しなかったら色々あってクビになりました(笑)。

そんな中、ご縁でNPOや企業と連携して、中小企業向けの就活支援サービスを立ち上げるプロジェクトに参加しました。僕はプランナーとして、サービスのコア部分を考え、実際にリリースするところまで関わらせてもらいました。その経験を通じて、「自分で事業をつくるのってこんなに楽しいんだ!」と感じました。

そして大学2〜3年生の頃には、当時トレンドだった“コンテンツマーケティング”に着目し、自分で会社を立ち上げました。ただ、その後「株式会社リクルートホールディングス」のインターン参加と入社を決めたことで、いったんその会社はたたむことになりました。

人に惜しまず投資する「リクルートホールディングス」の姿勢に感銘を受けた

人に惜しまず投資する「リクルートホールディングス」の姿勢に感銘を受けた

ー「株式会社リクルートホールディングス」のインターン参加に至った経緯を教えてください。

当時は起業志向が強かったのと、なまじ自分でビジネスなど出来ていたので、「インターンなんて行かなくてもいいかな」と思ってたんです。でも、ふと自分の市場価値を知りたくなって、いろんな企業のインターンに申し込むようになりました。

ところが、大手企業のインターンに数社申し込んだところ、ことごとく最終面接で落ちました。今振り返ると、天狗だったからというか、傲慢さが滲み出ていたからだと思います。

そんな中で、リクルートホールディングスのインターンでは一次面接しかなく、聞かれたのはたったひとつ、「あなたの好きなことは何ですか?」でした。そこで僕は、当時ハマっていたアイドルグループ「でんぱ組.inc」のPVの魅力を30分間語り倒したんです(笑)。そして、まさかの採用となったんです。

そのご縁で、リクルートの東京本社での新規事業開発プロジェクトにインターンとして参加することになりました。

ー「株式会社リクルートホールディングス」への入社を決めた理由とは何でしょうか?

リクルートのインターンには、東大生をはじめとした優秀な学生がたくさん参加していて、「関西から変なやつが来たぞ」みたいな空気が正直ありました(笑)。そんな中で参加した企画で、優勝することができたんです。

そして驚いたのが、優勝メンバーを無料でシリコンバレーに連れていってくれたことです。リクルートの「人に惜しまず投資する」という姿勢には、本当に感激しました。僕自身、どちらかといえばマイノリティ寄りの人間だと思っているので、そういった自分をちゃんと受け入れて評価してくれる懐の深さに強く惹かれました。

実は他社からもお声がけをいただいていて、エンジニアやデザイナーが多く、カルチャー的にも自分にマッチしそうな会社でした。「オタクなプランナーってめっちゃ目立つよ、うち来なよ!」と誘われて、ちょっと心が動いたのも事実です。あと、いわゆる大手広告代理店でのコピーライターやプロモーション担当はかなり気にはなっていました。

それでも最終的にリクルートを選んだのは、「20代前半を過ごす場所」として、ここが最も成長できる環境だと感じたからです。ただ面白いものをつくるだけではなく、仕組みで課題を解決する思想が根底にある。そして、ちゃんと継続する仕組みをつくれる。それが、入社の大きな決め手でした。

納品型UXデザインに手応えを感じ、「株式会社LeanGo」 を創業

ー「株式会社リクルートホールディングス」を退社し、起業した経緯をお聞かせください。

実は、リクルートに在籍していたときから副業を始めていたんです。

リクルートホールディングスで新卒入社すると、最初の3年間は出向という形で事業会社に配属されるんですね。僕は「ゼクシィ」に配属されていて、3年が経つタイミングで、①そのままゼクシィに残るか、②他部署に異動できるキャリアウェブ制度を使うか、③ホールディングスに戻るかの三択がありました。

でも正直、どの選択肢にもそこまで惹かれなかったんです。それで2年目から3年目にかけて、いわゆる転職活動っぽいこともして、いろんな会社さんを見させてもらいました。”UXデザイナー”という職種自体がまだ珍しかったこともあって、オファーは結構いただけたんです。

でも最終的に、「どこに行ってもやること変わらないな」と感じてしまって。だったら、無理に転職するより副業でも始めてみようかなと思ったんです。

当時、いろんな会社さんに「週2〜3でもいいから来てよ」とお声がけをいただきましたが、本業との両立は物理的に厳しいものがありました。それで思いついたのが、「UXデザイナーの業務を納品型で提供する」というビジネスモデルでした。

UXデザインの仕事って、いわゆるグロースハック的な業務で、サイト改善やマーケティングに近い内容なんですね。たとえば、月5件ぐらいABテストをやるとしたら、その1件あたりにどれだけの価値があるかというのは、稼働時間と報酬から見積もれる。そこで、「1案件10万円くらいで納品型のコンサルティングをやりますよ」と提案したところ、これがめちゃくちゃ売れたんです!

