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【株式会社SHIFT AI】シンギュラリティのその先へ。AIビジネスで世界平和に貢献したい

【株式会社SHIFT AI】シンギュラリティのその先へ。AIビジネスで世界平和に貢献したい

生成AIの活用・普及を推進するメディア事業・コミュニティ事業、法人向けのAI活用を支援するコンサルティング事業を展開する株式会社SHIFT AI(シフトエーアイ)の経営者、木内翔大さん。


大好きなゲームを創るために10歳からプログラミングを続けていた木内さんは、初めて触れたAIプログラミングやAI黎明期の技術に大きな感動を覚えます。
その後、シンギュラリティ到来でAI革命が起こることを知った木内さんは、22歳で株式会社侍を創業し、日本初のマンツーマン専門プログラミングスクール 「侍エンジニア塾」を開校しました。


株式会社侍をバイアウトしたあと、「日本をAI先進国に」をビジョンに掲げる株式会社SHIFT AI(旧株式会社10X)を創業し、国内最大級のAI活用コミュニティ「SHIFT AI」をリリース。


フォロワー数7万人を超えるX(旧Twitter)でも大きな影響力を持っている木内さんに、起業までのストーリーや、経営者として大切にしてきたマインドなどをお伺いしました。

INDEX
  1. 木内翔大さんのご経歴
  2. AI時代へのシフトを支援して、日本をAI先進国にしたい
  3. ー現在経営中の会社と事業内容を簡単にお聞かせください。
  4. ー株式会社SHIFT AIという社名の由来をお聞かせください。
  5. 大好きなゲームをつくりたくて、10歳から始めたプログラミング
  6. ープログラミングやAIに興味を持ち始めたのはいつ頃でしょうか?
  7. ーゲーム業界ではなく、IT業界で勝負しようと思った理由を教えてください。
  8. 日本のIT産業を進化させて、シンギュラリティでAI革命を起こしたい
  9. ーAIをビジネスにしようと思ったきっかけをお聞かせください。
  10. ー起業はどのようなタイミングで決意したのでしょうか?
  11. ー株式会社侍では、どのようなテーマでIT人材を育成していたのでしょうか?
  12. ー株式会社SHIFT AIを立ち上げるまで、どのような流れがあったのでしょうか?
  13. 起業がスムーズに進んだ最大の要因は、マーケティングを知っていたこと
  14. ー起業を決意したあと、どのような課題を乗り越える必要がありましたか?
  15. ー経営者になる前、マーケティング能力をどのように養ったのでしょうか?
  16. ー資金調達に関して苦労した点があればお聞かせください。
  17. ー具体的にどのような金融機関から資金調達を行なったのでしょうか?
  18. ー起業前に準備しておいて良かったこと、活用して良かったものを教えてください。
  19. 唯一無二のメディアとAIコミュニティを通じて、競合優位性を確立する
  20. ーSNSを活用した認知拡大とコミュニティ拡大において、成功の秘訣とは何でしょうか?
  21. ー株式会社SHIFT AIの独自性や強みはどこにあるとお考えでしょうか?
  22. ー現在取り組んでいる新たなビジネスがあればお聞かせください。
  23. ビジネスも人生も死にゲー化するスタンスで会社を成長させたい
  24. ー経営者として大切にしている座右の銘があれば教えてください。
  25. ーご自身の経営者としてのスタンスをお聞かせください。
  26. ー死にゲーとは、簡単に説明するとどのようなジャンルなのでしょうか?
  27. 世界平和のためにシンギュラリティを早く起こしたい
  28. ー会社のメンバーに対する大切なマインドセットがあればお聞かせください。
  29. ー世界平和というテーマは、経営者になった頃から大切にしてきたものでしょうか?
  30. ー株式会社SHIFT AIとご自身の将来ビジョンをお聞かせください。
  31. ー会社の成長と共に、どのように社会に貢献したいとお考えでしょうか?
  32. 自分の人生を自分で創るためにも、何かを回し続ける経験が大切
  33. ー起業して良かったと思えた瞬間をお聞かせください。
  34. ー経営者を目指す上で大切な要素とは何でしょうか?
  35. ー起業を目指している読者に対して、最後にメッセージをお願いします。
  36. 起業や独立に興味を持ったら、まずは「起業の窓口」に登録してみよう!

