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【会社設立 目的 事例集】業種別12カテゴリ・コピペ即活用サンプル80選|許認可文言・包括条項・5年計画まで一気通貫テンプレート

【会社設立 目的 事例集】業種別12カテゴリ・コピペ即活用サンプル80選|許認可文言・包括条項・5年計画まで一気通貫テンプレート

会社設立の定款『目的』欄は、たった1回の書き漏らしで登録免許税3万円+専門家報酬の追加コストや、許認可・融資審査での減点に直結します。

本記事では業種別12カテゴリ・80超の文例、許認可必須文言、包括条項、5年計画の盛り込み方を、法務省・国税庁・e-Gov・公証人連合会の公的情報に基づき一気に整理しました。

【この記事のまとめ】
  • 定款の事業目的は「適法性・営利性・明確性」の3原則を満たす必要があり、業種別文例を参考に本業3〜5個・将来事業1〜2個・包括条項1個の合計5〜8個で組み立てるのが実務上の推奨です。
  • 許認可業種(建設業・飲食業・宅建業・介護など)は業法の条文と一致する文言を記載しないと許認可申請で差し戻され、目的追加の変更登記には登録免許税3万円と専門家報酬5〜10万円が都度必要になります。
  • 2026年1月施行の改正行政書士法により定款作成代行は行政書士の独占業務と明文化され、無資格者へ依頼した場合は依頼者側も両罰規定の対象となるリスクがあるため、依頼先の資格確認が必要です。
INDEX
  1. 定款『目的』を決める前に押さえる3つの基本ルール
  2. ルール①適法性:違法・公序良俗違反は公証人に差し戻し
  3. ルール②営利性:利益追求と矛盾しない事業内容
  4. ルール③明確性:第三者が読んで業種が一目で分かること
  5. 業種別事例集 IT・Web・SaaS編(コピペ即活用テンプレ8文例)
  6. 業種別事例集 飲食・小売・EC編(コピペ即活用テンプレ10文例)
  7. 業種別事例集 不動産・建設・士業隣接編(コピペ即活用テンプレ8文例)
  8. 業種別事例集 サービス・教育・医療関連・介護編(コピペ即活用テンプレ12文例)
  9. 許認可業種の必須文言マトリクス(業種×法令×文言の早見表)
  10. 5〜10個に絞るか?将来事業も入れるか?目的数の決め方
  11. 包括条項『前各号に附帯関連する一切の事業』の効果と限界
  12. NG表現・差し戻し事例 公証人が止める3類型
  13. 類型①違法・公序良俗違反
  14. 類型②曖昧表現
  15. 類型③無資格・許認可未取得業種の単独記載
  16. 銀行口座開設・融資審査で『目的』が見られるポイント
  17. 法人口座開設審査:マネロン対策で事業内容の整合性が見られる
  18. 日本政策金融公庫の創業融資:『何屋か』『現実的に売上が立つか』
  19. 取引先審査:登記簿閲覧で目的欄が確認される
  20. 設立後フロー:定款認証→登記→住所→口座→Webサイト
  21. ステップ①電子定款で印紙税4万円節約
  22. ステップ②公証役場で認証
  23. ステップ③法務局で設立登記
  24. ステップ④バーチャルオフィスで本店所在地確定
  25. ステップ⑤法人口座開設
  26. ステップ⑥コーポレートサイト構築
  27. 司法書士・行政書士・税理士の役割分担と2026年1月行政書士法改正
  28. 司法書士:登記申請代行(司法書士法第73条)
  29. 行政書士:定款作成代行・許認可申請(2026年1月改正対応)
  30. 税理士:税務署届出・節税相談(税理士法第2条)
  31. 自分で作るのは原則OK(無報酬)
  32. V-Spirits無料相談:5資格による1時間レビュー
  33. 変更登記コストを避けるための『将来5年事業』設計手順
  34. 売上目標から逆算する事業展開
  35. 事業計画書と定款の整合性
  36. 5年以内に着手する事業を先取り
  37. 事業目的に関するよくある質問
  38. Q1. 事業目的はいくつまで書ける?
  39. Q2. 事業目的に書いてはいけないことは?
  40. Q3. 後から追加するには費用はいくら?
  41. Q4. 許認可必要業種の文言はどう確認する?
  42. Q5. 合同会社と株式会社で書き方は違う?
  43. Q6. 目的を後から削除したい場合の手続きは?
  44. Q7. 包括条項だけで全部カバーできる?
  45. Q8. 電子定款で印紙税は本当に0円?
  46. まとめ:『5年計画+業種別文例+包括条項+公的引用』で1回完結
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定款『目的』を決める前に押さえる3つの基本ルール

