【アズウェル株式会社】自治体と企業のDXを支える。日本を強く、豊かにする未来を描く
2012年10月の設立以来、名古屋本社を起点に東京・大阪・福岡へと拠点を広げ、自治体や中小企業のIT化・DXの内製化支援に取り組んできました。
「100億円企業を6000社、日本に創出する」思いを掲げ、日本の中小企業全体の底上げと、強く豊かな未来の実現を見据えています。
今回は、アズウェル株式会社の事業内容や独自の強み、組織づくりで大切にしている考え方、地方を元気にする仕組みをITで広げていく今後の展望について伺いました。
鷹羽浩介さんのご経歴
- 愛知県出身
- 1998年4月に前職へ入社
- 前職で約14年間、行政領域を含むシステム開発に従事
- 2012年5月〜9月はフリーランスとして活動
- 2012年10月にアズウェル株式会社を設立
- 名古屋本社を起点に、大阪・東京・福岡へと拠点を展開
前職での経験が、起業後の土台になった

ーこれまでのご経歴と、起業に至った背景を教えてください。
私は愛知県名古屋市近郊の出身で、1998年4月に前職へ入社しました。そこから14年間1ヶ月の間、システム開発の現場で仕事をしてきました。行政領域の案件にも長く関わり、システム切り替えなどの大きな山場も経験しています。
前職では、かなりハードワークな働き方もしていました。長時間労働が続いて、心身ともに厳しい時期もありましたが、その経験が今の自分の土台になっている感覚もあります。責任を持って仕事をやり切ることや、任されたことを最後まで完遂する姿勢は、その頃に身についたと思います。
そうした経験を積むなかで、山場を越えたタイミングで「この会社ではやり切ったな」と感じるようになりました。転職という選択肢もありましたが、次の会社に行くだけではなく、自分でやる道を選びました。
若い頃から起業を目指していたわけではなく、仕事に向き合うなかで自然と現実的な選択肢になっていった感覚です。
最終的には、会社のNo.2を務めてくれているメンバーとの会話や、家族の後押しもあり、2012年10月にアズウェル株式会社を設立しました。
ーハードワークについて、現在はどのように考えていますか?
ハードワークを勧めたいわけではありません。ただ、若い時期に仕事へ真剣に向き合った経験は、その後の土台になりやすいとも感じています。自分自身も厳しい働き方を経験したからこそ、今の仕事観につながっている部分があります。
一方で、長く働けばいいという話でもありません。私が大事だと思っているのは、頼まれたことをきちんとやり切ることです。納期を守る、レスポンスを返す、求められている水準で仕事を仕上げる。そうした積み重ねが信頼や実績につながると思っています。
仕事は、ただ任されているだけではなく、試されている面もあるはずです。だからこそ、ハードワークという言葉よりも、目の前の仕事にどれだけ誠実に向き合えるかを大事にしています。
「あれもこれも」を形にする『アズウェル株式会社』
ー社名の由来と、現在の事業内容を教えてください。
社名の由来は英語の「as well as」から転じて、「あれもこれも」という意味合いからきています。私は欲張りに生きたいと思っていて、仕事だけではなくプライベートも含めて、いろいろなことに前向きに挑戦していきたいという思いを込めました。
この仕事をうまくやったら次の仕事にもつながる、そんな広がりも含めた社名です。事業の中心になっているのは、自治体向けのシステム開発です。
私は長年、行政領域の仕事に関わってきたので、市民サービスをどうシステム化するかという部分に強みがあります。行政の仕組みや求められることを理解したうえで、現場に合った形で支援してきました。
そのほか、民間企業向けには受発注や在庫管理、売上管理などの基幹系システムにも携わっています。業務を見える化し、より使いやすい形に整えていく仕事です。最近では、DXやAIをどう活用すればよいか悩んでいる企業に向けて、コンサルティングも行っています。
このように事業の幅を広げながら、「あれもこれも」を形にしてきました。
レガシーも最先端も扱えることが、アズウェル株式会社の強み
ー他社との違いや強みはどこにありますか?
