開業祝いの贈り方とは?一般的な相場やおすすめのアイテムを紹介

新しくビジネスを始める人への開業祝いは、贈り物以上の意味を持ちます。新たな船出を祝福し、ビジネスの成功を願う気持ちが込められています。
ただし、贈り方には一定のルールやマナーがあるため、それらを知っておく必要があります。
この記事では、開業祝いの基本から具体的な選び方、おすすめのアイテム、適切なタイミング、予算設定、のし紙の使い方など、実践的な情報を提供します。
- 【この記事のまとめ】
- 開業祝いはビジネスの挑戦を応援し、成功を願う気持ちが込められた贈り物です。
- 開業祝いに送るギフトは観葉植物や花、オフィス用品、食品や飲料が一般的です。
- 贈る相手の業種や事業規模を考慮したギフトが喜ばれます。
開業祝いとは

開業祝いは、新たにビジネスを始める人や新たに店舗をオープンする会社に対する贈り物です。
単なるプレゼントではなく、相手の新しい挑戦を応援し、今後の成功を願う気持ちが込められています。
選び方は、相手との関係性や業種に応じるのが一般的です。
例えば、取引先や業務提携先には、一般的にオフィス用品や観葉植物などの実用的なものが喜ばれる傾向にあります。一方、親しい友人や家族の開業には、個人的なギフトを選ぶケースも考えられます。
開業祝いは、贈ることでビジネス上の関係構築や強化にもつながります。相手の新たな出発を祝福するほか、今後の良好な関係を築くきっかけにもなるでしょう。
適切な開業祝いを選べば、相手への敬意や期待、自分の誠意を表現できます。そのため、開業祝いはビジネスマナーの一環として、意味や選び方を深く理解しておくべきです。
開業祝いを贈るタイミングとマナー

開業祝いを贈る際は、適切なタイミングとマナーを押さえる必要があります。相手の状況を考慮し、気持ちの伝わる贈り方を心がけましょう。
ここでは、開業祝いを贈る適切なタイミングと、基本的なマナーについて詳しく解説します。
開業祝いを贈る適切なタイミング
開業祝いを贈るタイミングは、開業前日から1週間以内程度が理想です。
この期間内であれば、相手が喜んでくれる可能性が高いほか、祝福の気持ちがより伝わりやすくなります。
ただし、開業の準備期間中に贈ることも可能です。相手が開業に向けて忙しい時期に贈れば、励みになるかもしれません。
開業から時間が経っている場合でも、2週間程度であれば贈っても問題ありません。その際は、「遅くなりましたが」などの一言を添えるとよいでしょう。
また、開業の情報を後から知った場合は、知った時点で贈るのが適切です。「今頃になって申し訳ありません」といった謝罪の言葉を添えてください。
タイミングを逃してしまった場合は、周年祝いとして贈るのもよいでしょう。1周年や3周年などの節目の時期なら、祝福の気持ちを自然に伝えられます。
開業祝いの基本的なマナー
開業祝いを贈る際は、いくつかの基本的なマナーを押さえておく必要があります。
まず、贈り物をするときは必ず新品を選びましょう。中古品や使用済みのものは避けるべきです。
包装は丁寧に行い、のし紙をつけてください。
のし紙の表書きは御祝とし、下側に自分の名前を記します。
また、メッセージカードを添えるのもよいでしょう。短い文章で祝福の言葉と、今後の成功への願いを伝えます。ポイントはビジネス用語を使いつつ、心のこもった文面を心がけることです。
贈り物を直接持参する場合は、事前に相手の都合を確認します。突然の訪問は避け、アポイントメントを取るのがマナーです。郵送の場合は、到着日を考慮して発送しましょう。
なお、開業祝いはお返しを期待しての贈り物ではないことを示すため、「お気遣いなく」といった一言を添えるのが望ましいです。相手の負担にならないよう、配慮する姿勢が大切です。
開業祝いの相場と予算設定

開業祝いを贈る際は、適切な予算の設定が欠かせません。相手との関係性や自身の立場を考慮し、相場を参考にしながら予算を決めましょう。
ここでは、一般的な相場の目安と、関係性に応じた予算の設定方法を詳しく解説します。
一般的な相場の目安
開業祝いの一般的な相場は、5,000〜50,000円程度です。
ただし、これはあくまで目安であり、費用は相手との関係性や業界の慣習によって変動します。
例えば、取引先や業務提携先への開業祝いは、10,000~50,000円程度が一般的です。より親密な関係や重要な取引先の場合は、50,000円以上の予算を設定するケースもあります。
一方、友人や知人の開業祝いは、5,000〜20,000円程度が適切といわれます。親しい間柄であれば、金額よりも気持ちを重視した贈り物のほうが喜ばれるかもしれません。
家族や親族の開業祝いは、関係性によって幅広い予算設定が可能です。5,000円程度の実用的な贈り物から、50,000円以上の高額な贈り物まで、状況に応じて選択できます。
関係性に応じた予算の設定方法
開業祝いの予算を設定する際は、相手との関係性を重視すべきです。
適切な予算は、ビジネス上の関係や、私的な関係によって大きく異なります。
ビジネス上の関係なら、取引の規模や重要度を考慮します。主要取引先や今後の成長が期待できる相手には、やや高めの予算を設定するのが一般的です。
同業者や競合他社の開業祝いは業界の慣習に従いつつ、やや控えめな予算設定が適しています。過度に高額な贈り物は、相手に負担を感じさせる可能性があるため注意しましょう。
友人や知人の開業祝いは、これまでの付き合いの深さを基準に予算を決めます。長年の親友であれば、やや高めの予算で気持ちを込めた贈り物を選びましょう。
家族や親族の場合は、家庭の事情や自身の経済状況を考慮します。無理のない範囲で、心のこもった贈り物を選ぶことが大切です。
開業祝いの種類と選び方

