【ボンディッシュ株式会社】おいしい一皿で絆をつなぎ、笑顔を増やす。日本の社員食堂・ケータリングを世界基準に
飲食店の呼び込みアルバイトで培ったノウハウをもとに、大学生ながら飲食店向け販促支援・コンサル事業で起業。
大学卒業後は、経営を体系的に学ぶために就職し、「トーマツ イノベーション株式会社」で新規事業立ち上げ、「有限責任監査法人トーマツ」でベンチャー企業の成長支援などに携わりました。前職では、店舗DXをSaaSで促進するスタートアップ企業で取締役副社長を歴任。
そして2018年7月、フードコミュニケーションカンパニー「株式会社ノンピ」の取締役副社長に就任し、のちに代表取締役社長となりました。2026年1月1日には社名を「ボンディッシュ株式会社」に変更し、社内食堂の運営や法人向けケータリングサービスなどを展開。
現在、海外進出も視野に日本のケータリングサービスの新たな可能性を切り開く上形さんに、起業までの道のりや経営者として大切にしているマインドなどをお伺いしました。
上形秀一郎さんのご経歴
- 2008年10月〜2010年5月:明治大学商学部に在学中、飲食店向けの販売促進支援事業で起業。
- 2010年6月〜2014年12月:「トーマツ イノベーション株式会社(現:株式会社ラーニングエージェンシー)」で事業部長を歴任。拠点立ち上げ・新規事業立ち上げ・営業組織責任者・セミナー講師・ベンチャー支援などを経験。
- 2015年1月〜2016年2月:「有限責任監査法人トーマツ」で、トーマツベンチャーサポート兼横浜事務所コンサルティングチームに在籍。地方拠点におけるコンサルチームの立ち上げ・地方上場企業の発掘・株式公開支援・人事コンサルティング・ベンチャー支援などを経験。
- 2016年3月〜2017年9月:SaaSの提供を通じて、店舗DXを促進するスタートアップ企業で取締役副社長を歴任。
- 2018年7月:”食でココロつなげるセカイをつくる”フードコミュニケーションカンパニー「株式会社ノンピ」の取締役副社長に就任。その後、同社の代表取締役社長に就任。
- 2026年1月1日:社名を「ボンディッシュ株式会社」へ刷新。”食のプラットフォーム企業”として、海外進出を視野に入れた新たな事業を展開。
おいしい一皿で絆をつなぐ『ボンディッシュ株式会社』

—現在、経営されている会社名と主な事業内容を教えてください。
現在、ボンディッシュ株式会社(旧:株式会社ノンピ)を経営しています。
当社では「おいしい一皿で絆をつなぐ」というコンセプトのもと、社員食堂やカフェの運営、オフィス向けケータリングサービスなどの事業を展開中です。
特にケータリング事業で培ってきた調理・オペレーションのノウハウを強みとしており、その知見を生かすことで、オフィスにキッチンがなくとも、実際にキッチンがあるような社員食堂の食事を提供できます。
こうしたモデルを支えているのが、当社独自のセントラルキッチンの仕組みです。都内で社員食堂やカフェとして運営している拠点の営業前後の時間帯を活用し、セントラルキッチンとしても機能させることで、日々の社員食堂からパーティーケータリングまで幅広く対応できる体制を構築しています。
サッカー少年が抱いた、ぼんやりした“会社経営”への憧れ
—学生時代に憧れていた職業や、会社経営に憧れを抱いたエピソードなどをお聞かせください。
小さい頃はサッカー選手に憧れていました。でも、中1のときに膝の手術が必要になる大怪我をして、1年くらいまともにプレーができない時期がありました。そのときにサッカー選手以外の道を考えたことがあって、「お金持ちになれたらいいな」なんて漠然と思っていたんです。
当時、父も叔父も自営業をしていて、将来サラリーマンになるイメージは全くありませんでした。サッカーを続けながらも、「いつか自分も仕事を動かしてみたい」という思いがあり、大学は明治大学商学部へ進学しました。そこで在学中に個人で飲食店支援事業を立ち上げたのが、経営者としての第一歩です。
大学時代、飲食店の販促支援事業をゼロイチからスタート

—大学卒業を待たず、個人事業を立ち上げた理由とは何でしょうか?