結論からお伝えすると、定款の事業目的は「適法性・営利性・明確性」の3原則を満たさなければ公証人による認証が下りません。この3原則は会社法第27条で絶対的記載事項とされる目的欄に対し、実務上の運用基準として日本公証人連合会が長年踏襲してきた審査ポイントです。当グループの3,000件超の支援現場でも、3原則のいずれかを欠いて差し戻しになるケースは年間数十件発生しています。

3原則の中身を把握しないまま競合の登記簿をコピーして使うと、業種が違うのに同じ文言を流用してしまい、公証人から「貴社の実態に合致しないため修正してください」と差し戻される典型パターンに陥ります。まずは下記3つを順番に押さえてから業種別文例に進んでください。

定款『目的』を決める前に押さえる3つの基本ルール

ルール①適法性:違法・公序良俗違反は公証人に差し戻し

賭博・売春斡旋・無資格でできない医療行為・薬機法違反になる無認可医薬品販売など、刑罰法令や公序良俗に反する事業は目的に書けません。会社法第30条と公証人法に基づき、公証人は適法性を確認したうえで認証を行います(出典:法務省 商業・法人登記Q&A https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00099.html)。

ルール②営利性:利益追求と矛盾しない事業内容

株式会社・合同会社は営利法人ですから、純然たるボランティア活動・寄付活動だけを目的にすることはできません。社会貢献事業を組み込みたい場合は「収益を伴う〇〇事業」という形で営利性を明示するか、別途NPO法人を設立する方法が一般的です。

ルール③明確性:第三者が読んで業種が一目で分かること

「一切の商業活動」「あらゆる事業」のような抽象表現は明確性を欠くため認証されません。逆に技術用語が過剰でも「読み手が業種を特定できない」と判断される場合があります。一般用語+業界用語のバランスを取り、登記簿閲覧者(取引先・銀行・税務署)が即座に業種を理解できる文言にしてください。

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

当グループの支援現場で多い差し戻し原因は、ほぼ「明確性不足」と「適法性違反」の2つに集約されます。最初のドラフト段階で「中学生がこれを読んで何屋か分かるか」を自問するだけで、差し戻しリスクは大きく下がる傾向があります。

業種別事例集 IT・Web・SaaS編(コピペ即活用テンプレ8文例)

IT業界は許認可が原則不要なため自由度が高い反面、「情報処理サービス業」「コンピュータソフトウェアの企画・開発・販売」「インターネットを利用した各種情報提供サービス」など似た表現が乱立しています。下記の代表文例から自社業務に近いものを2〜4個ピックアップし、5年後にやりたい事業を1〜2個追加するのが実務上のスタンダードです。

  1. コンピュータソフトウェアの企画、設計、開発、販売及び保守
  2. インターネットを利用した各種情報提供サービス
  3. Webサイトの企画、制作、運営及び広告代理業務
  4. クラウドサービス・SaaS型業務システムの開発及び提供
  5. 人工知能、機械学習、データ分析に関するソフトウェアの開発
  6. ITコンサルティング及びシステム導入支援業務
  7. デジタルマーケティング、検索エンジン最適化(SEO)及び広告運用代行
  8. 電子商取引(EC)サイトの構築、運営及び物品の販売

freeeが運営するメディアによれば、株式会社の事業目的は「5〜10個程度」が実務上のスイートスポットとされています(出典:freee https://www.freee.co.jp/kb/kb-launch/business-purpose-8-rule/)。IT・Web系の起業家は、受託開発から自社プロダクトへ事業を広げる傾向が強いため、上記8文例から目的を組み立てる際は「受託」と「自社」の両軸を入れておくと、後の事業転換時に変更登記が不要になります。

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

「情報処理サービス業」と「コンピュータソフトウェアの企画・開発・販売」は似て非なるものです。前者はデータ入力・運用代行を含み、後者はライセンス販売・パッケージ販売を主にカバーします。受託開発主体なら後者、BPO的な運用代行も視野にあるなら両方を併記する判断が当グループでは一般的です。

業種別事例集 飲食・小売・EC編(コピペ即活用テンプレ10文例)

