【株式会社アントレ】人生に新たな選択肢を。時代を超えた独立開業の道標
日本最大級の独立開業メディア「アントレ」を運営し、世の中の多様な働き方の選択肢を与える株式会社アントレの経営者、上田隆志さん。
大学卒業後、印刷会社に約6年間勤めていた上田さんは、自身の本当の能力を確かめるため、株式会社リクルートエイブリック(現:リクルート株式会社)に転職。
リクルートでは、人材紹介事業部門での業務経験を経てアントレ事業部門へ異動した後、部門責任者として独立開業のインターネットメディアの運営などを担当してきました。
アントレ事業部門が独立して株式会社になった約1年半後、リクルートを退職するタイミングで株式会社アントレの代表取締役に就任。
現在、リクルート時代に培った豊富な経験と実績をもって、株式会社アントレでさまざまな独立開業支援サービスを提供している上田さんに、経営者になるまでの道のりや大切にしているマインドなどをお伺いしました。
- 上田隆志さんのご経歴
- 色んな思想を持つ経営者と接点を持ち、自分も起業を志すようになった
- ー大学卒業後、どのような社会人経験を積まれたのでしょうか?
- ー転職後、独立開業支援の仕事を始めるまでの経緯を教えてください。
- ー会社を経営することになったきっかけについてお聞かせください。
- ー会社経営に一番興味を持ったポイントはどこでしょうか?
- アントレの長い歴史と本質的な課題解決力が、競合優位性となる
- ー独立開業支援サービスの提供において、競合優位性になる要素はあったのでしょうか?
- ー営業の人間が持つ課題解決力について詳しくお聞かせください。
- インターネットメディア「アントレ」を軸として、独立開業の解像度を上げていきたい
- ー独⽴開業⽀援サイト「アントレ」が誕生した歴史についてお聞かせください。
- ー「アントレ」はどのようなニーズを満たすメディアになっているのでしょうか?
- ーサービスの認知拡大で特に効果があった施策とは何でしょうか?
- ー認知拡大と集客の課題について、具体的に教えていただけますか?
- 社会の変化に合わせて、独立のなかにある選択肢を広げるのが私たちの使命
- ー株式会社アントレが持つ独立開業支援の強みや、今後の目標をお聞かせください。
- ーこれから新たに展開していこうと考えているビジネスはありますか?
- 自由な発想が生きる組織づくりで、会社を成長させていきたい
- ー経営者として大切にしているマインドを教えてください。
- ー株式会社アントレとご自身の将来ビジョンをお聞かせください。
- 経営者を神格化せず、やりたいと思ったことをやればいい
- ー経営者になって良かったこととは何でしょうか?
- ー会社経営を目指している読者に対して、メッセージをお願いします。
- 起業や独立に興味を持ったら、まずは「起業の窓口」に登録してみよう!
上田隆志さんのご経歴
- 1999年4月:関西学院大学卒業後、凸版印刷株式会社に入社。
- 2005年10月:株式会社リクルートエイブリック(現:株式会社リクルート)に入社。人材紹介事業部門にて、IT/Web業界の転職支援や中途採用支援部門を担当、責任者を務める。
- 2014年4月:株式会社リクルートキャリア(現:株式会社リクルート)のアントレ事業部門にて、責任者に就任。
- 2019年1月:株式会社リクルートキャリアから独立し、株式会社アントレが設立。
- 2020年7月:株式会社リクルートキャリアを退社し、株式会社アントレの代表取締役に就任。
- 現在:株式会社アントレにて、独立開業領域のメディア運営や、独立開業・副業・事業承継支援などの事業を幅広く展開中。
色んな思想を持つ経営者と接点を持ち、自分も起業を志すようになった
ー大学卒業後、どのような社会人経験を積まれたのでしょうか?