みんなが就職活動を頑張っている頃、自分はゼミの先生に背中を押される形で遅れてスタートしました。
当時、自分は明治大学商学部で150名ほどのサッカーサークルの代表をやっていたり、プレゼン大会をゼロから企画したり、それなりに充実したキャンパスライフを送っていたので、みんなから「上形は絶対いいところに就職できるよ!」なんて言われていました。
その期待とは裏腹に、全然内定が取れなくて——なんとか1社内定をもらったんですけど、ちょうどそのタイミングがリーマンショックだったので、内定辞退勧告をされてしまいました。
それで「就職が向いていないかも」と感じ、自分で飲食店の販促支援事業を立ち上げたという経緯になります。
—なぜ飲食業界でのビジネスに挑戦しようと思ったのでしょうか?
大学のゼミで、現代経営学を確立したオーストリア出身の経営思想家ピーター・ドラッカーの研究をしていたとき、「経営の本質というのは、強みを生かして成果を出すこと」ということを学びました。
そこで「自分の強みは何だろう?」と考えたとき、ふと思いついたのが、アルバイトでやっていた飲食店の呼び込みでした。
当時、呼び込みが得意でかなりの結果を出していたので、そのノウハウを体系化した研修プログラムを作って売ったり、フリーターを集めてノウハウを仕込んで派遣したり、実践的なことを行なってきました。
ただ、最初は問い合わせがないと何も始まらないので、妹にもチラシの印刷を手伝ってもらいながら、たくさんの飲食店に宣伝しました。問い合わせがあったらその日のうちに飛んでいく——そんなやり方で仕事を増やしていくことができました。
でも、いろんな部分で物足りなさを感じてしまい、最終的には就職という道を選びました。
志の高い経営者から学んだ、社会に価値を生む“視座”

—就職を選んだ主な理由と、社会人時代の成長体験をお聞かせください。
学生で起業してそのまま挑戦し続ける人はたくさんいますけど、僕の場合は一回就職するという道を選んだほうが、さらに視野が広がるだろうと思いました。
20代の頃は、企業向けの人材開発・組織開発のコンサルティングを行う「トーマツ イノベーション株式会社(現:株式会社ラーニングエージェンシー)」と、国内大手の監査法人「有限責任監査法人トーマツ」に在籍し、30代になってからは店舗DXを促進するSaaSを提供するスタートアップ企業で取締役副社長を歴任しました。
そのなかで特に印象に残っているのは、「有限責任監査法人トーマツ」で、経営層の方々とお話する機会があったことです。
それまでの僕は「お金を稼ぐ」とか「自分が何者かでありたい」とか、もっと言うと「就職活動でうまくいかなかった過去を肯定したい」という気持ちが強く、高いモチベーションがありました。
そんななか、経営層の方々とお話をさせていただいたときに、彼らが日本の経済や社会のことを本気で考えていることに感銘を受けました。そういった思想を書き記した著書は読んできましたけど、実際に口にして行動に移されている姿を見て、心を動かされたんです。
「こういう人たちが、社会に価値のある会社づくりをする」——そういった視座を得られたことが、社会人時代で一番大きな成長だったと思います。
B2B“食”市場に可能性を感じ、フードコミュニケーションカンパニーの経営者へ
—「ボンディッシュ株式会社(旧:株式会社ノンピ)」で、代表取締役社長になるまでの経緯を教えてください。
これまで自分で出資をしたり、個人で投資活動を行なったりと、事業づくりにも積極的に関わってきました。そのなかで、「いつかもう一度、自分で会社をつくってみたい」という思いがずっとありました。
ただ、学生時代にゼロから事業を立ち上げた経験から、ゼロイチで始める大変さを十分理解していました。だからこそ、次は全くのゼロからではなく、ある程度の資産や仕組みを持つ会社を変革していく、いわばターンアラウンドに近い挑戦をしてみたいと考えるようになったんです。
いくつか個人で出資していた会社のうちのひとつが、社員食堂や社内カフェの運営、法人向けフードデリバリー・ケータリングサービスを手がける、フードコミュニケーションカンパニーの「株式会社ノンピ」でした。
ノンピを選んだのは、飲食業界での実務経験、そしてトーマツ時代のB2Bの営業やマーケティングの経験を活かせると思ったからです。さらに、ノンピが持つケータリングのノウハウをもってB2B市場へ本格的に展開すれば、大きな可能性があるのではないか──そう考えて、フルコミットすることに決めました。
日本のB2B“食”市場は、まだ発展途上です。でもアメリカでは、Cater2.me、ZeroCater、EAT Clubといった同業分野で数十億円規模の資金調達を行なっている企業が存在します。そうした海外の成功事例に触れるなかで、「日本でも同じようなモデルをノンピで実現できる」と確信しました。
ノンピには、2018年7月に取締役副社長として入社し、その後、代表取締役社長に就任。そして、2026年1月1日には社名を「ボンディッシュ株式会社」に刷新しました。
—「フードコミュニケーションカンパニー」として、どのようなビジネスアイデアや戦略を描いていたのでしょうか?