開業祝いにはさまざまな種類があるため、選び方次第で相手への思いや期待を効果的に伝えられます。適切な贈り物を選べば、相手の新たな船出を心から祝福できるでしょう。
ここでは、定番の開業祝いギフトと、業種や規模に応じたギフトの選び方について詳しく解説します。
定番の開業祝いギフト
開業祝いの定番ギフトは、以下の通りです。
- 観葉植物
- 胡蝶蘭などの花
- オフィス用品
- 食品や飲料
これらは幅広い業種や関係性に適しているほか、無難な選択肢といえます。
観葉植物は、成長や繁栄の象徴として人気があります。パキラやベンジャミンなど、育てやすい種類を選ぶとよいでしょう。
胡蝶蘭は高級感があり、フォーマルな贈り物として適しています。
オフィス用品では、高級筆記具や名刺入れ、デスクマット、フロアマットなどが定番です。実用性と共に、品格や洗練さを感じさせる商品を選びましょう。
食品や飲料は、お菓子の詰め合わせやコーヒーギフト、高級茶葉などが人気です。長期保存可能なものや、スタッフ全員で楽しめるものを選ぶとよいでしょう。
他にも、置き時計や額縁、インテリア小物なども定番です。オフィスを彩る小物は、長く使用してもらえる点で喜ばれます。
これらの定番ギフトは、相手との関係性や予算に応じて選べます。相手の好みや事業内容を考慮しつつ、心のこもった贈り物を選んでみてください。
業種や規模に応じたギフトの選び方
開業祝いを選ぶ際は、相手の業種や事業規模を考慮しなければいけません。
例えば、飲食店の開業祝いには、高級な食器や調理器具などです。有名ブランドのグラスセットや、質の良いまな板などが最適です。ただし、お店のコンセプトと離れていないか確認が必要です。
美容室やサロンには、タオルセットや観葉植物がおすすめです。清潔感や癒しの雰囲気を演出できる贈り物が適していると考えられます。
オフィス系の事業には、デスクトップオーガナイザーやペーパーウェイトなど、実用的でデザイン性の高いオフィスアイテムが喜ばれます。
小規模な個人事業なら、経営者の負担にならない実用的なギフトを選ぶとよいでしょう。高品質な文房具セットや、ビジネス書籍などが考えられます。
大規模な事業や企業の開業祝いには、より格式高いギフトが求められます。高級な置き時計や、伝統工芸品などが喜ばれる可能性が高いです。
ギフトを選ぶ際は、業種や規模に関わらず、相手の事業内容や経営理念を反映させたものを選びましょう。
開業祝いのおすすめアイテム

