失業保険を受給しながら副業は可能?知っておくべきルールと手続き

失業保険を受給しながら副業をすることは可能なのでしょうか?突然の失業に直面し、生活の不安を抱える中で、収入を確保するために副業を考える方も多いはずです。
しかし、失業保険と副業の関係については誤解が多く、正しい情報を知らないまま行動してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
この記事では、副業中の失業保険の受給可否をはじめ、失業保険を受給する条件や注意点などについて詳しく解説します。
- 【この記事のまとめ】
- 一定の条件を満たせば、失業保険を受給しながら副業をすることは可能です。
- 失業保険を受給するためには、副業をする日数や収入額に注意が必要です。
- 副業をする場合は、ハローワークに副業に関する情報を詳細に報告することが大切です。
副業をしていても失業保険はもらえるのか?

副業をしていても、条件によっては失業保険を受給することが可能です。
基本的に、副業での労働時間が1日あたり4時間未満、週20時間未満の場合は「内職・手伝い」とみなされ、失業保険の受給が認められることがあります。ただし、失業保険の手続き中の「待期期間」には完全な失業状態でいなければ受給することはできません。
失業保険を受給するには、原則として4週間に1回の「失業認定日」にハローワークで失業の認定を受ける必要があります。この際、副業の就労時間や収入額を正確に申告することが重要です。
副業の内容や収入によっては、失業保険が減額されたり、給付が停止されたりする可能性もあるため注意しなければなりません。
重要なのは、副業の状況を正確に申告し、ハローワークの判断を仰ぐことです。不正受給を避けるためにも、副業と失業保険に関する詳細な条件をハローワークに確認し、適切に手続きを行うようにしましょう。
失業保険(雇用保険)の概要
失業保険は、正式には雇用保険の一部である「失業等給付」を指します。この制度は、離職から再就職までの間、安定した生活を送りながら再就職活動を進められるよう、給付や職業紹介を通じて求職者を支援することが目的です。今回は、失業等給付の中でも基本手当に焦点を当てて解説していきます。
雇用保険は公的な保険制度の一つで、失業した場合や子どもの養育のために休業した場合など、一定の条件を満たすことで手当の給付が受けられます。
一般的な失業時には基本手当が支給されますが、突然の解雇や予期せぬ倒産により離職せざるを得なかった離職者については、一般の離職者よりも給付日数や受給要件について免除や緩和などの措置もあります。
失業保険の受給資格を得るためには、原則として離職日前の2年間に通算して12か月以上雇用保険に加入していることが条件となります。また、就職する意思と能力があり、失業中にハローワークに求職の申し込みをし、積極的に求職活動を行っていることも必要です。
失業保険を受給しながら副業をする場合の条件

ここでは、失業保険を受給しながら副業をする場合の条件について解説します。
副業の労働時間に関する制限
失業保険を受給しながら副業を行う場合、労働時間に関する重要な制限が設けられています。
まず、1日あたりの副業の労働時間は4時間未満に抑えなければなりません。これは、雇用保険制度において1日4時間以上の労働を「就職または就労」とみなし、4時間未満を「内職または手伝い」と区分しているためです。
さらに、週単位での労働時間にも制限があり、週20時間未満に収めなければなりません。これは、雇用保険の被保険者として加入できる条件が週20時間以上の労働であるため、それを下回る必要があります。
これらの制限を超えて副業に従事すると、失業状態にないとみなされ、失業保険の支給が停止される可能性があります。複数の副業を掛け持ちしている場合は、その合計時間が制限内に収まるように工夫しましょう。
副業の収入額による影響
失業保険を受給しながら副業を行う場合、その収入額が失業保険の給付に大きく影響するため、注意が必要です。
基本的に、副業での収入が一定額を超えると、失業保険の給付額が減額されたり、場合によっては支給が停止されたりすることがあります。具体的には、副業による収入と失業保険の日額の合計が、前職の賃金日額の80%を超えると減額対象です。
例えば、前職の日額が1万円だった場合、副業収入と失業保険の日額合計が8,000円を超えると減額されることになります。
また、副業の収入が大きく変動する場合も要注意です。月によって収入が大きく変わると、1日に受給できる失業保険の額が変動する可能性があります。複数の副業を掛け持ちしている場合は、それぞれの収入を合算して考えましょう。
待期期間中の副業に関する注意点
失業保険の受給を申請した後、最初の7日間は「待期期間」と呼ばれる重要な期間があります。この待期期間中は、失業保険の受給資格を確認するための期間であり、原則として副業を含むいかなる就労も認められません。
待期期間中に副業を行うと、失業状態にないとみなされ、失業保険の受給に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、待期期間が延長されたり、最悪の場合、不正受給とみなされる恐れがあるため、注意しなければなりません。
たとえ短時間のアルバイトや僅かな収入であっても、待期期間中は一切の就労を避けることが重要です。この期間は、求職活動の意思を確認し、真に失業状態にあることを証明するために設けられています。
待期期間中は、求職活動に専念し、ハローワークの指示に従って必要な手続きを行うことに集中しましょう。
失業前から副業をしている場合