人類の経済活動はどんどん便利に、よりよい方向へと進化しています。
そのなかでも、社員食堂という領域では、Googleがシリコンバレーで非常にリッチな社員食堂をつくったことをきっかけに、いわゆる福利厚生から企業インフラへと進化していく流れを強く感じていました。一方で、日本の社員食堂市場を見ると、依然として「ただお腹を満たすためだけの場所」であることが多く、そこに大きなギャップを感じていたんです。
そこで僕たちは、食の提供を通じて、社員同士のコミュニケーションを促し、企業文化やカルチャーづくりに貢献できるような「新しい形の社員食堂」をつくりたいと考えました。
単なるお弁当の供給にとどまらず、メニューや提供スタイル、空間デザインなどにクリエイティブの要素を取り入れ、より充実した、柔軟で魅力的なサービスモデルを構築していく——そのような構想でビジネスを展開していきました。
どのようなコミュニティに属し、誰と関わるかで成長スピードが変わる

—起業準備において苦労されたことや、スムーズに進んだことをお聞かせください。
大学時代に起業したときは、本当にわからないことだらけで、先輩にたくさんお世話になりました。
起業準備の初期段階では、友人が勤めている会社の社長さんに自分の野望を話しながら、トライアル的に事業を試してみるような感じでした。
振り返って思うのは、「どんなコミュニティに属して、誰と出会うか」が本当に大事だということです。若い頃は怪しい話も多くて(笑)、ある人からは「茨城のゴルフ場を1円で譲るから経営してみないか」と言われたこともありました。最初はかなり乗り気でしたが、先輩に相談したら「やめておけ、超赤字だから全部背負うことになるぞ!」と止められて。今思えば、あのとき冷静な助言をくれた人がいたのは大きかったですね。
当時、間借りしていたオフィスが、今は上場している「デザインワン・ジャパン」という会社のもので、高畠社長にも大変お世話になりました。蒲田のマンションの一室からスタートしたんですが、高畠社長自身も「上場目指すぞ!」という高い視座を常に持っていて、その姿勢から多くを学ばせていただきました。
起業には手続きだったり実務だったり、覚えることが山ほどありますが、それ以上に「誰に教わるか」「どんな価値観の人と関わるか」で成長スピードが全然違うなと感じました。
—起業前に経営ノウハウや成功事例などを学ぶ機会はありましたか?