うちの強みは、古い仕組みから新しい技術まで幅広く対応できるところだと思っています。昔の汎用機やCOBOLのようなレガシーな領域も扱えますし、今はAIを活用した開発のような新しい分野にも取り組んでいます。
最近は古いシステムをWeb化したり、クラウドに移行したりする流れが強くなっていますが、もともとの仕組みを理解していないと、置き換えもうまく進みません。
その点、古い技術を理解したうえで新しい形へつなげていけるのは、うちの強みのひとつです。
もうひとつは、行政や基幹系システムの現場で長く仕事をしてきたことです。こうした領域は、ただ動けばいいわけではなく、品質や責任が強く求められます。
だからこそ、適当に作るのではなく、責任を持って最後まで受け切る姿勢を大事にしています。
起業初期は、資金面よりも“経営者としての立ち方”に苦労した

ー起業当初に苦労したことを教えてください。
起業当初、資金面で大きく苦労したわけではありません。前職を離れたあとにフリーランスとして仕事をした時期にもある程度の収益があり、起業時には手元資金をもとにスタートできました。
一方で、難しかったのは経営者として前に立つことです。それまで私は、組織の上に立って何かを伝えたり、人前で話したりするタイプではありませんでした。
自分の考えを表現することも得意ではなかったので、会社をつくってからは、技術者として働くのとは違う難しさを強く感じました。
起業すると、仕事ができるだけでは足りません。自分がどう考えているのかを伝え、周囲を引っ張っていく場面が増えます。その部分は、やりながら少しずつ身につけてきた感覚があります。
コロナ禍を経て、組織との向き合い方が変わった
ー経営の転機になった出来事を教えてください。
大きな転機になったのは、コロナ禍です。
起業後、名古屋では売上も順調に伸びていき、ある程度やれている感覚もありました。ただ、東京に出たときに、自分たちよりはるかに大きく動いている会社がたくさんあると実感して、まだまだ足りないと思わされました。
その中でコロナ禍に入り、業績も大きく落ち込みました。数字の面でも厳しかったですし、社員や家族、自分自身とどう向き合うかを考えさせられる時期でもありました。会社を続けることや、組織をどう守るかを、本気で見直すきっかけになったと思います。
ーその経験を経て、会社はどのように変わりましたか?
その時期を通じて、組織とは何かを改めて考えるようになりました。苦しい状況のなかでも会社が続いたのは、社員に支えられた部分が大きかったと感じています。
だからこそ、経営者として何を示すべきか、会社としてどこを目指すのかを、以前より明確にする必要があると考えるようになりました。
ちょうどその時期、事業計画や経営指針の見直しをしたことで、社内に会社の方針や考え方が浸透していきました。
自分たちがどういう立ち位置で、何を大事にして進むのかが整理されてきたことで、会社全体の動き方も変わったと思います。コロナ禍を過ぎてからは増収を続けており、あの時期があったからこそ、今の組織づくりにつながっていると感じています。
信頼を積み重ねる営業が、事業の広がりにつながった
ー創業初期の営業活動や顧客開拓について教えてください。
創業初期の営業は、いわゆる飛び込みや派手な売り込みをしていたわけではありません。もともと行政領域の仕事で大手企業やそのパートナー企業と関わる機会が多く、そのなかで少しずつ信頼関係を築いてきました。
最初は直接取引できない場面もありましたが、決算書がそろってきたタイミングで口座を開いてもらえるようになり、そこから仕事の幅が広がっていきました。
西日本の自治体や企業との関係が深まるなかで、自然と東日本側にも仕事が広がっていったこともあります。営業というより、目の前の仕事をきちんとやることが次の仕事につながっていった、というほうが近いかもしれません。
結果として、それが事業の広がりにつながったと思っています。
ー長く選ばれ続けるために意識していることは何ですか?