木内翔大さんのご経歴

  • 大学時代からフリーランスのWeb/AIエンジニアとして3年間活動。
  • 2015年3月19日:株式会社侍を創業。日本初のマンツーマン専門プログラミングスクール 「侍エンジニア塾」を開校。後に会社売却。
  • 2022年3月18日:株式会社10Xを創業。AI系SNS事業、AIメディア事業、コミュニティ事業を展開。
  • 2023年6月:社名を株式会社10Xから株式会社SHIFT AIへ変更。国内最大級のAI活用コミュニティ「SHIFT AI」をリリース。

AI時代へのシフトを支援して、日本をAI先進国にしたい

ー現在経営中の会社と事業内容を簡単にお聞かせください。

私が現在経営しているのは、株式会社SHIFT AI(シフトエーアイ)という会社で、大きく3つの事業を展開しています。

1つ目は、生成AIの活用と普及を推進するためのメディア事業です。合計8万人のフォロワーがいるX(旧Twitter)をメインとして情報発信をしています。

2つ目は、生成AIの活用・普及を推進する人材を育てるコミュニティ事業です。現在、1,600名ほどの会員と共に生成AIの利用方法を実践ベースで学んでいるところです。
AI人材育成のための教材が30〜40時間分ほどあって、毎月10回のウェビナーも開催しています。ウェビナーアーカイブは100回分以上残っています。

3つ目は、生成AIの法人利用を支援するための研修・コンサルティング事業です。企業では、経営者、AI活用担当者、従業員などで学ぶべきことが異なるので、それぞれのレイヤーに適した研修にカスタマイズしてスキルの習得を支援しています。

ー株式会社SHIFT AIという社名の由来をお聞かせください。

SHIFT AIというのは、ChatGPTに提案してもらった社名です。ChatGPTと「こんな事業をやっている」という会話をして、社名の候補を50個くらい出しました。

数ある候補のなかでも、SHIFT AI(シフトエーアイ)という響きが特に気に入ったというのが、この社名を採用した理由です。

同時に、サブタイトルやコンセプトのアイデアもChatGPTに考えさせたところ、「AI時代にシフトする」という案が浮かびました。

今後、企業だけではなく、個人もAI時代にシフトする必要性があります。AIの普及によって職を失う可能性がありますし、将来のキャリアを真剣に考えなければならないんです。

AI時代にシフトするというのは、まさに弊社に相応しいコンセプトだと思いましたし、「日本をAI活用先進国に」という大きな目標を掲げて活動しています。

大好きなゲームをつくりたくて、10歳から始めたプログラミング

ープログラミングやAIに興味を持ち始めたのはいつ頃でしょうか?

AIプログラミングに初めて触れたのは、15歳のときでした。

プログラミング自体は10歳から始めていて、ゲーム大好きっ子だった自分に「ゲームを作ったらいいじゃん」と周りの人たちが勧めてくれたんです。「ゲームって作れるんだ!」というところが、起業を目指す原点でしたね。

でも、当時はプログラミングを教えてくれる人が周りにいませんでした。ですから、独学での成長にものすごく時間がかかりました。それでも、1年くらいでプログラミングをマスターして、中学、高校、大学とプログラミングを継続していきました。

15歳になって、ゲームのキャラをAIで動かす簡単なルールのプログラミングと出会い、AIに興味を持つようになりました。

ーゲーム業界ではなく、IT業界で勝負しようと思った理由を教えてください。

AIプログラミングを始めたあと、ディープラーニングの前史であるニューラルネットワークや遺伝的アルゴリズムなどのAI黎明期の技術に触れて、ものすごく感動したことを覚えています。

起業を志す機会が訪れたのは、18歳の頃です。当時、ゲームディレクターや監督になることを夢見ていましたが、ソーシャルゲーム市場が大いに盛り上がっていたんです。

ソーシャルゲームに大きな予算が流れていくなかで、大型コンシューマーゲームのタイトルをつくって「世の中に感動を生む」「世界を救う」というのは、現実的に難しいと感じていました。