ここでは、失業前から副業している場合の失業保険について解説します。
事業規模の副業と失業保険の関係
失業前から副業を行っている場合、その副業の規模や形態によって失業保険の受給資格が大きく左右されます。
一般的に、事業規模の副業を行っている場合、失業保険の受給が難しくなる傾向にあります。これは、事業規模の副業が継続的な収入源とみなされ、完全な失業状態とは認められにくいためです。
事業規模の副業を行っている場合でも、完全に廃業して失業状態になれば、失業保険の受給が可能になる場合があります。
ただし、廃業届を提出しても実際には副業を継続している場合は、不正受給となるため注意が必要です。失業保険の受給を検討する際は、個々の状況に応じてハローワークに相談し、適切な判断を仰ぐことが重要です。
小規模な副業の場合
失業前から小規模な副業を行っている場合でも、一定の条件を満たせば失業保険を受給できる可能性があります。ただし、副業の規模や労働時間によって受給資格が変わってくるため、注意が必要です。
まず、副業に充てる時間が1日4時間未満かつ週20時間未満であることが重要です。
これは「内職・手伝い」の範囲とみなされ、失業状態として認められる可能性が高くなります。例えば、週に2~3回、1回2~3時間程度の副業であれば、この条件を満たすことができるでしょう。
小規模な副業を続けながら失業保険を受給する場合は、必ずハローワークに副業の状況を正確に申告することが重要です。不正受給とみなされるリスクを避けるためにも、副業の労働時間や収入について正直に報告しましょう。
失業保険申請時の副業の申告方法
失業保険を申請する際、失業前から行っていた副業について適切に申告することが重要です。申告の方法は以下の通りです。
まず、ハローワークで失業保険の申請手続きを行う際、「失業認定申告書」に副業の内容を正確に記入します。この申告書には、副業の種類、労働日数、労働時間、収入額などの詳細を記載しましょう。
次に、給与明細や振込記録など、副業の収入を証明する書類を用意します。これらの書類は、副業による収入が失業保険の受給資格に影響を与えるかどうかを判断する際に使用されます。
申告の際は、副業の実態を正確に伝えることが大切です。副業が単なる「内職・手伝い」程度なのか、それとも本格的な事業なのかを明確にしましょう。この区別は、失業保険の受給資格に直接影響を与える重要な要素です。
失業中に新たに副業を始める場合の注意点