関西学院大学の商学部を卒業後、凸版印刷株式会社に入社しました。
当時は「それほど忙しくない仕事に就ければいいや」という気持ちで就職活動をしていたんですが、実際に働いてみると、朝から晩までかなり忙しい仕事でした。それでも、多忙な業務のなかでも、色んな業界や役職の方と接点を持たせていただき、たくさんのお話を伺うことで、結果的に仕事の面白さに気づくことができました。
東京と大阪の印刷会社で約6年くらい仕事をしていたんですが、30歳手前になって、「この人生、本当にこれでいいのか?」というベタな悩みを持つようになったんです。
そのときは、会社に迷惑をかけずにそこそこ成果を出せるようになっていましたし、お客様から喜んでいただけるようなことも増えていました。ですが、どうしても一つの会社、特に大企業に属していると、自分に実力があるのかないのかを客観的に判断することって難しいんですよ。
当時働いていた印刷会社は、年齢が一回り上の社員が多かったので、同年代の社員と実力の比較ができなかったという背景もあります。外の世界に出たとき、「自分はどの程度の実力を持っているのか」ということを早めに知っておきたいと思い、転職を決意しました。
ー転職後、独立開業支援の仕事を始めるまでの経緯を教えてください。
印刷会社を辞めたあと、株式会社リクルートエイブリック(現:株式会社リクルート)に転職して人材系の仕事を始めました。
リクルートでは、自分よりも若い20代前半の社員がバリバリ活躍していましたから、健全な競争がある環境で仕事に取り組むことができました。入社してから8年くらいは、人材紹介事業部門の仕事に従事していて、特にインターネット関連の会社に営業することが多かったです。
一通り、人材紹介業の経験を積ませていただき、まったく別の部署で仕事をしたいと申し出たところ、アントレ事業部に部署異動することになり、独立開業という、会社に雇われていないような働き方、今までとは違う仕事の選択肢や生き方を知ることになりました。
部署異動の前までは、会社員としてキャリアをどう描いていくのか、中途採用を通じてどのように事業戦略を立てていくのかというサポートを主に行なっていました。
アントレ事業部で私が担当することになったのは、独立開業のインターネットメディアの運営です。業務を通じて、色んなフランチャイズビジネスを展開しているスモールビジネス中心とした会社の経営者の方や独立開業してチャレンジされている経営者と多く接点を持つようになりました。
そして、実際に経営者の方とお話しするなかで、経営の面白さというものがリアルに解像度高く見えるようになってきましたね。
ー会社を経営することになったきっかけについてお聞かせください。
リクルートでは、頻繁に部署異動が行われていました。私がアントレ事業部にいたのは4年間で、その後、再び人材紹介事業部門に戻ることになりました。
部署異動してから1年後、リクルートがアントレ事業部をプライベートエクイティファンドに譲渡して、新たに株式会社アントレが誕生したんです。自分がいた部署がまさか独立して会社になるとは思っていなかったので、びっくりしましたね。
リクルートには約15年という長期で勤めていましたから、何か新しいことをやりたい気持ちが強くなり、退職することになりました。ですが、退職を決めたものの、次に何をするか実は決めておらず。
「とりあえずリクルートから離れて、他のビジネスとやろう」と思っていた絶妙なタイミングで、株式会社アントレから「社長をやってもらえませんか?」と声をかけていただいたんです。そして、2020年6月末にリクルートを退職して、2020年7月に株式会社アントレの代表取締役に就任しました。
現在、株式会社アントレでは、インターネットメディア運営や情報誌、起業のスクール、イベントなどの運営を通じて、独立開業領域を幅広く支援しています。
ー会社経営に一番興味を持ったポイントはどこでしょうか?
サラリーマン生活を続けているなかで、会社の制約条件に不満を感じる場面が増えていったんです。たとえば、やりたいことがあっても、上司に決裁をもらわないと先に進めなかったり、部署内や社内全体のルールでNGだったり。
事業や社員を健全に成長させていくうえで、色んな社内規定があるのは当たり前のことなんです。でも、あれもできないこれもできないという部分に、私は段々ストレスを感じるようになってきたんです。
経営者になると、良くも悪くも全て自分に決定権があります。「何をするにも自分次第」というものを体現できることが、経営に一番興味を持ったポイントですね。
アントレの長い歴史と本質的な課題解決力が、競合優位性となる
ー独立開業支援サービスの提供において、競合優位性になる要素はあったのでしょうか?