飲食業は食品衛生法の営業許可、小売業の中でも酒類販売は酒税法の販売業免許、ECは特定商取引法の表記義務など、業法との接続点が多い分野です。許認可申請時に「定款の目的に該当事業が記載されていない」と差し戻されるケースが頻発するため、本業+関連許認可業種をセットで記載することを推奨します。

  1. 飲食店及び喫茶店の経営
  2. 食品、酒類、たばこの製造、加工及び販売
  3. 移動販売車両(キッチンカー)による飲食物の販売
  4. テイクアウト及びデリバリーによる飲食物の販売
  5. 衣料品、雑貨、日用品の小売及び卸売
  6. インターネットを利用した物品の通信販売
  7. 輸入雑貨・海外ブランド商品の輸入及び国内販売
  8. 越境ECサイトを利用した海外への商品輸出
  9. 古物営業法に基づく古物の売買、交換及びリサイクル業
  10. 化粧品、健康食品、医療機器の販売(必要な許認可を取得のうえ)

小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金など、中小企業庁所管の補助金は申請時に「補助対象事業が定款の目的に含まれていること」を要件にすることが多くあります(出典:中小企業庁 ミラサポplus https://mirasapo-plus.go.jp/)。将来の補助金活用を視野に入れる場合は、補助対象になりやすい「商品の企画・開発・販売」「市場調査」「販路開拓支援」などの周辺事業も入れておくと有利です。

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

飲食業で「食品の製造販売」とだけ書いて喫茶店営業許可が下りなかった事例が当グループで複数あります。喫茶営業と飲食店営業は食品衛生法上、別の業態として扱われるためです。許認可業種は監督官庁(保健所・税務署等)に事前確認するか、V-Spirits無料相談で文言レビューを受けるのが安全です。

業種別事例集 不動産・建設・士業隣接編(コピペ即活用テンプレ8文例)

不動産業(売買・賃貸仲介)は宅地建物取引業法の免許、建設業は建設業法の許可、産業廃棄物の収集運搬は廃棄物処理法の許可など、業法と定款目的の整合性が許認可審査の前提になります。文言が業法の用語と一致していないと、申請書類が受理されないことがあります。

  1. 宅地建物取引業(売買、賃貸、仲介、管理)
  2. 不動産の管理及びサブリース業務
  3. 不動産投資ファンドの組成及び運営
  4. 建築工事、土木工事、リフォーム工事の設計、施工及び監理
  5. 内装工事、電気工事、給排水衛生工事の請負
  6. 産業廃棄物の収集、運搬、処分業務
  7. 経営コンサルティング、財務コンサルティング業務
  8. 各種申請書類の作成支援(行政書士業務に該当する事項を除く)

宅建業免許の申請は都道府県知事免許または国土交通大臣免許の2種類があり、申請時に「定款の目的に『宅地建物取引業』の文言があること」が形式要件です(出典:国土交通省 宅地建物取引業 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk2_000080.html)。建設業許可も同様に、29業種に細分化された「建設工事の種類」と整合する文言が必要です。

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

当グループの支援現場では、宅建業免許申請の際に「不動産の売買、賃貸、管理」とだけ記載されていて「宅地建物取引業」の正式名称がなく、申請却下になったケースがありました。業法用語は、業法の条文と完全一致させる原則を徹底してください。

業種別事例集 サービス・教育・医療関連・介護編(コピペ即活用テンプレ12文例)

サービス業・教育・医療関連・介護は、それぞれ業法・規制・許認可が異なります。特に介護保険指定事業所、医療機器販売、人材紹介業、旅行業は監督官庁が異なるため、業種別の必須文言を網羅的に確認してください。

  1. 経営コンサルティング、業務改善コンサルティング業務
  2. 人材紹介業、人材派遣業(職業安定法に基づく許可・届出を要する事業)
  3. 学習塾、予備校、各種スクールの企画、運営
  4. 語学教育、プログラミング教育、ビジネス研修の提供
  5. eラーニング、オンライン講座の企画、配信
  6. 医療機器、医療用品の販売(薬機法に基づく許可を要する事業)
  7. 医療事務支援、医療経営コンサルティング業務
  8. 介護保険法に基づく居宅介護支援事業
  9. 訪問介護、通所介護、デイサービスの運営
  10. 障害福祉サービス事業の運営
  11. 旅行業法に基づく旅行業、旅行業者代理業
  12. 古物営業法に基づくリユース、リサイクル業