まだ18歳だった自分は、「50歳くらいのベテラン監督と戦っても勝てるわけがない」と考えていました。そして、「ITサービスなら、若手でも世界を変えることができるかもしれない」と思い、ITの世界に足を踏み入れたんです。

日本のIT産業を進化させて、シンギュラリティでAI革命を起こしたい

ーAIをビジネスにしようと思ったきっかけをお聞かせください。

ITの世界で勝負しようと考えるようになってから、2,000冊くらいの本を読みました。沢山の本を漁るように読んでいるなかで、「イーロン・マスク伝記」と出会い、起業家を目指す転機が訪れました。

AIに関して衝撃を受けたのは、レイ・カーツワイル氏の「シンギュラリティは近い」という本です。AIの進化が人類の生き方をすべてを変えてしまうということが書かれていました。当時、ニューラルネットワークや遺伝的アルゴリズムなどの知識があったので、これがさらに進化すれば、当然人間の脳を超えることもあるだろう、と理解していました。

他に読んだ本では、シンギュラリティによって産業がどのように変わっていくのかという話が書かれていました。たとえば、雇用が失われて大不況になった場合、構造的にベーシックインカムをしないと立ち行かなくなります。そして、ベーシックインカムによって働かなくてもいい環境ができて、ユートピアの世界を創れるようになるという話です。

シンギュラリティでAI革命を早く起こしたいと思った私は、21歳くらいの頃から日本のITエンジニアを増やすことを考えるようになりました。IT産業の進化にはAIが不可欠ですし、だからこそ、日本のITエンジニアをもっと増やして進化を加速させるべきだと考えました。

ー起業はどのようなタイミングで決意したのでしょうか?

もともとプログラミングをマスターしていましたし、そのスキルを個人で教える家庭教師的なところから始めました。最初は完全に個人で対応していたんですが、申し込みが殺到しまして。そこで、100名規模くらいのプログラミングスクールを開設することに決めました。

2015年頃、スクールの規模が大きくなってきた時期に「そろそろ法人化しなければならない」と思い、株式会社侍を立ち上げました。侍で運営していたのが、日本初となったマンツーマンオンラインプログラミング塾の「侍エンジニア塾」です。

侍では、組織化、資金調達、バイアウトなどの経験を経て、紆余曲折ありながらも9年間かけてひとつの形にできました。現在は、生徒数が4.5万人以上の規模のスクールに成長していて、自由に働けるフリーランスエンジニアを育てるスクールも始まっています。

プログラミングスクールやプログラミング教育は、今や世の中で当たり前の存在になりましたよね。この10年間で、プログラミングスクールの文化を一通りつくれたと思いますし、やるべきことをやったので最終的にバイアウトしました。

ー株式会社侍では、どのようなテーマでIT人材を育成していたのでしょうか?

起業の意識が芽生えたときから、「個人が自由に生きること」に関心がありました。10代、20代の頃は、「自分が自由になること」がテーマでしたし、侍では「手に職をつけ、活躍して自由になろう」という部分に注力してきました。

もともとゲームをつくり始めたのも、ゲームというエンターテインメントを通して人に気づきを与えて、その人をインスパイアする。そして、「幸福度を高めたい」「個人の価値観を変えたい」という想いがあったからです。

「個人が自由に生きる」というテーマとAIは、めちゃくちゃ相性が良いと思います。

経済的な問題や物理的な課題があれば、AIやロボットが解決したり保護したりしてくれます。そうなると、無理に働いてお金を稼ぐ必要がなくなり、みんな自分が好きなことをやって生きられる時代が来るのも夢じゃなくなるんです。

ー株式会社SHIFT AIを立ち上げるまで、どのような流れがあったのでしょうか?