一番大きかったのは書籍からの学びです。ピーター・ドラッカーの本を中心に読み込んでいましたし、それ以外で影響を受けたのが、本田直之さんの『レバレッジ・リーディング』という一冊でした。 ちょうど就職をどうするか悩んでいた時期に、「就職だけが人生の選択肢じゃないよな…」と感じ、さまざまな生き方に関する本を読んでいたなかで、この本と出会ったんです。
当時は「いろいろな人に会って直接教えてもらおう」というスタンスでしたが、本からでも膨大な知識や経験に触れられることに気づきました。OB訪問だけが学びの場ではなく、書籍から学べることも本当に多いんだなと実感したんです。
そこからは、ビジネス、起業、時間の使い方、ロジカルシンキングなど、あらゆる分野の本を読み漁り、書いてあることをできるだけ忠実に実践するようにしてきました。
“食”の幸せを通じて、人と人とのつながりを生み出していきたい
—「ボンディッシュ株式会社」が掲げるビジョンやミッションについてお聞かせください。
「ボンディッシュ株式会社(BONDISH)」では『MAKE BON BOND』というミッションを掲げています。BONには”おいしい”、DISHには”一皿”、そしてBONDには”つながり”という意味があります。つまり、「おいしい一皿で絆をつなぐ」という企業のあり方を象徴しています。
このミッションの背景にあるのは、人間にとっての本当の”幸福感”や”喜び”、そして”笑顔”です。人にはいろんな価値観がありますが、やっぱり「おいしい」という感覚や「人とのつながり」を感じることが、幸せの原点だと思うんです。そこを基準に、社会の発展に貢献していきたいという想いが「MAKE BON BOND」というミッションに込められています。
—御社の主要サービスの特徴を具体的にお聞かせください。
当社では、社員食堂「BONDISH OFFICE LUNCH」や法人向けケータリングの「ORDERMADE CATERING」「EAZY CATERING」、高付加価値型ケータリング「WabiSabi TOKYO」といった事業を展開しています。
コロナ禍を経て、オフィスの価値や働き方は大きく変わりました。かつては「仕事=会社に行くこと」が当たり前でしたが、一度フルリモートを経験したことで、出社には明確な“理由”が求められるようになったと感じています。
企業として出社を促す大きな理由は、組織としての生産性を高めることだと考えています。そのためには、リアルなコミュニケーションの機会が重要で、そのコミュニケーションが自然に生まれる“場”が必要です。
そうした場として最適なのが、カフェやランチスペースのような場所です。リラックスしながら集まり、気軽に会話ができる環境こそが、組織の生産性や一体感を高めるうえで大きな役割を果たすと感じています。
こうしたニーズが、コロナ禍を経て一気に言語化され、顕在化してきました。実際に「オフィスをカフェのような空間にしたい」という相談が増えているのも、その表れだと思います。当社のサービスは、まさにそのニーズに応えられる形で設計されています。
これからもオフィスのあり方はどんどん変化していくと思いますが、個人的には「オフィスはカフェのような空間でいい」と思っています。その方が人が集まりやすく、生産性も高まるからです。
—御社が提供するカフェやランチメニューのこだわりを教えてください。
当社では、そのようなオフィス空間を支えるために、一日に何杯でも飲みたくなるフレッシュな自家焙煎コーヒーを提供しています。ランチについてもオリジナルのプレートを用意し、食べ過ぎを防ぐために底上げしたお茶碗を採用するなど、午後のパフォーマンスにも配慮した設計にしています。
味噌汁も塩分をより感じやすい飲み口になるよう工夫することで、余計な量を足さなくても満足感が得られるようにしているんですよ。
こうしてオフィスワーカーに特化したランチやコーヒーを通じて、「人が集まりたくなるオフィス」「コミュニケーションが生まれるオフィス」をつくっていくことが、当社サービスの大きな強みです。
時流に合わせたメッセージの発信で、自社サービスの露出が大きく変わった

—サービスの認知拡大において、特に力を入れたアプローチとは何でしょうか?