介護保険指定事業所の開設には、定款の目的に「介護保険法に基づく〇〇事業」と明記することが、厚生労働省告示および各都道府県の指定基準で求められます(出典:厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html)。介護分野は2026年4月施行の介護保険法改正にも対応した文言を選ぶ必要があります。

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

介護分野で「介護事業」とだけ書いた定款で指定申請が止まる事例が年間数件あります。「居宅介護支援」「訪問介護」「通所介護」など、介護保険法上の事業区分を正確に記載してください。当グループでは介護開業支援時に厚生労働省告示の文言例を社労士・行政書士でクロスチェックしています。

許認可業種の必須文言マトリクス(業種×法令×文言の早見表)

許認可業種は、業法の条文・監督官庁の運用通達に沿った文言を選ぶことが申請通過の前提条件です。下表は当グループでの支援現場で頻出する10業種をまとめた早見表です。記事掲載時点(2026年5月)の運用に基づきますが、最新情報は必ず監督官庁または専門家にご確認ください。

許認可業種の必須文言マトリクス(業種×法令×文言の早見表)

業種 監督官庁 根拠法令 定款必須文言例 許認可種別
建設業 国土交通省・都道府県 建設業法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)) 「建築工事業、土木工事業、〇〇工事業」(29業種から選択) 建設業許可(事前)
飲食業 保健所 食品衛生法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233)) 「飲食店及び喫茶店の経営」「食品の製造販売業」 営業許可(事前)
不動産業 都道府県・国交省 宅地建物取引業法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)) 「宅地建物取引業」 免許(事前)
古物商 警察署 古物営業法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108)) 「古物営業法に基づく古物の売買、交換」 許可(事前)
旅行業 観光庁・都道府県 旅行業法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0100000239)) 「旅行業、旅行業者代理業」 登録(事前)
介護 都道府県・市町村 介護保険法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123)) 「介護保険法に基づく〇〇事業」 指定(事前)
医療機器販売 都道府県 薬機法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145)) 「医療機器の販売・貸与」 許可(事前)
人材紹介 厚生労働省 職業安定法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)) 「有料職業紹介事業」 許可(事前)
産業廃棄物処理 都道府県 廃棄物処理法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137)) 「産業廃棄物の収集、運搬、処分」 許可(事前)
酒類販売 税務署 酒税法([e-Gov](https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000006)) 「酒類の販売」 免許(事前)

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

許認可業種は「事前確認」が鉄則です。定款認証後に許認可申請でNG文言と判明すると、株主総会特別決議で定款変更→変更登記(登録免許税3万円)が必要になります。当グループでは許認可業種の起業相談時、最初の1時間で監督官庁への文言確認を必ずセットで行うフローを推奨しています。

5〜10個に絞るか?将来事業も入れるか?目的数の決め方

目的の個数に法律上の上限はありません。しかし実務上は5〜15個に収めるのが一般的です。マネーフォワード クラウド会社設立は5〜10個(出典:[マネーフォワード](https://biz.moneyforward.com/establish/basic/568/))、freeeは5〜10個(出典:[freee](https://www.freee.co.jp/kb/kb-launch/business-purpose-8-rule/))、起業手帳は10〜15個(出典:[起業手帳](https://sogyotecho.jp/establishment-purpose/))と、いずれも10前後を中心とするレンジを推奨しています。

多すぎる目的(20個以上)は、融資審査・取引先審査で「結局何屋なのか」が伝わらず減点される傾向があります。逆に少なすぎる目的(2〜3個)は、事業展開のたびに変更登記が必要になり、登録免許税3万円+専門家報酬5〜10万円が毎回発生します。

当グループで推奨する『黄金バランス』は次の3層構造です。

  1. 現在やる事業(本業)3〜5個:いま売上が立っている/立つ予定の事業
  2. 5年以内に着手する将来事業1〜2個:事業計画書と整合する展開事業
  3. 包括条項1個:「前各号に附帯関連する一切の事業」

合計で5〜8個に収めれば、明確性と将来余地のバランスが取れます。

5〜10個に絞るか?将来事業も入れるか?目的数の決め方

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

当グループの支援現場で、目的を15個以上書いた創業期の法人が日本政策金融公庫の創業融資で「事業の方向性が不明確」と評価され、希望額の60%しか融資が下りなかった事例があります。創業期は「これで食べていく」事業を絞り、将来事業は2個までに留める判断が、融資審査での説得力につながる傾向があります。