副業だけでも月に200万円ほどの売上が立つ手応えがあり、「これなら本業としてもやっていける」と見込んで、独立を決意しました。

その後、リクルートを退社し、約2ヶ月間は個人事業主として活動しました。そして2020年4月に「株式会社LeanGo」を創業したという経緯になります。

キャッシュベースでの視点が弱く、黒字倒産の危機に直面した

ー起業準備において苦労された点や、スムーズに進んだ点をお聞かせください。

事業計画書については、起業当初まったく作っていませんでした。とりあえず法人登記だけ済ませたという形ですね。助成金対応に関しては、専門のコンサルタントの方に丸投げして、獲得を進めてもらいました。

一方で苦労したのは、資金繰りの部分ですね。創業融資の申請や資金繰り表の作成といった基本はおさえていたつもりなんですが、どうしてもPLベースでの管理に偏ってしまっていて。キャッシュベースでの視点が弱かったんです。

その結果、「数字上は黒字だけど、資金繰り的にはこのままだと倒産するんじゃないか?」みたいな場面が定期的に発生していて……。この経験から、PLだけでなくキャッシュフローで見る視点も含めて、ちゃんと資金管理していくことの重要性を痛感しましたね。

ー起業前に経営ノウハウや成功事例などを学ぶ機会はありましたか?

大学時代から、起業系メディアやスタートアップ関連の記事はよく読んでいました。「スタートアップってこういう課題に直面するんだな」「今はこういうトレンドが来てるんだな」みたいな感覚は、なんとなく掴んでいたと思います。

ただ、それだけではやっぱり限界があるなと思って。現場のリアルって、ネットだけじゃ分からない部分も多いので、実際にVC(ベンチャーキャピタル)が主催しているイベントにも足を運んで、生の声を聞くようにしていました。

僕自身、もともと物づくりが好きだったというのもあって、起業して事業をつくることは自然な流れだったと思います。リクルート時代も、基本的には「一人でやっておいて」みたいな感じで任されることが多くて。いい意味で放任されてたというか、主体的にやることが求められる環境だったんです。

そういう経験を通して、自分で考えて、自分で動いて、試してみる。そのスタンスが結果的に、起業に必要なマインドや感覚につながっていたと思います。

自分にとっても社会にとっても、居心地のよい環境づくりを目指す「LeanGo」

自分にとっても社会にとっても、居心地のよい環境づくりを目指す「LeanGo」

ー株式会社LeanGoが掲げるミッションについてお聞かせください。

創業時から「社会の居心地をよくする」というパーパスを掲げています。

一見、パブリックなことを言っているように見えますが、「会社にとっても社員一人ひとりにとっても、自分にとって居心地のよい社会をつくろう」という意味が込められています。

「業界No.1になる!」というギラギラしたミッションを掲げる会社って多いですよね。でも僕らは、もっと日常的で等身大なところからスタートしています。それが結果的に、プロダクトにも組織文化にも反映されると感じています。

「自分たちにとってここが居心地悪いよね」と感じる部分を、自分たちでしっかり課題として捉える。そして、その課題を一つひとつ解決していく。

主語は“自分”なんですよ。自分が居心地よく働ける・生きられる環境をつくることで、結果的に周囲の人や社会がよくなっていく。LeanGoは、そういう連鎖を生み出していける会社なんです。

“人が動かなくても価値が出る”仕組みを追求したのが「DEJAM」

ー「株式会社LeanGo」のビジネスモデル形成において、どのようなアイデアがあったのでしょうか?