一番はPRですね。PR TIMESでの配信や、メディアへのアプローチに力を入れました。
特に意識しているのは、「時流に合わせたメッセージを発信する」という点です。実際、2025年は日本経済新聞さんやNHKさん、テレビ東京さんなど、さまざまなメディアで取り上げていただきました。世の中で関心が高まっているテーマと自社サービスをうまく結びつけて発信することが重要だと感じています。
例えば、昨年の夏頃からは“物価高騰”というキーワードに合わせて、社員食堂に関するプレスリリースを複数出しました。その結果、メディアでの露出が大きく変わりました。こうした「社会の関心ごとに自社サービスを合わせて発信すること」の重要性を改めて実感していますし、実際に成果としても現れたと思います。
エグゼクティブ向けのケータリング事業で、新たなチャレンジへ
—今後、新たに展開しようと考えているビジネスがあれば簡単にお聞かせください。
今後さらに注力していきたいのは、エグゼクティブ向けのケータリング事業です。
ケータリングというのはもともと海外の文化で、日本ではまだ「特別感のあるサービス」というイメージがあまり浸透していないんですよ。例えば、海外では、エグゼクティブだけの集まりに提供されるようなリッチなケータリングがあります。一方で、日本ではそうしたハイクラス向けのサービスは浸透しておらず、市場自体の認知もまだ低いのが現状です。
最近では、オフィスでマグロの解体ショーなどを行う機会も増えていますが、さらに一歩踏み込んだ「エグゼクティブ向けのフルサービス型ケータリング」を展開していきたいと考えています。
また、昨今はハラスメントや情報漏洩といった問題もあって、外で飲食を伴う接待のリスクが高まっています。そういった背景も踏まえて、オフィス内で安心して楽しめるプレミアムなケータリングサービスの需要は今後ますます伸びると思っています。
第一にお客様、第二に従業員——あらゆる場面で意思決定の優先順位を崩さない

—経営者として大切にしているマインドや、座右の銘を教えてください。
「意思決定の優先順位を明確に決める」——これはジョンソン・エンド・ジョンソンさんが起草された「我が信条(Our Credo)」を参考にしていて、我々の社内であらゆる意思決定、投資判断の優先度を明確にしています。
第一に、お客様の笑顔を増やすこと。
第二に、従業員が待遇面でも精神面でも満たされ、本人や家族が誇れる会社であること。
第三に、株主・お取引先・その他ステークホルダーの方々に応援していただくこと。
そして第四に、未来の地球のために社会課題を解決していくこと。
一見当たり前のことのようですが、経営の現場ではこの「優先順位」が本質的に問われる局面が多くあるんですよ。どんなに重大な意思決定においても、「まずはお客様を最優先に、その次に従業員、そして株主」という順番を変えることはありません。
ノンピがオイシックス・ラ・大地株式会社のグループ会社になったとき、判断の軸が定まっていなければ、社員のリストラが発生したり、お客様へのサービス提供が止まってしまったりする可能性もあったと思います。コロナ禍では、特に経営判断が難しい局面も多くありましたが、優先順位を明確化し、それに基づいた判断ができたことは本当に良かったと、今でも感じています。
—組織と社員の成長を促すために心がけていることはありますか?
まず大切なのは、「社員の将来を真剣に考えること」だと思っています。
人生100年時代とも言われる今、いつか定年が85歳になってもおかしくはありません。そうした長い人生を見据えたときに、一つの会社だけでキャリアを終える人は、どんどん少なくなってきています。
もちろん、社員が長く安心して働ける会社づくりは大前提です。ただ、ずっと働いてもらうことを前提とした、いわゆる年功序列や終身雇用といった考え方は、今の時代にはあまり現実的ではないと感じています。
僕は、社員一人ひとりに「次のステップがある」ことを前提に考えていて、ボンディッシュでの経験を通じて人生の幅を広げ、さらにステップアップできる——そんな舞台でありたいんですよ。
そのために、自由と自己責任のバランスを重視していますし、「ボンディッシュ専用の人材」を育てるのではなく、「社会で通用する人材」を育てるというマインドを大事にしています。
そうした理念を反映した評価制度やカルチャーづくりを常に意識しています。
日本の”食”の強みを活かし、世界と渡り合えるコントラクターを目指したい
—「ボンディッシュ株式会社」とご自身の将来ビジョンをお聞かせください。
まず一つ目に挙げたいのは、社員食堂やコントラクトフードといった領域です。実はこの分野、グローバルで見ると非常に大きなマーケットなんです。
業界最大手のコンパスグループの売上は約6兆円規模とされ、続くソデクソやアラマークといった大手企業も3〜4兆円ほどの売上があるとされています。正確な数字には多少の差がありますが、世界全体で見ると広告業界に匹敵するほどの巨大市場です。でも、そのなかでグローバルに活躍する日本企業はほとんど存在していません。