私が株式会社アントレの代表取締役に就いたとき、1997年から25年以上続いている「アントレ」というメディアがすでに存在していました。インターネットメディアが誕生する前から「アントレ」という雑誌を出していましたから、ある程度の認知を持っていたんです。
新たに独立開業支援サービスを提供するにあたって、一定のブランド認知やメディア運営のノウハウ、情報発信力がある状態でスタートできる点が競合優位性になると考えていました。
もう一つ、私たちは営業の人間が持つ課題解決力を備えていましたから、それも競争力を高める要因になると思いました。
個人的にも、リクルート時代のアントレ事業部門で、事業部長のような役割を4年ほど担当した経験があります。今月の業績を達成するための事業戦略や、中長期戦略の策定などの経験を一通り積ませていただいたので、それが経営に活かせると思っていましたね。
アントレが独立しても、リクルートの事業部門時代に築き上げた土台がそのまま残っていたので、私が代表取締役に就任したタイミングで事業内容や企業ビジョンなどを大きく変える必要は特にありませんでしたね。
ー営業の人間が持つ課題解決力について詳しくお聞かせください。
インターネットメディアの運営では、広告枠をフランチャイズ事業者様などの広告主に購入していただくビジネスモデルです。
「広告を買いたい」というニーズはお客様には本質的になく、広告はあくまで手段でしかない。と思っています。というのも、広告枠を買ってもらっただけでは、クライアントの課題解決に直結するとは限らないからです。
私たちは、「広告という手段を使って何を実現したいのか」という点にフォーカスして、入念にヒアリングを行なっています。
たとえば、フランチャイズビジネスを展開する広告主に広告を購入してもらった場合、加盟検討をされる方たちとの接点をつくれます。その後、加盟店が増えることで、シェア獲得や事業拡大につながるという結果を求めていると思いますよね。
ところが、加盟検討をされる方たちとの接点をつくるだけで上手くいくケースって、実はあまりないんです。せっかく沢山の方が広告を見て問い合わせをしてくださったのに、例えば人手不足で問い合わせに誰も対応できなければ、折角、投資をして広告を出すメリットがなくなりますからね。
問い合わせに対応していたとしても、自分たちのフランチャイズビジネスの魅力をきちんとプレゼンできなければ、フランチャイズ契約にはつながらないんです。ですから、私たちはその後のプロセスを見据えて、どこに課題があるのかを予測してアドバイスを行なっています。
もし人材が足りないのであれば、採用を促進したほうがいいのか、コールセンターなどのアウトソーシングを利用したほうがいいのか、相手様の状況を見ながらこちらでご提案していきます。
「広告は商品を売るだけの手段」というところから脱却して、「どうすればお客様の事業が成長するのか?」という視点から提案していくことを磨き続けることが、競合優位性になっていると思います。
インターネットメディア「アントレ」を軸として、独立開業の解像度を上げていきたい
ー独⽴開業⽀援サイト「アントレ」が誕生した歴史についてお聞かせください。
独立開業支援サイトの「アントレ」は、リクルートの新規事業コンテストで生まれたインターネットメディアです。
リクルートでは、採用、就職、転職を主な事業領域としていますが、「今後、自分で会社を立ち上げる人やベンチャーが台頭してくるだろう」という考えから、新たなマーケットをつくるプロジェクトが始動しました。そして、1997年2月に独立開業支援メディアとしての「アントレ」が誕生したんです。
当時はインターネットがまだまだ普及していなかったので、毎月出版する雑誌での情報発信などをメインの事業としていました。おかげさまで「アントレ」は今年で誕生から28年目を迎え、会員数約37万人を誇るメディアに成長しています。
ー「アントレ」はどのようなニーズを満たすメディアになっているのでしょうか?
独立開業支援といっても、アプローチの仕方は多種多様です。たとえば、「アントレ」は、「未経験でも独立ができる」「ビジネスアイデアが思いつかなくても独立できる」という選択肢を与えるためのメディアとなっています。
「アントレ」は、フランチャイズビジネスの紹介をメインとして取り扱っていて、広告主や、フランチャイズビジネスとの出会いを通じて独立されたユーザーさんに価値を提供してきました。その一方で、フランチャイズビジネス以外で独立したいと考えているユーザーさんも沢山います。
実際に独立する人のなかで、フランチャイズビジネスを選択する人の割合は7%程度しかないんですよ。「独立開業のアントレ」として、フランチャイズビジネスの紹介に加えて、ゼロから事業立ち上げに挑戦されたい方や、事業承継やM&Aを通じて経営者を目指していく方に向けたサービスも提供しております。
ーサービスの認知拡大で特に効果があった施策とは何でしょうか?
今改めて良かったと思うことは、長らく「アントレ」という雑誌を出し続けてきたことですね。メディアとしての存在は知らなくても、「アントレってどこかで見たことある言葉だな」という反応を示してもらえますし、昔コンビニで売っていたことを知っている人も沢山います。
「紙媒体を出し続けることに意味はあるのか?」という疑問にずっと付き纏わされてきましたが、認知という点では大きなメリットがあったと思います。
ただ、現状に満足しているわけではなくて、今の時代にあった認知拡大と集客施策はどんどんと実行していきたいと思っています。
ー認知拡大と集客の課題について、具体的に教えていただけますか?