副業は慎重に行わなければ、失業保険が受給できなくなるリスクがあります。ここでは、失業中に新たに副業を始める場合の注意点を3つ紹介します。
待期期間後の副業開始のタイミング
失業保険を受給しながら新たに副業を始める場合、そのタイミングに注意が必要です。
失業保険の申請後、7日間の「待期期間」が設けられます。この待期期間中は、アルバイトや副業など、収入を得る活動を一切行うことができません。待期期間中に少しでも働いてしまうと、その分だけ待期期間が延長されてしまい、失業保険の受給開始が遅れることになります。
したがって、新たな副業を始める適切なタイミングは、この7日間の待期期間が終了した後が最適です。待期期間終了後であれば、一定の条件内で副業をしながら失業保険を受給できます。
ただし、副業を始める際には必ずハローワークに申告する必要があります。申告を怠ると、不正受給と「就職している」と判断され、失業保険の受給資格を失う可能性があるため注意が必要です。
副業開始後の失業保険受給への影響
失業中に新たに副業を始める場合、失業保険の受給に影響が出る可能性があるため、注意が必要です。
基本的に、副業での労働時間が1日4時間未満、かつ週20時間未満であれば、失業保険を受給しながら副業を行うことが可能です。ただし、副業の内容や収入によっては、失業保険の支給額が調整されたり、受給資格が失われたりする場合があります。
副業の労働時間が1日4時間以上になった日は、失業保険の支給対象外となるため、特に注意が必要です。副業のシフトや労働時間は、慎重に管理するようにしましょう。
また、副業で事業主や役員に就任した場合も、失業保険の受給資格がなくなる可能性があります。副業の内容や形態によっては、失業状態とみなされなくなる場合があるため、事前にハローワークに相談し、適切な対応を取ることが重要です。
ハローワークへの報告義務と手続き
失業保険を受給しながら副業を始める場合、ハローワークへの報告は非常に重要です。
まず、副業を開始する前に必ずハローワークに相談し、副業の内容や就労時間、収入見込みなどを詳細に説明しましょう。これは、失業保険の受給資格を維持するために不可欠な手続きです。
報告の際には、副業の具体的な内容、就労時間、収入額を正確に伝えることが求められます。
また、失業認定日には「失業認定申告書」を提出する必要があります。この申告書には、副業で働いた日数や収入額を正確に記入しなければなりません。
虚偽の申告や未申告は不正受給とみなされ、厳しいペナルティの対象となる可能性があるため、細心の注意が必要です。
失業保険受給中の副業による減額や支給停止

ここでは、失業保険の減額基準や支給停止になるケースなどについて解説します。
副業収入による失業保険の減額基準
失業保険を受給しながら副業を行う場合、その収入額によって失業保険の支給額が減額されたり、場合によっては支給が停止されることがあります。
減額の基準は、副業での1日あたりの収入額と、失業前の賃金日額を基に計算されます。具体的には、以下の計算式で求められる金額までは失業保険が減額されません。
賃金日額×0.8−(基本手当日額+1,354円)
賃金日額とは退職前6ヶ月の平均賃金額を指します。例えば、失業保険の基本手当日額が賃金日額の50%(年齢や賃金日額により変動)の場合、賃金日額の約30%+1,354円までの副業収入であれば、失業保険は減額されずに受給できます。
支給停止となるケースと条件
失業保険受給中に副業を行う場合、一定の条件を超えると支給停止となる可能性があります。主な支給停止のケースと条件は以下の通りです。
まず、1日4時間以上または週20時間以上の就労は「就職」とみなされ、失業保険の支給が停止されます。これは、失業保険が失業状態にある人を支援する制度であるため、一定以上の就労は失業状態ではないと判断されるためです。
また、事業を始める場合も支給停止となる可能性があります。個人事業主として事業規模で働く場合や、事業の準備を進める場合は、失業状態とはみなされず、給付の対象外となります。
ただし、収入規模が小さい場合や営利性が認められない場合は、事業所得に該当しないと判断されることもあるため、事前にハローワークに相談してみましょう。
減額や支給停止を避けるための対策
失業保険受給中に副業を行う場合、収入や労働時間によっては給付金の減額や支給停止が発生する可能性があります。これを避けるためには、まず適切な申請手続きを行うことが重要です。
失業保険の申請は、退職後にハローワークで行います。雇用保険被保険者証や離職後に会社から届く離職票や雇用保険被保険者証、本人確認書類、銀行口座情報などの必要書類を準備しておきましょう。
失業認定日には必ず出向き、求職活動の実績を適切に報告することが重要です。副業の状況に変更があった場合は、速やかにハローワークに申告しましょう。
不正受給を疑われないよう、常に正直な報告を心がけることが大切です。これらの対策を実践することで、失業保険の減額や支給停止のリスクを最小限に抑えつつ、副業との両立を図ることができるでしょう。
まとめ
生活を維持するため、失業保険の受給中に副業をする方は多くいます。
一定の条件を満たしていれば、受給額が減額されたり、受給資格が停止されたりすることはないため、収入源の一つとして副業を検討してみても良いでしょう。
副業をする際は、必ずハローワークに業務内容や勤務日数、収入額などの詳細な情報を報告してください。報告を怠り、後から副業の事実が発覚した場合は、受給資格を停止される可能性があるため、注意しましょう。
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- 中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
- 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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