日本は”食”という分野で明確な強みがあるにもかかわらず、この領域ではまだ世界でプレゼンスを発揮できていないんですよ。これは非常に珍しい状況だと感じています。だからこそ、ボンディッシュとしては10年後、20年後を見据え、グローバルに存在感を示せるコントラクターを目指していきたいと考えています。
僕自身、学生時代にピーター・ドラッカー現代経営学を学び、トーマツで企業経営を経験してきました。経営という分野に強くやりがいを感じていますし、自分の存在意義を見出している領域でもあります。「日本の強みを生かしてグローバルに挑戦できるマーケット」というのは貴重だと思いますし、本当に挑戦しがいのあるフィールドなんです。
会社経営は誰でも挑戦できる身近な選択肢

—起業してよかった、経営者になってよかったと思えたことをお聞かせください。
学生時代を振り返ると、「起業家」や「経営者」という職業にどこか距離を感じていたんですよね。例えば、「歌手になる」と同じくらい特別なことで、友人から「いやいや、無理でしょう」って言われるような存在だと思っていました。
でも、実際に自分がその道に進んでみると、全然そんなことはないと感じたんです。実は弟がサッカー選手で、彼にとってJリーグでプレーするということは、「Jリーグに就職する」くらい自然な感覚でした。起業もそれと同じで、興味があれば誰でも挑戦できるもっと身近な選択肢だと思っています。
「起業してよかった」と感じるのは、やっぱり自分に向いていると実感できる瞬間があるからです。人には向き・不向きがありますが、僕自身ずっと「自分で決めていきたい」という想いが強くありましたし、その意味で会社経営は本当に自分に合っていると感じています。
—経営者を目指すうえで大切な要素とは何でしょうか?
これまで本当にたくさんの経営者を見てきました。今は上場して時価総額が数千億円規模になっているような企業の社長さんも、創業したての頃から知っています。
彼らを間近で見てきて感じるのは、ベースとなる「人間性」の部分がとても大きいということです。もちろん、いい意味で“歪さ”のような個性もありますが、それ以上に共通しているのは「人に嫌われない」という点です。
「人に嫌われない」とは、素直さや謙虚さがあって、人の話を聞くのがうまいということ——そうした人としての土台の重要性を、今になって改めて強く感じていますし、自分自身も大切にしている部分です。
あとは「人としての正しさ」です。誠実で謙虚で、相手を尊重できて、思いやりを持っていること。
そしてもう一つ大切なのが「視座の高さ」です。これはオイシックスの髙島社長からもかなり刺激を受けている部分で、「どの視座・どのスケールで物事を見ているか」は、経営者として非常に重要だと感じています。
「一発当てればいいや」と考えている経営者は、実際にはあまり当たらないことが多いんですよ。一方で、「日本一の経営者になる!」といった高い視座を持って本気で取り組んでいる人ほど、実際にそこに近づいていく姿をこの目にしてきました。
さらに、スキル面であえて一つ挙げるとすれば、B2Bの営業経験は起業にとってかなり有利になることです。就職してから起業しようと考えている方であれば、法人営業・B2B営業の現場で一定の成果を出しておくと、その経験が起業後にも必ず生きてくるはずです。
失敗しても、後で絶対に回収する気持ちが大切
—起業を目指している読者にメッセージをお願いします。
起業を目指すとき、失敗は必ずしますし、プライドが傷つく場面もたくさんあると思います。でも、その失敗は後から回収することができます。
僕が学生時代に起業したとき、大手企業の名刺を持つ人たちから「で、君は何している人なの?」と見られることがありましたし、かなり悔しい思いをしてきました。そんな場面でも、「いつかこの経験があってよかったと思える自分になろう」と心に決めて突っ走ってきました。
起業してからも、自信が持てなくなったり、失敗する場面は多々あるでしょう。それでも「失敗は後で必ず回収できるんだ!」というマインドを持っていれば、いつかきっとうまくいく——そう信じてください
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起業には個人事業主としての開業と会社設立の2種類があり、事業形態に合わせて選ぶことが大切です。また、起業のアイデアをまとめたり、事業計画書を作成したりといった起業の流れを把握し、十分な準備を整えるようにしてください。
一度起業すると、資金や従業員の管理、納税など多くの責任を負わなければなりません。過去の成功事例も参考にしながら、自分なりのビジネスを展開できるよう起業アイデアを練ってみましょう。
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