長く選ばれるために大事なのは、やはり信頼だと思っています。そのために意識しているのは、相手の話をきちんと聞くことと、頼まれたことを着実にやり切ることです。
納期を守る、レスポンスを返す、約束したことを守る。特別なことではありませんが、その積み重ねが一番大きいと感じています。
私は、無理に自分を大きく見せる必要はないと思っています。大事なのは、できることを誠実に積み重ねていくことです。敵を作らず、相手ときちんと向き合いながら仕事を続けていくことが、結果として長く選ばれることにつながるのではないでしょうか。
経営者に必要なのは、傾聴と謙虚さ、そして誠実さ

ー人との関係づくりで大切にしていることは何ですか?
人との関係づくりで大切なのは、まず相手の話をきちんと聞くことだと思っています。自分の考えを一方的に伝えるのではなく、「それはどういうことですか」「もう少し教えてください」と相手の話を受け止める姿勢が大事です。
私は、最初から自分の武器を全部見せて強く出る必要はないと考えています。自信があるように見せることよりも、相手の話を理解しようとすることのほうが、結果として信頼につながりやすいはずです。
あとは、嘘を言わないことも大事にしています。約束したことを守るのはもちろんですが、わからないことをわかったふりで進めないことも含めて、誠実でいることが関係づくりの土台になると思っています。
ー信頼できる人とは、どう出会ってきましたか?
信頼できる人と出会うために、とにかくいろいろな人に会ってきました。講演会に行ったり、経営者の集まりに参加したりしながら、多くの人の話を聞いてきたと思います。
もちろん、会った人すべてが本当に信頼できる相手になるわけではありません。ただ、そのなかで「この人の言葉は自分に響くな」「この人からは学べるな」と思える人に少しずつ出会ってきました。
苦しい時期に本音で話せる相手や、考えをぶつけ合える相手がいるのは大きいです。そういう関係は最初から簡単にできるものではありませんが、自分から会いに行って、言葉を受け取りにいくなかで築かれてきたのだと思います。
自分だけがよければいいのではなく、周囲にもよい影響を与えたい
ー経営者として大切にしている考え方を教えてください。
私は、自分だけがよければいいとは考えていません。会社を経営する以上、自分の生活だけではなく、社員や取引先、地域、さらに日本の未来を担う世代にもよい影響を与えていきたいと思っています。
そう考えるようになった背景には、30年後の日本をどうしていくのかという意識があります。自分の子どもたちの世代、その先の世代が生きる社会を考えると、今の自分たちが少しでも日本を強く、豊かにする方向へ動かなければならないと感じています。
うちが掲げている「100億円企業を6000社、日本に創出する」という考え方も、単に大きな数字を追いたいからではありません。中小企業がもっと強くなれば、日本全体ももっと元気になるはずです。自分たちの仕事を通じて、周囲や社会によい影響を広げていきたいと考えています。
採用ではスキルを重視しつつ、会社の魅力の伝え方も磨いてきた

ー採用で重視していたポイントを教えてください。
採用では、まず仕事を任せられるスキルがあるかどうかを重視してきました。起業した当初は、会社の規模も大きくなかったので、入ってすぐに現場で力を発揮してもらえる人材が必要だったからです。
実際、その時期は経験のある人材とも出会いやすく、今のマネージャークラスのメンバーもそうした流れのなかで加わってくれました。
ただ、採用環境はずっと同じではありません。当初は募集を出せば自然に人が集まる時期もありましたが、ここ数年はそれだけでは難しくなっています。
だからこそ、単に募集をかけるだけではなく、会社の魅力をどう伝えるかも大事だと感じるようになりました。
スキルはもちろん大切ですが、それだけでなく、会社の考え方や目指す方向に共感してくれるかどうかも重要です。これからは、必要な力を持った人に来てもらうだけでなく、アズウェル株式会社で働く意味をきちんと伝えていくことも必要だと考えています。
社員の働きに還元できる会社をつくるため、働きやすさにも向き合う
ー組織づくりで大切にしている考え方を教えてください。
組織づくりで大切にしているのは、自分が発した言葉に責任を持つことです。うちの会社でも有言実行は大事にしていて、言ったことをきちんとやる姿勢が、会社としての信頼につながると思っています。
また、社長だけがよければいい会社にはしたくありません。会社が成長した分は、社員にも返していきたいと考えています。経営者が外でつながりをつくることも大事ですが、その考えを社内に落とし込み、みんなが同じ方向を向けるようにすることも必要です。
会社の見た目や振る舞いも含めて、信頼される組織であることを意識しています。自分たちがどう見られるかも含めて整えていくことが、結果として働く人にとってもプラスになると思っています。
ー福利厚生や働きやすさの面で意識していることはありますか?