侍をバイアウトしたあとの2年間は、ビジネス系のコーチングスクールやキャリアスクール、副業スクールなどをやりたいと考えて動いていました。

その準備したり検証したりしているとき、ChatGPTがリリースされたんです。これまで、シンギュラリティ到来まで45年といわれてきましたが、ChatGPTの誕生でおそらく10年以上早まるだろうと感じ取りました。

「これは急いでシンギュラリティ時代の教育をしなければ、エンジニアどころか企業も迷ってしまうだろう!」と思い、新たなAIビジネスに着手し始めたんです。

ChatGPTが公開されたのは、2022年11月でしたが、実際に触れたタイミングは少し遅かったです。それでも、2023年1月からX(旧Twitter)でChatGPT関連の情報発信を始めて、そしてバズり、フォロワー数は3ヶ月間で一気に5万人くらい増えました。

その後、様々な方面の人からご相談を受けるようになり、ChatGPTの活用に関する本格的な課題感が明らかになってきました。

あるとき、ChatGPTの活用率で日本がアメリカに圧倒的な差をつけられていることがわかりました。そこで、日本の企業も個人もAIにシフトする必要性があると感じて、生成AIの活用・普及を支援する株式会社SHIFT AIを立ち上げることに決めたんです。

コミュニティ型プラットフォームを活用した教育のビジネスモデルの構想はすでにあったので、SHIFT AIではAIに特化してやってみようという流れになりました。


起業がスムーズに進んだ最大の要因は、マーケティングを知っていたこと

ー起業を決意したあと、どのような課題を乗り越える必要がありましたか?

起業に必要な書類作成や手続きは、個人事業主の頃から税理士事務所などを通して行なっているので、スムーズに進みました。手続き以外のところで起業がスムーズに進んだ最大の要因は、マーケティングを知っていたことです。

起業の最大の壁は、資源や売上だと思います。その壁を乗り越えるためには、マーケティング能力や営業力が重要になります。プロダクトの力だけで乗り越えるのは、極稀なケースだと思います。

ー経営者になる前、マーケティング能力をどのように養ったのでしょうか?

大学時代、マーケティングや個人の起業に関する経営塾に通っていました。

フルで大学に在籍はしていたものの、2年間通い、2年間は休学していました。最終的に中退したんですが、「どうせ辞めるなら、大学生らしいことをしよう!」と思い、学生イベントをやりました。その頃から、無理な課題を目標にするのが好きだったんです。

4ヶ月後にお客さんを1,000人集客するという目標を立てたイベントでしたが、実際には250人ほどしか集まりませんでした。それでも、3人くらいで運営していたイベントだったので、頑張ったほうだとは思います。本来、集客母体をつくって人を集めるなどのやり方が沢山ありました。でも、当時は集客について何もわからず、結局赤字になってしまったんです。

集客の悩みを解決したいと思っていたところ、先輩からマーケティングや起業に関する塾を運営している経営者の方を紹介していただいたんです。当時、私は19歳でしたが、月2万円くらいの良心的な塾だったので参加してみました。

塾で教えていただいたのは、主にB2C向けのWebマーケティングです。具体的にはダイレクトレスポンスマーケティングで、株式会社侍の立ち上げや株式会社SHIFT AIの立ち上げにも取り組みました。

その経営者の方とは、そこから10年くらいのお付き合いがあって、今でもメンターとしてお世話になっています。

ー資金調達に関して苦労した点があればお聞かせください。

資金調達は当然経験がないことでしたし、最初は自分の力で行いました。そのあとは、FAやコンサルテーションなど、プロの方々に協力してもらいました。

経営には波があって、良いときもあれば悪いときもあるんです。良いときに資金調達をして、手元にある資金を厚くしていけばいいんですが、未経験だと経営が悪くなってから急いで資金調達をしてしまうんですよ。

そうなると焦りも出てきますし、精神的な負荷が高い作業になります。資金調達をしている間に事業がグロースするかと言ったらまた別の話です。起業したての頃は、資金調達を自分でやるしかなかったですし、攻めと守りのバランスを取るのが大変でしたね。

ー具体的にどのような金融機関から資金調達を行なったのでしょうか?

初期の資金調達は、信用金庫で保証協会付きの借入を自分で行いました。

それから2、3年後、10庫くらいから合計2、3億円の資金を集めました。複数庫借入という形ですね。そのときは、資金調達のプロの方に相談して、資金調達の方法や戦略に関するアドバイスをもらいました。

ある意味、会社売却も資金調達の一環と言えます。会社売却のときは、FAを利用して、M&A仲介業者に売却の交渉をお願いしました。その結果、交渉が成功して、会社の株式を51%売却することができました。