この10年くらい、リスティング広告などのインターネットマーケティングに予算をかなり注ぎ込んできました。その結果、目先の数字は良くても、幅広く知ってもらうという点ではあまり予算を投下してこれなかったと感じています。そこは今後改善していく予定です。
「独立開業のアントレ」という看板を掲げていますから、独立開業を支援するのはもちろんですが、時代の変化とともに、副業や事業承継を目指している方にもお役に立てるような会社であり続けたいと考えています。
メディア「アントレ」ではフランチャイズビジネスの紹介をメインに行っていますが、フランチャイズビジネス自体、まだまだ一般の方にあまり知られていないんですよ。独立開業を考えている方に対していきなり、「フランチャイズで学習塾を始めてみませんか?」と提案しても困惑される方が多いと感じています。
いきなり懐に深く入り込むのではなくて、もっと手前のモヤモヤしているところを紐解くようなサービスや情報提供が必要だと考えています。独立や副業を始めたいけど、何から始めていいかわからず、そこで止まっている人はかなり多いです。
私たちとしては、皆さんの独立開業の解像度を上げるようなサポートをして、自分がやりたいこと、自分にできることを整理していただくのが大切だと思っています。そのようなサポートを通じて、「私にはフランチャイズビジネスが合っているかもしれない」という気づく方も増えていくのではないかと思っています。
「独立や起業に興味はあるけど、何から始めていいかわからない」という課題解決に向けた取り組みをしっかりやれば、フランチャイズビジネスや独立に魅力を感じてくれる人が今より10倍以上増えると考えています。
社会の変化に合わせて、独立のなかにある選択肢を広げるのが私たちの使命
ー株式会社アントレが持つ独立開業支援の強みや、今後の目標をお聞かせください。
メディアで独立開業の情報発信をしても、実際には動けない人って圧倒的に多いんです。私たちとしては、そのような人の具体的な行動をサポートできるようなサービスもつくっていかなければならないと考えています。
そのような課題感があって、この5年間は「独立のなかにある選択肢をさらに広げるためのサービス」をつくってきました。
3年前、起業の学校として実績のある株式会社ウィルフにアントレグループに入ってもらい、社会人向けの起業スクールのビジネスを始動させました。会社員を続けながら、3ヶ月のオンライン講義を通じて、起業のやり方や事業の立ち上げ方を実践的に学べるという内容です。
ゼロからビジネスをつくりたいと思っている人に対しては、ウィルフさんの起業スクールを紹介する。ビジネスのアイデアが思い浮かばないという人に対しては、「アントレ」でフランチャイズビジネスを紹介するというアプローチが可能になりました。
さらに、第三の選択肢として、M&Aや事業承継をサポートするサービスも手掛けています。従来のM&Aは、法人対法人という小さなフィールドで行われていましたが、最近ではだいぶ裾が広がり、個人が会社や事業を買収する裾野がひろがってきました。
また、近年において、後継者がなかなか見つからない会社が日本で60万社くらいあると言われています。弊社のサービスを通じて、そのような会社と独立したい人を上手くつなげられたら良いなと考えています。
このような多面的なアプローチができるようになり、ようやく本当の意味で独立開業支援ができるグループ体制になってきたなと感じています。
株式会社アントレは、フランチャイズビジネスの紹介に強いだけの会社ではないんです。こういう多面的なアプローチができる独立開業支援サービスは、世の中にそうそうないと思いますね。
ーこれから新たに展開していこうと考えているビジネスはありますか?