包括条項『前各号に附帯関連する一切の事業』の効果と限界

90%以上の定款の末尾に置かれる包括条項は、本業に附帯する軽微な周辺事業(事務用品販売、備品リース、コンサルタント業の延長としての書籍販売など)を吸収する役割を持ちます。包括条項が1行入っているだけで、事業展開の柔軟性は大きく上がります。

ただし、包括条項は万能ではありません。次のようなケースでは、包括条項があっても新たに定款変更(変更登記)が必要です。

  • 許認可業種への参入(建設業・飲食業・宅建業・古物商・旅行業・介護・医療機器販売・人材紹介など)
  • 本業と全く異なる業種への参入(IT業→不動産業、飲食業→建設業など)
  • 補助金・助成金の対象事業として申請する場合(要件として目的への明記を求められることが多い)

包括条項の射程は、あくまで「本業の延長線上にある軽微な事業」までです。これを過信して許認可申請に進むと差し戻しになります。

包括条項『前各号に附帯関連する一切の事業』の効果と限界

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

IT受託開発を本業とする法人が、包括条項を理由にECサイトで物販を始めたところ、後で輸入雑貨の販売に展開した際、税関の許認可審査で「定款に物販が明記されていない」と差し戻された事例がありました。包括条項を信頼しつつ、本気でやる予定の事業は最初から明記してください。

NG表現・差し戻し事例 公証人が止める3類型

定款認証は公証人による形式・実質の両面チェックを受けます。差し戻しになる文言は概ね次の3類型に整理できます。

NG表現・差し戻し事例 公証人が止める3類型

類型①違法・公序良俗違反

賭博、売春斡旋、無資格でできない医療行為、薬機法違反の無認可医薬品販売など、刑罰法令や公序良俗に反する事業は公証人が認証しません。マネーロンダリングが疑われる暗号資産の無資格売買、金融商品取引法に抵触する無登録金融商品取引も該当します。

類型②曖昧表現

「一切の商業活動」「あらゆるビジネス」「営利を目的とする全ての事業」など、業種が特定できない表現は明確性を欠くため認証されません。包括条項は「前各号に附帯関連する一切の事業」のように、前提となる具体事業があってはじめて成立します。

類型③無資格・許認可未取得業種の単独記載

「弁護士業務」「税理士業務」「医師業務」「司法書士業務」など、特定の国家資格保有者でなければできない業務を法人定款に書くことは原則できません。「弁護士法人」「税理士法人」のような特殊法人形態を除き、一般株式会社・合同会社では認証が下りません。

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

公証人連合会の運用は地域によって若干異なります。当グループでは認証予定の公証役場に事前にドラフトをFAX・メール送付し、書面チェックを受けてから公証人と面談する流れを推奨しています。事前確認に費用はかからず、差し戻し時間を1〜2週間短縮できる傾向があります(出典:[日本公証人連合会](https://www.koshonin.gr.jp/))。

銀行口座開設・融資審査で『目的』が見られるポイント

定款の目的は、設立後の銀行口座開設・融資審査・取引先審査でも繰り返し見られます。登記簿謄本は誰でも法務局窓口またはオンライン(登記情報提供サービス)で600円程度で取得できるため、取引先・金融機関は契約・与信判断の前に目的欄を確認するのが一般的です(出典:[法務省 商業・法人登記](https://www.moj.go.jp/MINJI/minji44.html))。

法人口座開設審査:マネロン対策で事業内容の整合性が見られる

2019年の金融庁AML/CFT指針改訂以降、法人口座の審査基準は厳格化しています(出典:[金融庁 マネロン・テロ資金供与対策ガイドライン](https://www.fsa.go.jp/news/r1/20191021amlcft/20191021amlcft-1.pdf))。特に新設法人・バーチャルオフィス利用者は、定款の目的と事業計画・Webサイト・代表者経歴の整合性が厳しく見られます。

ネット銀行は最短即日〜1〜2週間で法人口座開設が可能です。事業の具体性(誰に何を提供し、どう収益を得るか)が分かる目的記載をしておくと、審査スピードが上がる傾向があります。

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日本政策金融公庫の創業融資:『何屋か』『現実的に売上が立つか』