ー起業前に準備しておいて良かったこと、活用して良かったものを教えてください。

起業に関する塾でマーケティングを学んだこと、そして起業に関する本を読んで起業論を理解したことですね。

大学生のときに通っていた経営塾は、中小規模の起業塾でもあったので、ビジネス全体の組み方や、経営者、起業家としてのマインドセットなども教えていただけました。

18歳の時点で、スタートアップ系の起業論は全部おさえていましたし、アメリカの起業スタイルに関しても翻訳された本を読んで勉強していました。ですから、起業論がすでに自分のなかにあったんです。

起業するなら、プロダクトも重要です。私の場合、無形商材を扱ってコンサルティングやコーチング、トレーニングを提供するためのネタをすでに持っていたのが大きかったです。

あとはプランニングスキルですね。プランニングスキルがあれば、Webサイトをつくって起業することもできます。

実は、過去にシリコンバレーに行った経験があって、そこで現実を見たとき、日本とはレベルが違いすぎてやる気がなくなってしまったことがあったんです。それなら、「自分にはプロダクトを提供するスキルがあるし、できることからやろう」と思い、スタートアップではなく、塾で教えてもらったスモールビジネスでスクールを始めました。

唯一無二のメディアとAIコミュニティを通じて、競合優位性を確立する

ーSNSを活用した認知拡大とコミュニティ拡大において、成功の秘訣とは何でしょうか?

SNSやメディアは、起業する前から意図的に活用しておいたほうがいいと思いますね。

私の場合、オーガニックメディアを持つことが非常に大事だと理解していたので、前職ではメディアでボトムの利益を確保していました。ですが、当時はSEO対策に頼っていたので、自分に影響力がついていませんでした。その結果、会社売却をしたあとに何も残らなかったんです。

採用の優位性を考えたときに、どう考えても社長個人に影響力があったほうが良いなと思いました。実は、SHIFT AIを立ち上げる前からX(旧Twitter)の運用に毎月100万円ほどかけていました。そのタイミングでAIネタができてバズった形です。偶然バズったのではなくて、相当な準備をしてバズらせたということです。

起業するのであれば、最初の集客と採用において会社のブランディングが重要になります。小さい会社って、社長がブランドになるんですよ。つまり、社長がSNSで強力な影響力を持っておくと、会社のブランディングで大いに有利になるということです。

自分の起業する領域において専門家になることができるのであれば、SNSやメディアを活用した準備はやっておくべきだと思います。

ー株式会社SHIFT AIの独自性や強みはどこにあるとお考えでしょうか?

SHIFT AIの強みは、まずメディアとして強いことです。X(旧Twitter)経由で沢山のお問い合わせをいただいていますし、競合優位性があり、参入障壁になっていると思います。

AI業界の人とつながれるコミュニティも弊社の強みです。コミュニティというと語弊があるかもしれませんが、AI人材を育てるためのスクールを運営していて、現在7つあるコースを年内に20本まで増やす予定です。

一つひとつのコースがスクールになっていて、プロンプトエンジニア養成コースなら、スキル教育からプロンプトエンジニアとして自分で仕事を獲得するところまで教育しています。

AIライターコースでは、Claude(クロード)とPerplexity(パープレキシティ)を使って、合計1万文字、記事単価1万円の記事を1時間で書けるスキルを取得させています。

このようなコースをすべて受けられるスクールになっているので、大学のようなイメージですね。価格は非公開ですが、毎月1万円から入校できるようにしているので、相当強いモデルになっています。

また、スクールを卒業して終わりではなくて、AI人材として活躍してもらうために、AIコミュニティも提供しています。AIコミュニティでは、毎月10本のウェビナーを開催していて、今後30本まで増やす予定です。オフ会も毎月数回開いていて、GMOさんともコラボさせていただいています。

弊社には、無数のAI人材の教育コンテンツがあるので、法人向けの研修で階層ごとに分けて提供できるのも強みです。

ー現在取り組んでいる新たなビジネスがあればお聞かせください。

今後リリース予定なのが、AI人材のマッチングプラットフォームです。弊社のスクールで講師を担当しているパートナー企業様などから、AI人材の求人をいただき、SHIFT AIメンバーとマッチングさせようというサービスです。

SHIFT AIはスクールでありながらも、ずっと情報収集をし続けられるコミュニティであり、案件を紹介してもらえる求人プラットフォームの機能も備わっています。AI人材を目指すなら、相当恵まれた環境だと思いますね。