社員に無理をさせることが当たり前の会社にはしたくないという思いがあります。これは、前職で自分自身が厳しい働き方を経験してきたからこそ、強く持っている考えです。
今は土日祝日を休みにして、無理な残業を前提にしないようにしています。もちろん仕事の状況によって残業が出ることはありますが、その分のケアも含めて考えるようにしてきました。
最近は福利厚生の強化にも取り組んでいて、社員の声を拾いながら制度を整えています。働きやすさは採用のためだけではなく、長く安心して働ける環境をつくるためにも必要だと考えています。
地方を元気にする仕組みを、ITで広げていきたい

ー今後5年、10年で実現したい姿を教えてください。
今後5年、10年で実現したい姿としては、まず自治体向けの自社製品・サービスをしっかり広げていきたいと考えています。目標としては、2030年ごろをめどに、全国に1,741ある自治体のうち700団体に導入されている状態を目指しています。
それは単に売上を伸ばしたいからではありません。私は、東京だけが伸びればいいとは思っていなくて、地方も含めて日本全体が元気になっていくことが大事だと考えています。自治体向けの仕組みを広げることで、地域の現場が少しでもよくなり、その積み重ねが日本の力につながっていけばいいと思っています。
今後は、受託だけではなく、自社の製品を持つメーカーとしての色も強めていきたいです。地方の課題や人材不足といった現実に向き合いながら、ITの力で少しでも状況を前向きに変えていける会社を目指しています。
生成AI時代でも、経営者の思考は手放してはいけない
ー現在取り組んでいるAI活用と、生成AIとの向き合い方を教えてください。
今、当社では生成AIを活用した営業支援ツールの開発を進めています。ただ単に業務を効率化するためのツールとしてではなく、企業の中にある知見や情報を蓄積し、ナレッジとして活かせる状態をつくりたいと考えています。
ためたデータを企業の資産として使えるようにすることが、これからのAI活用では重要です。一方で、生成AIに頼りすぎるのは違うとも思っています。
AIは便利ですし、使えば答えも返ってきます。ただ、それをそのまま受け入れるだけでは、自分で考える力が弱くなってしまいます。
経営者にとって大事なのは、AIを使いこなしながらも、自分の頭で判断することです。これからの時代、AIを避けて通ることはできません。
ただ、何でもAI任せにするのではなく、適度な距離感で付き合うことが大切です。便利さを取り入れながらも、最後は自分で考え、自分で決める。その姿勢は、これからも変わらないと思います。
周囲に学び、自分を変え続けることが起業の力になる

ーこれから起業を目指す読者にメッセージをお願いします。
起業しようとすると、不安になることはたくさんあると思います。ただ、過去への不満や未来への不安ばかりを見ていても、物事は前に進みません。大事なのは、今をどう生きるかです。
私自身、ここまで一人でやってきたわけではありません。周りに話を聞ける人がいるかどうかは大きいですし、いろいろな人と会いながら、自分なりに学んでいくことが大切です。ただ、情報が多い時代だからこそ、誰の言葉を信じるかはしっかり見極めないといけません。
また、世の中や他人のせいにしていても、結局は何も変わらないと思っています。変わるべきなのは、まず自分です。
自分を少しずつ変えていきながら、信じたことに一生懸命向き合っていく。その積み重ねが、起業にもつながっていくはずです。
あとは、嘘をつかずに仕事をすることも大事です。派手なことをしなくても、誠実に積み重ねていけば、道は少しずつ開けていくと思っています。
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一度起業すると、資金や従業員の管理、納税など多くの責任を負わなければなりません。過去の成功事例も参考にしながら、自分なりのビジネスを展開できるよう起業アイデアを練ってみましょう。
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