起業から半年ほど、納品型コンサルという形でビジネスを展開していました。UX改善などの案件を個別に請け負って、1件いくらという形で納品する非常にシンプルなモデルです。

あるとき、大手人材系企業の子会社で働いている方とお話しする機会があって、「どうしてこれがうまくいってるの?」と、いろいろとヒアリングされたことがありました。そこで「こういう理由で、こういう風に設計してます」と答えたところ、「そのモデルはうまくいかないと思う……」と、意味深なことを言われたんです。

その1ヶ月後、その内容をまるっと模倣したような他社サービスが誕生していました(笑)。正直、「ああ、そういうことか……」と驚きましたね。

弊社のビジネスモデルはすごくシンプルで、要は“納品するだけ”のモデルなんですね。でも、質に関しては僕が直接触れていたので担保できていました。ところが、そのビジネスモデルを中途半端に真似した会社がどんどん出てきて、質の低い納品型コンサルが急増してしまったんです。

しかも、そういう会社が広告をガンガン出稿すると、業界全体のCPA(顧客獲得単価)が跳ね上がるんです。「これはもう、長期的にやってられないな」と感じましたね。

そういった背景もあり、「人が動かなくても一定の価値が提供できるようにしよう」と考え、ビジネスモデルを”ツール中心”に切り替えたんです。これが、現在提供しているマーケティングサクセスツール「DEJAM」の誕生に繋がっています。

ー御社のサービス「DEJAM」の特徴についてお聞かせください。

「DEJAM(デジャム)」は、ABテストの実施からヒートマップ分析、LP制作までを完結することができる、マーケティングサクセスツールです。

特徴的なのは、「マーケティングサクセスというあえて抽象度が高い状態」で設計されている点です。成果にしっかりコミットしていくためには、ある程度柔軟で拡張可能な構造であることが重要なんです。

マーケティングって、ABテストやLPO、アクセス解析といった多様なツールを組み合わせて、やっと成果が出るものじゃないですか。でも、別々のツールをそれぞれ導入するとコストがかかるし、精度も落ちる。そんなジレンマが出てくるんです。

僕らはそこに課題意識を持っていて、マーケティングサクセスという枠組みの中で、「必要な機能をすべてDEJAMで揃えられる状態」を理想に掲げています。機能ベースで細かく分けるのではなく、成果を出したい人に向けて、一つのサービスで一気通貫対応する。

マーケティングで成果を出したい人にとって、「DEJAMがあれば、全部解決できる!」と思っていただけるようなサービスを目指しているところです。

マーケティングの理解力とUXスキルが融合した、唯一無二の”最強ツール”

ー「DEJAM」ならではの強みや独自性について教えてください。

これはもう、”DEJAMにしかできないこと”だと本気で思っています。僕らのプロダクトには、最初から「ワンプロダクトでマルチソリューションを実現する」という設計思想があるんですね。これが他社との大きな違いです。

よくあるLPOツールってあくまで「LPOツール」としてカテゴライズされてしまうので、それ以上の価値提供が難しいんですよ。もし新しい機能や価値を提供しようとすると、たとえば上場企業は他社サービスを買収してバリューチェーンを広げるという選択をします。

でも、そのやり方って、確かに機能の数は増やせるけど、ユーザー体験はバラバラになりがちなんですよね。ツールごとにUIも思想も異なるから、結局は繋ぎ合わせただけになってしまうんです。

そこに限界を感じているからこそ、一つのプロダクトで「マーケティングの成功に必要なすべてを完結できる設計」にしています。

開発初期からUIも思想も一貫して設計してきたモデルなので、ユーザー体験がブレることもありません。今存在する他のプロダクトに後付けしても絶対に真似できないモデルですし、そういう意味でも「DEJAMは“完全に唯一”のプロダクト」だと自負しています。

ーマーケティングツールの開発において、どのような要素が重要だと考えていますか?

マーケティングツールを作るうえで、大きく2つのスキルが必要だと思っています。

1つ目は、マーケティングそのものに対する理解。これは多くのマーケティングツールベンダーさんが持っている部分で、しっかり設計された機能や戦略を反映することができます。でも、それだけじゃ足りません。

もう1つ必要なのが、UXデザインのスキルなんです。いかにプロダクトが“使いやすいか”という視点ですね。どれだけ高度な機能があっても、UXが悪いと使いこなせない。結果として「よくわからないから使わなくなる」「成果が出ないから解約される」って流れになってしまうんです。

僕自身、リクルート時代にUXデザインを実践ベースでやってきた経験と、マーケティングの現場で結果を出してきた経験の両方があるので、この2つのスキルを融合させてプロダクトを設計できます。そこに強みと自信があるんです!