公庫の創業融資は、事業計画書と定款の目的の整合性を最初に確認します。例えば事業計画書で「Web受託開発で年商800万円」と書いているのに、定款の目的に「飲食店経営」「不動産売買」「コンサルティング」など多種多様な業種が並んでいると、「結局どの事業で売上を作るのか」が伝わらず、融資希望額が減額されるリスクがあります。

取引先審査:登記簿閲覧で目的欄が確認される

上場企業や大手企業との取引開始時、与信担当部署が登記簿を取得して目的欄を確認するのは実務上の常識です。取引予定の業種と定款の目的が一致していないと、「実態が伴っていない可能性がある」と判断され、契約条件が厳しくなることがあります。

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

当グループの支援現場で、IT受託開発の起業家が「情報処理サービス、コンサルティング、不動産売買、輸入雑貨販売、飲食店経営」と5業種を入れた定款で法人口座開設を申請したところ、追加資料請求が3回入り口座開設まで2か月かかった事例がありました。創業期は本業に絞り、付随業務と将来事業を1〜2個ずつ追加する程度が、審査スピードを上げる現実解です。

設立後フロー:定款認証→登記→住所→口座→Webサイト

定款の目的が固まったら、設立後の流れは次の6ステップで進めます。当グループで3,000件超の支援を行ってきた経験から、この順序を守ると手戻りが最小化される傾向があります。

設立後フロー:定款認証→登記→住所→口座→Webサイト

ステップ①電子定款で印紙税4万円節約

紙の定款は印紙税4万円(収入印紙)が必要ですが、電子定款は0円です。マイナンバーカードとICカードリーダー、または会計ソフト各社(freee/弥生/マネーフォワード)の電子定款作成サービスを使えば、自宅で完結できます(出典:[起業の窓口マガジン 定款とは](https://kigyo.gmo/magazine/establishment/list/articles-of-incorporation/))。

ステップ②公証役場で認証

電子定款を作成したら、管轄の公証役場で認証を受けます。認証手数料は資本金規模により3〜5万円です(出典:[日本公証人連合会](https://www.koshonin.gr.jp/))。合同会社(LLC)は公証人認証が不要なため、このステップを省略できます。

ステップ③法務局で設立登記

定款認証後、法務局に設立登記申請を行います。株式会社の登録免許税は15万円、合同会社は6万円が最低額です(出典:[法務省 商業・法人登記](https://www.moj.go.jp/MINJI/minji44.html))。登記申請日が会社の設立日になります。

ステップ④バーチャルオフィスで本店所在地確定

自宅住所を登記簿に公開したくない場合、バーチャルオフィスの活用が現実解です。GMOオフィスサポートは入会金・保証料0円、月1,650円から法人登記対応プランがあり、東京渋谷・新宿・大阪・福岡など全国17拠点以上で住所を選べます(出典:[GMOオフィスサポート 料金プラン](https://www.gmo-office.com/price/))。

ステップ⑤法人口座開設

登記完了後、法人口座開設に進みます。ネット銀行は新設法人・バーチャルオフィス対応・最短即日のネット銀行で、創業特典があるケースもあります。

ステップ⑥コーポレートサイト構築

法人口座審査・取引先審査の信頼材料として、独自ドメインのコーポレートサイトを設立直後に開設するのが当グループ推奨の手順です。お名前.comの.co.jpドメイン(年7,678円・1法人1ドメインのみ)と、ConoHa WINGビジネスプラン(月1,331円〜・稼働率99.99%以上)の組み合わせで、最短数時間でサイトを公開できます(出典:[お名前.com .co.jpドメイン](https://www.onamae.com/service/domain/cojp/) / [ConoHa WING ビジネスプラン](https://www.conoha.jp/wing/business/))。

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【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

当グループの支援現場で「住所→口座→Webサイト」の順序を守らずに、Webサイトを後回しにして口座開設を先行させた起業家が、銀行から「会社の実在性を確認したい」と追加書類請求を受け、口座開設が2週間遅延した事例がありました。Web上の自社サイトは銀行員が必ずGoogle検索で確認する材料です。設立直後にコーポレートサイトを公開できる体制を整えてください。

司法書士・行政書士・税理士の役割分担と2026年1月行政書士法改正

定款作成・会社設立に関わる士業の役割分担は、2026年1月の行政書士法改正により明確化されました。設立業務を誰に頼むかで費用・スピード・適法性が変わりますので、整理しておきましょう。