ビジネスも人生も死にゲー化するスタンスで会社を成長させたい

ー経営者として大切にしている座右の銘があれば教えてください。

座右の銘を挙げるなら、「調子に乗らないこと」です。経営者をやっていると、どうしても調子に乗ってしまう時期があって、そういうときに必ず下手をこくんです。ですから、上手く物事が進んでも調子に乗らないようにしていますね。

ーご自身の経営者としてのスタンスをお聞かせください。

ビジネスも人生も「死にゲー化すること」です。

ゲームが大好きでずっとゲームをつくってきましたが、そのなかでも「死にゲー」と呼ばれるジャンルが特に好きなんです。死にゲーというジャンルができたのは15年前ほどで、今では大人気のジャンルになっています。

海外でも大きく成長しているジャンルですが、もともとはフロムソフトウェアの宮崎英高さんという監督が、「Demon’s Souls(デモンズソウル)」という作品から築き上げたものです。

その後、DARK SOULS(ダークソウル)やBloodborne(ブラッドボーン)などのタイトルが誕生して、最新作の「ELDEN RING(エルデンリング)」は、全世界で2,000万本以上売れているビッグタイトルとなりました。

これらの流れから「ソウルライクなゲーム」というジャンルが確立されました。

ー死にゲーとは、簡単に説明するとどのようなジャンルなのでしょうか?

死にゲーはアクションRPGでありながら、なぜか1面をクリアしないとレベルアップできないあり得ない仕様なんですよ(笑)1面をクリアするまでに、平気で100回、200回と死にますし。普通のマインドの人間ではクリアできないゲームなんですが、自分はその仕様にどっぷりハマり、洗脳されています。

死にゲーは、基本的に無理をするのが前提です。ですから、「普通のことをやっても何も面白くない!」というスタンスで、ビジネスや人生を死にゲー化させていますね。

SHIFT AIは、前期から今期まで10倍成長ですし、今期も10倍成長できるだろうと考えています。もちろん来期もです。

SHIFT AIは、もともと10X(テンエックス)という名前の会社でした。前職では、10億、20億というように成長できたので、100億、200億というところを目指すという意味合いで、10Xという社名にしました。

今はAIの追い風があるので、1,000億、2,000億を売り上げる会社をつくりたいんです。ですから、今期10倍、来期10倍を目指す死にゲーを自分でセットしています。

世界平和のためにシンギュラリティを早く起こしたい

ー会社のメンバーに対する大切なマインドセットがあればお聞かせください。

「今やっていることが、世界平和につながる」という大きなミッション、ビジョンを見せることです。スタンスと関連する話ですが、私のなかに「世界平和」というベースがあります。

8歳の頃から、「世の中になぜ戦争があるのか」という話題を父と話すようになりました。父からは「エネルギー問題や利権問題があるから戦争が起こる」「核融合エネルギーを開発すればエネルギーがフリーになるから、利権構造も崩れていく」と教えられました。

「それなら、核融合エネルギーをつくりたい!」と、当時8歳ながら考えたんです。プログラミングと出会う頃にはその考えも忘れていましたが、18歳でシンギュラリティと出会ったとき、「これって核融合エネルギーでもいいじゃん」と思ったんです。スーパーAIをつくり、そのスーパーAIが核融合エネルギーを設計したほうがいいという考えですね。

色んな科学技術が一気に進化するのがシンギュラリティの特徴なので、それによって利権が崩れるとみんなが幸せになれる世界を創れるんです。

つまり、世界平和のためにシンギュラリティを早く起こしたいんです。世界平和という言葉を使っているのは、わかりやすく説明するためであって、単純に「人類を進化させたい」という願いがあります。

ー世界平和というテーマは、経営者になった頃から大切にしてきたものでしょうか?