開業祝いには、さまざまなアイテムがあります。しかし、相手に喜ばれる贈り物を選ばなければ、意味がありません。
ここでは、特におすすめのアイテムとして、花や観葉植物、実用的なギフト、食品や飲料の3つのカテゴリーを紹介します。
花や観葉植物
花や観葉植物は、開業祝いの定番として人気です。
新しい門出を祝福し、事業の成長や繁栄を願う気持ちを込めやすいアイテムといえます。
特に、胡蝶蘭は高級感があるため、フォーマルな贈り物としておすすめです。白や淡いピンクなど、清楚な色合いを選ぶとよいでしょう。大輪の花が咲く3本立てや、5本立てが一般的です。
観葉植物では、パキラやベンジャミン、ガジュマルなどが人気です。これらの植物は育てやすく、長期間楽しめます。サイズは60cm〜1m程度のものが扱いやすいため、贈り物に最適です。
実用的なギフト
実用的なギフトは、開業祝いとして人気です。
相手の業務に直接役立つものを贈ることで、実用性と心遣いを両立できます。
なかでも、定番は高級筆記具です。万年筆やボールペンセットなど、品質の良いものを選びましょう。有名ブランドの製品は、長く愛用してもらえる可能性が高いです。
名刺入れも、実用的な贈り物として適しています。レザー製やメタル製など、素材やデザインはさまざまです。相手の好みや業種に合わせて選ぶとよいでしょう。
デスクマットやブックスタンドなど、オフィス用品も喜ばれます。デザイン性と機能性を兼ね備えたアイテムを選べば、相手のデスク周りを彩れるはずです。
また、タブレットケースやノートパソコンバッグなど、IT関連のアクセサリーも実用的です。
ただし、贈り先へ事業内容や好みもふまえて考える必要があります。
食品や飲料
食品や飲料は、開業祝いとして幅広く受け入れられるギフトです。
スタッフ全員で楽しめる点や、長期保存が可能な点が魅力といえます。
高級茶葉やコーヒー豆のセットは、オフィスでの休憩時間を豊かにする贈り物として人気です。有名ブランドや産地にこだわったものを選ぶとよいでしょう。
お菓子の詰め合わせも定番です。クッキーやチョコレート、せんべいなど、さまざまな種類を取り揃えたギフトセットが喜ばれます。地域の特産品を含めるのもよいでしょう。
また、長期保存可能な缶詰やレトルト食品のセットも実用的です。非常食としても活用できるため、高級な素材を使用したものを選ぶと贈り物としての格も上がります。
ノンアルコール飲料のセットも、比較的喜ばれる贈り物です。炭酸飲料やフルーツジュース、スムージーなど、バラエティに富んだセットを贈るとよいでしょう。
贈り先の好みやどれくらい保存が効くかなどの視点に注意して、選びましょう。
のし紙や水引の正しい使い方

ここでは、のし紙や水引の正しい使い方を詳しく解説します。
のし紙の選び方と書き方
のし紙は、贈り物に添える伝統的な装飾品です。
開業祝いの場合は、表書きに御祝を使用します。赤色ののし紙を選ぶのが一般的ですが、白色も使用できます。
書き方は、のし紙の上部中央に御祝と記し、下側に贈り主の名前を書きます。会社からの贈り物の場合は、会社名と個人名を併記するのが望ましいです。
のし紙の種類には、蝶結び、結びきり、結びなしがあります。開業祝いには、おめでたい場面に使用する蝶結びが最適です。
水引の種類と使い分け
水引は、のし紙に付ける飾り紐です。結び方や色によって、意味が異なります。
開業祝いには、おめでたい場面に使用する蝶結びが最適です。
蝶結びは、両端が蝶の形になっている結び方です。何度でも結び直せることから、末永い繁栄を願う気持ちを表現できます。
色は、赤と白の2色を使用するのが一般的です。水引の色には意味があり、赤白はめでたい意味を表します。
メッセージカードの書き方とポイント

ここでは、メッセージカードの書き方とポイントを解説します。
基本的な文例と構成
メッセージカードの基本的な構成は、以下の4つから成り立ちます。
- 挨拶
- 祝福の言葉
- 今後の成功への願い
- 結びの言葉
定番の文例は、以下の通りです。
挨拶文 | このたびは開業、誠におめでとうございます。 |
---|---|
祝福の言葉 | 長年の夢が実現されたことを心よりお喜び申し上げます。 |
今後の成功への願い | 今後ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 |
結びの言葉 | 末永くご活躍されますことをお祈りしております。 |
これらの要素を組み合わせ、2〜3文程度にまとめましょう。相手の事業内容や経営理念に触れると、より個人的で温かみのあるメッセージになります。
関係性に応じたメッセージの書き分け
メッセージカードの内容は、相手との関係性に応じて書き分けるべきです。
ビジネスの関係か、私的な関係かによって、適切な言葉遣いや内容が異なります。
取引先や業務提携先には、フォーマルな言葉遣いを心がけます。
例)貴社の開業を心よりお祝い申し上げます。今後とも末永くお付き合いいただけますと幸いです。
同業者や競合他社には、敬意を込めつつも、やや控えめな表現を使います。
例)業界の発展に寄与されることを期待しております。共に切磋琢磨できることを楽しみにしております。
友人や知人の開業には、より親しみやすい言葉遣いで個人的な思いを込めます。
例)長年の夢だった開業、本当におめでとう。これからの活躍を楽しみにしているよ。
どのような関係性でも、相手の努力を認め、今後の成功を願う気持ちを込めることが大切です。
まとめ
開業祝いを贈る際は、タイミングやマナーを重視し、相場に応じた予算設定が欠かせません。
花や観葉植物、実用的なギフト、食品や飲料など、さまざまな選択肢のなかから最適なものを選びましょう。
また、のし紙や水引の正しい使い方、メッセージカードの書き方も押さえておけば、心のこもった贈り物になります。相手の新たな挑戦を祝福し、今後の成功を願う気持ちを込めて贈りましょう。
- 記事監修
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- 中野 裕哲 HIROAKI NAKANO
- 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP 技能士。 V-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「あの起業本」の著者。著書16冊、累計20万部超。経済産業 省後援「DREAMGATE」で11年連続相談件数日本一。
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