司法書士:登記申請代行(司法書士法第73条)

法務局への設立登記申請の代行は、司法書士の独占業務です(出典:[e-Gov 司法書士法](https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197/20220901_501AC0000000071))。報酬は5〜10万円が相場で、定款の認証から登記申請まで一気通貫で対応してくれます。

行政書士:定款作成代行・許認可申請(2026年1月改正対応)

定款作成代行は行政書士の独占業務です。2026年1月施行の改正行政書士法では「いかなる名目(コンサルティング料・手数料等)によるかを問わず報酬を得て書類作成を代行する行為は行政書士の独占業務」と明文化され、両罰規定も強化されました(出典:[総務省 行政書士制度](https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/gyouseishoshi/index.html))。

つまり、無資格のコンサルティング会社に「コンサル料」名目で定款作成を依頼した場合、依頼者側もリスクを負うことになります。一方、「書き方のアドバイス・添削レベルのサポート」は行政書士資格不要で提供可能とされています(総務省グレーゾーン解消制度回答)。

税理士:税務署届出・節税相談(税理士法第2条)

法人設立後の税務署届出(法人設立届出書、青色申告承認申請書、給与支払事務所等開設届出書)の代行は、税理士の独占業務です。設立月から2か月以内の届出が必要なため、税理士契約は登記後すぐに進めるのが安全です(出典:[国税庁](https://www.nta.go.jp/))。

自分で作るのは原則OK(無報酬)

自社の定款を自分で作成して認証・登記まで進めることは原則合法です。ただし、不慣れな起業家が独力で進めると公証人差し戻しや許認可文言不足が起きやすく、結果として変更登記コスト3万円+専門家報酬5〜10万円が後で発生する傾向があります。

V-Spirits無料相談:5資格による1時間レビュー

起業の窓口 byGMO と提携するV-Spiritsは、税理士・特定社会保険労務士・行政書士・CFP・起業コンサルタントの5資格を保有する代表が、定款作成・許認可・税務・労務・資金計画の全領域をワンストップで対応できる体制を整えています。1時間の無料相談で、定款の目的文言レビュー、許認可業種への適合性確認、創業融資計画の相談まで一気通貫で進められます(出典:[V-Spirits 選ばれる理由](https://v-spirits.com/reason))。

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

2026年1月以降、無資格のコンサルタント会社が「コンサル料」名目で定款作成を行う行為は、依頼者側もリスクを負う構造になりました。当グループの支援現場でも「以前無料サービスで作ってもらった定款を見直したい」という相談が増えています。定款作成は行政書士・司法書士の有資格者に依頼するか、自分で作成して無料相談で添削を受けるのが安全な選択肢です。

変更登記コストを避けるための『将来5年事業』設計手順

定款の目的を1回で書き切るためには、5年後を見据えた事業設計が欠かせません。設立後に目的を追加・変更すると、株主総会特別決議(議決権の3分の2以上)と変更登記(登録免許税3万円+専門家報酬5〜10万円)が毎回必要になります。

売上目標から逆算する事業展開

1年目から5年目までの売上目標と、その源泉になる事業を時系列に並べてください。例えば「1年目:Web受託開発で700万円」「3年目:自社SaaS で月10万円×顧客50社=年600万円追加」「5年目:エンジニア教育スクールで年300万円追加」のように設計し、それぞれを定款の目的に反映します。

事業計画書と定款の整合性

日本政策金融公庫の創業融資、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など、補助金・助成金の多くは申請時に事業計画書と定款の整合性を確認します。事業計画書に書いた事業が定款の目的に反映されていないと、補助対象から外れることがあります。

5年以内に着手する事業を先取り

「5年以内に確実にやる事業」を2個までは目的に先取り記載するのが、当グループの推奨です。それ以上の不確定な事業は、包括条項で吸収するか、実際に着手するタイミングで変更登記する判断にしましょう。

【起業の窓口編集部からのワンポイントアドバイス】

当グループでは、定款の目的を設計する段階で、起業家と一緒に「3年計画書」を作成し、そこから逆算して目的を確定するワークを行っています。実際に3年計画と整合する目的を組んだ法人で、日本政策金融公庫の創業融資が満額(希望500万円→500万円)で通った事例が多くあります。

事業目的に関するよくある質問

Q1. 事業目的はいくつまで書ける?