株式会社侍の頃から世界平和を謳ってきました。世界平和を実現するためには、IT産業を進めないといけない。でも、それにはITエンジニアが必要。だからこそ、あなたたちが今やっていることが世界平和につながるという話をずっとしてきました。

大きなミッション、ビジョンを示すことで、「自分の一個一個のタスクが社会を少しでも良くすることにつながる」という実感を持たせられます。このマインドセットこそが、弊社の優位性を生み出す要因になっているんです。

一般的なマネジメントにももちろん注力していますが、どちらかというと、パーパスやビジョンを見せることを弊社では大切にしています。

ー株式会社SHIFT AIとご自身の将来ビジョンをお聞かせください。

会社としてよくある話ではありますが、「日本をAI先進国に」というビジョンを実現させることです。

近年における企業でのAI利用率は、10〜20%程度とかなり低いです。ですから、この先5年くらいで急いで80〜90%程度に上げなければならないと考えています。

SHIFT AIでは、AI人材を増やして色んな企業のAI業務を担当させること、AIを導入したい企業を直接支援すること、AIスタートアップ企業を支援してAIを推進するプレイヤーを増やすこと、この3つを事業の柱としています。

今後5年間でAIの利用率が5倍くらい上がった場合、日本はかなり変わっているでしょうし、私たちの会社も相当大きくなっていると思います。具体的には、B2Cで数百億円、BtoBで1,000億円規模の会社をつくり、時価総額1兆円を目指していきたいです。

ー会社の成長と共に、どのように社会に貢献したいとお考えでしょうか?

経済的な成功というよりは、目標とする事業規模を持てたときに、日本のAI活用の中心に私たちがいて、みなさんに貢献したいという想いがあります。

それには、相応のインフラが必要になります。AI人材という人的インフラ、あとはコミュニティなら数万人規模、企業なら1万社以上のネットワークを持ちたいです。

強大なネットワークを持てた場合、国や大企業がAI時代に適応して次の戦略を打つとなったときに、「それならSHIFT AIと組みましょう」という状況が生まれると思っています。

国レベルで日本ビジネスの根本に貢献できるようになるためにも、通過点として現在の生成AI活用を推進するメディア事業、AI人材を育成するコミュニティ事業、法人のAI活用を支援するコンサルティング事業に取り組んでいます。

10年後、15年後の日本は働く必要がなくなってしまうと思うので、そうなったら私は家でずっと死にゲーをプレイしていたいですね(笑)

自分の人生を自分で創るためにも、何かを回し続ける経験が大切

ー起業して良かったと思えた瞬間をお聞かせください。

自分が主人公となって、社会に貢献できていること、人を喜ばせられていることをダイレクトに感じられるようになったのは、経営者になって良かった点ですね。

学生時代、文化祭のお祭り男と呼ばれるくらい文化祭が好きだったんです。40名のクラスをまとめて、面白い出し物をつくったり屋台をつくったり、とにかく色んなことに携わっていました。

経営って、文化祭と似ているんですよ。ですから、大好きだった文化祭をずっとやり続けられている感覚はすごく楽しいですね。

ー経営者を目指す上で大切な要素とは何でしょうか?

これから経営者を目指すなら、「自分の人生は自分で創っていく」というマインドセットや、主体性を持つことが大切だと思います。

自分で人生を創っていこうと思ったら、必然的にビジネスの成功が課題になりますし、そこで手段として出てくるのが起業や経営です。

スキル面に関しては、「何かをひたすら回し続ける経験」を積んでおくことが大事です。

私の場合、PCを10年、20年と回し続けながら経営してきましたし、これから経営者を目指すならPCを鬼ほど回せる経験を学生時代、もしくはサラリーマン時代に積んでおいたほうが良いと思います。

実は死にゲーの良いところって、PDCAを鬼ほど回せるようになることなんです。敵がどこから出てきて、どういうパターンで攻撃してくるのかを覚えないと勝てない仕様になっていますから。これはプログラミングと共通している部分もありますね。

ー起業を目指している読者に対して、最後にメッセージをお願いします。

AI時代が本格的に到来したとき、基本的に自分で仕事をつくっていかないと構造的に仕事がなくなってしまいます。

ですから、誰しもが会社の代表や起業家、あるいは個人事業主となってAIを使い、AIに働かせながらビジネスをしていくのが当たり前の世界になります。人を雇わなくても大きなビジネスに挑戦できますし、そういった意味では良い時代に向かっていると思うんです。

これからAIを勉強したいのであれば、SHIFT AIもありますし、この千載一遇のチャンスを掴み取ってほしいですね!

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