だからこそ、「誰にとっても使いやすく、かつ成果につながる」――そんな”最強のプロダクト”を作れていると自負しています。

そして何より、「使っていてテンションが上がるツール」を作ることが、すごく大切だと思っています。どんなに機能がよくても、業務フローが”ただの作業”になってしまうと、使っていても面白くないですよね。使っていてワクワクする設計じゃないと、最終的に使われなくなるんです。

だからこそ、僕らは”感情の動き”も含めたUXを意識して、細部のデザインにもこだわってます。

遊び心のあるプロモーションで、”デジャブ”のように記憶に残す

遊び心のあるプロモーションで、”デジャブ”のように記憶に残す

ーサービスの認知拡大に向けて、どのようなアプローチをされているのでしょうか?

LeanGoを知ってもらう一環として、遊び心を常に大切にしています。

たとえば、「どうせなら楽しいツールを」というキャッチコピーをつけたハンドスピナーをノベルティとして配布していて、これがなかなか好評なんです。ハンドスピナーの中心には“PDCA”の文字が書かれていて、お渡しするときに「ほら、こうして物理的にPDCA回せますよ」って説明するんです(笑)。

実はこのハンドスピナー、単なるノベルティではなく、広告やイベントとも連動させた認知戦略の一部なんです。大江戸線に出したポスター広告にもこのハンドスピナーのビジュアルを使用していて、「あ、あの広告見ましたよ!」と声をかけてもらうこともあります。

こうしたデジャブのように、繰り返し印象に残る体験をつくるのがポイントで、視覚的にも記憶に残りやすいアイテムや表現を意識しています。

ハンドスピナーのようなフィジカルなプロモーションだけでなく、オフラインのイベントに積極的に登壇して、業界内での露出も高めています。

「なんか最近よく見るな」「あの会社、また出てるな」っていう空気感をつくることが、ブランドの定着に繋がると思っているので、そういった“出まくるスタイル”も意識的に取り入れています。

ー広告などのマーケティング施策も同時に行なっているのでしょうか?

以前は広告を出していたんですが、今は一度ストップしています。ただ、また再開しようかなとは考えているんです。

B2B系のマーケティングツールって、そもそも検索ボリュームがめちゃくちゃ少ないんですよ。キーワード広告を出したところで表示機会が限られていますし、しかも競合が大量に出稿してくるので、CPC(クリック単価)がとんでもなく高くなりがちなんです。

それよりも、指名検索で来てもらえるようなブランド認知を地道に積み上げたほうが、よっぽど効率がいいと思います。

もちろん、お金が潤沢にあれば、広告にもフル投資したい気持ちはあります。ただ、今の状況ではやっぱりCPA(顧客獲得単価)が安い施策を優先していく必要がある。その中で、物理的なノベルティ配布やオフラインでの話題づくりが、結果的に一番効率がいいと感じています。

広告流入からCV獲得まで、「DEJAM」ひとつですべておさえたい

ー今後、新たに展開しようと考えているビジネスがあれば簡単にお聞かせください。

今後は、「マーケティングのすべてをDEJAMで完結する」ことを目指していて、プロダクトとしても段階的に機能を拡張していく予定です。

直近のマイルストーンとしては、フォーム作成機能が実装される予定です。イメージとしてはGoogleフォームのようなものですが、それをDEJAM内で誰でも簡単に作成・埋め込みできるようになります。

DEJAMにはすでにLP制作機能があるので、フォームをLPに埋め込んでそのまま問い合わせを受けたり、UIをワンクリックでチャットボット式や一問一答形式に切り替えたりと、CVR向上に直結する施策がかなり柔軟にできるようになります。

さらに、広告ダッシュボード機能の開発も進めています。GENIEEさんのプロダクト「CATS」などと連携し、各広告媒体のデータをひとつにまとめて見られるようにするものです。ただ、広告ダッシュボード単体では意味が薄いので、流入(広告)×CV(LP・フォーム)を一貫し、見ながら改善できる構造にしてこそ価値があると考えています。

その意味でも、広告流入からCV獲得まで、「ひとつのワンプロダクトで完結できる構想」を年内に形にする予定です。

ー「株式会社LeanGo」は、これからどのような会社を目指していくのでしょうか?