法律上の上限はありません。実務上は5〜15個が一般的で、当グループでは5〜8個(本業3〜5個+将来事業1〜2個+包括条項1個)を推奨しています。多すぎると融資審査で「何屋か不明」と評価される傾向があります。

Q2. 事業目的に書いてはいけないことは?

違法・公序良俗違反、曖昧表現(「一切の商業活動」等)、無資格でできない国家資格業務(弁護士・税理士・医師等)は記載できません。許認可業種を書く場合は監督官庁への事前確認をお勧めします。

Q3. 後から追加するには費用はいくら?

登録免許税3万円+専門家報酬5〜10万円が一般的な相場です。株主総会の特別決議(議決権の3分の2以上)も必要で、合計で2〜4週間の手間がかかります。

Q4. 許認可必要業種の文言はどう確認する?

監督官庁(保健所・税務署・都道府県・警察署等)への事前確認が確実です。建設業・飲食業・不動産業・古物商・旅行業・介護・医療機器販売・人材紹介などは、業法の条文と一致する文言を選んでください。

Q5. 合同会社と株式会社で書き方は違う?

書き方の原則は同じです。違いは、合同会社は公証人認証が不要(手数料3〜5万円が0円)、登録免許税が6万円(株式会社は15万円)と低い点です。目的の作り方は同様に「適法性・営利性・明確性」の3原則に従います(出典:[起業の窓口マガジン 合同会社とは](https://kigyo.gmo/magazine/establishment/list/limited-liability-company/))。

Q6. 目的を後から削除したい場合の手続きは?

追加と同様に株主総会特別決議+変更登記が必要です。登録免許税3万円が同じく発生します。事業撤退時にスムーズに削除登記するためにも、目的設計段階で「絶対やる事業」と「将来検討事業」を区別しておくと安心です。

Q7. 包括条項だけで全部カバーできる?

カバーできません。包括条項は本業に附帯する軽微な周辺事業のみを吸収します。許認可業種、本業と全く異なる業種、補助金対象事業として明記が必要な場合は、別途記載が必要です。

Q8. 電子定款で印紙税は本当に0円?

はい、0円です。紙定款は収入印紙4万円が必要ですが、電子定款は印紙税法上の課税文書に該当しないため不要です。マイナンバーカードとICカードリーダー、または会計ソフト各社の電子定款サービスを使えば自宅で完結できます。

まとめ:『5年計画+業種別文例+包括条項+公的引用』で1回完結

定款の事業目的は、会社設立の中でも最も「後から修正コストが高い」項目です。本記事の手順を踏めば、業種別12カテゴリの80超の文例を下書きベースにしながら、許認可文言・包括条項・5年計画事業を1回で組み込めます。

設計手順をもう一度整理すると次の通りです。

  1. 適法性・営利性・明確性の3原則を満たす
  2. 業種別文例から自社業務に近いものを3〜5個ピックアップ
  3. 5年以内に着手する将来事業を1〜2個追加
  4. 許認可業種は監督官庁とV-Spiritsで文言レビュー
  5. 包括条項『前各号に附帯関連する一切の事業』を末尾に配置
  6. 公証役場へ事前確認(FAX・メール送付)してから認証
  7. 設立後は「住所→口座→Webサイト」の順で整備

最初の1時間を定款設計に投資すれば、後の変更登記コスト(登録免許税3万円+専門家報酬5〜10万円)と数週間の手戻り時間が節約できる傾向があります。手続きが複雑だと感じたら、V-Spiritsの無料1時間相談(税理士・特定社労士・行政書士・CFP・起業コンサルの5資格保有)を活用するのが現実的な選択肢です。

設立後の本店所在地確定(GMOオフィスサポート)、法人口座開設、コーポレートサイト構築(お名前.com/ConoHa WING)は、起業の窓口 byGMO のワンストップ導線で一気通貫に進められます。手続きはプロに任せて、あなた自身は本業の立ち上げに集中してください。

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 起業の窓口 編集部
「起業の窓口」編集部は、GMOインターネットグループが運営する起業支援メディア「起業の窓口」にて、起業家やこれから起業を目指す方々に向けて、有益で信頼性の高い情報を提供する専門チームです。会社設立、資金調達、補助金・助成金、税務・法務、マーケティング、IT活用など、起業にまつわる幅広いテーマを網羅し、実務に役立つノウハウや最新トレンドをわかりやすくお届けしています。

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