これからは、自分のキャリアを自分でプロデュースする時代になります。弊社では、これまでになかった人生の新たな選択肢を与えられるようなビジネスを生み出していきたいです。
私はあと3年で50歳を迎えるんですが、自分が20代の頃は「50歳になるとあと10年で引退なんだな」というイメージを持っていました。ですが、実際のところは「80歳くらいまで仕事をしないといけないんじゃないか」と考える方が増えるのではないかと思っています。
この間、新聞を読んだとき「いつまで働きますか?」というアンケート結果が載っていて、「70歳以上になっても働く」という回答が4割弱あってびっくりしたんです。
私の場合、あと20年働くということですから、そうなると健康や体力、家族の事情なども考慮することになります。これまでの20年間の労働とは訳が違いますから。
50歳から80歳まで働くことが当たり前になる将来に向けて、ミドル層で自分の事業をつくることを世の中に一般化させたいと強く思っています。
「一つの会社で長く働き続けることで幸せになれる」という考え方は、今の時代、誰にでも当てはまるものではないと思っています。そもそも企業の数自体が減っていますし、会社の存続期間、つまり寿命が短くなってきているんです。
それなら転職すれば良いのでは、と言われるかもしれませんが、日本では若い人が転職できても、50歳、60歳となる自分が満足する転職を実現する難易度がとても高いと感じています。もし自分が50歳になったとき、「会社に雇われる以外の選択肢がなければ、幸せになれないんじゃないか?」と私は強く感じました。
そのような背景があるなかで、一つの会社に雇われ続ける人生に幸福を感じない、満足できない、自分には他にどんな選択肢があるのかを知りたいという方に向けた独立開業支援が必要だと思います。まずは次のキャリアを創っていく、というところから仕掛けていきたいですね。
自由な発想が生きる組織づくりで、会社を成長させていきたい
ー経営者として大切にしているマインドを教えてください。
私の中で「あれをやりたい、これをやりたい」という考えがあっても、それを極力隠すようにしています。経営や事業に対して、自分がやりたいことにフォーカスを当てるより、世の中から何を求められているのか、何が課題なのかをフラットに考えたいからです。
企業によっては、経営者の色が濃いほど良い影響をもたらすケースもありますが、私の場合は自分にバイアスをかけず、社員の自由な発想をサービスに活かせる組織づくりを心がけています。
独立開業を目指す「アントレ」のユーザーさんは、リスクを取りながらも成功するのか、しないのかというところで頑張られています。経営者となって全ての決定権が自分にあり、責任も伴う領域に挑まれる方にサービスを提供していくうえで、私たちアントレで働く人間が、依存性が高い人間であると良いサービスを絶対に提供できないと思っています。
社員がそれぞれ自由な発想を持ち、どういうサービスを提供すればユーザーさんに喜んでいただけるのかということを、常に考えていてほしいんです。そもそも、自分自身が人から抑制されるのがとにかく嫌いなんですよね。それが社内風土にも現れていると思います。
リクルートという大企業とTHE中小企業でそれぞれ働きましたが、自分の中での対比は明確にありました。普通に会社員として働きたいと思っている優秀な人材で大企業からオファーがもらえる人は、給与が良い大企業で働くのがある意味合理的なんです。
私たちのような中小企業にできることは、大企業にはない色を出すことです。株式会社アントレでは、大企業ではチャレンジできないようなことにもできるだけ裁量を持たせていますし、みんなが自由に働ける環境をこれからもつくっていきたいです。
ー株式会社アントレとご自身の将来ビジョンをお聞かせください。
会社に雇われない働き方という領域はまだまだ未開の地ですし、私たちがそこをしっかり開拓できる事業をつくっていきたいです。
独立開業には多様な選択肢があるとお話ししましたが、世の中の変化に伴い、新たな選択肢がさらに増えると考えています。そのような変化があったとき、「アントレ」という名前を思い浮かべてくれる人が増えるよう、独立開業の選択肢を広げる事業を頑張り、会社を成長させていきたいです。
さらに、将来的には独立開業の入り口のところだけではなく、事業がしっかり続くような経営のサポートまでできれば良いなと考えています。独立開業の検討段階から従業員を雇って実際に事業を始めるまで、幅広くサポートできるような企業グループをつくりたいですね。
自分たちの力だけで実現できるとは思っていませんから、今あるグループ会社さんや他の企業さんの力もお借りして、いつか実現したいです。
経営者を神格化せず、やりたいと思ったことをやればいい
ー経営者になって良かったこととは何でしょうか?
経営者になって良かったことは、会社に不便なルールがあったとき、変えられる決定権が自分にあることですね。
経営者に求められる要素を突き詰めると、やっぱり意思決定をする力にあると思います。
経営者が意思決定をするのは大事な役目ですし、自分の判断によって面白いことも起これば、苦しいことも起こり得ます。それでも、自分で決めることに経営者としての大きなやりがいがあるんですよね。
ー会社経営を目指している読者に対して、メッセージをお願いします。
良い意味で会社の経営者には誰でもなれますし、そんなに難しく考える必要はありません。
仲間内で飲んでいるときに、「こんなビジネスがあったら面白いんじゃない?」というノリでサービスをつくったとしても、意外と上手くいくことってあるんです。走らせたサービスに反響があった場合、さらに仲間を集めて会社を作るという選択肢もあります。
起業を目指すのであれば、経営者というものを神格化せず、自分のどんどんやりたいことにチャレンジしてほしいですね。
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起業には個人事業主としての開業と会社設立の2種類があり、事業形態に合わせて選ぶことが大切です。また、起業のアイデアをまとめたり、事業計画書を作成したりといった起業の流れを把握し、十分な準備を整えるようにしてください。
一度起業すると、資金や従業員の管理、納税など多くの責任を負わなければなりません。過去の成功事例も参考にしながら、自分なりのビジネスを展開できるよう起業アイデアを練ってみましょう。
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