ありがたいことに、僕個人への相談もLPOに限らず広がってきていて、PRから獲得まで横断して対応できる体制が整っています。

よくあるマーケティングファームって、戦略面だけで終わったり、逆にWebコンサルは獲得だけに偏ったりしがちなんです。でも僕らは、その中間にある「戦略と実行の両立」ができるマーケティングファームを目指して動いています。

ハンドスピナーのようなユニークなPRアイデアから、しっかり成果につなげる導線設計まで、遊び心と実行力の両方を強みとして、今後さらに事業を拡大していくつもりです。

死を忘れず、限りある時間の中で「周囲の負」を取り除いていきたい

死を忘れず、限りある時間の中で「周囲の負」を取り除いていきたい

ー経営者として大切にしているマインドを教えてください。

昔から「心穏やかに生きたい」を口癖にしていて、僕のすべての行動や判断の根本にもなっています。

これは、会社のパーパスにも繋がる話です。「どうやったら心穏やかに生きられるのか?」を突き詰めていくと、自分や周囲の“負”を一つひとつ取り除いていくことなんですよね。目に見える範囲で、課題を解決し続けていきたい。「このまま何もせずに人生終わっちゃうのは嫌だな」って、本気で思っているんです。

今日も身につけているこのリングには、「メメント・モリ(死を想え)」と刻まれていて、「人間には限りある時間しかない」と、いつも意識するようにしています。寿命は有限だから、行動に迷ってる暇なんてない。これは、僕が経営者として常に意識しているマインドです。

会社としては、やっぱり「LeanGo(リーンにゴーする)」という行動スタンスを大切にしていますね。新しく入ったメンバーが慎重になっているときには、「まずやってみよう!やってみなきゃ分からないよね!」と伝えるようにしています。

当たり前を疑い、さらに工夫する「定説の上書き」が、組織を成長させる

ー組織と社員の成長を促すために心がけていることはありますか?

メンバーが「やりたい」と言ったことや能動的な挑戦に関しては、コストがかかっても基本的に応援する文化を大切にしています。

社内文化として定着しているのが、”オットムット”という言葉です。これは、“オッ”とさせて、“ムッ”としない姿勢を意味しています。誰かがユニークなアイデアを出したとき、「そんなの無理でしょ」と否定して”ムッ”とさせるのではなく、「それなら、こうしたらどうかな?」というポジティブな提案をする。そんな意識づけをするための合言葉が”オットムット”です。

さらに、組織として大切にしている考え方に「定説の上書き」というものがあります。これは、「真面目に言われた通りにやる」だけじゃなくて、「当たり前を疑って、さらに工夫していくこと」を評価しようというスタンスです。

毎月2回の振り返り会でもテーマとして掲げていて、「あなたは何をどう工夫して、定説を上書きしましたか?」と問いかけるようにしています。最初の頃は、「抽象度が高すぎて意味が分からない」と言われて、ちょっとした言い合いにもなりました(笑)。

でもそこで、「言われた通りにコードを書くだけじゃなくて、自分なりに工夫した部分があるなら、それが上書きなんだよ」と丁寧に説明したところ、最終的には納得してくれたんです。言葉の意味だけではなく、文化の意図も一緒に伝えていくことを意識していますね。

ただ「成長しよう」と言うのではなく、どうすればクリエイティブに、前向きに動けるか。そのベースになる組織文化をこれからもしっかり育てていきたいと思っています。

あとは、組織の成長を促すという意味で、「物理的に筋肉を鍛える」という取り組みも始めました!エンジニアはリモートワークも多いんですが、出社したメンバーを中心に、ちょっとした筋肉文化ができつつありますね(笑)。

「DEJAM」はアートに近い存在。他社と競争しない圧倒的なプロダクトにもなれる

ー株式会社LeanGoと平井様ご自身の将来ビジョンをお聞かせください。

会社の将来ビジョンとしては、ひとまず売上30億円規模を目指していて、「ちゃんと結果で語れる存在になる」というのが一つの目標です。

どれだけいいことを言っても、「で、実績は?」と問われたときに、数字で返せないと意味がないと思っています。しっかり社会的にも評価される水準までは持っていきたいですね。

ただ、個人的には、心穏やかに生き、森にこもりたいという気持ちがあります(笑)。というのも、「DEJAM」は僕にとって単なるプロダクトというより、アートに近い存在なんです。課題解決をするための機能として成立していながら、「誰にも作れないもの」を作っているという実感があるんです。

だからこそ、マーケティングの分野で「あれこれ比較するまでもなく、まずDEJAM入れとこうか!」って言われるような存在を目指したいと思っています。いわば、Google Analyticsのような立ち位置ですね。

プロダクトとして、他と比較検討すらされない圧倒的な存在になる。競争しない。戦わない。その状態を実現できたとき、きっと僕自身の「心が穏やかに生きたい」という願いも叶うんじゃないかと思っています。

経営者に必要な資質は、プレッシャーと正面から向き合える度胸

ー経営者になってよかったと思えたことをお聞かせください。

やっぱり”自由”でいられることですね。最終的な意思決定をすべて自分でできるというのは、経営者ならではの特権だなと感じます。

リクルート時代も、かなり自由にやらせてもらっていた方だとは思うんですが、「じゃあ明日1億使っていいですか?」みたいな話は、さすがに言えないじゃないですか(笑)。もちろん今も1億使ってるわけではないですが、数千万円規模の意思決定でも、自分の判断で好きに動けるというのは、本当にありがたいことです。

責任はもちろんありますけど、それ以上に自分で最良の判断を下せる立場にいられるというのが、経営者になって一番よかったと思えるところですね!急にPDCAが回せるハンドスピナーなんて作れなくないですか?

ー経営者を目指すうえで大切な要素とは何でしょうか?

最終的にはすべての責任が自分に返ってきます。それをきちんと背負えるかどうか、そして、諦めずにやりきれる人間が経営者に向いていると思いますね!

すべては「危機感を持つこと」から始まります。会社が大きくなって、社員が増えてくると、「人の人生を背負ってるんだな」というプレッシャーを日々感じます。もし会社が倒産しそうになったとき、自分の名前で借金できるか、融資で連帯保証にサインできるか。そういったお金まわりのリアルな覚悟が問われる場面って、実際に経営していると何度も訪れるんですよ。

多分、多くの起業家が精神的に追い込まれるのも、そういった金銭面と責任の重さに耐えられるかどうかに関わってくると思います。なので、プレッシャーに向き合える胆力みたいなものは、経営者を目指すうえで必要な資質のひとつなんじゃないかなと感じています。

「やりたいことを言語化する」ことから、すべては始まる

ー起業を目指している読者にメッセージをお願いします。

やりたいと思ったら、やりましょう!ただ、何をやりたいのか明確にすることが大切です。

正直なところ、「起業ってそんなにメリットあるの?」って最近はよく考えるんですよね。生き方や働き方って本当にいろいろあると思っていて、別に会社を立ち上げなくても、自分らしく豊かに暮らす道はいくらでもある。

たとえば、「年収2,000万円を目指したい」と言われたら、僕は「それなら個人事業主の方が効率いいかも」と答えます。月100~200万円のコンサル案件を2~3本回せば実現可能な数字です。でも会社経営となると、社員を抱えて責任を持って、売上も億単位を目指して……ってなると、途端にコスパは悪くなるんですよ。

だからこそ大切なのは、自分が何をやりたいのかをちゃんと”言語化”すること。お金を稼ぎたいなら、それに最適化されたビジネスをすればいいし、僕のようにプロダクトをアートとして作りたいなら、そこにはロマンも現実も必要になります。

自分の”やりたい”を明確にしたうえで、そこに向けて逆算して動いていく。そこで本当にやりたいと思ったなら、迷わずやればいいんじゃないですかね?

起業や独立に興味を持ったら、まずは「起業の窓口」に登録してみよう!

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起業には個人事業主としての開業会社設立の2種類があり、事業形態に合わせて選ぶことが大切です。また、起業のアイデアをまとめたり、事業計画書を作成したりといった起業の流れを把握し、十分な準備を整えるようにしてください。

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